40年前、アメリカで移送中の犯罪者が被害者の父親に射殺される場面がTVカメラに捉えられ、世界的な話題となった。それは単なる衝撃映像としてではなく「親子愛」によってもたらされた復讐劇として受け止められている。 本稿では、被害者ジョディ・プラウシェが、家族のために、そして自分と同じような性暴力被害者たちに向けて体験を綴った著書『Why, Gary, Why?』を下敷きとして、事件を振り返りたい。事件後の家族の軌跡、ジョディの回復プロセスやその後の活動を知りたい方は原文を一読されたい。 家族 1945年、ルイジアナ州バトンルージュに生まれたレオン・ゲイリー・プラウシェは、子どもの時分から落ち着きのな…