暗雲から覗くもの 今から20年ほど前の夏の夜、午後7時頃のことです。 空はどんよりと曇り、今にも雨が降り出しそうでした。日はすでに落ち、辺りは薄暗く、遠くで雷の音が響いています。 場所は千葉県成田市並木町。私は東関東自動車道に乗るため、富里インターへ向かっていました。一本松通りが国道51号線に交わる交差点で信号待ちをしていました。右前方の信号機を何気なく見ていると。 突然、雲の底に雷が落ち、雲の底に稲妻が光りました。 だが、普通の稲光とは違い、その光は円を形作りなら雲の底をゆっくりと大きく広がっていったのです。 それはまるで、異世界からこちらを覗き込む巨大な瞳のようでした——。 『青月 日日』…