川の源は小さな雫。岩の割れ目から落ちる一滴。いや地面から滲み出るシミかもしれない。 山歩きをしていると有名無名、本流枝流の多くの川の源に接するだろう。沢を詰めて稜線に上がるというルートが多いからだ。日本一長い川は信濃川だがその源流には水源を示す碑があった。それは甲武信岳への登山ルートだった。途中はつまみ食いだが新潟市の万代橋で悠々と日本海に注ぐ信濃川を見た。あのほとばしりがこれか、と思った。 川を最初の一滴から海までたどるのは面白い。何もない山から渓谷をきざみダムになり人々が営為を成す街をめぐり、大河となり海に注ぐ。起承転結がある。 地元の街を流れる一級河川鶴見川。奇麗な川ではない。子供の頃は…