「電人M」という怪奇推理小説があった。ポプラ社の少年文庫だ。明智小五郎に小林少年と言えば江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズだ。幾冊もあるこの文庫本シリーズは小学生の自分を夢中にさせた。学校の図書室には全巻あったので片っ端から借りていた。自分も少年探偵団に入りたいと思うのだった。電人Mはその中の一冊だった。もちろんそれは怪人二十面相が変装した宇宙人であり地球征服をもくろんでいた。明智小五郎と小林少年、少年探偵団の活躍で大団円を迎えるのだ。なぜ電人Mという名前のなのか?Mというアルファベットは子供心に怖い印象を残した。 十八歳にもなると色気づいてくる。仲間と勢いで歌舞伎町に行こうという話になる。今は…