「私なんか…」 この言葉を何度、誰から、そして自分自身から聞いてきたでしょうか。 私は老人ホームで介護士として働いています。日々、高齢者の方々と接する中で、笑顔や感謝の言葉をいただくこともあれば、時には「申し訳ないね」「私なんかがこんなことしてもらって…」と、遠慮がちにおっしゃる方にも多く出会います。 でも、その「私なんか」に、私はいつも心が引っかかります。 「私なんか」の奥にある想い 介護の現場では、人生の先輩方が日々を懸命に生きています。戦後の苦しい時代を乗り越え、家庭を守り、子どもたちを育て、社会を支えてこられた方々。 その方々が「私なんか」と自分を小さく見積もる姿を見るたびに、何とも言…