君に恋ひ 甚も術なみ 平山の 小松が下に 立ち嘆くかも (きみにこひ いたもすべなみ ならやまの こまつがしたに たちなげくかも) 笠郎女(かさのいらつめ) 万葉集・巻四・593 〈現代語訳・口語訳〉 君が恋しくてせん術もなく奈良山の小松の下に立って嘆いています。 ※笠郎女(かさのいらつめ) 生没年不詳。奈良時代中期の歌人。一説には笠金村の娘。大伴家持とかかわりのあった十余人の女性のひとりで、同時代では大伴坂上郎女とならび称される女性歌人。『万葉集』巻三、巻四、巻八に計29首の歌が収蔵されています。内訳は、収載されている。内訳は、譬喩歌(ひゆか)3首、相聞歌24首、春および秋の相聞各1首。いず…