外出時の公衆トイレにて、思いにふけった。 老人性の夜間頻尿癖(というべきか症状というべきか)はつねのことだが、眼覚めている時間帯だって、ふいに襲い来る尿意に脅威を感じることがある。数時間前に用を足したばかりだから、わが膀胱はまだ耐えられるはずと判断がつくものの、切迫感は激しい。思わず公衆トイレを探し、もしくは拝借できそうな店に入店しようかと、あたりを眺めまわすことになる。 あながち生理的欲求とばかりは云えぬと考えている。なにごとかに意識集中していて、思いのほか長時間も用足しせずに過すこともあるからだ。つまり心理的要素と絡み合った欲求なのではないだろうか。 とはいえいったん兆してしまった欲求は耐…