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絶対音感

(音楽)
ぜったいおんかん

一般的な定義は、「耳にした音*1を全て音階として認知することができる能力」とされている。しかしこの定義はノンフィクション「絶対音感」で広まった定義と思われる。音高や音程の感覚以外の能力、複合的な技能を絶対音感として誤解誤用している例が見られる。
音感は、音の高さを感じ、音階にあてはめてその位置を判定し、音名・階名などで表現することである。絶対音感は判定の基準となる音階が固定されており、その位置を音名・固定ドで表現する。特定の音階の音高を長期記憶に保持して、それを絶対的な基準として用いる。絶対音感に必要な音高を長期記憶する能力は幼児期が臨界であるとされている。
絶対音感の分解能・精度・判定速度には個人差がある。また特定の楽器の音色に依存する場合もある。周波数レベルで理解できるとする説明もあるが1Hz刻みでの記憶を幼児期に訓練することは現実的ではない。音の高さを感じることができるのは、純音・楽音に限られ、明確な周波数成分のピークを持たない噪音の音高がわかるという音感は妄想である。
絶対音感に対して相対音感という音高の判断方法がある。絶対音感と相対音感は両方を持つことができ、絶対音感は相対音感で補完することで音楽的に意味のある音感として機能する。絶対音感の習得後に、より精密な相対音感の訓練を行わないと、音楽的に不自由な音感になってしまう。

*1:鳥の鳴き声や人の喋り声、時計の針の音など自然の音も含む

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