音感は、音の高さを感じ、音階にあてはめてその位置を判定し、音名・階名などで表現することである。相対音感は音名・階名が分かっている音を聴き、その音を記憶し、音程の感覚で音階の音高を判定の基準として対象となる音高を判断する。表現の方法は音名・固定ドや階名・移動ドで行う。基準の音高は可変であり、平均律に限らず様々な音律にも対応する。
相対音感の分解能・精度・判定速度には個人差がある。判断可能な差異は±20セント程度である。2つの音を同時に聴く場合は、合成された波形に周波数の差で音量のうなりが発生するので、これを手がかりとして判断することもある。
音の高さを感じることができるのは、純音・楽音に限られ、明確な周波数成分のピークを持たない噪音の音高がわかるという音感は妄想である。
相対音感に対して絶対音感という音高の判断方法がある。絶対音感と相対音感は両方を持つことができ、絶対音感は相対音感で補完することで音楽的に意味のある音感として機能する。絶対音感の訓練は幼児期を臨界期として行う必要があるが、絶対音感の習得後に相対音感の訓練を行わないと、音楽的に不自由な音感になってしまう。絶対音感で記憶している音階に拘り、相対音感が十分に機能しないこともある。