楽器の音高をある音律に調整する作業(チューニング)。楽器の整備を総合的に含んでいうこともある。
普通は「調律(チューニング)」、「整調(機構の整備)」、「整音(音色の調整)」を合わせた作業をいう。
調律に関しては、「音律」、「平均律」を参照。
ピアノ内部の機構(アクションと呼ぶ)は、微妙な温度・湿度変化、または衝撃・頻繁な使用によって、その主な素材である木部、金属、フェルト類が、変形・磨耗したりする。その機構および鍵盤等の、個々の動きを把握し、タッチと音量のバランスを整備する作業を整調という。
中でも直接、弦を打つハンマーフェルトは、その硬さ・形が微妙に音色を左右するので、針刺しをして柔らかくしたり、サンドペーパーによって成形したりする。この音色の調整を整音という。
この他にも発音・止音の不具合修繕、弦の張替え、さらには塗装・木工修理等の技術も、ピアノ技術者には欠かせない。そのため欧米では調律師(Tuner)の呼び名よりも、技術者(Techician)の呼び名の方が主流なようだ。その解釈の差異により、日本よりもピアノ一台につき、入念な労力と時間を費やす考え方が普及している。