冷蔵庫の中身を気にしながら、スーパーの特売チラシを真剣に見比べている人がいる。名前を聞くと、ブッダだと言う。 その隣で、商店街の福引きに本気で並んでいるのが、イエス・キリストだと言われたら、さすがに二度見する。 けれど『聖☆おにいさん』の中では、これがごく普通の一コマとして流れていく。二人とも姿を偽っているわけでも、力を封じられているわけでもない。ただ、東京・立川で、いたってふつうに暮らしているだけだ。 「神様が人間の暮らしをする」という思いつき自体は、探せば他にもあるかもしれない。ただし多くの場合、そのネタは早々に尽きる。この作品がしぶといのは、家賃、特売、福引き、コンビニの新商品といった、…