三世代遊び場図鑑(©荻原礼子) 松久義也は、自分がフランスの文豪:Anatole Franceの生まれ変わりではないかと思ったことがしばしばある。アナトールは生まれてこの方、「ウソをついたことがなく、ましてや人のモノを盗むことなど、したことがなかった。」だけど、さすがに世の中で生きていくには、折れ合わねばならない。大人たちに、「悪いことをしたことを、懺悔しなさい」と言われ続けたアナトール、しかたなくだが、解決策を見出した:「そうか、悪いことをすれば良いんだ。」これで目出度く、アナトールは人間社会で生きていく資格を手に入れた。松久義也にも、本人が善意で行ったことを悪事と決めつけられたことが何度も…