あえのこと奥能登などで行われる「あえのこと」は、田の神を家に迎え、厚くもてなし、翌年また田に送り返すという民俗行事で、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。田の神を、目には見えないが実在の客人として扱い、食事・風呂・休息をご案内し、翌春の豊作を祈って丁重にもてなすという農耕儀礼だが、お正月の「年神様」やお盆の祖霊祭りもこの系譜だ。これは人智学の視点で見ても、大変興味深い。一番興味を引く点は、実際には田の神も何も見えないが、“いることにして”案内する、という点だ。「見えないものを、いる者として扱う」のは、なぜなのだろう?人智学では、農耕とは大地・植物・人間・霊的存在の四重の協働だと見る。田の神…