山形と宮城にまたがる蔵王連峰(ざおうれんぽう)には、標高1700メートルを超える山頂と麓との間をご神体が毎年「お引っ越し」し続ける、ちょっと変わった神社があります。 今週のお題「引っ越し」に合わせてお送りするのは、厳しい気候の中で地元の人たちが大切に守り続ける蔵王のシンボルのお話です。 複数の山からなる蔵王連峰の一つ、刈田岳(かっただけ)の山頂付近。 蔵王と言えば冬は樹氷、春夏は雪解けとともに現れる束の間の美しい緑、そして秋は極彩色の紅葉と、全国的にも有名な観光スポット。 「蔵王」という1つの山があるわけではなく複数の山が連なりあって連峰を形成していて、そのうち3番目に標高が高い刈田岳(かった…