元プロボクサー。 1966年に静岡県清水市で起きた殺人放火事件(袴田事件)で逮捕され、死刑判決を受ける。 2013年4月、「世界で最も長く収監された死刑囚」として、75歳の誕生日である11年3月10日付でギネス認定された。認定の対象期間は、静岡地裁で死刑判決を受けた一審判決の1968年9月11日から2010年1月1日までの42年間。 2014年3月27日、再審開始が決定。17時20分すぎ、釈放され、東京拘置所を出た。 * リスト::ボクサー
※この記事は後編です。前編はこちらです。【傍聴記】第10回公判/証人尋問① 《前編》:裏切りの検察側証人【袴田事件再審】 - 清水っ娘、袴田事件を追う さて、後半戦は、いよいよ法医学界の重鎮・神田教授への尋問。検察側が証拠とする、”7人の法医学者による共同鑑定書”をまとめた張本人である。 そんなオーラを身に纏い、慎重に落ち着いて話されるような方だったので、前編に比べて面白さには欠けます。すみません。 池田教授の尋問が予定時間をかなりオーバーしたようで、この日は弁護側からの反対尋問の途中までになった。 検察側証人②:神田芳郎先生(久留米大学医学部教授) 神田教授の登場。池田教授の暴走を受けてか、…
2024年3月25、26、27日の3日間、袴田事件再審第10回、11回、12回公判。全15回の公判も終わりに近づき、いよいよ最大の山場となる証人尋問の日がやってきた。 1日でも見られればいいな…くらいに思っていたのだが、なんと1日目も3日目も当選してしまった。これで6回目と7回目の傍聴になる。徐々に恨まれつつあるのをひしひしと感じながらも、今回も元気に傍聴して参りましたので、傍聴記を書かせていただきます。 証人尋問を終えて、これで完全に勝ったな、という確たる手応えを感じました。弁護側証人が淡々と述べる一方で、検察側証人が墓穴を掘りまくり、いったい何のための証人尋問なのかよくわからないほど。笑い…
2024年1月17日水曜日。前日に引き続き、袴田事件再審第7回公判。今回も、西嶋先生の笑顔のような快晴。 この日は「東住吉事件」で無期懲役が確定したが、後に再審無罪となった青木惠子さんがいらっしゃっていた。公判前にひで子さんも駿府公園のほうにいらっしゃって、抱き合う姿が印象的だった。 午前10時ごろ。青木恵子さん、ひで子さん、小川先生 今回、私はまたもや当選!もう4回目である。傍聴券をもらいに行ったところ、地裁の職員さんにも顔を覚えられているようだ(笑) 今回の公判は、弁護側から以下の3点についての主張。 (1)遺体の写真(縄の痕、暴行を受けた様子など)の提示(小川先生)(2)自白について(田…
2024年1月16日火曜日、今年初めとなる、袴田事件再審第6回公判。この日はかなり寒いということで、防寒をしっかりして静岡地裁に向かったのだが、むしろ少し汗ばむくらいで、美しい青空が広がっていた。 その3日前、とても悲しい知らせが届いた。 袴田事件弁護団長の西嶋勝彦先生が、2024年1月7日に82歳でお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈りいたします。 車椅子に酸素チューブというお姿でも、いつも力強く聡明に弁護活動を続けられる姿勢を、心から尊敬しておりました。 実は、昨年12月の第5回公判の際、私が裁判所1階で休んでいたところ、気付いたら近くに西嶋先生がいらっしゃっていて、なんと、西嶋先生…
2024年がやって参りましたね。昨年お世話になった多くの皆様に心の底から感謝申し上げます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 また、能登半島地震、航空機事故によって被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。 新年早々辛いニュースが続きますが、これから皆様にとって幸福がたくさん訪れますよう、お祈り申し上げます。 今年はきっと、巖さんが真の自由を取り戻し、ひで子さん、また弁護団の先生方、支援者の方々などに素晴らしい幸福が訪れることでしょう! 私も微力ではありますが、無事に無罪判決が下されるまで、気を抜かずがんばっていきます。年女という節目でもありますし、ここでしっかり気合いを入れてお…
お久しぶりです。長らくサボっていたというか、気付いたらもう年の瀬も年の瀬で、マジ師走~という感じです。 さて、随分前ですが、12月16日土曜日、浜松の「袴田事件がわかる会」(ゲスト:浅野健一さん/ジャーナリスト)に参加する前に、また袴田家にお邪魔させていただきました! この日は晴れてあたたかく、遠州のからっ風もなし。 11時半ごろ袴田家に到着。袴田さん支援クラブの猪野待子さんがすぐに、「巖さん、23歳が来たよ!」と声をかける。…私、23歳と呼ばれていたのか(笑) お昼に天丼をいただくことに。待子さんは忙しそうにすぐに出かけてしまったので、袴田家でひで子さんと巖さんと三人きり。 ひで子さん・巖さ…
こんにちは。やっとこたつでぬくぬくと書くようになりました。 さて今回は、「袴田事件」についてあまりよく知らない方向けに、改めて解説しよう!という記事です。 よく知っている方は再確認していただいて、ぜひ拡散お願いします! そもそも私がブログを始めたのは、袴田事件に興味がない人に向けてもっと発信したい!という思いからだったのですが、おそらく多くの人から見たらちんぷんかんぷんであろう傍聴記などを書いているうちに、当初の目的とはだんだんずれてしまっていました(笑) 今回は「袴田事件」ってそもそもどういう事件だったの?なぜ冤罪と言われているの?今はどういう状況なの?など、私の知る範囲内ですが、なるべく簡…
2023年11月10日金曜日。静岡地裁にて、袴田事件再審第2回公判。 静岡はあいにくの雨。天気のせいか、二回目だからなのか、人もカメラも少ない。 今回は見事傍聴券が当選して、裁判を生で見届けることができた!!! なので今回は待望の(?)傍聴記。本当は当日のうちに書きたかったのだが、疲れもあってなかなか書き終わらず……。遅くなってすみません。その分ボリュームはかなりありますので! ※正確に把握できていない部分もあるかもしれないので、あまり鵜呑みにはしないでください。だいたいの雰囲気だけ味わっていただければありがたいです。 今回は「検察官の主張①」(犯人はみそ工場関係者であり、袴田さんが犯行を行う…
「袴田事件」についてご存じだろうか。 おそらく大半の人があまり詳しくは知らないだろう。すでに無罪になった冤罪事件だと思っている人も多いかもしれない。 事件現場の近く、静岡県の清水で生まれ育った私も、つい最近までこの事件のことなど何も知らずに生きてきた。 袴田さんが釈放された2014年当時、私は中学1年生で、はっきりした記憶はない。近くで起こった事件だと知ってはいたが、おそらくほかの四つの死刑冤罪事件と同列にしていたと思う。 それほど、袴田事件は私にとって近いようで遥か遠い事件だった。 私は2000年生まれの現在23歳。昨年度大学を卒業、今はフリーライターをしている。...なんてかなり大袈裟に言…
10月28日(土)の新聞のビッグニュースは袴田巌さんの再審開始! 事件と袴田さんを巡る経緯の記事がありました。(中日新聞より抜粋) (1966.6.30 事件発生 8.18 逮捕 11.15 初公判 ) 1968.6.30 静岡地裁が死刑判決。 1980.11.19 【最高裁】上告棄却。のちに死刑が確定 1981.4.20 第1次再審請求 2008.3.24 【最高裁】再審開始を認めず2008.4.25 第2次再審請求 2014.3.27 静岡地裁が再審開始決定。死刑の執行と拘置が停止、釈放 2018.6.11 東京高裁が再審開始決定を取り消し 2020.12.22 【最高裁】が高裁に差し戻す…
袴田事件の再審公判で検察は被害者家族の意見陳述を裁判所に求めた。 被害者の長女は袴田巌さんが釈放された翌日に自殺した。 この事実は何を意味するのだろうか? 検察は袴田巌さんが犯行に使用した5点の衣類の「DNA鑑定」を弾劾できないから、今回のような愚挙に出た。 静岡県警は戦後冤罪のオンパレードであった。 しかし最近不祥事が続いている。 静岡県警はクズだ!
死刑執行を当日に通知する運用は違憲だと死刑囚2人が訴えていた訴訟で、大阪地裁は訴えを退けた。だが、当日の通知では家族らとの面会もできない。国際的には非人道的な扱いとみなされる。この運用は見直されるべきだ。 死刑執行は今なおベールの中。現在の運用では執行当日、1~2時間前に知らされ、そのまま死刑囚は刑場に連行されるという。 この運用だと不服申し立てができず、「適正な手続きによらなければ処罰されない」と定めた憲法31条に反するとの訴えだった。 だが、大阪地裁は「死刑囚は現行の運用を含めた刑の執行を甘受すべき義務を負う」と述べて、原告の求めを退けてしまった。 死刑は人の生命を奪う特別な刑罰である。執…
たんぽぽ舎です。【TMM:No5008】 2024年4月13日(土)地震と原発事故情報− 4つの情報をお知らせします 転載・転送歓迎 ━━━━━━━ ★1.4/11いわき市民訴訟の最高裁上告却下に怒り 福島原発事故と同様な事故を二度と起こさせない 大きな世論の風を吹かせよう 岸本紘男(福島原発被害者訴訟支援全国ネットワーク) ★2.首都圏連絡会より原電へ5点の質問書 (防潮堤施工不良の原因は?…など)、 要請書の読み上げ、日本原電6人衆の歌、3つの行動提起、 被災し老朽化した東海第二原発を動かすな!(シュプレヒコール) 3.11第68回日本原電本店抗議行動 報告 (その5) とめよう!東海第二…
<容疑者逮捕の場面をテレビで流し、顔写真を新聞や雑誌にそのまま掲載することが冤罪に加担するかもしれないと認識している記者はどれぐらいいるのか> 4歳次女殺害の容疑者のマンションから出る捜査員 朝日新聞社/時事通信フォト 最近、4歳の次女を殺害した疑いで、父親および母親が逮捕された。逮捕の場面はテレビカメラで撮影され、放送された。何十年にもわたり、日本のテレビや新聞で何度も同じような場面が放送されたり、写真が掲載されたりしているので、多くの視聴者や読者は全く違和感を覚えないかもしれない。でも、私からするとあり得ない報道の仕方だ。【西村カリン(ジャーナリスト)】 今回も、「無罪の推定」を全く無視す…
袴田事件の再審公判において静岡地裁は傍聴人に対して持ち物検査など過剰な管理体制を強いている。 また静岡県警は絶えず見張っている。 本来であれば全国民が袴田事件の再審公判を知るべきである。 袴田巌さんと袴田秀子さんの人生を蹂躙して、反省するどころか傍聴人を監視する静岡県警。 人間のすることではない! npokitchengarden.hamazo.tv
58年前、静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審=やり直しの裁判は最大のヤマ場を迎え、争点となっている「5点の衣類」に付いた血痕の色について、検察側と弁護側の専門家5人が一堂に会する形で尋問が行われました。 58年前の1966年に、今の静岡市清水区でみそ製造会社の一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審では27日、検察側の専門家2人と弁護側の専門家3人、それぞれに見解を尋ねる「対質」と呼ばれる尋問が行われました。再審では、事件の発生から1年2か月後に、現場近くのみそタンクから見つかった「5点の衣類」に付いていた血痕に、赤みが残っていたことが不…
いわゆる袴田事件の再審は5点の衣類に付着した血痕の色について、法医学者らの証人尋問が始まりました。証言した1人は「一般論では血痕は黒くなるが弁護側の実験も不十分」と述べました。 袴田巌さん(88)は1966年旧清水市で、みそ会社専務一家4人を殺害したなどとして、死刑が確定しています。 去年10月に始まった再審やり直し裁判では、事件から1年2カ月後にみそタンクの中から見つかった5点の衣類が、袴田さんの犯行着衣かどうかが最大の争点となっています。 弁護側は、これを捜査機関がねつ造した証拠だとして、5点の衣類についた血痕の色について 「赤みは消える」と主張。 一方の検察側は、「赤みが残る可能性はある…
支援者に連れられ、日課の散歩に出かける袴田巌さん(右)=25日午後、浜松市 1966年に静岡県清水市(現静岡市)でみそ製造会社専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第10回公判が25日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であり、検察側が請求した証人の尋問が行われた。久留米大の神田芳郎教授(法医学)は、弁護側の鑑定を疑問視し、再審開始を認めた昨年3月の東京高裁決定について「科学リテラシー(知識や判断力)がない」と批判した。 神田氏は、最大の争点となっている「5点の衣類」の血痕の色調について「赤みの定義は観察者の主観によって変わる」とした上で「絶対に赤みが残らないことを証明す…