日本の音楽シーンに確固たる足跡を残したオフコース。その約20年にわたる活動の中で、バンドの形が大きく変わる二つの重要な節目がありました。1982年の鈴木康博さんの脱退と、1989年の最終解散です。これまでの議論では、後者の解散時の方が「状況が悪かった」と語られがちでしたが、果たして本当にそうだったのでしょうか? 前回の記事「オフコースの「さよなら」はなぜ伝説になったのか?鈴木康博が脱退した本当の理由」では、鈴木さんの脱退の背景に迫りました。今回は、その続編として、オフコースというバンドが持つ独特の美学と、メンバーそれぞれの「けじめ」が表れた「クールな儀式」という視点から、二つの別れを深掘りして…