中央公論新社主催の文作賞。選考は非公募で年に1回、ただし該当作のでない年も多い。受賞は『中央公論』誌で発表される。
新人輩出のために1956年(昭和31年)より設けた「中央公論新人賞」を、中央公論社創業80周年を記念して同賞を発展的に解消し、全文壇を対象とする「谷崎潤一郎賞」を1965年(昭和40年)に、新たに設定したもの。(以上、イーエスブック・文学賞ページを参考にしました)。谷崎賞。
三大・渋い文学賞(個人的印象です) 芥川・直木以外にも文学賞はいろいろ(本当にいろいろ……)ありますが、谷崎潤一郎賞・泉鏡花文学賞・川端康成文学賞の三つは、個人的に「あまり目立たない賞だけど、いつも面白そうな小説が受賞しているなあ」という渋い賞という印象があります。(最初から失礼な物言いで申し訳ないのですが……) また全体的に、新人賞ではなくある程度のキャリアのある作家に与えられる賞という感じもしますね。(厳密にそういうわけではないです) 今回は自分用メモも兼ねて、とりあえず2010年以降のこの3賞の受賞作をリストアップしてみました。 谷崎潤一郎賞 中央公論新社主催 選考委員:2010年から …
2023/1/12 読了 私の文学史: なぜ俺はこんな人間になったのか? (NHK出版新書 681) 著者 : 町田康 NHK出版 (2022年8月10日発売) 私の文学史: なぜ俺はこんな人間になったのか? (NHK出版新書 681) 作者:町田 康 NHK出版 Amazon f.2023/1/12 p.2022/9/17 from amazon site パンク歌手から芥川賞作家、そして唯一無二の文人へ。町田康、はじめての自分語り! 独特な文体・語法と奇想天外な物語で幅広い読者を有し、多数のヒット作を発表してきた作家・町田康。一度読んだらやみつきになる、あの唯一無二の文学世界は、いかにして…
青年団第96回公演「日本文学盛衰史」(3回目)@吉祥寺シアター 青年団「日本文学盛衰史」*1の5年ぶりの再演。 原作:高橋源一郎 作・演出:平田オリザ 吉祥寺公演 2023年1月13日[金] - 1月30日[月] 伊丹公演 2023年2月2日[木] - 2月6日[月] 文学とは何か、人はなぜ文学を欲するのか、人には内面というものがあるらしい。 そして、それは言葉によって表現ができるものらしい。 しかし、私たちは、まだ、その言葉を持っていない。 この舞台は、そのことに気がついてしまった明治の若者たちの蒼い恍惚と苦悩を描く青春群像劇である。高橋源一郎氏の小説『日本文学盛衰史』を下敷きに、日本近代文…
小説というものには作者の生まれ育った地域の影響が少なからず出ているように思います。そこで北海道に住んだことのある作家を一覧にしてみました。受賞歴や映像化、漫画家された馴染みのある作品を中心に紹介したいと思います。(50音順) ア行 朝倉 かすみ(あさくら かすみ) 主な受賞歴 おすすめ作品 東 直己(あづま なおみ) 主な受賞歴 映画化作品 おすすめ作品 安部公房 (あべ こうぼう) 主な受賞歴 映画化作品 おすすめ作品 荒巻 義雄(あらまき よしお) 主な受賞歴 漫画化作品 おすすめ作品 有島武郎(ありしま たけお) 映画化作品 おすすめ作品 池澤 夏樹(いけざわ なつき) 主な受賞歴 おす…
作家の加賀乙彦さんが亡くなったことが、朝日新聞(2023年1月19日)朝刊に出ていた。93歳で、1月12日に逝去された。老衰とのことだ。加賀さんは、本名は小木貞孝で精神科医だ。『頭医者』という、東大の精神医学教室(赤レンガ)をモデルとした小説を書いていた。萬年甫さんが、小説に出てきたりしていて面白く読んだ。本郷一丁目の弓町にある本郷ハウスという高層マンション(50年前に出来たので先駆的な建物だ)に住んでいるらしかった。昭和47年に私が働いていたのが弓町教会の近くのビルにあったので、興味深く感じていた。このマンションには、テレビで有名な評論家の田原総一朗さんも住んでいるらしかった。本郷は後楽園へ…
小川公代さん*1のツィート;加賀乙彦さんが亡くなられた。大学で犯罪心理学や精神病理学を専攻、拘置所で医務部技官として拘禁心理を研究し『宣告』では「死刑囚の心理を描き、信仰と人間の救済を見つめた。」呼びかけ人の一人として「脱原発文学者の会」を発足させ社会問題にも積極的に発言されていた。https://t.co/tDQAWhYPmi— 小川公代 (@ogawa_kimiyo) 2023年1月17日 加賀さんがご逝去されたと知り、哀しい。先月からずっと野上弥生子文学を読み続けているのだが、加賀さんは弥生子の作品の一番の理解者で、岩波文庫の『野上彌生子短篇集』『大石良雄・笛』『欧米の旅』を編集され、解…
青年団第96回公演「日本文学盛衰史」(2回目)@吉祥寺シアター 青年団「日本文学盛衰史」*1の5年ぶりの再演。初演の時にもそう思ったのだが、この作品が原作と違うのは平田オリザらが1990年代に行った現代演劇における現代口語演劇を巡る試行錯誤が明治の文学者らによる口語体文学(小説)の誕生に向けての試行錯誤と重ね合わせられているところにあるかもしれない。 平田オリザには珍しく時代によって移り変わっていくような時事問題的な要素が数多く作品に挿入されているのも現代と過去の重ね合わせや対比が念頭にあるからだろう。さらにいえば今回の再演では初演以降の出来事が数多く盛り込まれていたのも平田には珍しく面白いこ…
青年団第96回公演「日本文学盛衰史」@吉祥寺シアター 青年団「日本文学盛衰史」*1の5年ぶりの再演。初演はつい先日のように記憶していたが、その間に青年団の本体は豊岡に移転、コロナ禍もやってきて、初演時に雄姿を見せていた志賀廣太郎氏が物故されていることなどを考えるとずいぶん時間が経過したというようにも思われた。 明治時代の部分はキャストの変更を除いておおかた前回公演の時と同じだが、現代とのつながりの部分は最近起こった時事的な出来事を取り入れて大幅に書き換えられている。そして、この部分からは「老成の人」と受けとられている平田オリザだが、あいちトリエンナーレと表現の自由の問題、東京五輪を巡る問題、コ…
山梨知事選告示、現新3氏立候補 自民分裂の様相 - 産経ニュース 勿論、俺は「山梨県民ではない」ので何もできませんが、共産支持候補(社民、れいわも支持)の健闘を切に願っています(当選すればなお良いが、自民分裂選挙とは言え、自民王国の上に最大野党・立民が自主投票で逃げたので、当選は半ば諦めてはいます)。 それにしても、いかに山梨が「自民王国」とはいえ立民が「最大野党」でありながら「他野党を誘って自主候補」を担ぐのでは無く、自主投票という辺り「どこまでやる気が無いのか*1」と心底呆れます。そうしたやる気の無さが明らかに支持率低迷に影響してるでしょうに。 そして「共産がれいわにすり寄ってる」と抜かす…
関連 これまで 1月 29日 カイル・スメイン(31)プロスキーヤー 長野県小谷村のスキー場、コース外で雪崩に巻き込まれた。元世界王者鮎川誠(74)ギタリスト、シーナ&ロケッツリーダー、ボーカル、作曲家、俳優 すい臓がん 「ユーメイドリーム」「ミルクティー」映画「逆転裁判」鮎川誠 CM はかたんもんラーメン 博多伝説 完全版:6バージョン!【貴重映像】 - YouTubeシーナ&ロケッツ You May Dream(1980) - YouTubeアニー・ワーシング(45)女優 ガン 「24 TWENTY FOUR」シーズン7 FBI捜査官ルネ役、ゲーム「THE LAST OF US」テス役。2…
1/04 スティーヴン・キング/オーウェン・キング「眠れる美女たち 上」文春文庫/ISBN: 9784167919924*1 1/04 スティーヴン・キング/オーウェン・キング「眠れる美女たち 下」文春文庫/ISBN: 9784167919931*2 1/06 エリン・フラナガン「鹿狩りの季節」ハヤカワ・ミステリ/ISBN: 9784150019877*3 1/06 サリー・ルーニー「ノーマル・ピープル」早川書房/ISBN: 9784152101907*4 1/06 ステイシー・ウィリンガム「すべての罪は沼地に眠る」ハヤカワ・ミステリ文庫/ISBN: 9784151852015*5 1/06 …
無印良品に込められた理念 幼い頃、無印良品の消しゴムを買ったとき、無印良品ってブランド名なの?随分と変な名前だな、と感じたのを覚えている。シンプルで安い上によく消えるという理由でしばしば買っていたのだが、唯一その名前だけに首を傾げていた。 それから長い年月が経って、堤清二についての本(鈴木哲也『セゾン 堤清二が見た未来』、日経BP社)を読んだ。百貨店業界が斜陽化しているということで百貨店に関する本を読んでいた時期があったのだが、その流れで西武百貨店に関心が移って、その本を手に取った。入りは西武百貨店についての関心だったが、それは決して百貨店のみに限定して記述された本ではなく、むしろ堤清二という…
川上弘美さんの文章は基本的にシンプルなのに濃密な空気が伝わってくるような独特の雰囲気と勢いがあり、すごく好きなのでよく読んでいます。 今回は映画化、漫画化もされている人気作『センセイの鞄』を読んだ感想をまとめました。
感想 抽象度の高いストーリーで、読み手の想像の部分がすごく多く面白く感じられました。 迷い込む世界に意味があるようで、また、視点を変えると世界が広がることを教えられる部分もあって、これは本でしか味わえない世界だ、とすごく感じました。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript ||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)}…
綿矢りさらに抜かれるまで、最年少23歳で芥川賞をとった丸山健二は、私が大学生のころ(1982-)「朝日新聞」紙上の小さなコラムに「ガキの小説」というのを書いていた。今のアメリカの小説は「ガキの小説」になってしまったというのだ。具体的にどういうものを指しているのか分からないが、若い私は何だか痛快に思って切り抜いておいた。それから数年して、今の文学がダメなのはやっつけ仕事のせいだ、というコラムを書いていた。私は、そうかな? と首をかしげた。 丸山は、芥川賞以後、すべての文学賞は断っている、もうあんな騒ぎはごめんだからだと言っていた。だが、実際には候補にはなっている。 |候補| 第9回谷崎潤一郎賞(…
今回は町田康さんの『告白』を紹介します。 第41回谷崎潤一郎賞受賞、朝日新聞識者120人が選んだ平成の30冊第3位! 平成を代表する小説という貫禄にも興味をそそられるのですが、私が興味を持ったきっかけは大きな帯に書かれた中央公論新社の新入社員さんの熱烈な紹介文です。 ↓こちらが帯バージョン! 見た目のインパクトもすごいけれど、紹介文に衝撃を受け、是非読みたいと思いました。 解説を含むと850ページ。厚さ約3.5cm。 読みたい気持ちは山々でしたがやはりこの厚さを見て読破する自信を削がれ、購入から1年が経過。このままでは負けた気がすると思い、帯のご安心くださいを自分に言い聞かせて鼓舞し、ついにペ…