はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と六 「イカリ!」 こうなると、貪瞋痴(トンジンチ)のセンターを務める「瞋(ジン)」も、この際、とことんハッキリさせたくなってくる。 「瞋、怒り。お釈迦さんに喧嘩を売るつもりなど毛頭ありませんが、『怒り』を、諸手を挙げて『毒』と決め付けてしまうのには、少し抵抗があります」 「怒り、ね~」 そうボソボソと呟くと、Aくん、またまた沈黙の扉を開けてしまう。 置いてけぼりを食らってしまった私は、むしろ「チャンス」と居直って、目の前の、もう一つのトリオのそのセンターを務めるエスニック風ピリ辛コンニャクを、再び、口の中に放り込む。 やっぱり辛い。 でも、美味い。 ソコ…