『私は恋をしだしてから、変に死のことが気になりだしました。恋と運命と死と、皆どこかに通じた永遠な気持ちがあるような気がする。 倉田百三『出家とその弟子』(岩波書店)』 結核療養と肋骨カリエスを患っていた倉田百三が、宗教的なものや施設での心情を投影させて書いたと言われています。 「恋」は、根拠がなくても、大胆さを引き出すイメージがあり、「死」というのは、どこかに押しやられているのかと考えていましたが、倉田百三の場合は、どうやら違ったようです。 でも、彼のイメージの中では、「恋」「運命」「死」が繋がっていて、「永遠な気持ちがある」と言うのです。 恋は、運命にも左右される要素です。 また、「死」は、…