千日回峰行・2度満行者:酒井雄哉(さかい・ゆうさい)(随想録―83) 比叡山の荒行・千日回峰行と言えば、まさしく1000日かけて肉体を死寸前まで追い込み、悟りを得んとする修行で、一日30kmも叡山のまわりを歩き回るのは序の口で、「堂入り」という中間点では「不眠・断食・断飲・不臥」を9日間もやり抜く。いちど、この修行をしていた僧(東京大学卒で新聞社の論説委員をしていた人)の友人(医師)が、この「堂入り」の有様を見たことがあるそうだが、「4日も続けたら死ぬ」と請け合っていたそうだ。死臭も漂うと言う。確かに、以前TVで千日回峰行を放送していたが、行者は「瞳孔が開き」、仮死状態になっていた。 この過酷…