仙厓さんの遺偈のことを書いたこともあって、仙厓さんの遺した絵や書の図録を見直してみました。最も難解とされる「○△□」は、前に見た印象と異なるだろうか、という期待もあります。玄侑宗久さんは、この図について次のように述べています。"一円相という型にこだわる心がすでに停滞ではないか。仙厓はたぶんそう考えたのではないか。絵画的な発想がこの場合強烈に既存の定型を破る力になっている。おそらく仙厓は、大まじめに「○△□」を描いたあと、何もいわず「うっふっふ」と笑ったのではないか。(『仙厓 無法の禅』)”私は昔これを読んで、はたと膝を打ち、なるほどと深く納得したのでした。ところが、やはり仙厓さんの「定型を破る…