■「命を救う栄養素」は、米ぬかの中にあった 明治時代、日本では多くの人が原因不明の病に苦しんでいました。それは「脚気(かっけ)」と呼ばれ、手足のしびれやだるさ、ついには心臓麻痺を起こして死に至ることもある、恐ろしい病気。 当時は「体の弱い人がかかるもの」と誤解されており、有効な治療法もありませんでした。 ですがある一人の科学者が、この病の正体を見つけ、日本中の命を救うことになるのです。 その人物こそ――鈴木梅太郎(すずき・うめたろう)。 ■ 静岡の田舎から、世界を変える科学者へ 鈴木梅太郎は1874年4月7日、静岡県の農家に生まれました。 幼少期から勉強熱心で、15歳で上京。東京農林学校(のち…