封切り二日目。 席数143の【SCREEN9】の入りは九割ほど。 『東村アキコ』の自伝的コミックの映画化。 自身が脚本に名を連ねるだけでなく、制作委員会にも「東村プロダクション」がクレジットされる入れ込みよう。 彼女の作品は漫画だけにとどまらない。 日本画風の〔NEO美人画〕を描き、それを「NFTオリジナルアート」として販売する旺盛な創作意欲。 そうした新進の気鋭は、どのようにして形作られたか。 知りたい、見たいとの興味はあった。 とは言え、ここでまず我々の前に現れたのは根拠のない自信に満ち溢れる女子高生。 学業は毎回のように赤点も、昔から得手だった絵の腕前を過信し、技量があれば美大に合格でき…