屋根に関して、まま行政はやかましい。 東京、神奈川、京都あたりの一部地域でソーラーパネルの据え付けが義務化されつつあるように。 明治四十年代も、市民の頭上に「官」が嘴を入れてきた。茅葺屋根の根絶を、「お上」の威光を以ってして推し進めんとしたものだ。 「家屋其他建物の新築改築又は増築を為さむとするものは、瓦石其他の不燃物質を以て其屋上を覆復し、現在の燃質物屋上は十箇年以内に改葺する事とし…(中略)…違背したる者は二円以上十円以下の罰金に処す」 警視庁の名に於いて、如上の趣旨のお達しが発令されたわけである。 時恰も明治四十年、五月十六日だった。 (江戸東京たてもの園にて撮影) まさか当時の警察幹部…