大東京四谷怪談:高木彬光 1978年(昭53)光文社刊、カッパノベルス。 高木彬光の生み出した名探偵の一人、墨野隴人(すみの・ろうじん)の活躍する事件簿の第3作。その名前はバロネス・オルツィの名探偵「隅の老人」にあやかっているが、本業は企業コンサルタントで、ピアノ演奏はプロ並み、探偵は余技として、あまり自身の身辺を明かさない。 物語の語り手は有閑未亡人の村田和子。「四谷怪談」の現代劇バージョンを依頼された作家が、夜な夜なお岩と名乗る謎の女からの電話で仕事を妨害されている。供養のための墓参りの後で、蝋人形作家のアトリエを訪ね、お岩の人形に刺青を施しているのを見学するが、その夜、その蝋人形作家と彫…