夕方の散歩。ある方面へ出掛けると、必ずと言って良いほどに出会う男性がいる。その方は犬を連れてはいない。お仕事は引退されているお年頃だろうか。毎日独りで散歩をしておられるようだ。よくお会いするので、もはや顔見知りみたいなものだ。当然ご挨拶もする。立ち話をする程度の仲ではないが、すれ違いざまに「こんにちは」と申し上げる。すると向こうもにこやかに挨拶を返してくださる。 君たちの可愛いの定義がわからんね。 犬はあまり得意ではないように見受けられる。鎌倉によくある細い路地で出会ったときなど、ちょっと犬が苦手な感じを醸し出される。それでもユクを見て、「可愛ね」と言ってくださる。犬に触ったりはせず、一定の距…