花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに 外は変わらず暑い。主日のミサをサボタージュ、音楽を喪った教会は私を惹付けない。昼餉はいつものフランス料理屋で。クリュディテが美味しい。マダムと夏のjauntについて会話してすぐ帰宅。室温24度に保たれた私の書斎。黎明の光通さぬ朱子織の窓帷は常時閉ざされ、寝台の脇にあるサイドランプが唯一の光源となっている。私はこの微かな灯の下で、自らの世界に想いを馳せている。 先ほど観た映画が余りに酷かったので、ルイ・マルの『鬼火』で気分を変えようと思った。エリック・サティのジムノペディ、グノシエンヌが印象的な本作は、紛れもない名作。モーリス・…