冬耕を終えた田は静かな眠りに入っている。 しかし冬耕迄手の回らない田は、刈り株の列を残したまま になっており、至る所にモグラ塚が出現している。 田植えシーズンに入ってからの水漏れが心配される。 刈株を残す乾田土竜塚 追記 モグラの被害を防ぐために、貸農園等ではペットボトル を加工した風車を地面近くに立てておく。 風にカラカラ回る音がモグラ除けになると言う。
十月桜が殆ど散り、枝垂梅が咲き始めた。 ピンク色の八重の花は着飾った幼女の趣があり、 可愛さと同時に生き生きとした生命力を感じる。 枝垂梅ふつか見ぬ間の三分咲き 追位 当地では二月の後半になって枝垂梅の蕾が膨らみ始め 一週間も経たない内に見頃を迎えるようだ。 樹高7~8mにもなり、この木をシンボルツリーとする 名園も少なくない。
千葉県北東部の谷津田。 冬耕を終えた乾田の畦道に イヌフグリの小花を見付けた。 咲いているのは日当たりの良い場所に限られ、数も 少ないが、同時にタンポポの黄色も幾つか見られた。 昔むかし蒼穹崩る犬ふぐり 追記 近年は帰化植物のオオイヌノフグリが勢力を 広げているらしい。悲しいかな自分はイヌフグリと の差を識別する知識を持たないが、両者は相当 似ていると言う。
梅の香りの漂う一角に小さな水吞場。 離れた所から見ていると、素早く動く小さな影。 一羽の小鳥が溜まり水を飲みに来た。 小鳥の名前は分からないが、間もなく飛去ってしまった。 梅の香の中や鳥来る水吞場 追記 石鹸?で知られる花王が梅の香りを調べたと言う。 細かい成分分析のほか「最高に香るのは開花時の朝」 「香気量が一番多い種は南高梅」等が分かった由。 色々な分野で地道な研究が行われているのです。
シーカヤックで冬の海へ漕ぎ出し、海苔網に近づくと千切れた 海苔が結構流れて来る。 これを指ですくうと強い潮の香りがする。 流れ海苔すくひ損ねて香を放つ 追記 東京湾奥では今も細々と海苔の養殖を行なっているが、 バカ貝(この身の通称は青柳)も大量に発生し、カモメや 鵜の恰好な餌場になっている。
梅の花の寿命は結構長い。 紅梅と白梅が植えられ、その奥は松林の緑。 穏やかな日射しの午後、風も殆ど無い。 白梅の奥に紅梅・松林 追記 梅干しが初めて文献に登場したのは900年代。 その後戦国時代は戦の際の必需品となり、 江戸時代になると梅干を日本酒で煮詰めた 「煎り酒」が調味料として重用されたと言う。 今の時代は塩分量を気にする向きが多いようだ。
美しい羽根を持つマガモの雄が雌の後を追い泳いでいる。 地味な羽の色の雌は、気後れするどころか不慣れな地に来て 堂々と雄をリードしているようにみえる。 春近し雌が先行くつがひ鴨 追記 恥ずかしながら以下の事は知らなかった。 「いとこ同士は鴨の味」なる諺が有る。 いとこ同士の夫婦は非常に仲が良い、との意味。 日本でも四親等以上離れていれば合法。 世界的にも広く認められている。
今は楽しい女子会、ご亭主の留守を選んで仲良しが 集まっているようだ。 ご婦人達の集まりは何時も楽しそう。 玄関先には丹精の君子蘭が一鉢。 玄関に揃ふ塗下駄君子蘭 追記 手入れの行き届いた君子蘭は緑濃い葉も隆々と、 堂々たる鉢物に育つ。 自慢の見事な一鉢を玄関先で見掛けた。
散策の途中にフキノトウを見付けると随分得をした 気持ちになる。 スーパーの店先で買ったのとは 全くの別物のように感じる。 フキノトウが土から顔を出している姿を見て、 ふと余計な事を考えた。 氏素性実は厄介蕗の薹 追記 フキノトウは蕾の小さい時の方が苦くない。 根の部分には毒が含まれるので食べないように。 レシピ本に書いてあった。
ここ東京湾奥の地でも河津桜の蕾が動き出した。 今日見ると少し紅色の覗く蕾も認められた。 幹や枝の 艶も増し、本番を控えた樹勢の充実を感じさせた。 待ち切れぬ河津桜の蕾かな 追記 早咲きで知られる河津桜は静岡県河津町の河川敷で 昭和30年に発見された。そんなに古い事ではない。 大島桜と寒緋桜の自然交配によって生まれたらしい。 桜のピンクと菜の花の黄色のコラボ写真を思い出す。