正徳4年5月30日。夜、長者町と長嶋町の間、箕形善左衛門の構え片場芝原で両替町呉服屋越前谷六兵衛の21になる荷担いが19になる岐阜屋の女と心中して死んでしまう。女は嶋の帷子で紺の前掛けをしていた。喉のところを突いて殺していた。男も嶋の帷子で羽織は脱ぎ、喉を突き外して死ねずにうつ伏せで倒れていた。翌朔日、夜には湯漬けを食べていた。話では、私の女房は名古屋一番の者である。しかし他への不法があったので突然怒って殺してしまったのは不憫である。自分の命を助けてほしい。出家して女房の後生を弔うと云々。主人六兵衛に預けられ、町内から亭主の番を勤める。今月20日、鋳物師が極楽寺の鳴鐘を鋳る。亘り(直径)は2尺…