前回は、仮想空間においては、リアルな世界におけるよりも、著作物を生み出す著作者の立場が極めて大きくなっているという話をしました。 仮想世界の方が著作権が前面に出てきて、仮想空間の中で小説、音楽、仮想商品を創作する著作者の権限が、リアル世界よりもクローズアップされる、その入り口に我々は立っている。それを我々は直視して、新しい著作権管理システムを構築していく必要がある、という話でした。 これまでの歴史を振り返ると、中世では、王や貴族が芸術家を抱えて、その芸術家が絵画や彫刻を創り出していました。宗教の経典本の作成と流通は、教会や寺院が中心となって行っていました。モーツァルトも、宮廷に仕える作曲家であ…