会社員なりたての頃。昭和のモーレツの痕跡はもう無かったが、やはり自分も会社を中心に動いていた。男女雇用機会均等法の初年度に社会人になったが、世間はまだまだ男社会で今風に言えば「不適切」だらけだった。配属は海外営業部門で出張の機会もあり、かつ達成感もあった。しかし自分は仕事だけの人間で終わりたくないと何処かで無意識に思っていたのだろう。 その雑誌の存在は知っていた。時々買っていた。その一冊が今でも書棚にある。海辺だろう。オフロードバイクを前に小さなテントから女性が顔を出している。隣にはコッヘルが湯気を上げている。女性ライダーのソロキャンプツーリングの一コマが表紙だった。魅力的だった。 中を開いて…