days of cinema, music and food

2017-03-04

”Heat” discs

[][]"Heat" on Blu-ray Disc! 23:56


我が家にも来ましたよ!

マイケル・マンの『ヒート 製作20周年記念版』Blu-ray Discが!

大好きな映画です!

ダンテ・スピノッティの映像美も最高!


ということで、写真は‪我が家の『ヒート』4種です。

左からヘラルドLD、東北新社版リマスターDVDユニバーサル=ジュネオン版BD、今回のフォックス版BD。

今回のをちょい見ましたが、やはりBDは画質が綺麗ですね。‬

ダンテ・スピノッティ撮影の夜景も美しい。

昼間もL.A.というコンクリートジャングルを冷たく切り取っていて。


しかしもう20年以上も前の映画なんですねぇ。

3時間もの本編を観る時間を捻出しなくては!(≧∀≦)

特典ではクリストファー・ノーラン司会のマン、アル・パチーノロバート・デニーロを交えてのパネル・ディスカッション映像が特に楽しみです!


トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Horka/20170304

2017-02-11

[]私的映画ベスト(4) 00:06


(承前)


ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005)

デヴィッド・クローネンバーグは大好きな異形エログロSFホラー映画監督だったが、近年はすっかりその手の映画を監督しなくなってしまった。しかしこの映画は素晴らしい。田舎町のダイナー強盗2人組がそこの主人ヴィゴ・モーテンセンによって撃退されて全国ニュースになる。それからモーテンセンの周囲にはお前の過去を知っているぞ、というマフィアの影がちらつく。人違いだと言うモーテンセンだが…というスリラーの体裁を取っているが、時折見せる瞬発力のあるヴァイオレンス描写やエロ場面にクローネンバーグらしさが漂う。銀座の劇場は『ロード・オブ・ザ・リング』のヴィゴ様主演作とあって女性客が多かったが、辛口の描写と内容に仰天した人も多かったのではないか。クローネンバーグ&ヴィゴのコンビでは次回作『イースタン・プロミス』も傑作として挙げたい。


ワイルドバンチ(1969)

第一次世界大戦前の西部を舞台にした中年強盗団、彼らを追う元仲間率いる賞金稼ぎ軍団、メキシコ野党パッチ将軍らの一党という三つ巴の激突を描いた、サム・ペキンパー西部劇。初見は高校時代、故河野基比古解説の「木曜洋画劇場」だから、1時間近くカットされていた訳だ。後にトリミング版LD購入、ノートリミングLD購入、渋谷パンテオンでの東京ファンタスティック映画祭での長尺版鑑賞、となる。失われてゆく西部劇への挽歌という側面もありながら、時代遅れとなった男たちへの眼差しが温かくも辛辣だ。公開当時「死の舞踏」と呼ばれたスローモーションとモンタージュを駆使したヴァイオレンス描写は、初めて観た時に顔から血の気が引いた。現代アクション映画で多用されているスローモーションの使用方法の始祖と言って良いだろう(ペキンパー自身は『恐怖の報酬』からの影響を述べているが)。だが何よりも男達の顔・顔・顔だ。彼らのような顔の皺1つ1つに土埃がしみ込んだかのような顔を持つ俳優は、今のハリウッドには居ない。


殺しのドレス(1981)

近年はすっかり精彩を欠いてしまったブライアン・デ・パルマは、かつては大好きな監督だった。彼が脚本を書いた作品はどれもヘンテコだが、この映画はトリッキーな内容と、艶のある映像スタイルが幸福な結婚をした産物だと思う。当時のデ・パルマの妻だったナンシー・アレンのヒロインは男にとって都合が良過ぎる、頭も気も良い娼婦という役柄だが、彼女の代表作なのは間違いない。全体的にスリリングで非常に楽しめる。


ブラック・サンデー(1977)

トマス・ハリス小説の映画化作品は『羊たちの沈黙』が代表作なのだろうが、そのハリスの処女長編作を映画化したジョン・フランケンハイマーの本作は、筋金入りのアクション・スリラー。北米にて大量テロを目論むパレスチナ・ゲリラと、彼らを追うモサドの追撃戦を描いた大作だ。目的の為ならば手段を問わない登場人物たちの戦いを描いた本作、私自身は『羊』よりも大好き。構成にやや難のあるサイコスリラー小説を、よくもここまで娯楽たっぷりのアクションスリラーに仕立てたものだ。脚本家アーネスト・レーマンヒッチコックの『北北西に進路を取れ』やロバート・ワイズの『ウェストサイド物語』でも有名だね。パレスチナゲリラと日本赤軍を扱っているとあって、日本では夏休み大作予定が劇場爆破予告により上映中止となった本作。公開当時のチラシを持っているよ。幻の作品だっただけに、高価なVHSが出た時はトリミングされているにも関わらず、大興奮したものだった。後年、ノートリミングDVDを購入し、自宅ホームシアターで堪能したのだが、「午前十字の映画祭」の1本として横浜ららぽーとTOHOシネマズにて鑑賞。何度も観ているのに劇場で観ると大興奮、且つ手に汗握るという貴重な体験をした。

…と、ずらずら書いてみたが、まだまだ他にもベスト映画はありそう。こういうのを書くのも楽しみ…ということで。他の方々のベスト映画というのも、知ってみたいものだ。世代によっても違うのは確実だしね。


以上は見栄っ張り無しに、心から大好きな映画を挙げてみた。たまにはこういうのを選出してみるのも、映画ファンの楽しみだったりするのだ。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Horka/20170211

2017-02-07

[]私的映画ベスト(3) 21:51


(承前)


恋におちたシェイクスピア(1998)

シェイクスピアを主人公にしたロマンティック・コメディ…といっても悲恋ものではあるが、トム・ストッパードの凝った脚本が素晴らしい。主人公2人をがっちり描きつつ、脇役達にもスポットライトを浴びせるのを忘れず、かつ史実も巧妙に混ぜ込み、シェイクスピア作品への目配せも忘れない。高揚感のある映像や音楽、豪奢な衣装、豪華なキャスト陣と見どころ聴きどころも多い。当時のアカデミー賞作品も今では余り評価されていないようだが、至福の時間を過ごせる傑作だ。


ヒート(1995)

俺様マン様の常に自信満々な男節監督マイケル・マン最高傑作は『インサイダー』だとは思うが、それでもこれが好きだ。男が描けて女が描けないのもマンらしいが、アル・パチーノ強盗殺人課警部補とロバート・デ・ニーロら武装強盗団のライヴァル意識、狐と狸の化かし合いといった面白さもあるし、迫力満点のアクション場面もある。内容詰め込み過ぎで3時間弱と少々長いものの、異様な緊張感で最後まで引っ張る。中盤にある白昼のオフィス街での一般市民巻き添えの市街戦は、映画史に残る場面だ。


許されざる者(1992)

クリント・イーストウッドの監督作品は好きなものが多いのだが、1本選ぶとなるとこれか『ミリオンダラー・ベイビー』のどちらかになりそうだ。本作は『ブレードランナー』と同じくデヴィッド・W・ピープルズ脚本作。亡き妻を偲びながら子供2人を育てる元極悪人の老農夫。旧友に誘われて金の為に賞金稼ぎとして銃を手に取るが…という単純なプロット西部劇に、捻った展開を多々用意しているのがイーストウッド好みらしい。暗い映像と内容だが、孤高の美しさに満ちている。今は無き渋谷パンテオンでの初見では、大画面いっぱいに広がる映像に息を飲んだ。


グッドフェローズ(1990)

劇場で見逃したのでLDで購入して観たマーティン・スコセッシのマフィア映画。フランシス・コッポラの『ゴッドファーザー』がオペラならば、こちらはロックンロール…とは言われるが、まさに対照的な作り。映画のテンポも速いし、男達の手も速い。暴力と恐怖と笑いがいっしょくたになって突き進む実録ギャング映画は、一般人の道徳観念が入り込む隙の無い異世界を垣間見せつつ、異様な興奮を持って突っ走る。初見は劇場で観たかった。後年の『カジノ』は大画面映えする映画で、こちらも大好きだ。


ザ・エージェント(1996)

キャメロン・クロウは大好きな脚本家兼監督だ。彼のベストは『あの頃、ペニー・レインと』だとは思うが、それでもトム・クルーズの本作も素晴らしい。これは前の会社の先輩・同僚と3人で渋東シネタワー(今の渋谷TOHOシネマズ)で、会社帰りに観た。先輩は涙を流していたよ。芝山幹郎が指摘するように、本作の特異さはその構成にある。ディケンズの『クリスマス・キャロル』のように、あこぎな守銭奴が最後は良心に目覚めてハッピーエンディング…というのがお決まりの構成。だが本作ではその結末を冒頭に持って来て、では主人公が良心に目覚めると現実社会ではどのような悪戦苦闘が待っているのか、という内容にしている。クルーズの大袈裟やり過ぎ演技をギャグにしてしまうクロウの才気も嬉しいが、名場面も多く、クルーズとレネ・ゼルウィガーの相性も良い。まだまだ苦闘が続くであろう彼らを応援したくなる。


(この項、続く)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Horka/20170207

2017-02-05

[]私的映画ベスト(2) 07:45


(承前)


エイリアン(1979)

これは夏休みに叔母に連れられて弟と八戸の劇場で観た。小学2年のときだ。『スーパーマン』の後のハシゴだったのだが、こちらの方が強烈な印象を受けた(弟は疲れたのか、殆ど寝ていた)。全く怖くなかったものの、ノストロモ号の外観と内装のデザイン、異星人の宇宙船や異星人のデザインが忘れられなかった。2週間程、母方の実家に預けられていたので時間がたくさんあり、そうだ、と自前でわら半紙で新聞を作り、その中でこの映画の紹介をイラスト付きで書いたよ。今思うと、最初に書いた映画レヴューだったのかも知れない。手元には残っていないが、何を書いたのだろうか。終幕のシガーニー・ウィーヴァーの下着姿が強烈だったのは確かだ。


ブレードランナー(1982)

『エイリアン』と同じくリドリー・スコットSFハードボイルド映画。初見はお年玉で買った輸入VHSで小学6年の冬。もちろん字幕なぞない。それまで散々SF専門誌『スターログ』や中子真治さんの『SFX映画の世界』で紹介を読んでいたが、内容は殆ど理解出来なかったと思う。中学1年になって今は無き三軒茶屋東映の「リドリー・スコット+1上映!」という、『エイリアン』とジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』との3本立てで字幕付きを初めて観て、内容を知った。名画座らしく劇中の雨だけではなく、フィルム傷の雨も降っていたものだ。映像やデザインは素晴らしいと思ったものの、辻褄が合わなかったりで、ご都合主義が目に付き、内容は余り評価出来なかった。それが覆ったのは、2007年の25周年記念ファイナル・カットだ。時代が追い着いたのか、いや私が追い着いたのか、内容は非常に理解しやすく、素晴らしい傑作だと思った。一緒に観た初見の妻も全く分からない事が無かったとか。やはり早過ぎた映画だったのかも知れない。


ロード・オブ・ザ・リング(2001)

○ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002)

○ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003)

ピーター・ジャクソンの野心溢れる10時間もの大長編は、3本で1本の映画だ。J・R・R・トールキンの『ホビットの冒険』は愛読書で、多聞小学校の図書室で幾度も借りて読んでいたくらいに大好きだった。続きがあると知って『指輪物語』を親に買ってもらったのが小学5-6年のとき。中子真治さんの『超SF映画』にもラルフ・バクシのアニメ映画版が紹介されていて、魔法使いガンダルフをフィーチャーしたポスター・アートに魅了されたのも理由の一つだ。だがこれは挫折した。幾度かトライしたものの、必ず第1部『旅の仲間』途中で投げ出してしまう。テンポが遅いだけではなく、とにかく読みづらい。登場人物が多いだけでなく、彼らを複数の呼び名でも書いてある為もあったろう。だが映画版公開前に読み直したら、すらすら読み進められたのだから面白いものだ。職場では幾人かで読んでいたよ。一種のお祭りだね。映画は原作の雰囲気とはかなり違っていたが、大人向けのハイ・ファンタジー超大作に仕上がっていて、素晴らしい。幾多もの重層的なテーマも面白いが、アクションも友情も胸を打つ。ラヴストーリーはイマイチなのもジャクソンらしいが。時々、この異形溢れる中つ国に戻りたくなる。旅の仲間に再会したくなる。


チャイナタウン(1974)

初見は中学2-3年の年末年始の深夜映画放送番組だったか。1930年代のL.A.を舞台にしたハードボイルド・ミステリは雰囲気たっぷり。ミステリとしての面白さで引っ張り、観客は私立探偵J・J・ギティスと一緒に富豪一族の忌まわしき闇を覗き込む事になる。ロバート・タウン一世一代の脚本に、ロマン・ポランスキー演出ジョン・A・アロンゾの撮影に、ジェリー・ゴールドスミスのやるせない音楽。ジャック・ニコルソンフェイ・ダナウェイジョン・ヒューストンと役者も揃っていた。フィルム・ノワールとしてもベスト1だ。後年、ノートリミングのLDを購入し、その素晴らしい映像美を堪能する事になる。


L.A.コンフィデンシャル(1997)

日本公開は配給会社がワーナーから日本ヘラルドに変わったとかで、翌1998年夏になり、独身最後に観た映画となった(一緒に観たのは今の妻で、入籍1週間前だった)。オールナイトで日比谷で観たが、上映終了後に拍手が起きていたのも印象深い。『チャイナタウン』とは逆にモダンな感覚で撮られた1950年代L.A.を舞台にしたフィルム・ノワールは、ゴールドスミスが音楽を担当しているのにあちらとは全く違う雰囲気。だがこの苛烈な男達の激突の描き方が、現代風でとても良かった。後にジェイムズ・エルロイの原作を読んで、場面場面は同じなのに筋が全く違っていて仰天したものだ。脚本家たちは素晴らしい脚色をした。ラッセル・クロウガイ・ピアースケヴィン・スペイシーと主役3人の描き分けも良い。


(この項、続く)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Horka/20170205

2017-02-04

[]私的映画ベスト(1) 07:43


楽しくお喋りしている最中に、私個人の映画ベスト10を問われた。その時その時の気分で違うけれども、10本に収めるのは無理でも、ずらずら書き出してみようと思う。ベスト2は不動で、後は気分次第だ。


1.2001年宇宙の旅(1968)

初見は1981年10月25日のテレビ朝日日曜洋画劇場」にて、故淀川長治氏の解説でだ。小学4年のときになる。それ以前に中子真治さんの名著『SF探検』で色々な角度から紹介されていたのもあってか、さほど難解に感じられず、すんなり観られた。この1-2年後に今は無き渋谷スカラ座で初めて大画面で観て(弟とその友人の3人で行った)、より感動した。この映画を思い出す度に、故野田昌弘氏の名言「SFは絵だ」も同時に思い出す。


2.十二人の怒れる男(1957)

西部劇好きの父の影響で『荒野の決闘』が好きだった。主演はもちろんヘンリー・フォンダ。彼が演じた名保安官ワイアット・アープは、他の役者が演じたどのアープよりも品があって素敵だ。そのフォンダが死去したのは1982年8月12日。小学5年のときだ。故水野晴郎氏解説の「水曜ロードショー」で追悼番組として急遽放送されたのが本作。1人の少年が父親を殺したかどうかを12人の陪審員たちが激論を交わしていくという、密室劇だ。ミステリとしての面白さとドラマの迫力に圧倒された。またこの映画で陪審員制度を知り、法律に興味を持つようになった。後年、レジナルド・ローズの原作戯曲渋谷東急プラザにある紀伊國屋書店で買ってもらい、幾度も読み返したよ。


以下は順不同。


大脱走(1963)

小学生時代のゴールデン洋画劇場で前後編で放送される度にワクワクしたものだ。ナチスドイツ強制収容所から脱走を目論む連合軍兵士たちの群像劇は、手に汗握ると同時にユーモアも漂い、これぞ名画の風格。ジョン・スタージェス演出も素晴らしいが、スティーヴ・マックィーンジェームズ・ガーナーリチャード・アッテンボローと役者も揃っていた。ドイツ贔屓の父は収容所所長役ハンネス・メッセマーが好きだったなぁ。


スター・ウォーズ(1977)

スター・ウォーズ/帝国の逆襲(1980)

1977年当時、何やらスター・ウォーズという凄いSF映画が来るらしい、と幼稚園生も知っていたくらいに、世間で大騒ぎの映画だった。日本で公開されたのは翌1978年。私は小学1年になっていた。大ヒットしているから空いてからにしようという両親の方針により、観たのは1979年の1月だったと思う。渋谷スカラ座で両親弟と一緒に(妹はまだ生まれていなかったのだ)、食い入るように大画面に魅入っていた。もちろん当時は吹き替えではなく字幕鑑賞だったが、内容は大体理解出来ていたようだ。パンフレットはページがばらばらになるくらいに読み返した。小学3年のときに待望の『帝国の逆襲』が公開された。父・弟・クラスメイトの寺澤慎の4人で行った。父は渋谷スカラ座に早朝から並んでいて、母に連れられて弟・テラとバスで向かったよ。母はその後に帰宅し、男4人で観た。血沸き肉躍る大活劇に興奮し、終幕のダース・ヴェイダーの台詞に衝撃を受け、ラストでは「あと3年も待てない!」と思ったものだ。1983年の『ジェダイの復讐』はそこそこ楽しめたものの、興奮まではしなかったのも言っておこう。


(この項続く)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Horka/20170204

2017-01-02

[]2016年映画総括 00:31


新年あけましておめでとうございます。公私ともに多忙で更新もままならぬ状況ですが、しずしずと進んで行きたいと思います。


さて、2016年は52回劇場に行って、合計50本の映画を観た。元旦に観た『フォースの覚醒』は2度目だったけれども、お正月らしい楽しさがあって幸先良いスタートを切れたと思う。総じて良い映画、面白い映画、楽しい映画が多く、いわゆる駄作には殆ど当たらなかったのも幸いだったな。

以下、観に行った映画のリストだ。


■2016年劇場鑑賞リスト(家族と吹替えで2度目に行ったのも含む)


特筆すべきは一家4人で、もしくは子供たちと観に行った回数が多かったこと。家族全員で行ったのは9本(私は行っていないが3人で行った『フォースの覚醒』は除く)、息子と2人で行ったのが3本もある。しかも吹替え版とは言え『フォースの覚醒』だけでなく『オデッセイ』とかも行ってるし。幸いにも子供たちは映画館で騒ぐタイプではなく、比較的大人しく映画に集中してくれるのも助かっている。20世紀フォックスのロゴを見ると、「あ! すたー・うぉーずだっ!」と息子がつい叫ぶのが習慣になったり、分からないと娘は質問攻めになる、というときもあるけれども。でもポップコーンの大サイズを1人で抱えて大人しく見てくれるのだから、やはり親にとって大助かりだ。


■かなり良かったし、大好きな映画

  • この世界の片隅に
  • オデッセイ
  • キャロル
  • ブルックリン
  • ズートピア

『この世界の片隅に』は映画としても凄いと思う。今年のベストだ。あとの4本も素晴らしいし、面白かったし、鑑賞中は幸福な時間を過ごせた。


■かなり良かったし、好きな映画

  • クリード/チャンプを継ぐ男-ザ・ウォーク
  • マネー・ショート 華麗なる大逆転
  • ボーダーライン
  • ハドソン川の奇跡
  • 君の名は。

■かなり楽しませてもらった映画

  • シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
  • 10 クローバーフィールド・レーン
  • 死霊館 エンフィールド事件
  • ファインディング・ドリー

■楽しませてもらったとの印象がある映画(鑑賞順)

  • イット・フォローズ
  • ジャングル・ブック
  • X-MEN/アポカリプス
  • ペット
  • ライト/オフ
  • メカニック ワールド・ミッション
  • インフェルノ
  • 手紙は憶えている
  • ジャック・リーチャー NEVER GO BACK
  • ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
  • ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー
  • ドント・ブリーズ

忘れてはならないのは、今年は面白いホラーを何本も観られたことだ。特に『死霊館 エンフィールド事件』は近年稀に見る娯楽ホラー映画として充実していた。これで上映時間が120分以内なら文句なしだが、手を変え品を変えの映像テクニックに、がっちりしたドラマも入れ込み、観終えた後に「あぁ面白かったし楽しかった」と単純に言える出来だった。また『イット・フォローズ』『10 クローバーフィールド・レーン』『ロスト・バケーション』『ライト/オフ』『ドント・ブリーズ』もアイディアのみに寄りかからず、最初から最後まで中だるみさせず観客を飽きさせない創意工夫がされていた楽しかった。もっとも『ドント・ブリーズ』は盲人を敵役に設定したにしては、その緊張感が希薄なのが残念だったけれども…。


今年のMVPは近所のM田さんだ。何と19本も主に深夜鑑賞に御付き合い下さった。出来不出来に関わらず、帰路での映画に対しての突っ込み会話が物凄く楽しい。またご一緒してください。


2017年もさらに良い映画、楽しい映画、面白い映画に会えますように!

2016-12-29

”Don’t Breathe”

[]Don't Breathe 22:23


話題のホラー『ドント・ブリーズ』18時半からの回を鑑賞。場内は満席、しかも半分くらいが10代後半から20代の女性という客層だ。女子高生中心だった『パラノーマル・アクティビティ』のときを思い出すね。もっとも客層が客層だったからか、皆さんし〜んと真面目にお行儀よく鑑賞していたが。


荒廃の都市デトロイト貧困から抜け出すべく窃盗を繰り返す、ロキシー(ジェーン・レヴィ)ら若者3人組がいた。彼らが次に目を付けたのは退役軍人である盲目の老人(スティーヴン・ラング)の家だ。たやすい仕事だろうと深夜に老人の家に忍び込むが、逆に3人は恐怖のどん底に陥れられる。


倒すのは簡単な相手と思いきやヤブヘビだった…というのは、リーアム・ニーソン主演の『96時間』を代表とする近年のアクション・スリラーのパターンの1つだが、それをホラー/スリラーでやったらどうなるか。しかもやられる側からの視点で。その回答の1つがこれだろう。舞台の殆どが一軒家で登場人物もかなり絞られており、しかも上映時間88分というコンパクトさでありながら、内容は濃い。前作『死霊のはらわた』ではあまり関心しなかったフェデ・アルバレス監督は、これが本領発揮なのだろう。手を変え品を変えて危機また危機を用意し、意表を突く展開を連打し、徹底的に観客をスリルと恐怖に落とし込もうとする、アルバレスと共同脚本家ロド・サヤゲスの意地には拍手を送りたくなる。ユーモアの欠如が気になった前作に比べ、こちらは徹頭徹尾シリアスであろうという姿勢が題材と合致していたのも良かった。冒頭から金持ちの家に侵入してやりたい放題の若者たちの姿に嫌悪を抱かせ、それからロキシーと、父が警備員というアレックス(ディラン・ミネット)の境遇をさらり描いて、同情を抱かせる。一方の老人にも不幸な過去があり…と、人物描写ですらアップダウン激しい。老人の正体は言わぬが花だが、まぁよくもこんなのを考えたものだ。徹底的に観客を翻弄しようとするその偽悪的姿勢はまことあっぱれ。しかしやはりと言うか、ユーモアの欠如は単調さと紙一重にもなりうる。ホラー慣れしている私にとって若干の物足りなさは、そこら辺にもありそうだ。


1番疑問だったのは、盲人とは言え、あれだけ近くに居たら存在がバレているだろう…という緊張感が希薄な事。結構、物音とか立てているしね。驚かし主体だったのが残念だった。


『死霊のはらわた』でも熱演していたジェーン・デヴィは、こちらも熱演。幼い妹想いで度胸も据わり、機転も効くヒロインを印象的に演じていた。そしてスティーヴン・ラング。『アバター』での悪役クオリッチ大佐も中々強烈だったが、こちらもに迫力満点。ホラー映画史に残りそうな怪演だ。


ホラー映画は単調な展開と単調な演出では、まるでつまらない。逆に言えば、良いホラー映画とは緩急自在でなければ観客を怖がらせる(面白がさせる)ことはできない。その点では『ドント・ブリーズ』は大いに楽しませ、ハラハラさせてくれる映画だ。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Horka/20161229

2016-11-24

”Interstellar” on Blu-ray Disc

[][]"Interstellar" on Blu-ray Disc 07:52


買ったまま半ばほったらかしにしていたBlu-ray Disc『インターステラー』を鑑賞しました。

地球からのロケット打ち上げまでは以前に観ていたので(睡魔に負けた…)、それ以降から最後まで観ました。

劇場ではIMAX版で鑑賞済みです。

BDはIMAX撮影部分は上下フルサイズ表示で画質も良い。

ショットによってばらつきがあるのはフィルム撮影だからかな。

公開当時はガチなハードSFかと期待させておいて、後半がかなり違っていたのもあって、私の周りでも賛否分かれた映画でもあります。

私は好きですけれどもね。

巨大ミニチュアを使用したショットの数々にはうっとりさせられるし、終幕の5次元空間は表現がファンタスティック。

それに宇宙冒険SFって相当に久々だったから、各惑星に行く度にわくわくさせられました。

クリストファー・ノーランが通俗的なのは今に始まったことではないし、最初からそう思って観直したら、やはり楽しめました。


今回気付いたのは、アメリカのSF大作映画にしては、よくみんな泣くこと。

邦画かと思いましたよ。

特大スケールの映画なのに小ぢんまりしたドラマ映画になっているのも、キャラの感情面に焦点が当てられているからなのでしょうね。


役者はみんな、良い演技を見せてくれるなぁ。

マシュー・マコナヘイの近年の快進撃振りは楽しいし、アン・ハサウェイはベリーショートヘアも可愛い。

10歳のマーフ役マッケンジー・フォイが特に光ります。

大人になってからのジェシカ・チャステインも良いのですけどね。


宇宙空間になると無音になるのはやはり嬉しい。

ゼロ・グラビティ』の後では、リアリズム路線ならそうなりますよね。

それに怖いし。


時間を作って、今度は特典も見てみよう。特撮関係が多いと嬉しいのだけども。


トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Horka/20161124

2016-11-04

”Our Kind of Traitor”

[]Our Kind of Traitor 07:44


われらが背きし者』鑑賞。


夫婦関係が破綻している大学教授のペリーユアン・マクレガー)と、その妻で弁護士ゲイル(ナオミ・ハリス)は、休暇で訪れているモロッコで偶然知り合ったロシアン・ギャングの大物ディマ(ステラン・スカルスガルド)から、ある願いをされる。組織の資金洗浄データが入ったUSBをMI6に渡して、自分の家族の亡命を受け入れるよう伝えて欲しい、というのだ。ディマとその家族の命は組織に狙われていて風前の灯。2人は危険な亡命劇に巻き込まれていく。


近年、ジョン・ル・カレ原作の映像化が盛んだが、これもその内の1本。Amazonプライムで見られるBBCドラマ『ナイト・マネジャー』のスサンネ・ビアに続いて、本作の監督スザンナ・ホワイトと女性監督だ。ジョン・ル・カレものの映画/ドラマを立て続けに女性監督が手掛けているのは興味深い。「スパイスリラー=男性監督のもの」という図式を崩しているという、歓迎すべき兆候だ。共にAmazon絡みなのは偶然なのかな。


冒頭から淀みなく緊張が続くので、これはかなり良いな!と思っていたら、終盤に失速したのが残念。だが信義のために行動する男女らの気高さは表現されているし、役者陣も熱演している。近年のジョン・ル・カレ原作映像作品は、総じて出来が悪くないね。ステラン・スカルスガルドは久々の大役かな。豪放磊落で家族思いという、魅力的なロシアン・ギャングの大物を演じていて良かった。これは彼の映画だろう。マクレガーとナオミ・ハリスも良かったけどね。マクレガーはここでもスカルスガルドの引き立て役。自分が目立たず相手を立てるという、異色のスターだ。次期ボンド候補とも言われているダミアン・ルイスも、MI6の熱血漢で印象に残る。


アンソニー・ドッド・マントルの撮影は、フィルターや反射を多用していてちょっとうるさい。これは好みが別れそう。でも場面によってはそのスタイルが、きちんと緊張感の盛り上げに貢献していた。


ディマの妻役はサスキア・リーヴス! 『クローズ・マイ・アイズ』『橋の上の貴婦人』と立て続けに公開されていたので観に行ったのが20数年前かぁ。特に後者は良い映画だった。懐かしいなぁ。てか『クローズ・マイ・アイズ』のサスキア・リーヴスの相手役(つまり弟役)ってクライヴ・オーウェンだったんだ! ちょっとびっくりだぁ。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Horka/20161104

2016-11-03

”Remember”

[]Remember 07:42


手紙は憶えている』鑑賞。これは強烈なスリラーだった。


ゼヴ・グットマン(クリストファー・プラマー)は最愛の妻が1週間前に死んだことも忘れてしまう、認知症の90歳の老人だ。彼は同じ施設にいる友人マックス(マーティン・ランドー)から、1通の手紙を託される。君が忘れても大丈夫なように全て手紙に書いた、と。2人はアウシュビッツ生存者で、共にナチスの兵士に家族を殺されていた。その兵士は名前を変えて暮らしているのだという。容疑者は4人。探し出さなくてはならない。ゼヴは復讐の旅に出る。


名優クリストファー・プラマーの自然な演技がかえって凄味となっている認知症スリラー。アトム・エゴヤンは『スウィート ヒアアフター』、『秘密のかけら』くらいしか観ておらず、近作の『デビルズ・ノット』も見逃している。だがそのミステリアスな演出タッチが個性的で、観た映画はどちらも印象に残っていた。その演出に加えて、よくこんな話を考えたなというベンジャミンオーガストの秀逸な脚本と相まって、忘れ得ぬ独特の雰囲気の映画になっていた。


主人公がかなりの高齢、しかも認知症なので、観ていてとにかくはらはらする。何しろゼヴは目が覚める度に、自分が今まで何をしていたのか忘れてしまい、妻を探してしまうくらいなのだから。ちょっと『メメント』を思い出させるね。そういった様と、その場その場の厭な雰囲気、そして物語が進むに連れての緊張感もあって、終始画面から目が離せない。だがもっとも強烈なのは、序盤から打ち出されている「被害者は年月が経っても決して忘れない」というテーマ。序盤から打ち出されているのに、終幕でさらに強烈な形で観客に突き付けられる。この巧みさには感心させられたし、かなりずしんと胸に来た。


主人公のプラマーがとにかく素晴らしい。脳内に霞がかかったような危なっかしい言動と、時折見せるぴしりとした動作のコントラスト。これが大袈裟でないのだ。容疑者役のブルーノ・ガンツ、ユルゲン・プロフノウ(分厚いメイクをしていたので、クレジットを見るまで分からなかった)と、ナチスドイツ映画に縁のある役者達の共演も見ものだ。でも終始車椅子に乗っているのに、ゼヴを操るかのような温厚なマーティン・ランドー! あの度の強いメガネもあって静かな強い印象を残す。


原題は「Remember」。邦題よりも原題の方が内容には合っていた。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Horka/20161103