days of cinema, music and food

2016-11-24

”Interstellar” on Blu-ray Disc

[][]"Interstellar" on Blu-ray Disc 07:52


買ったまま半ばほったらかしにしていたBlu-ray Disc『インターステラー』を鑑賞しました。

地球からのロケット打ち上げまでは以前に観ていたので(睡魔に負けた…)、それ以降から最後まで観ました。

劇場ではIMAX版で鑑賞済みです。

BDはIMAX撮影部分は上下フルサイズ表示で画質も良い。

ショットによってばらつきがあるのはフィルム撮影だからかな。

公開当時はガチなハードSFかと期待させておいて、後半がかなり違っていたのもあって、私の周りでも賛否分かれた映画でもあります。

私は好きですけれどもね。

巨大ミニチュアを使用したショットの数々にはうっとりさせられるし、終幕の5次元空間は表現がファンタスティック。

それに宇宙冒険SFって相当に久々だったから、各惑星に行く度にわくわくさせられました。

クリストファー・ノーランが通俗的なのは今に始まったことではないし、最初からそう思って観直したら、やはり楽しめました。


今回気付いたのは、アメリカのSF大作映画にしては、よくみんな泣くこと。

邦画かと思いましたよ。

特大スケールの映画なのに小ぢんまりしたドラマ映画になっているのも、キャラの感情面に焦点が当てられているからなのでしょうね。


役者はみんな、良い演技を見せてくれるなぁ。

マシュー・マコナヘイの近年の快進撃振りは楽しいし、アン・ハサウェイはベリーショートヘアも可愛い。

10歳のマーフ役マッケンジー・フォイが特に光ります。

大人になってからのジェシカ・チャステインも良いのですけどね。


宇宙空間になると無音になるのはやはり嬉しい。

ゼロ・グラビティ』の後では、リアリズム路線ならそうなりますよね。

それに怖いし。


時間を作って、今度は特典も見てみよう。特撮関係が多いと嬉しいのだけども。


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2016-11-04

”Our Kind of Traitor”

[]Our Kind of Traitor 07:44


われらが背きし者』鑑賞。


夫婦関係が破綻している大学教授のペリーユアン・マクレガー)と、その妻で弁護士ゲイル(ナオミ・ハリス)は、休暇で訪れているモロッコで偶然知り合ったロシアン・ギャングの大物ディマ(ステラン・スカルスガルド)から、ある願いをされる。組織の資金洗浄データが入ったUSBをMI6に渡して、自分の家族の亡命を受け入れるよう伝えて欲しい、というのだ。ディマとその家族の命は組織に狙われていて風前の灯。2人は危険な亡命劇に巻き込まれていく。


近年、ジョン・ル・カレ原作の映像化が盛んだが、これもその内の1本。Amazonプライムで見られるBBCドラマ『ナイト・マネジャー』のスサンネ・ビアに続いて、本作の監督スザンナ・ホワイトと女性監督だ。ジョン・ル・カレものの映画/ドラマを立て続けに女性監督が手掛けているのは興味深い。「スパイスリラー=男性監督のもの」という図式を崩しているという、歓迎すべき兆候だ。共にAmazon絡みなのは偶然なのかな。


冒頭から淀みなく緊張が続くので、これはかなり良いな!と思っていたら、終盤に失速したのが残念。だが信義のために行動する男女らの気高さは表現されているし、役者陣も熱演している。近年のジョン・ル・カレ原作映像作品は、総じて出来が悪くないね。ステラン・スカルスガルドは久々の大役かな。豪放磊落で家族思いという、魅力的なロシアン・ギャングの大物を演じていて良かった。これは彼の映画だろう。マクレガーとナオミ・ハリスも良かったけどね。マクレガーはここでもスカルスガルドの引き立て役。自分が目立たず相手を立てるという、異色のスターだ。次期ボンド候補とも言われているダミアン・ルイスも、MI6の熱血漢で印象に残る。


アンソニー・ドッド・マントルの撮影は、フィルターや反射を多用していてちょっとうるさい。これは好みが別れそう。でも場面によってはそのスタイルが、きちんと緊張感の盛り上げに貢献していた。


ディマの妻役はサスキア・リーヴス! 『クローズ・マイ・アイズ』『橋の上の貴婦人』と立て続けに公開されていたので観に行ったのが20数年前かぁ。特に後者は良い映画だった。懐かしいなぁ。てか『クローズ・マイ・アイズ』のサスキア・リーヴスの相手役(つまり弟役)ってクライヴ・オーウェンだったんだ! ちょっとびっくりだぁ。

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2016-11-03

”Remember”

[]Remember 07:42


手紙は憶えている』鑑賞。これは強烈なスリラーだった。


ゼヴ・グットマン(クリストファー・プラマー)は最愛の妻が1週間前に死んだことも忘れてしまう、認知症の90歳の老人だ。彼は同じ施設にいる友人マックス(マーティン・ランドー)から、1通の手紙を託される。君が忘れても大丈夫なように全て手紙に書いた、と。2人はアウシュビッツ生存者で、共にナチスの兵士に家族を殺されていた。その兵士は名前を変えて暮らしているのだという。容疑者は4人。探し出さなくてはならない。ゼヴは復讐の旅に出る。


名優クリストファー・プラマーの自然な演技がかえって凄味となっている認知症スリラー。アトム・エゴヤンは『スウィート ヒアアフター』、『秘密のかけら』くらいしか観ておらず、近作の『デビルズ・ノット』も見逃している。だがそのミステリアスな演出タッチが個性的で、観た映画はどちらも印象に残っていた。その演出に加えて、よくこんな話を考えたなというベンジャミンオーガストの秀逸な脚本と相まって、忘れ得ぬ独特の雰囲気の映画になっていた。


主人公がかなりの高齢、しかも認知症なので、観ていてとにかくはらはらする。何しろゼヴは目が覚める度に、自分が今まで何をしていたのか忘れてしまい、妻を探してしまうくらいなのだから。ちょっと『メメント』を思い出させるね。そういった様と、その場その場の厭な雰囲気、そして物語が進むに連れての緊張感もあって、終始画面から目が離せない。だがもっとも強烈なのは、序盤から打ち出されている「被害者は年月が経っても決して忘れない」というテーマ。序盤から打ち出されているのに、終幕でさらに強烈な形で観客に突き付けられる。この巧みさには感心させられたし、かなりずしんと胸に来た。


主人公のプラマーがとにかく素晴らしい。脳内に霞がかかったような危なっかしい言動と、時折見せるぴしりとした動作のコントラスト。これが大袈裟でないのだ。容疑者役のブルーノ・ガンツ、ユルゲン・プロフノウ(分厚いメイクをしていたので、クレジットを見るまで分からなかった)と、ナチスドイツ映画に縁のある役者達の共演も見ものだ。でも終始車椅子に乗っているのに、ゼヴを操るかのような温厚なマーティン・ランドー! あの度の強いメガネもあって静かな強い印象を残す。


原題は「Remember」。邦題よりも原題の方が内容には合っていた。

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2016-10-15

”Jason Bourne”

[]Jason Bourne 07:51


ジェイソン・ボーン』ミッドナイトショウ鑑賞with近所のM田さん。23時10分からの回はそこそこの入りで、やはり人気シリーズなんですな。


孤高の元CIAの暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)が、失われた自らの過去を探す物語。彼を排除しようとするCIA長官(トミー・リー・ジョーンズ)と、若く野心的なCIA局員(アリシア・ヴィキャンデル)に、長官の意を汲んで邪魔者を次々暗殺していく殺し屋(ヴァンサン・カッセル)と、役者は揃っています。旧3部作で徐々に出番が増えていったCIA局員ニッキー・パーソンズジュリア・スタイルズ)も登場し、過去作品との橋渡しもしてくれます。監督は傑作となったシリーズ第2作目『ボーン・スプレマシー』及び第3作目『ボーン・アルティメイタム』のポール・グリーングラス。最近知ったのですが、評価が高かった過去3作(ボーンは名前しか出て来ない『ボーン・レガシー』を除く)は、撮影現場での混乱や脚本の決定稿が無いまま撮影に突入していたりで、大変な難産だったそうです。あんなのはもう御免だと、今回は脚本を固めてから撮影に入ったようですが、興味深いことに物語性はより希薄になっていました。思い返すと、冒頭から終始ハイテンションでめまぐるしかった『アルティメイタム』は、今でこそ傑作の誉れ高いものの、実は物語はそんなに無い映画でした。粘って粘って引っ張って引っ張ってというサスペンスと、その結果の爆発的アクションが効果的で、その1シークエンス、1シークエンスに物凄く力を入れていて面白い、でも物語としてはかなり短い。そんな映画だったのです。それが大成功したから、本作のより物語性が希薄な作りなのも意図したものなのでしょう。


『スプレマシー』『アルティメイタム』同様に、手持ち撮影の小刻み編集の映像スタイルと、ジョン・パウエルのメロディは無くともスリリングなスコアでもって、「見せる」映画にはなっています。ボーンは台詞を殆ど削られたかのように殆ど喋らず、常にしかめ面で黙々と早足で動く様がカッコい良い。終盤にはラスヴェガスの大通りを舞台にした、笑ってしまうほどに呆れんばかりの大々カーアクションも用意されています。でも『アルティメイタム』に満足度で及ばないのは、ここぞとばかりの物凄いシークエンスが少ないから。本作のカーアクションは確かに素晴らしいし、迫力満点です。でも『アルティメイタム』の序盤に用意された駅の追撃戦、中盤のタンジールを舞台にした追撃戦にあった、殺気すら感じられた緊張感には至りません。むしろ製作陣の余裕すら感じてしまうのでした。


物語はこのシリーズ恒例の「父を倒す」もの。でも綺麗に完結していた過去3部作に対して蛇足感は否めず、そろそろ新機軸が欲しいところ。そのワンパターンも満足度を下げた原因でしょう。次回作をやるのならそろそろ新展開を望みたいものです。その為のアリシア・ヴィキャンデル登板なのかも。白いものが目立ってきた旧世代ボーン対、新世代ヴィキャンデルの対決があるならば面白いかも知れないですね。


エンドクレジットで気付いたのですが、相変わらずこのシリーズには電通(とフジテレビ)が関係しているのですな。ボーンが電通に無双モードで乗り込み、腐りに腐った組織の秘密を暴露して、且つバッタバッタと敵を倒して壊滅させる!…という物語を夢想してしまいましたよ。それはそれで、単純にスカッとするから見てみたいのですが (^^;

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2016-10-03

”Sicario” on Blu-ray Disc

[]"Sicario" on Blu-ray Disc 14:32


BDを購入するのは久々に感じます。

というのは、このところ媒体での購入の必要性をあまり感じなくなっていたからなのですね。

映画やテレビの宝庫となっているネットストリーミングサービスにうつつを抜かし、Amazonビデオを楽しんでいる身としては、もうこれで良いじゃないか。

ネットにいつでもあるのだから良いじゃないか。

そんな風に思っていました。

しかし先月末に冷水を浴びせられるような「事件」がありました。

Amazonビデオから市川昆の横溝正史ものなど、邦画を中心に一気に数十作品が消えたのです。

もちろん、代わりに新作も大量に入ったのですが、これで「あぁ、ネットストリーミングはずっとコンテンツがある訳ではないんだな」と思わされました。

よくよく考えたらHuluだってそうですしね…。


さて帰宅したら、劇場で観て大変感銘を受けた傑作『ボーダーライン』のBDが到着していましたよ!

ロジャー・ディーキンスの魔術的撮影と共に、これは再見するのが楽しみです!(≧∀≦)


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2016-08-30

The Night Manager

[]The Night Manager 07:56


Amazonプライム会員なので、無料でジョン・ル・カレ原作、スサンネ・ビア監督の英国スパイ・スリラー『ナイト・マネジャー』全8話を観てしまった。とても面白かった!


とある自責の念から半ば世捨て人のようになったホテルのナイト・マネジャートム・ヒドルストンが、英国諜報機関のスパイとして、因縁のある武器商人ヒュー・ローリーの組織に潜入していく、というもの。これはトム・ヒドルストンのアイドルドラマとも言える。硬派な表情から照れた笑顔まで見せてくれ、スーツ着て良し、ラフな格好して良し、脱いで良し、と各話で見せ場たっぷり。敵役ヒュー・ローリーは貫禄満点。皮肉な口調も英国アクセントもあいまって楽しい。この人、エマ・トンプソンと一緒に劇団を立ち上げた、元々コメディ出身だったのだね。ローリーの腹心を演じるトム・ホランダーも英国映画や『ブリジット・ジョーンズの日記』などでお馴染みの人で、コメディが上手い。本作ではローリーと共にユーモアは封印して、不気味に緊張感たっぷりに迫って良い。引き出しが多い役者たちを眺めるのって楽しいよね。


そしてエリザベス・デビッキ! 彼女は今までで一番綺麗に撮られていた。『華麗なるギャツビー』で「誰だ、この高身長美女は?」と驚いたが、『コードネームU.N.C.L.E.』の悪女も良かった。本作では演技の幅の広さも見せてくれるし、シンプルでも華麗な衣装の数々もあって本当に綺麗だった。ヒドルストンと並んで美男美女、眼福です。それにしてもヒドルストン、ローリー、デビッキと、身長190 cm前後の高身長キャストだな。


彼ら彼女らに比べて、ヒドルストンの雇い主である情報局員役オリヴィア・コールマンが、対象的に小柄で地味なルックス(実際には身長170 cmとあるので、周りが大男ばかりなのだが)。彼女もとても良かった。原作では男性らしいけど、こちらは良き人らしい夫を持つ妊婦。でも執念と地道な努力の、そして権力に負けない人でもある。観ていて応援してしまう。陰謀策謀うごめく組織内での彼女の策士振りも見ものとなっている。


事前には硬派なスパイスリラーを予想していたら、かなり通俗的でそれも良かったと思う。まぁ突っ込みどころはあるのだけど、スサンネ・ビアの演出もきびきびしているし、スリリングに盛り上げる。聞いた名前だと思ったら、『愛さえあれば』という愛嬌のあるコメディ映画の監督だった。この手のスパイ・スリラーでデンマークの女性が起用とは珍しい。でもそれが当っていたし、各話40分強なのでついつい続きを観てしまったよ。エジプトから始まり、スイススペインとロケ地が変わるのもスケール感があって良いね。


BBCのミニシリーズなのだけど、向こうの放送コードはどうなっているのだろう。デビッキ嬢含めてヌードもふんだん、死体の生々しい傷跡など、日本の地上波ではまず無理だろうし。英国って映画の表現規定が厳しい筈だから、かなり意外だった。


ともあれAmazonプライム会員ならば観て損なし。あぁ面白かった。


下記リンク先はタイトルデザイン。以前に観ていて面白いな、と思っていたらこのドラマのだったのね。ちゃんと英国調になっているし、何より美しいね。素晴らしいシークェンスに仕上がっている。



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2016-07-30

”The Shallows”

[]The Shallows 16:37


ロスト・バケーション』レイトショウ鑑賞with近所のM田さん。


誰も知らないようなメキシコの秘密のビーチでサーフィンを楽しむ医大生ナンシー(ブレイク・ライヴリー)は、突如巨大ホホジロザメに襲われる。太ももを噛まれて深い傷を負った彼女は、命からがら近くの岩場に逃れる。満潮になると岩場は海に飲み込まれてしまうし、サメは執念深く近くを周回している。浜辺まではたった200メートルなのだが、満潮が刻一刻と迫る。


まさしく孤立無援の絶体絶命な状況下で、如何にして危機を脱するのか。そう考えると、これは『ジョーズ』の後継者というよりも、『ゼロ・グラビティ』を思わせるスリラーと考えた方がしっくりくる。終盤までブレイク・ライヴリーを精神的にも肉体的にも痛め付けて、観ているこちらも痛い思いをし、そこから転じての終盤の活劇的展開には胸躍らされるのだ。だがこの「The Shallow」、つまり「浅瀬」という原題が皮肉な映画は、紛うこと無き正統派サメ映画でもあった。水中からいきなり出現して人に襲い掛かる場面の呼吸にはドキリとさせられるし、水の中での「サメに食われる前に安全圏まで辿り着けるか」という常套場面では手に汗握らされる。スペイン出身のジャウム・コレット・セラ監督は、これまでも『アンノウン』『フライト・ゲーム』『ラン・オールナイト』といったリーアム・ニーソン主演映画でも楽しませてもらっていたが、本作でも元気な演出は健在だ。危機の最中でナンシーは医大生としての知識を駆使して難所を潜り抜け、また観察眼と知恵と勇気を駆使して反撃に移るのだ。前半は母を亡くしたナンシーの心の傷を描きつつ、サーフィン映画としても楽しませ、やがてナンシーの再起によっての逆転攻勢へとなだれ込むのが楽しい。単純なプロットを引き延ばすことなく86分にまとめ上げていた。デジタル撮影ならではの序盤の映像美も見どころの一つ。もっともサーフィン場面はもっと長回しで観たかったが。あのコマ落とし風映像はジャウム・コレット=セラの特徴か。スマホ画面の使い方がコレット=セラの前作『フライト・ゲーム』同様にお洒落だった。避難場所の岩場が満潮に飲み込まれるまでの時間をカウントする時計の表現もそう。ちょっと『シャーロック』入ってるのかな?


出ずっぱりのブレイク・ライヴリーも良かった。母の死に打ちのめされ、人を救えないこともある医学に疑問を持ち、旅に出て母の思い出の場所であるビーチで波と戯れるという、現実逃避的な主人公がどうなるのか、という感情表現も良かったが、最初から最後まで出ていても見飽きないのはやはりスターだ。ビキニ姿のスタイルも見所の1つとなっているくらいなのだから。でも「美人女優」からすると腰が引けるようなGOプロどアップ映像や、後半の顔色が悪くてしかも傷だらけ、なども堂々とこなしていて、スターの前に当然のように女優だった。彼女自身のキャリア構築も見据えての登板もあろうが、日本のスターだったらこうはいかないのだろうな。


以下、メモ書き。


○『キャスト・アウェイ』のウィルソンのような相棒である怪我をしたカモメの使い方には、もう一工夫欲しい気もしたが、限られた時間内で野生鳥類が簡単に懐いて活躍する訳にもいかないので、あれくらいが丁度良いのだろう。


○サメCGIは一部を除いてかなり良く出来ていた。完全な海ロケではなく、かなりデジタル合成も使われていた感じだったけれども。海での撮影は『ジョーズ』『ウォーターワールド』などで大変だったのは有名だしね。それを考えると『ジョーズ』の映像美は凄いよ、ホントに。

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2016-06-04

London Has Fallen

[]London Has Fallen 07:57


エンド・オブ・キングダム』(London has fallen)ミッドナイトショウ鑑賞 with 近所のM田さん。

公開2週目の土曜23時10分からのミッドナイトショウは、10人ほどの入りでした。


前作『エンド・オブ・ホワイトハウス』で親友でもある大統領アッシャーアーロン・エッカート)の命を救い、大規模テロリストどもを皆殺しにしたシークレット・サービス・エージェントのマイク・バニングジェラルド・バトラー)。

英国首相の急死に伴う国葬に出席すべくロンドンに向かった彼らを迎えたのは、またしても大規模テロ

各国首脳が次々と殺害され、アッシャーとバニングの乗ったヘリも撃墜されてしまいます。

孤立無援の彼らを、テロリストどもが次々と襲う。2人は無事に脱出できるのでしょうか。


これが初めて作品を観たイランの監督ババク・ナジャフィは、この手の映画にしては上映時間も100分と短くまとめていて良いですね。

守るよりも殺しが三度の飯より大好きなバニングさんの無双モードを楽しめる映画に特化しています。

バニングさんがざくざくとナイフで殺すのが好きなのは半分ギャグにもなっていて、「殺す必要あったのか?」と突っ込まれたり、「もうやめろ」と止められたり。

かなりアブないシークレット・サービスなのです。

撃たれたり刺されたりして出血してもなんのその、とにかく強いので安心感がありました。

その意味では緊張感に欠けるし、内容もかなり大雑把。

緊急事態になって大統領不在の間に指揮を執る副大統領モーガン・フリーマンが、いきなりズバリ的中の名推理を披露して、細かい話はすっ飛ばし。

そもそも、ここまでの大規模テロをたった2年間で準備するのはどうやったんだ…などという説明も無く、短い上映時間を細かい説明などよりもバニング無双に焦点を当てた作りになっているのですから。

その点では前作と共通していて、ちゃんとシリーズものになっています。


終盤の市街戦場面では、エマニュエル・ルベツキの撮影が凄かった『トゥモローワールド』もかくやという、延々長回しも登場。

かなり意欲的ですが、あちらに比べて緊張感が無かったのは、カメラマン(=観客)も撃たれるのでは?という怖さが無かったから。

こちらは状況描写の為のカメラであって、道の真ん中で両軍撃ち合うのを撮ったりしていましたからね。


ともあれ、気軽に観られるアクション映画となっています。

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2016-06-03

”The MArtian” on Blu-ray Disc

[][]"The MArtian" on Blu-ray Disc 07:52


リドリー・スコット監督、マット・デイモン主演の傑作SFオデッセイBlu-rayが届きました!

2時間半近い長尺なのに一切の無駄が無く、妨害する無能な人は誰1人いなくて天才ばかりが登場し、彼らが知恵を合わせて状況を打開していく様が痛快な「お仕事」映画。

これが邦画なら「お父さンはあすこで頑張っているンだ」「何としても帰って来て…」「家族の元に帰るンだ…」「お前ら、残された家族の気持ち、分かってンのかぁッ‼」と、泣いたりわめいたり怒鳴ったりの湿っぽい映画になりそう。

でも干からびた火星が舞台だから、ではないですが、そんな余計なドラマは不要とばかりに物語をドライ且つクールに前進させながら、各人のプロフェッショナリズムと内なる熱い思いを、行動を描くことで表現したスコットは凄いと思います。

近年の彼の最高作ですよ。

というか齢80近い監督のこのさらりとした余裕振り。

元々は個性が強くて、どちらかと言うと鈍重な監督なのに、ここではユーモアをたっぷり塗しつつ物語を軽快に描くのに徹した職人振りが意外ですが、それもまた嬉しい驚きではないですか。

今のスコットならば、後半に失速した『グラディエーター』をもっと上手く監督出来ただろう…などと夢想してしまいます。


スコットの期待に応えたキャストも皆、素晴らしい。

またもやサバイブしながら救出される役のマット・デイモンは、喜怒哀楽を一手に引き受ける一人芝居で見せます。

宇宙船船長役ジェシカ・チャステインは理想の船長そのものでカッコ良い。

地上で救出作戦の陣頭指揮を執るチュウィテル・イジョホーの奮闘振り。

そしてショーン・ビーンの男気!

劇中に数多く流れる1970年代ディスコミュージックも含めて、再見が楽しみです。


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2016-05-06

”Sicario” at theatre

[]Sicario 23:56


渋谷シネパレスにて『ボーダーライン』(2015)(Sicario)を鑑賞。


FBI誘拐即応班リーダーのケイト(エミリー・ブラント)は、人質救出の為にアリゾナの一軒家に隊を率いて突入する。そこはメキシコの巨大麻薬組織ソノラ・カルテルの最高幹部ディアスの持家なのだが、虐殺犠牲者が数多く残されている腐臭漂う場所だったのだ。しかも警官2名が死亡し、ケイト自身も負傷してしまう。同日、FBI会議室にて、彼女はソノラ・カルテル撲滅とディアス追跡の為の特殊部隊にスカウトされる。リーダーは特別捜査官マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)。謎めいたメキシコ人コンサルタントアレハンドロベニチオ・デル・トロ)もメンバーだ。作戦の全容を明らかにされないままケイトは部隊と共に行動し、カルテルの惨たらしい殺害の実態と、部隊の超法規的なやり口を目の当たりにする。


カナダの監督ドゥニ・ヴィルヌーヴには前作『プリズナーズ』(2013)にも感銘を受けたが、こちらはさらに素晴らしい。キビキビした演出、鋭い映像、役者陣の小気味よい演技。全編を通して淀みなく緊迫感が続き、場面場面ではさらに心臓に悪いくらいに盛り上げる。映画はアクション・スリラーの形態を取っているが、アクション場面自体は強烈でも時間にしては短い。あっという間にカタが付いてしまう。むしろ主眼はアクションに向けての盛り上げだろう。とにかく無駄がなく、ドラマやアクションですら最小限。1970年代にはこういうくどくどしない映画が多数あった。巨大麻薬カルテル対特殊部隊という、幾らでも大作にできる題材だというのに、そうはせずにむしろ凝縮させたのが本作の成功の要因だ。


今まで法に則って行動してきた正義漢のケイトは、苛烈な現実を目の当たりにして精神的に追い込まれていく。映画序盤ではタフで経験豊かな優秀な捜査官として登場するのに、翻弄されてしまうのだ。エミリー・ブラントは主人公の心理的ストレスを上手く演じていた。特殊部隊のリーダー、マット役ジョシュ・ブローリンは、始終軽口を叩き笑みを絶やさないが、一方で何を考えているのか、本当に信じて良いのかどうか分からない男を好演している。だが何と言っても強烈なのは、アレハンドロ役ベニチオ・デル・トロだ。あの目つきも迫力があるが、出ているだけで緊張感があり、しかも微かに温もりもあって。アレハンドロには彼自身を覆い尽くさんばかりの闇を抱えており、それが明らかになる終盤には圧倒された。しかも大袈裟な演技ではなく。このさじ加減はもはや名人芸だ。


撮影はコーエン兄弟作品や、『007スカイフォール』(2012)などの巨匠ロジャー・ディーキンス。『プリズナーズ』でもドゥニ・ヴィルヌーヴとは組んでいる。ここでも光と影を効果的に使った映像を作り出していた。正直、このようなシリアスなアクション・スリラーにディーキンスの映像は浮いていないかとも危惧していたのだが、それは杞憂だった。編集の上手さもあって映画に奉仕している。装甲車内に差し込む光と影、夕闇に影絵のように浮かび上がる特殊部隊など、美麗な1ショット1ショットが素晴らしい。また、ヨハン・ヨハンソンスコアは時に心臓の鼓動のような打楽器、時にノイジーなチェロを駆使して、心休まらない楽曲が効果的に映画を下支えていた。映像も音響も相まって、これは1つの体験だろう。


ヒロインによって観客を導き入れた映画は、終幕には「主人公」という概念を取っ払うかのような展開を見せ、衝撃を与えた後に虚無を感じさせて幕を閉じる。現実の麻薬戦争は今でも夥しい犠牲者を出しながら続いているのだ。映画が終わった後に疲労を感じつつ、だがそれでも彼らはまだ戦い続けるのであろうか?と考えて少々気を取り直した。そこで思い出したのが『セブン』(1995)のラストにおける、モーガン・フリーマンのモノローグだ。

Hemingway once wrote, "The world's a fine place and worth fighting for." I agree with the second part.」(ヘミングウェイは書いた。「世界は素晴らしい。戦う価値がある」。後半に賛成だ)


そんな訳で私の脳内では『セブン』と『ボーダーライン』は地続きなのである。作品の出来もさることながら、人間の暗い側面をも描いていて。かなり重い映画だが、同時に良く出来た娯楽映画でもあるので、多くの人に観てもらいたい。