Confession of a Procrastinator このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-12-27

[]ユリイカ1月号『この小劇場を観よ2013』発売にまつわるエトセトラ

ユリイカ、満を持して2005年に続き7年ぶり2度目の小劇場特集です。永久保存版だよ。

私は論考と巻末の「小劇場ガイド」を担当しました。私が商業誌に初めて書かせてもらったのがこの05年度版のユリイカの小劇場特集でした。7年ぶりに育ててもらった母校に帰るみたいな感じで、とりわけ思い出深いです。

ガイドについて。団体の紹介はもちろんのこと、05年版と比べて書き手の層が厚くなったことを実感しました。この団体推し!という熱い書き手たちが、おさまらない胸の思いをいかにクールに千字にまとめてきたか、その競演をどうぞご覧ください。劇評を書きたい人やライター志望の人たちにも得るところ大だと思います。

雑誌の特性上、時間とか紙幅とか色んな制約があり、あれがない、これがないというのはどうしても出て来てしまいます(網羅性を求むる人は2月発売の「演劇最強論」をどうぞ!)。書き手の層が厚くなったという前述の話の一方で、私の人脈不足もありますが、入れたいのに書き手が見つからずに泣く泣く諦めた団体もありました(個人的には燐光群と少年王者館は入れたかったです)。裏を返せば、入ってる団体は、結果として書き手の方たちにこの団体を書きたい!!という熱い思いを抱かせるような団体だったということもあります。掲載団体のなかには、未見の私を説き伏せるようにして面白さを語ってくれた信頼できる書き手の方による推し団体もあります。

そんなわけで、今回入ってなかったとお嘆き/お怒りの団体の皆様、3度目の特集では必ずや・・・・?

論考は小劇場における<女>のサバイバルという内容です。ガイドに持てる時間と力の8割を投入したため、論考は突貫工事で粗削りなものになってしまいました。もう少し丁寧に説明すべきところや、補足すべきところなど多々あります。色々と問題が多いと思いますが、これを踏み台、たたき台にして何か実りある議論が生まれればいいと思います。

確かにフェミニズム的視点を導入することで舞台芸術の豊かさが抹消されてしまう部分はあると思います。逆に言うと、論考のなかのジェンダー的な観点での評価や批判が、そのままそっくり作品の評価や批判とイコールではないです。例えば、もしかしたら批判的に読まれる?かもしれませんが、私の2012年ベスト舞台は黒田育世さんの『おたる鳥を呼ぶ準備』でした。論考はジェンダーの面からみた作品論なので、その意味では一面的にしか作品を語れていません。

クィア批評的な視点のほうが(男女の二分法を越えるトランスセクシャルな性の表象の可能性をみる)、そうした豊かさをすくい取るには有効だと思いますが、日本の小劇場はまだ、フェミの視点に立つ必要があるのかな、と思っています。女であることというのをどう考えるべきなのか、女をウリにするのでもなく、女じゃないフリをするのでもなく、ということをもう少しみんなで考えていきたいなあと。

時間も紙面もないなかで<女>の観客論、作り手論(演劇とダンス)、俳優論と全部いっしょくたに書こうとしたので、かなりスケッチ的な試論ですが、機会があればどこかでそれぞれをもっと丁寧に膨らませてみたいと思います。

目次:

【対談】

いま小劇場演劇であるということ 時代的に、空間的に / 野田秀樹岡田利規

笑うひと、笑われるひとを一体に包む演劇 / 岩井秀人+西加奈子

【小劇場の現在、そしてオルタナティブ】

続・一〇年代の上演系芸術 「ドメスティックな抜けてしまった底」を修復するために / 内野儀

「小劇場演劇」の未来 「関西」から見えること / 森山直人

暗闇のファイナル・ガールズ 小劇場で女はいかに生き残れるか / 小澤英実 

【インタビュー】

マイナーであることの矜持と愉快 遊び場としての小劇場 / 前田司郎 聞き手・構成=さやわか

喪失と獲得をリフレインして、もっと遠くへ マームとジプシーの旅の軌跡 / 藤田貴大 聞き手=編集部

【変貌する現代演劇】

「表象を使い倒せ!」 今どきの新しい演劇について / 桜井圭介

「演劇を演劇する」とはどういうことか  / さやわか

平田メソッドは初音ミク!? 「関係性の演劇」から「ロボット演劇」へ / 中西理

岸田國士戯曲賞とポストドラマ演劇 岸田國士戯曲賞選定委員会・和久田鮹忙瓠頁鮨綣辧砲吠垢 / 

望月旬々・和久田鮹

【マームとジプシーと詩と批評】

cocoon 『cocoon』を舞台化するための、まずは第一稿 / 藤田貴大

Aと劇場のほとりで マームとジプシー、演劇の臨界 / 椹木野衣

日曜の朝 「マームのジプシー」のリフレインと場所 / 細馬宏通

【座談会】

F/Tを/から考える アジア・ポスト3・11・ポストドラマ / 

鹿島将介+川口典成+作者本介+谷竜一+三野 新+岩城京子+藤原ちから 司会=佐々木 敦

【未知のほうへ、未来のほうへ】

私の(偏)愛する劇団たち / 佐々木敦

演劇の時間 『タイム』から『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』へ / 山田亮太

もう「きみ」とは呼べないきみに別れを告げるために 

渋谷慶一郎岡田利規『THE END』と切断のプロトコール / 神田川雙陽

【資料】

この劇団がすごい!2013 / 編=小澤英実

2011-12-13

[]how to be a hatena citizen

この一年はこれに捧げましたという翻訳がやっと12月21日に出ます。あと一週間です。また発売されたら書きますが、ぜひぜひ冬ごもりのおともに。アマゾンの紹介文のところに「日々の暮らしの喜怒哀楽を静かに語り、胸を打つ」とかそれっぽいことが書かれていますけど、全然そんな話ではない、というかそれだけではない話です。みんなの感想が聴きたい!ぜひお手元に取ってください。はてなにまだ書影でないけど下クリックしてアマゾンに飛ぶと書影もありますです。

地図になかった世界 (エクス・リブリス)

地図になかった世界 (エクス・リブリス)

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今年読んで面白かったものの5本の指に入ります。高慢と偏見とゾンビに続く第二弾だけど、それよりもはるかに面白かったです。ゾンビは出て来るだけで面白いので物語としては反則だけれど、こちらは「その時歴史が動いた…」的な歴史小説の面白さが丁寧に書かれてるので。才気だけで書いた高慢と偏見に比べて、きっちりリサーチと構成を練って書かれた感じもしてよいです。表紙がちょっとBLっぽいけれど、そうとも読めるけどそんなにBLではないです。かなりスリリングで一気に読んでしまいました。ティム・バートン監督で映画化されるようなので、これからもうひとブーム来ること必至です。

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未来の考古学 第一部 ユートピアという名の欲望

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待望の!待望の!邦訳!!嬉しい・・・

テロリズム 聖なる恐怖

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震えのある女 ─ 私の神経の物語

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アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで (講談社選書メチエ)

アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで (講談社選書メチエ)

大和田さん、サントリー学芸賞受賞、本当におめでとうございます!!!

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)

イルストラード (エクス・リブリス)

イルストラード (エクス・リブリス)

フィリピンのナボコフ、のような二十代の若い書き手のメタディテクティブ・ストーリーといった感じみたい。

2011-02-05

[]『アンセックスミーヒア』公演のお知らせ

2月14日から横浜でスタートするTPAM(国際舞台芸術ミーティング、元国際芸術見本市)ショーケース公演、ミズノオトカンパニー『アンセックス・ミー・ヒア?』(『マクベス』の翻案劇)にドラマトゥルクとして参加しています。

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2/19−21。2月19日のアフタートークゲストは、じゃじゃーん、湯山玲子さん!。 詳細はこちら。http://notone.taf.co.jp/ 観に来てくださいね。お知り合いの方は私にメールやtwitter経由のDMなどくださっても大丈夫です。予約フォーム。お待ちしています!!!

[]ユリイカ村上春樹特集』

もう去年のことになりますが、メールインタビューと論考を書かせていただきました。直前にインタビュー集が発売され、考える人のロングインタビューなどもあり、質問する前から答えがすべて自分で思いついてしまうような状態のなか、なんとか新しいことを聞こうとしたのですが難しかったです。論考のほうは時間切れで詰めが甘いという自覚があるんですが、三島との関係についてリンギスを引いて書いています。三島と村上春樹についての言説は手垢が付いているようでまだまだ深く考察されていないと思うのでそのとっかかりとして意義があると思っているのですがどうでしょうか。

[]『村上春樹全小説ガイドブック』

村上春樹 全小説ガイドブック (洋泉社MOOK)

村上春樹 全小説ガイドブック (洋泉社MOOK)

翻訳についての短い文章と春樹が訳した数名の作家について書かせていただきました。上のと合わせて、昨年末は寝ても覚めても村上春樹漬けの一ヶ月で少しトラウマになりました…。類書はあれど、これは信頼できる書き手による、全小説のエッセンスがコンパクトにまとめられたカラフルな良書なので、村上春樹について何か思うところのある方はぜひ一冊持っていてください。

2010-11-22

[]久しぶりの更新ですがまたお知らせです

  • 最近は猫も杓子もオバマもメドベージェフもツイッターということで私もこちら@ataraxでぽちぽちつぶやいてます。
  • 下にエントリした二回目の劇評セミナーで私が講師を務めさせていただく回が近づいてまいりました。単発の予約はぜっさん受付中で、す、の、で、是非、文章修行に観劇仲間づくりに、見た芝居の語らいに、劇評論の戦わせ合いに、いらしてください。確定ではないですがシークレットスペシャルサプライズゲストもあるかもしれません!
  • 12月04日(土) 14:00-16:30 乞局『果実の門』(11/12-23)合評 講師・小澤英実

定員:20人+各回参加10人前後 (定員に達した場合は締め切ります)
会費:各回:3500円
詳細はこちら

[]生活考察vol2.出ました

何かと話題な新雑誌『生活考察』、執筆陣がよりパワーアップして二号が出ました。詳細はid:fiddle-stick:20101026さんのサイトあるいはヘッドホンなどのウェブサイトで購入できます。

f:id:amyo:20101104213250j:image

[Text]

戌井昭人 生活逃れの馬鹿者 第2回

春日武彦 隠れ家の日々 第2回「店の奥」

大谷能生 ディファレント・ミュージックス 第2回「この暑さはショッカーのせい」

円城塔 かきものぐらし 第2回

林哲夫 好きなことだけして暮らしたい 第2回「幻の下宿人」

佐々木敦 普段の生活 第2回 「ミーティング・オブ・普段の生活」

小澤英実 「あたし、この戦争が終わったら……」第2回 Where I Lived,and What I Lived For 〜暮らす場所、暮らす目的〜

岡崎武志 岡崎武志の生活講座 Lesson2 笑う

豊崎由美 町田一家とのこと

 新幹線考

速水健朗 都会的消費生活者のための アーバン・ミュージック・ガイド 第2回「夜が翼広げ、シャイニー・トワイライト・タイム をこえてスカイハイ」

福永信 日付と時間のある文章 第2回「福永信名久井直子の星座観察会」

海猫沢めろん めんどくさいしどうでもいい 第2回「金」

栗原裕一郎 超身辺雑記トムソン 第2回「部屋とリノベーションと私(ただし見るだけ)」

大澤聡 原稿料問題はくりかえされる?♯2

松田青子 減ってこそ

内海慶一 シュロ景

長嶋有 続・ジャパネット考

・・・・・・

辻本力 大衆酒場=アミューズメント

[INTERVIEW]

クボタタケシ 「クボタタケシさんに、訊きました」 聞き手:前園直樹

杉浦貴美子 「生活の集積」としての壁

2010-09-17

[]劇評を書くセミナーこまばアゴラ劇場コース

前回お知らせした劇評サイトWonderland主催の劇評を書くセミナーが今期も始まります。色んな方がそれぞれの視点を持ち寄って、同じ芝居について劇評を書き、意見を言ったり言われたり。他の人の劇評を読むだけでたくさんの新たな気づきがあって面白いですよ。文章を書くことのレッスンにもなりますのでぜひぜひ奮ってご参加ください。

  1. 9月18日(土)14:00-16:00 オープンセミナー「ワンダーランドが考える劇評」(案内人:水牛健太郎・ワンダーランド編集長、北嶋孝・同代表。入場 無料。会場はこまばアゴラ劇場5階稽古場。 まだ申し込んでいない方もお気軽においでください)
  2. 9月27日(月) 19:00-21:30 シンポジウム「私の考える劇評」/徳永京子(演劇ジャーナリスト)、桜井圭介(ダンス批評)、小澤英実(舞台芸術批評) 司会:水牛健太郎(ワンダーランド編集長)北嶋孝(同代表)
  3. 10月02日(土)14:00-16:30 「劇場・劇団・劇評」を語る/ 平田オリザ(青年団、こまばアゴラ劇場芸術監督)
  4. 10月16日(土) 14:00-16:30 青年団『砂と兵隊』(9/16-10/6)合評  講師・徳永京子
  5. 10月30日(土) 14:00-16:30 KENTARO!!『僕はまた今日も 未完成の音楽で唄う』(10/14-24)合評 講師・桜井圭介
  6. 11月13日(土) 14:00-16:30 龍昇企画『モグラ町1丁目7番地』(10/27-11/3)合評 講師・徳永京子
  7. 12月04日(土) 14:00-16:30 乞局『果実の門』(11/12-23)合評 講師・小澤英実

定員:20人+各回参加10人前後 (定員に達した場合は締め切ります)
会費:全6回 一般:1万8000円、
こまばアゴラ劇場支援会員/ワンダーランド支援会員/劇評セミナー受講経験者/学生:1万5000円
各回:3500円
詳細はこちら

[]幽霊学入門

幽霊学入門 (ハンドブック・シリーズ)

幽霊学入門 (ハンドブック・シリーズ)

ハリウッドのホラー映画における幽霊の表象とジェンダーについて書きました。

[]頂いた本

20日には刊行記念トークショーもあるそうです。

宗教とは何か

宗教とは何か

ケンブリッジ・サーカス (SWITCH LIBRARY)

ケンブリッジ・サーカス (SWITCH LIBRARY)