橋本健二の読書&音盤日記

2011-02-13

ジョージ・セルとクラウディオ・アラウ

この二人がニューヨーク・フィルのコンサートで共演した録音を集めた2枚組である。北米ではすでに発売されていたようだが、ようやく日本でも予約できるようになった。

曲目は、以下の通り。

Beethoven - Piano Concerto No. 1 in C major, Op. 15 (11 November 1945)

Chopin - Piano Concerto No. 2 in F minor, Op. 21 (9 January 1955)

Richard Strauss - Burleske in D minor for Piano & Orchestra (11 March 1945)

Weber - Konzertstück in F minor for Piano & Orchestra, Op. 79 (11 March 1945)

Liszt - Piano Concerto No. 2 in A major (15 December 1946)

なんとシュトラウスとウェーバーは、東京大空襲の翌日の演奏である。

2011-02-07

classingkenji+books2011-02-07

「卯波」と鈴木真砂女

川本三郎の新著を読んでいて、銀座の居酒屋「卯波」のことを思い出した。かつて銀座一丁目の細い路地にあった居酒屋で、俳人の鈴木真砂女さんが営んでいた。九〇歳を超えるまで店に立ち続けていたはずである。和風シュウマイと鰯の叩き揚げが名物で、客には新聞記者や文学関係者が多かった。もちろん俳句愛好家も集まり、真砂女さんに自分の句を見せて、アドバイスしてもらっているのを見たことがある。

真砂女さんの死後、孫が受け継いでいたが、地上げされてやむなく閉店。近くに新店舗が開店したというが、行ったことがない。銀座の路地は江戸時代に形成されたもので、江戸時代の地図と見比べてもまったく同じ場所にあるものが多い。貴重な文化遺産、都市遺産を、こんな形で破壊するのは許せない思いがする。同じように破壊されるのは、一丁目、二丁目あたりに多いようだ。破壊を食い止め、次の時代に継承するプランが必要だろう。

この本は、真砂女を含め、東京に住んだ二三人の文人の東京暮らしを、さまざまな作品を取り上げながら描いたもの。川本にとっては手慣れたテーマで目新しさはないが、にもかかわらず、これまで紹介されなかった新しいテクストや事実を次々に提示していく、その鮮やかさ。

写真は、私が二〇〇三年に撮影したものである。

それぞれの東京―昭和の町に生きた作家たち

それぞれの東京―昭和の町に生きた作家たち

2010-12-06

グラモフォン111周年記念ボックス vol.2

ひと月かけてvol.1を聴き終え、vol.2に取りかかる。

こちらの中身は、アルゲリッチのプロコフィエフ/ラベルの協奏曲、バーンスタインのマーラー1番、ベームのモーツァルト木管楽器協奏曲集、ブーレーズのドビュッシー、フルトヴェングラーのシューベルト9番、カラヤンのドイツ・レクイエム、ムラヴィンスキーのチャイコフスキー6番、ピレシュのモーツァルト協奏曲14/26番、ポリーニの現代曲集、ライヒの「ドラミング」、リヒテルのシューマン曲集、シノポリのオペラ合唱曲集、イエペスのアランフェス協奏曲など。まさに名盤揃いで、グラモフォンの底力といったところ。聴くのにまたひと月かかりそうだ。なぜか、第1巻より安く売っているショップが多い。

111: The Collector's Edition 2

111: The Collector's Edition 2

2010-11-10

グラモフォン111周年記念ボックス

グラモフォンが111周年を記念して発売したボックスセットで、なんとCD55枚組。グラモフォンの代表的な演奏者の代表的な演奏ばかり集めた超弩級のコレクションである。たとえば、アルゲリッチはショパンの前奏曲全曲、バーンスタインはウェストサイドストーリー全曲、ベームはモーツァルトのレクイエム、フィッシャー=ディースカウは冬の旅、フルニエはバッハの無伴奏全曲、ポリーニはショパンのエチュード全曲、といった具合。数えてみたら、すでにもっているものが15枚ほどあったが、この値段だから買った方がずっと得だ。重複した分は、大学へ持っていって研究室で聞けばいい。

第2集も出ていて、こちらと合わせると111枚組になるという仕掛け。追って紹介しよう。

111 Years of Deutsche Grammophon/Various (Coll)

111 Years of Deutsche Grammophon/Various (Coll)