2012-02-06
奈良教育大学の食育講座を通じて学生が企画した手作りクッキーが人気
high190です。
奈良教育大学の学生が手作りで作っているクッキーが人気を集めているそうで、学外からも買いに来る人がいるほどの人気ぶりとのこと。
- 奈教大名物にんじんクッキー(出典:朝日新聞 2012/01/30)
奈良教育大(奈良市高畑町)で、学生手作りの「にんじんクッキー」が人気を集めている。保存料や着色料などが無添加で体にやさしく、学外からも購入に訪れる。
作っているのは、食や健康について学ぶ「なっきょん食育塾」の塾生の教育学部家庭科教育専修の学生ら。昨秋、「子どもたちが苦手なニンジンを安心して食べてほしい」との思いで企画。大学近隣の洋菓子店「にこにこ庵(あん)」に計6回試作品を持ち込んでアドバイスをもらい、完成させた。
米粉や小麦粉、卵、バターなどでつくった生地に細かく切ったニンジンを混ぜ、冷凍庫で1週間寝かせた後に焼き上げる。サクッとした食感にニンジンのほのかな甘みが広がる。
昨年11月の大学祭で約500袋を完売。キャンパス内の生協購買部で昨年12月から不定期で販売を始めた。「子どもたちに手作りのおいしさを知ってほしい」と3年の落合絵未さん(22)。
次の販売は2月1〜3日午後0時10分から購買部前で。1袋(8個入り)100円で、約150袋がなくなり次第終了する。
「なっきょん食育塾」という学内グループに所属する学生たちが作ったクッキーだそうです。子どもたちが苦手なニンジンを食べてもらいやすくするためのアイデアから生まれた商品で、ちゃんと食育の理にかなっていると思います。ちなみに2月で販売は一区切りつくようですが、最後の販売はどれだけの反響があったのか気になるところです。
平成23年春、家庭科教育の学生を中心に「なっきょん食育塾」が開塾しました。「なっきょん食育塾」は、「食」や「健康」に関して知識と経験を積み重ね『考動力』を養うことを目指すグループです。活動を通して、コミュニケーション力や問題発見・解決力、積極性、実践力を身に付けることも目指しています。
「なっきょん食育塾」では、学生の発想・アイディアをもとに、食や健康に関する様々な企画・運営をしていきます。そして、みなさんに食や健康に関する情報をどんどん提供していきます。これらの活動は家庭科教育の先生方をはじめ、多くの先生方や地域の方の強力なバックアップをいただいて進めていきます!
私は学生の発想・アイディアを活用し、地域に根ざしたプロジェクトがとても好きです。学生が学びと実践を通して何かを得られる環境づくりを行う、というところに共感するからだと思いますが。
是非今後も後輩学生にバトンを渡して大学の名物にしてほしいですね。
2012-02-02
外務省職員が出張講義を行う「外交講座」を大学でもっと活用しよう
high190です。
最近では大学に関する秋入学の議論が様々なところで行われるなど、大学の国際化に関する関心が高まっていますが、教育の一環として学生が最新の国際情勢に関する生の話を聞ける機会を作ることも今後より必要になってくるのではないかと思います。外務省では、大学生・大学院生が最新の国際情勢や外交問題に対する理解を深められるよう、職員を大学に派遣して講義を行う「外交講座」を行っており、こういった講座を活用することも大学の国際化に向けた足がかりになり得ると思います。
外務省では,次代を担う大学生・大学院生を対象に最新の国際情勢や外交問題についての理解を深めていただくため,外務省職員を全国各地の大学に講師として派遣し,講義を行う「外交講座」を実施しております。
本講座実施をご希望の場合は,以下の開催要領をご覧いただき,別紙「実施申請書」にご記入の上,開催希望日の2ヶ月前までに,外務省国内広報課まで御提出下さい。
こういった講座があることを私は外務省のメールマガジンで知りました。しかしながら、大学関係者にこういった講座があることはあまり知られていないように思われるため、このブログでも紹介したいと思った次第です。
開催要項によると、講演料は無料で講師の派遣にかかる交通費を大学が負担すればいいようです。実施の2か月前までに所定用紙での申込を行う必要があります。実施申請書の中に講演テーマの一例が紹介されていますが、日本の外交政策をだけではなく、国際平和協力、安全保障、国際法、自由貿易協定など多彩なテーマでの開催が可能なようです。
日本の外交政策,国連関連,国際協力関連,人権,人道支援,平和構築,国際平和協力,軍縮関連,安全保障,人間の安全保障,海上安全保障,国際テロ関連,国際法関連,EU(欧州連合)関連,APEC(アジア太平洋経済協力),FTA(自由貿易協定)/EPA(経済連携協定),広報文化交流,ユネスコ関連,地球環境(気候変動),エネルギー安全保障,食料安全保障,各国地域情勢(アジア,大洋州,北米,中南米,欧州,中東,アフリカ),外務省の仕事,外交官になるには,国際公務員になるには,等
グローバル化が進んでいるとはいえ、世界を相手に仕事をしている人の具体的な話を聞く機会はそう多くありません。学生の目線に立って考えれば、在学中に様々な経験を積む機会を増やすための施策を大学として考えていかなくてはなりません。だからこそ留学の重要性があるのですし、日本と世界の関係について考えるきっかけを作る上で、この講座はとても有効だと思います。今年度は52の大学で講座が行われていますが、より多くの大学で外交講座が今後広まっていけばいいですね。
2012-01-25
東京大学の秋入学への移行に関する雑感と大学の機能分化についての私見
Diary, Research, Adaptive University
high190です。
先日、東京大学が入学時期を秋学期に全面移行を検討しているとの報道があり、1月20日に正式な発表がありました。*1
様々なところで秋入学の是非が議論されているのですが、私なりに思うことを書いておきたいと思います。とりあえず、まず紹介したいのが以下の記事です。
- 「一部が騒いでいるだけ」私大は秋入学に疑問も(出典:読売新聞 2012/01/19)
教育や研究の国際競争力確保を狙い、東京大が、全学部の入学時期を秋に移そうと動き出したことについて、私立大には複雑な声もある。
早稲田大の内田勝一副総長は、「すぐ大学で学びたい学生もいるのに、全員を半年間も待たせるべきではない。4月入学と秋入学を併存させるのが現実的な選択ではないか」と疑問を口にしていた。
大学進学率が50%を超える一方、国内には800近い大学があり、少子化などの影響で定員割れに苦しむところも多い。一部大学では、事実上、学力を問わずに入学させることも常態化している。
ある地方私立大の理事は「受け入れた学生をどう育てるか、社会人としての力をどうつけるか、就職先をどう確保するかの方がより切実だ」といい、こう言葉を継ぐ。「一部の大学が騒いでいるだけだ」
あくまでも一例ですが、全ての大学において秋入学移行に賛成ではない、ということが分かる記事だと思います。さて、今回の東京大学による秋入学の検討開始については様々な意見が出ていますが、既に来年から秋入学でスタートしようとしている大学があることは、あまり知られていません。来年9月から開学する5年一貫制の沖縄科学技術大学院大学(以下、大学の略称である「OIST」と言います。)がそうです。この大学については、このブログでも何度か記事にしたことがあります。*2 *3 *4
OISTが文部科学省に提出した設置認可申請書の「設置の趣旨等を記載した書類」に秋入学のことが書かれていますので、関係部分を抜粋します。
- 沖縄科学技術大学院大学「設置の趣旨等を記載した書類」(出典:文部科学省大学設置室)
新大学院大学の必要性
日本国内の既存の大学では、外国人の教員、研究者、及び学生の比率は高くない。世界最高水準の教員、研究者、及び学生を呼び込むためには、国際的なコミュニティーを構築し、外国人の教員、研究者、及び学生にとって魅力的な条件を整備することが重要である。既に定着した文化や管理運営機構を持つ伝統的な大学においては、これを達成することは困難である。例えば、英語を大学の公用語として使用することは、出身国に関わらず、トップレベルの科学者や学生の研究活動や勉学をより容易なものとする。世界中から、最高水準の教員、研究者、及び学生を獲得することができるような国際コミュニティーを構築する必要がある。
基本コンセプト
本学は、教職員、学生、組織文化、行動規範及び教育研究の言語の点で、十分に「国際的」な環境を醸成する。ここでは、英語が教学及び管理運営の公用語である。博士論文も英語で作成することとする。また、教授陣・学生の半数以上を外国人とする。日本人・外国人学生は、共に隔たりなく、こうした多様で特異な環境にさらされることによって、他に類を見ないほど自由で革新的な科学の見方を養うことになる。
学年暦
学年暦は、国際的に最も普及している9月から開始する。これにより、世界中からの学生獲得を容易にする。一学期は9月1日から12月31日、二学期は1月1日から4月30日、三学期は5月1日から8月31日までとする。
以上のように、OISTは大学院大学として世界中から優秀な人材を集めるために9月入学を導入することとしています。また、私が秋入学の観点からOISTの書類を読んでみて、一番印象に残ったのは「既に定着した文化や管理運営機構を持つ伝統的な大学においては、これを達成することは困難」という点です。東京大学は、明治10(1868)年に創立している140年以上の歴史ある大学ですので、秋入学に移行するにあたって、今までの伝統をどれだけ変えていけるのかということが大きなポイントだと思います。また、東京大学が秋入学の検討を始めたことについては、平成17年に出された中教審答申「我が国の高等教育の将来像」における「世界的研究・教育拠点」を、東京大学が真剣に目指し始めたことの表れであるとも感じます。この背景にはTimes Higher Educationなどの大学ランキングにおいて、2010年のランキングではアジアトップの座を香港大学に明け渡すなど、日本の大学が欧米のみならず、アジアの中でのプレゼンスをも失いつつあることへの危機感だと私は思っています。*5
別の観点から考えると、東京大学などが世界的研究・教育拠点を目指すのと同時に、アルファベットから学生に指導する大学があること*6からも、大学の機能分化が一層進みつつあるとの読み方もできると思います。(個人的には、社会に接続する最後の教育機関としてのミッションを果たそうとしている日本橋学館大学の取り組みには賛成です。)以上のことからも、東京大学の秋入学については、世界的研究・教育拠点を目指すための施策であると理解することが一番重要であり、他大学においては「我が国の高等教育の将来像」で示された機能分化をそれぞれのミッション・規模に応じた形でどのように理解し、大学経営に生かしていくのかを考える機会になるのではないかと思います。
*1:入学時期の在り方についての検討−http://www.u-tokyo.ac.jp/gen02/fall.enrollment.html
*2:沖縄科学技術大学院大学の初代学長はスタンフォード大学教授に−http://d.hatena.ne.jp/high190/20100710
*3:沖縄科学技術大学院大学のオープンキャンパスに約2,000人が来場−http://d.hatena.ne.jp/high190/20101205
*4:沖縄科学技術大学院大学の専任教員に定員の約37倍もの応募が−http://d.hatena.ne.jp/high190/20110216
*5:Times Higher Educationが2010年の世界大学ランキングを発表−http://d.hatena.ne.jp/high190/20100917
*6:アルファベットから始める大学は、大学としての機能を失っているのか?大学の機能分化についての私見−http://d.hatena.ne.jp/high190/20111018
2012-01-23
名古屋大学がキャンパス内でセグウェイの利用実験を開始
high190です。
名古屋大学がキャンパス内でセグウェイの利用実験を開始するそうです。
- 名古屋大学:「セグウェイ」導入へ 利用実験始める(出典:毎日新聞 2012/01/19)
古屋大学は、立ち乗り二輪車「セグウェイ」のキャンパスへの導入を目指した利用実験を19日に始める。実験開始を前に18日、名古屋市千種区の東山キャンパスで試乗会をした。
セグウェイは、乗員の微妙な体重の移動で前後左右に自在に動く。実験には大学院生や教職員約50人が参加。キャンパス内3カ所にセグウェイを1台ずつ配備し、利用した際の速度などのデータを集める。
実用化した場合は車やバイク、自転車の乗り入れを徐々に制限するという。大学間競争が激しい時代、「名大に入ればセグウェイに乗れる」がセールスポイントになる?
実用化した場合には、キャンパス内へ自動車などの車両乗り入れを制限するとのこと。いずれ、名古屋大学の中をセグウェイで移動する姿が見られるようになるのかも知れないですね。
この利用実験は名古屋大学に設置されているグリーンモビリティ連携研究センターによるイベントだったようです。
- 電動パーソナルモビリティ(PM)共同利用実験の開始について記者会見が行われました。(出典:名古屋大学グリーンモビリティ連携研究センター)
電動パーソナルモビリティの利用について、大学内での実験を経て実社会での活用への課題を整理するそうです。
確かにセグウェイも話題になりましたが、実社会で普及したとは言い難いように思います。実用化に向けた第一歩として、大学での社会実験で色々な点から検討が重ねられるといいですね。
2012-01-15
立命館大学の学生サークルが大学と猫の共存を模索
high190です。
立命館大学で学内で暮らす野良猫と大学との共存を目指したサークルを立ち上げた学生がいるそうです。
- 猫と大学、共存できるか 立命大生が世話サークル(京都新聞 2012/01/10)
京都市北区の立命館大生が、学内で暮らす野良猫との共存を目指してサークルを立ち上げ、活動を続けている。キャンパスの猫たちは「学生の癒やしの存在」になる半面、ふんやアレルギーなどで厄介者扱いをされている現状があり、猫好きの大学職員からも協力を得て、世話を続けている。
衣笠キャンパスには、約20匹が住み着いているという。近隣住民や学生から鳴き声やふんの臭いなどで苦情があり、2010年秋には学内に「猫にえさを与えないで」との看板も設置された。
このため、代表の4年高濱美香さん(22)が猫好きの学生に呼び掛け、11年4月に「立命館大猫の会」を結成。残飯をあさらないように毎日えさ与えているほか、去勢手術を受けさせている。大学職員を含む約30人が参加し世話をしている。
高濱さんらは「活動を続ければ将来は猫がいなくなる」との思いもあるが、放置すれば処分されるため、「去勢手術に複雑な気持ち。でもこの子たちだけでも一生を全うしてほしい」と話す。
同会では学内外からメンバーやえさ代などの支援も求めている。詳しくは同会ホームページ(http://ritscat.jimdo.com/)
大学キャンパスと猫にまつわる話は色々あります。例えば、横浜国立大学ではキャンパス内の猫を保護するネコ募金*1があります。サークルもできてました。*2山形大学農学部附属やまがたフィールド科学センターでは猫写真を公開している職員さんがいて、そこの猫たちはとても愛されているみたいだし、*3大分大学高等教育センターには警備担当の猫であるタマがいます。*4Twitterもある。*5
このように大学にとって猫は身近な存在であると同時に、どうやって共存していくかを考えるのは難しい問題だと言えます。いまのところ学生主体のサークルが募金などして去勢手術や食事費用を捻出している例が多いですね。猫好きの大学職員としては、大学として公式には手伝えなくても個人として大学と猫との関係を考え、学生に協力している立命館大学の職員さんは偉いと思います。こうした活動を行うことは学生たちにとって、行動することの重要性を学ぶいい機会ではないでしょうか。何よりも身近な命を大切にしたいという気持ちが人の心を動かすのですから、是非活動を継続していってほしいと思います。
2012-01-14
鹿児島大学が県内の酒造組合と共同開発した「宇宙だより」を発売
high190です。
鹿児島大学が県内の酒造組合と共同開発した「宇宙だより」が発売されることになったそうです。
- 焼酎「宇宙だより」が完成 酵母はISSで培養(出典:47NEWS 2012/01/13)
鹿児島大と鹿児島県酒造組合は13日、国際宇宙ステーション(ISS)に持ち込んだ、こうじと酵母を使って共同開発した焼酎「宇宙だより」が完成したと発表した。芋焼酎「小鹿」や黒糖焼酎「里の曙」など、酒造12社の銘柄12本セット(1本900ミリリットル入り)を2万400円で発売する。
開発に当たった、鹿児島大焼酎・発酵学教育研究センター長の鮫島吉広教授は「通常の酵母を使ったものより香りが高く、華やかな印象」としている。
この焼酎はスペースシャトルに乗り、国際宇宙ステーションを経て「帰還」した酵母で仕込まれたものです。焼酎どころの鹿児島ならではの面白い企画*1で、去年の6月に酵母が宇宙から帰還した際にも記事を書かせてもらっていました。*2
- 宇宙を旅した焼酎「宇宙だより」発売のご案内(出典:南九州酒販株式会社 2012/01/09)
12本銘柄1セットで2万4千円で発売されるそうです。800セット限定とのことなので、興味にある方はお早めにどうぞ!
焼酎学講座は鹿児島という地域性にぴったりで、地域貢献と産学連携の両方を実現できるプロジェクトだと思います。鹿児島大学には今後も魅力的な研究を行ってほしいですね。
*1:鹿児島大学が「宇宙焼酎」の開発に向けて始動−http://d.hatena.ne.jp/high190/20110120
*2:鹿児島大学が開発している「宇宙焼酎」の原料が無事に帰還−http://d.hatena.ne.jp/high190/20110609
2012-01-10
京都で開催された「高等教育研究会」の大学職員フォーラムに参加してきました。
high190です。
1月7日(土)に京都私学会館で開催された、高等教育研究会の大学職員フォーラムに参加してきました。
この研究会は、1989年4月25日に京都私大連協・私大教連第1回高等教育研究会が開催されたところからスタートしているようですので、20年以上の歴史を持つ勉強会です。私は昨年初めて参加させてもらったのですが、小規模でありながら非常に密度の濃い報告を聞くことができたため、今年も参加してきました。今年のテーマは「この20年、変わったモノ・変わらないモノ・変えねばならないモノ」ということで、1990年代から20年の間に大学を取り巻く環境はいかに変わり、その中で大学職員に求められるものはどのように変遷してきたかについての講演がありました。
報告者として、立命館大学教学部事務部長で前大学行政管理学会会長の大島英穂氏、京都精華大学学長室長で中小大学実践知研究会*1モデレーターの福岡正蔵氏、熊本大学経営企画本部マネージャーの坂田親信氏が登壇し、それぞれの報告者によるパネルディスカッションと出席者による質疑応答が行われました。個人的には、中小大学実践知研究会の福岡さんが登壇することもあって、中小大学が取るべき戦略などについて色々お話を聞ける良い機会だと思って楽しみしていたのですが、期待通りで満足度が高かったです。各報告のテーマは次の通りです。だいぶ端折っていますが、high190が報告を聞いていてポイントだと思った部分を抜粋して掲載しておきます。ご参考までに。
基調報告「職員力向上の課題」(立命館大学 大島氏)
- 大学では教員、職員を問わず有期雇用が一般社会よりも進んでいるため、有期・非専任とのパートナーシップが重要になる。このことを踏まえて専任職員が担うべき領域は広範化しており、この能力をどのように獲得するかが大きな課題である。
- 大学組織の特性を知る必要がある。マクネイの大学組織モデルが参考になる。*2
報告1「この20年、変わったモノ・変わらないモノ・変えねばならないモノ」(京都精華大学 福岡氏)
- 大学コンソーシアム京都でワークショップ型のSD研修*3をやっているが、従来型の講演会形式の研修では、現場で本当に役立つ知識は得られない。ワークショップ型のSD研修は参加者にとって負荷が大きいかもしれないが、「大学プロ職員育成モデルの構築」に繋げられる可能性がある。
- 今後の課題としては、ワークショップに慣れていない人が多くいるように見受けられたため、対話文化の醸成を図る必要がある。今後のSD展望として、啓発のステージから自立のステージに移りつつあり、個々の職員に内省を促すためにもワークショップ型の研修が有効であると思われる。その他、大学院での研究や自己でキャリアデザインの理論を学ぶことも有用である。
- SDの提供側は職員個々の成長を支援する構えにシフトする。
- 国立大学法人化で運営交付金と定員の削減を求められるようになり、外部資金を積極的に取得する必要が生じた。業務の高度化に対応するために事務改革を行う必要性が生じ、組織、業務、人事制度の3つを変える改革を行った。
- 業務量を維持したままの削減には限界がある。思い切って業務自体を減らす、止めるといった考え方も必要。
- 改革はある特定部門だけでやるのではなく、できるだけ多くの人を巻き込んでいくことが大切。
この他にもとても面白く興味深いお話がたくさんあったのですが、今回のフォーラムで、どの報告者の方々も共通で指摘していたことがあります。それは、「職場内外で学習力を高められる場を作ることの重要性」です。この20年の間に職員には自律性が求められるようになり、量的な業務改善から質的な業務改善を行うことこそが重要であるとの指摘もありました。そういった能力を職員が獲得するためには、インフォーマルな勉強会で意見交換をしながら自分を高めていくことが大切なのではないでしょうか。大学職員として、自らのキャリアプランを見据えた主体的な能力開発への転換が求められているのだと改めて感じました。
ちなみにインフォーマルな勉強会の具体例としては、私も参加している「Greenhorn Network 若手大学職員勉強会/ネットワーク」があります。この団体は、首都圏の大学等に勤務する若手職員を対象に、大学間の交流・情報交換、それによるモチベーションの向上を目的とした、勉強会、講演会、交流会等を行っています。
職場内外に限らず、優れた事例などを吸収できる勉強会は数多くあります。また、自らのニーズに沿う勉強会がなければ仲間を募って自分で開催してもいいはずです。是非職場でも研修で得られた知見を有効に使っていけたらと思います。
*1:中小規模の大学について職員が研究を行う「中小大学実践知研究会」が興味深い http://d.hatena.ne.jp/high190/20111108
*2:大場淳「大学のガバナンス改革−組織文化とリーダーシップを巡って−」名古屋高等教育研究 第11号(2011) http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/publications/journal/no11/16.pdf
2011-12-29
静岡大学発のITベンチャー、埋もれた論文を低価格で電子書籍にするサービスを提供
high190です。
静岡大学発のITベンチャー企業が、学術論文を5万円から電子書籍化するサービスを始めたそうです。
- 埋もれた論文 電子書籍に(出典:読売新聞 2011/12/17)
静岡大学発のITベンチャー「静岡学術出版」が、学術論文や絶版になった書籍を電子書籍化し、低価格で出版・復刻するサービス「新電子出版 知の偉産シリーズ」を開始した。電子書籍化の価格は1冊あたり5万円。出来上がった電子書籍は、ネット小売り最大手「アマゾン・ドット・コム」や同社のウェブ書店で、1冊500円程度で販売されるという。
同社によると、博士・修士論文は毎年、合計約10万件が作成されているが、そのほとんどは出版されず、大学図書館などに眠ったままになっている。同社では、これまでも紙での自費出版を1000部約50万円で請け負ってきたが、「長い年月や費用をかけた研究成果が、人の目に触れずに埋もれるのは大きな損失。もっと低価格で提供したい」として、電子書籍での出版サービス開始を決めた。
同社では著者から提出された原稿をDVDなどに移し、表紙や奥付のデータを付けて電子書籍化する。経費削減のため、カバーデザインは選択制とし、校閲なども省いた。入稿から約2週間で納品できるという。
作成された電子書籍は、1冊ごとに国際標準図書番号(ISBN)が付けられ、正式な書籍として国立国会図書館に納品される。紙の在庫を持つ必要がないため、同社が存続する限り絶版になる恐れもないという。
年間売り上げ目標は2012年度で3400万円。同社営業担当の三島美保さん(46)は「電子書籍向け端末も次々開発され、今後電子書籍のニーズは高まる」と自信を見せる。同社を指導している静岡大情報基盤センターの井上春樹副センター長は「電子書籍化によって、論文の検索や入手も容易になる。大学で生まれた研究成果を、広く社会に還元することが可能となる」と話している。
もともとは、静岡大学総合情報処理センターでのノウハウを学術機関、一般企業に還元するために設立された会社のようですね。
電子書籍化にあたって、どの程度の金額が妥当かはサービスの内容にもよると思いますが、1冊500円程度ならかなり安価なのではないでしょうか。これからの大学図書館は通常の蔵書のみではなく、iPadやAmazon Kindleの普及にあわせて電子書籍を多く扱うことになるでしょうから、学術論文もデジタルデータ化していくことは普通の流れであると思います。*1また、電子書籍であればWebを介する分だけ様々な人の目に触れる可能性が増しますので、自分の研究内容を世に問うにはとてもいい仕組みであると思います。学位の質保証という観点からも、研究成果の配布を容易にするサポートはこれからさらに拡大していくものと思われますので、静岡学術出版のこれからの期待を寄せたいところですね。
*1:これからの大学図書館はメディアセンターへ−http://d.hatena.ne.jp/high190/20100713
2011-12-25
「博士論文研究基礎力審査」に係る大学院設置基準の改正をどう読むか?
high190です。
大学院で博士号取得を目指す者に対して、博士前期課程において修士論文を課さなくてもよくする大学院設置基準の改正について、現在パブリックコメントが募集されています。
- 大学院、来年度から修士論文不要に 試験などで審査(出典:日本経済新聞 2011/10/26)
文部科学省は26日、大学院で修士論文を作成しなくても修士号を取得できるよう省令を改正する方針を決めた。博士号取得を目指す大学院生が主な対象で、論文の代わりに専攻だけでなく関連分野も含めた幅広い知識を問う筆記試験などを課す。大学院の早い段階から専門分野に閉じこもるのを防ぎ、広い視野を持つ人材を育てる狙い。来年度から適用する。
現在の大学院教育は、2年間の修士課程と3年間の博士課程に分かれるのが一般的。省令の大学院設置基準では修士論文を提出して審査に合格することが事実上、修士課程を修了する条件になっている。
文科省は同基準を改正。「博士論文研究基礎力審査」と呼ぶ試験に合格すれば修士号を得られるようにする。審査は筆記と面接で、博士課程で学ぶのに必要な専門分野と関連分野の知識、研究を自力で進める力などを判定する。
修士課程2年の春から夏に筆記、冬に面接を行うことを想定。博士課程は別の大学院に進みたい場合、入試も受ける必要がある。博士課程に進まず就職する大学院生も多いことなどから、修士論文の提出を条件とする従来方式も認める。
修士論文を実質的に不要にするのは広い視野と能力を持った人材を育てるのが狙い。従来の修士課程は論文作成のため早い段階から特定の研究室に所属して研究テーマを絞ることが多く、博士課程を終えても産業界から「専門分野には詳しいが応用が利かず、使いにくい」と評価されてきた。
同省は審査の導入に合わせ、修士課程の教育内容の見直しを各大学に促す。院生が分野を超えて複数の研究室で学べるようにし、専門だけでなく関連する分野の知識も身に付けさせる。将来的には5年一貫教育で博士号の取得を目指すコースを普及させたい考えだ。
大学院設置基準の改正案については年明けにも国民から意見を募集。その結果を踏まえて来年3月までに改正したい考えだ。
ちなみに現行の大学院設置基準第16条に修士課程の修了要件についての規定があります。現行基準では修士論文又は特定の課題についての研究の成果を提出し、合格した場合に修士号が授与されますが、今回の制度改正では「博士論文研究基礎力審査」を行うことで、修士論文の提出に代えることができるようになるということです。ちなみに修士課程のみの大学院には博士論文研究基礎力調査は適用されません。
(修士課程の修了要件)
第16条 修士課程の修了の要件は、大学院に2年(2年以外の標準修業年限を定める研究科、専攻又は学生の履修上の区分にあつては、当該標準修業年限)以上在学し、30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、当該修士課程の目的に応じ、当該大学院の行う修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験に合格することとする。ただし、在学期間に関しては、優れた業績を上げた者については、大学院に1年以上在学すれば足りるものとする。
「博士号取得を目指す者」というのがポイントで、「修士号だけでいいや」という人には修士論文か特定課題研究を課すということになるのでしょうが、その辺りの判断は各大学に委ねられることになりそうなので、結局のところ「他の大学の動向も見ながらとりあえずは今まで通り修士論文を課せばいいや」なんてことにならないようにしてほしいものですね。
今年の1月に文部科学省が発表した答申*1と今回のパブリックコメント*2を読むと、日経の記事にもあるように元々の発端は、狭い分野だけでなく、幅広い分野の知識を持った博士号取得者を育成してほしいという産業界からの要請を受けた制度改正であることが分かります。パブリックコメントの資料にも「我が国の博士が,アカデミアはもとより広く産学官の中核的人材としてグローバルに活躍していくため」という記載があることから、産学官連携の中核人材を育てるためにも、専門分野の枠にはまらないための制度を位置付ける必要があるということが主旨のようです。どちらかと言うと文系よりも理系に重点を置いた制度改正のように思えます。
パブリックコメントの締切日は平成24年1月6日で、文部科学省は寄せられた意見を踏まえて3月末までの改正を考えているようですが、この改正によって修士課程、専門職学位課程、博士課程の区分をより明確にしたいのではないかと感じます。今年度から新たな競争的資金である「博士課程教育リーディングプログラム」の公募が始まり、先月末に採択された大学が発表されましたが、*3この事業の概要に今回の設置基準改正の趣旨と同じことが書いてあります。
「博士課程教育リーディングプログラム」は優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産・学・官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した世界に通用する質の保証された学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援し、最高学府に相応しい大学院の形成を推進する事業です。
グローバルに活躍するリーダーを産学官の参画を得つつ一貫性博士課程で実現するんですから、まさしく今回の設置基準改正の趣旨に適うのが博士課程教育リーディングプログラムな訳です。今後、このプログラムに採択された大学でどういった施策が取られるか興味深いの同時に、私個人の意見としては、これまでは博士課程というと進学しても就職先がないなど、高学歴ワーキングプアを生み出す温床のように語られてきてしまっていた部分がありますし、政策面でも迷走していた感が否めない*4ため、今回の改正をきっかけに大学院教育のより良い方向への改革に向けて上手に活用してほしいなあと願うばかりです。
*1:グローバル化社会の大学院教育〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために−http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1301929.htm
*2:博士課程教育の質の向上等に係る大学院設置基準等の改正に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について−http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000552
*3:平成23年度「博士課程教育リーディングプログラム」の採択拠点の決定について−http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/hakushikatei/1313575.htm
*4:「博士号取得者の就職支援のために文部科学省が「持参金」を準備。果たして制度は機能するか。」−http://d.hatena.ne.jp/high190/20091115
2011-12-22
IR(Institutional Research)での大学間相互評価と、日本版IRについて考えよう
high190です。
ここ最近の大学経営についてのホットトピックのひとつがIRであると思っています。IRの定義については以前もご紹介しましたが、「大学の中にある様々な情報を活用し、教育、研究等の大学の業務の改善や意思決定の支援情報のデザイン、収集、分析、評価、活用、提供などの中核を担う」ことを指しています。*1
今、大学関係者の注目を集めているIRですが、同志社大学、北海道大学、大阪府立大学、甲南大学の4大学が行っている「相互評価に基づく学士課程教育質保証システムの創出―国公私立4大学IRネットワーク」では設置者の枠を越えた複数の大学間連携IRが行われています。このプログラムは、平成21年度に文部科学省の戦略的大学連携支援事業に採択された取り組みで、国公私立大学間の積極的な連携を推進し、各大学における教育研究資源を有効活用することにより、当該地域の知の拠点として、教育研究水準のさらなる高度化、個性・特色の明確化、大学運営基盤の強化等を図ることを目的としています。
- 「IR」で大学相互評価の試み 同志社・北海道など4大学(出典:朝日新聞 2011/12/12)
IRという言葉が大学の間で使われ始めている。報道の世界でIRといえば調査報道(Investigative Report)だが、大学の世界では機関調査(Institutional Research)となる。大学のさまざまな情報を把握・分析して数値化、標準化するなどし、結果を教育や研究、学生支援、経営などに活用することを意味するという。
多面的な機能が大学にはある。だが大学自身がその実態をつかみ切れず、学内で共有できていないことが多い。そのため自分を調査して分析し、さまざまな改革に生かそうという試みがIRだ。ただ、IRの結果を他大学と比較して客観化、相対化しながら問題点をみつけなければ、改革の役にはたちにくい。だからこそ共同調査という手法が生きてくる。
同志社、北海道、大阪府立、甲南の4大学は共同でIRを進め、加入大学をさらに増やしていくことを考えている。12月4日に同志社大学でIRシンポジウムが開かれ、4大学がその意義を強調した。
●学生の実態、客観的に比較
4大学の調査とはどんなものか。今回実施された「一年生調査2010年」は、2010年秋に入学から半年たった1年生を対象に行われた。調査報告書によると、対象となる学生の構成比は同志社と大阪府立がそれぞれ約25%、甲南が41%、北海道が9%だった。
さまざまな質問をしている。そのなかで1週間の学習時間をみると「授業や実験に出る時間」は20時間以上がもっとも多く約40%、16〜20時間が約30%、11〜15時間が約20%、6〜10時間が約10%。平均は16時間だった。これに対して「授業時間以外に勉強や宿題をする時間」は平均で4時間程度。1〜2時間、3〜5時間が各約30%で、6時間以上が約20%、1時間未満とまったくないのが約21%となっている。マンガや雑誌を除いた読書の時間については、1週間で平均2.3時間。1時間未満が26%、1〜2時間が22%、3〜5時間が16%、6〜10時間が6%となっていた。読書に没頭する学生がほとんどいないことがうかがえる。これらは調査のほんの一部。ほかに英語の修得状況や大学生活への意識なども大きな項目として尋ねている。
こうした膨大な調査を大学の教育に役立てていこうというところにIRのねらいがある。4大学の間で、たとえば学習時間を比較して客観的な位置を確認する。さらにクロス集計して、傾向や対策をみつける。それをもとに大学自身が活用して改革に生かしていく――ということになる。
●成果は各大学が様々に活用
山田礼子・同志社大学教授によるシンポジウム報告によると、調査をもとにした具体的な取り組みとして、北大は「学習時間の確保の確認と改善」、大阪府立大は「教育体制の再編・カリキュラム改革の検証」、甲南大は「英語の到達目標の制定」、そして同志社大はIRネットワーク事務局としての調査の総括と学生調査の実施・分析につなげていったという。山田教授らは今後、さらに加入大学を広げてコミュニティーをつくり、システム開発やデータ分析ができる人材育成につなげたいと考えている。
2011年度から大学情報の公開が義務化され、計画から実行、評価、改善のPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを実質化するよう、さまざまな場所で大学には注文がついている。大学自ら調査して改革に役立てるのは必要だ。しかし調査で学生の実態を把握したとして、大学の教員や経営側との科学的なつながりを示すことも必要になる。たとえばどんな授業が学生を伸ばすのか、どういう教員や教え方などにコストをかければ効果があがるのかなど、学生とともに教員や組織としての大学も、何らかのかたちで調査の対象にしてこそ意味が深まりそうだ。
シンポジウムでは、文部科学省の担当者が大学情報を活用することの重要性を強調した。同時に「IRを役立てるためにも大学内のガバナンス改革が必要」と話していた。大学にとってマイナスになる情報は出したくない、せっかく調査しても報告書をつくっただけで終わり……となるようだと本来のねらいが生きてこない。IRは長い視点で見る必要がある。
記事中で山上氏が指摘している通り、大学にとってIRというものは大学経営に活かすための指標を作成することです。単純に数字を出して終わるのではなく、エビデンス・ベースの経営判断を行うために各種活動を指標化することにこそIRの本質があるように思います。そういった観点ではまさしく「意思決定の支援情報」を提供するための活動ということになります。ちなみに私は日本におけるIRはまだまだ発展途上であるとの認識を持っていまして、大学間連携がいけないという訳ではありませんが、専任のIR担当者を置いている諸外国と比較した場合、どちらかと言うとまだ日本ではIRの制度面に研究の主眼が置かれていて、専門的なIRの知識を持った大学職員は誕生していないと見るべきではないかと思います。では、AIR*2のようにIRの専門職団体が存在するようなアメリカの大学ではどうなのでしょうか?たまたま見つけたので、ひとつの例を挙げたいと思います。カリフォルニア州にあるSaint Mary's College of Californiaです。
- Institutional Research(出典:Saint Mary's College)
The Institutional Research Office serves the SMC community by providing reliable, timely data and information in support of planning, decision making, and policy formulation.
IRは企画、意思決定、方針決定をサポートするためにあります。組織の戦略構築の土台となる基礎的情報を意思決定者に提供することがIRの役割であることを考えると、本来的には各大学が独自に収集した情報を大学の特色や建学の精神などに照らして、有効に活用していくのが本筋であろうと思います。しかしながら、現在の日本の大学においてはIRが誤解されているとの指摘もあり、*3山上氏の指摘の通り、IRの結果を他大学と比較して客観化、相対化していくのはまだ時間がかかりそうです。
大学間連携のIRという新たな形を示した今回の取り組みですが、学校教育法施行規則の改正による情報公表の義務化を踏まえ、大学に対する情報公開の圧力は高まる一方であるため、情報を公開すると同時に分析できる人材を育てていくことが急務です。大学間連携をエンジンとするIR専門職を育成するという大きな目標のあるプロジェクトですが、まずは加入大学を増やしながらIRがどういうものかを体験できる体制を整備して、ゆくゆくは日本版AIRに繋がっていけばいいと思いますね。
*1:私学事業団発行の「月報私学」に掲載されている「大学経営とIR活動」が面白い−http://d.hatena.ne.jp/high190/20110822
*2:Association for Institutional Research (AIR) http://www.airweb.org/
*3:「大学経営の基盤となる日本型インスティテューショナル・リサーチの可能性」http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/tmp_djvu.php?id=101549





















