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2017-10-30

世界を制した日本のカメラ ーもうひとつの日本カメラ史ー

23:31

 11月18日(土)“もうひとつの日本カメラ史”講演会「1:戦中・終戦直後編」には、100名近くの方においでいただき、ありがとうございました。次回、1018年1月21日(日)「2:露出とピントの自動化がもたらしたもの、デジタルまで」では、私が写真業界で仕事してからの実体験に基づく話をメインとして構成。多数のご参加をお待ちしております。

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〈撮影:神原武昌さん〉

 日本カメラ博物館では、2017年の10月24日〜2018年の2月18日の約4か月にわたって特別展「世界を制した日本のカメラ」展を開催しています。これに合わせて、副題でもある“−もうひとつの日本カメラ史−”をテーマに講演会が開かれます。

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 展示内容に関しては、すでにデジカメWatchで詳しく速報されていますので、そちらをご覧ください。

■「もうひとつの日本カメラ史講演会」

 講演会は、私、市川泰憲が講師を務め、11月18日(土)「1:戦中・終戦直後編」、1月21日(日)「2:露出とピントの自動化がもたらしたもの、デジタルまで」と題し、2回にわたって開かれます。

 第1回目は、戦後に隆盛を迎えた産業と思われがちなカメラ工業は、戦中・戦後を通してすでに60社を超える多数のメーカー存在していました。そこで、当時はどのようなメーカーにより、どのような地域で、どんなカメラが製造されたか、ふだんは日の目を浴びない、今は忘れられたスプリングカメラや二眼レフ、豆カメラ、レンジファインダー機、創世記一眼レフなどに焦点をあてて紹介します。加えて、戦後日本の輸出産業の花形であったといわれながらも、輸出にあたってはMade in Occupied Japanと表記せざるを得なかった時代、日本メーカー単独の名前でなくバイヤーズブランドで輸出した時代のカメラ、60社も超えるカメラメーカーのその後はなど、いままでにない視点で日本のカメラ技術と産業を考察します。

 第2回目のテーマでは、カメラ技術進歩の最大テーマであった、露出とピントの自動化について、私が専門誌編集者としてその時代の技術担当者から直接見聞きした、実話を主体に、今だから話せることを交えて、ふんだんに実機の写真や資料を使いデジタルカメラ到来の時代までを紹介します。

 2回の講演は、戦後日本の復興に尽くしたカメラ産業において、今日に続くメーカー、消えたカメラ企業など、いままでにない新たな視点で検討を加え、かつてカメラ産業と同様に、世界に冠たる産業であった、造船、鉄鋼、ソーラパネル、液晶パネルなどが後発国に追い抜かれてきたのに対し、今もその確固たるポジションを保っているのはなぜか等、さまざまな角度から解明を試みます。

 <講演会開催>11月18日(土)、1月21日(日)<開催時間・場所>13時〜15時、JCII会議室<申し込み>要電話予約03・3263・7110<受講料>各回300円(カメラ博物館見学料も含む)

■JCIIクラブ25“『写真工業』と日本製カメラの半世紀”展

f:id:ilovephoto:20171030233021j:image:right  また、日本カメラ財団は、JCIIクラブ25で、11月28日から12月25日にわたってライブラリーが担当して“『写真工業』と日本製カメラの半世紀”展を開催します。

 月刊雑誌『写真工業』は、1952年6月北野邦雄(吉岡謙吉)によって創刊されました。北野は東京外語大卒でドイツ語に堪能であり、1939年に光画荘を設立し『光画月刊』を創刊。戦後1951年、西ドイツで開かれたフォトキナを視察して、日本のカメラ技術を世界一の水準に高める必要性を感じ、カメラ企業各社トップに技術者のための発表の場を作りたいということで賛同を得て『写真工業』創刊しました。1954年には「ライカM3」がフォトキナで発表され、4月3日の開催直前に資料を入手し、当時としては驚異的な速さので4月20日発売の5月号に掲載。北野はジャーナリストとしてのセンスがよく、業界企業へのさまざまな影響力を持ち、商品名や企業名へのアイディアを提供するなど活躍していましたが、1961年には光画荘を解散。同年『写真工業』は新たなオーナーを得て「写真工業出版社」としてスタート。以後、2008年6月号をもって休刊するまで、時々の新型カメラの技術情報、テストレポート、フィルムフォーマットの変遷と銀塩写真と非銀塩写真デジタルカメラなど幅広い意味で誌面を構成してきました。今回の展示では、その時代時代に『写真工業』が向かった写真業界の縮図が凝縮されていて、技術的にブラックボックス化した現在の写真時代にあって、写真を楽しむユーザーにとっては資料アーカイブとして最近注目を集めている写真工業の歩んだ歴史を紹介します。

 なお、会期中の12月2日(土)には、約25年間編集長を務めた、私市川泰憲のトークもあります。(展示、トークとも参加費無料)

2017-09-12

ニコンD850を使ってみました Ver. 3.1(Final)

00:35

 注目のニコン新製品「ニコンD850」が9月8日に発売されました。今回は、朝一番に販売店の開店を待ってボディを受け取り、その足で札幌に向かいました。札幌では、9月9日にIMAI Collectionで「ニコンの100歳を祝う会」が開かれるので、何としてもその場に持っていきたかったのです。ホテルにチェックイン後、まずはバッテリーをチャージし、本番の9日に備えました。とはいっても、D850で写真を撮るのが目的ではなく、単にお祝いの場へ最新カメラで花を添えたかったからなのです。

 D850は発売直前にニコンのファンミーティング開かれ詳しい説明があったようですが、今回はあえてスルーして発売2日前に“ニコンプラザ新宿”へ行って説明を受けることにしました。D850デモ機の前には女性がいたので、何が新しくなったかずばり聞いてみました。それによると、1)4,575万画素のフルサイズイメージセンサー、2)7コマ/秒の高速連写、3)グリップの握りが深くなった、4)可動式のチルト式液晶モニターが採用されているというのです。チルト式液晶は、ライブビュー(LV)で使うことが多いけど、LVでは画面を押してシャッターが切れるのかと聞くと、切れますというのです。さらにサイレントシャッターモードもあるというのです。なるほどというわけで、数カットシャッタを押したのち、カタログをもらって帰りました。

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≪このアングルからだとグリップが深くなったのはお分かりいただけるでしょう。しかしなぜ、Gタイプでもなく、EタイプでもないAFニッコール35mmF2Dかということになりますが、D700D800E、D810とD800シリーズのチェックにはいつもこのレンズを使ってきたのです。いわば僕のニコン用基準レンズなのです。それとカプラーAF方式で、どれだけ精度高くピント出しができるのかというのも大切なチェック項目です。とはいっても、基本的にはこの小型・軽量さは魅力で、ボディとのバランスもよいです≫

 購入後は、まず実写する前に試しに室内でシャッターを半押ししてみると、力強く、ジッとレンズが合焦するのが気持ちよかったです。札幌での「ニコンの100歳を祝う会」の会場では、さすが発売翌日にD850を持ち込んだのは僕だけでした。ここでは何カットか撮影しましたが、納得いく写真が得られませんでしたので、会の終わった後に、札幌郊外の藻岩山に登り、夜景とポートレイト撮影をしましたのでそのあたりをまず報告します。

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≪D850+AFニッコール35mmF2D、F2.5・1/40秒、ISO 2500(AUTO)、AWB、手持ち撮影≫市内から約5km、ケーブルカーを乗り継いで登った藻岩山頂上から、札幌の夜景とモエレ公園での花火大会を写しました。実は懇親会会場で、現地写真家の方が藻岩山に花火を撮りに行くというようなことをいったように聞こえたので、撮影仲間と行ってみましたが、本当はモエレ公園だったようですが、結果として間違えてよかったです。撮影は、特に問題なくシャッターを切りましたが、1/40秒と低速でありながら拡大して見ても、ぶれていないのは好感が持てます。

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≪D850+AFニッコール35mmF2D、F2.5・1/40秒、ISO 2500(AUTO)、AWB、手持ち撮影≫ケーブル頂上の駅にて、夜景を背景にポートレイト撮影。かなり低照度下であったのですが、迷いなく合焦するのは素晴らしいです。仲間の持ってきたF1.4レンズのついたD810では、行ったり来たりと迷っていました。D850の暗所測距特性は―4EVまでということですが、これは目では合わせられないような明るさの下で測距できるわけですからすごいです。このカットは、シャッターを切る瞬間に、撮影仲間のAF補助光が顔に照射されたため赤くなりましたが、照射がないときは普通に光源側は明るく撮れていますが、背景のボケがおもしろかったので赤いほうを採用しました。なお、ピントは女性の左目に合わせましたが、画素等倍まで伸ばしても感度的には破綻なく描写され、まつ毛に低照度下でも精度高くしっかりピントが合っていました。

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≪チルト式液晶モニターを使ったライブビュー撮影≫液晶モニターがチルトしているところを撮影しようとしたら、モニターがONになってしまったので、背後にボールヘッドを配置して、液晶画面が見える状態で、画面全体のフォーカス状態、フォーカスポイントの拡大の状態を撮影してみました。いまさらではありますが、指で押したところにピントが合い、自動的にシャッターが切れるというのはこのような撮影では便利です。GUIもわかりやすく、サイレントシャッターモードなら静かで軽快でした。

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≪D850+AFニッコール35mmF2D、F5.6・1/100秒、ISO 100(AUTO)、AWB、三脚使用。近所の北山公園。いつもの撮影場所です。ピントは画面中央に合わせていますが、レンズの解像とカメラの解像のどちらが勝っているかとなり、画素数のマックスまで、ほぼ解像しているようです≫

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≪上のショットの画面中央少し左の看板を中心に画素等倍で切り出し。この場面は、今までさまざまな機種で同じに撮影しているので、必要に応じ比較してください。掲載は京都MJのサイトです。このシーンでD850を超えているのは少ないです。もちろんレンズ性能(解像力)をコミの問題ですが、実用的にどこまで解像を必要とするかは使う人の判断になります≫

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≪D850+AFニッコール35mmF2D、F2.8・1/1600秒、ISO 100(AUTO)、AWB、手持ち撮影。同じ北山公園にヒガンバナが咲いていました。撮影はチルト式の液晶モニターを引き起こし、タッチシャッターで切りました。ピント合わせのポイントは一番手前の花です。サイレントモードにセットしましたが、屋外ではシャッター音があってもいいですね。ヒガンバナの花はいずれの距離でも色的に分離していて、ベタッとくっつくことなく、微妙な色再現がなされていることがわかります≫

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≪D850+AFニッコール35mmF2D、F5.6・1/800秒、ISO 100(AUTO)、AWB、三脚使用。久しぶりに晴れたので、英国大使館の撮影ができました。撮影は、いつものことですが晴天の時にAM10:00〜AM10:30に済ませます。季節によって太陽の位置が若干異なりますが、気にしないで撮影してきたら面白いことが見えてきます。フォーカスポイントは、中央屋根の直下のエンブレムです。撮影はいつも絞りF5.6です。VGAの左右640ピクセルの画面から見えることは色調ですが、なかなかすっきりした発色です≫

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≪上の画面のエンブレム部分を画素等倍にして掲載してみました。すでに前掲の北山公園でわかっていたことですが、解像感は十分に高いのです。この画素等倍画面を見る限り、色調はかなりD810に近似しています。D810の3,640万画素に対してD850の4,575万画素分だけ解像感は勝っています。そしてD810とD850の画素等倍の画像をよく見るとD850の方が立体感があるように感じるのです。裏面照射タイプのCMOSは描写が平板だと考えていましたが、今回は逆なのです。これは光線状態や画像処理のサジ加減にもよるのでしょうが、数枚の画像見ただけで画質評価をすることの難しさです。参考までに、裏面照射タイプではなかったD800Eでの同じ場面と、D810での同じ場面を示しますので、リンクをクリックして見てください。ここからわかることは、撮影レンズは同じで、設定絞も同じF5.6ですから、違いが判るのは色作りの違いです。これによるとD800Eだけ色にクリアさがありませんが、D810、D850はほとんど同じです。また、Dfの発色具合も後者に近似していて、ニコンの色つくりが、この辺で定まったのではないかとも考えるのです。ちなみにD800Eの撮影は、一部に天候が悪いのではという指摘が当時あり、5カット以上同じ場面を日を変えて3日にわたり撮影した中のピント精度を含めベストを掲載したのです≫

一眼レフはミラーレスになれるけど

 ニコンの高画素機として登場したD800/D800Eが発売されたのは2012年。さまざまな問題点を指摘され2014年7月にD810へと改良され、この時期2017年の9月にD850へと進化しました。僕的な印象としては、D810で高画素機として完成され、D850ではさらに高画素化、連写コマ速度を上げ、チルト液晶ディスプレーを採用し、スマートフォンタブレット常時接続できるスナップブリッジ搭載するなど、より進化させたスペックアップに加え、新しさを付加したのです。このうちチルト式液晶ディスプレーによるタッチAF・タッチシャッター、スナップブリッジ機能を付加したあたりは、普及タイプのAPS-C一眼レフであるD5600の機能を吸い上げ、同様に測光はD5と同じ180KピクセルRGBセンサーの採用など、D850は、既存の上位・下位機種で技術的に実績のある機能に、さらに高画素化と高速化を進めて性能を高め、手堅いところで作り上げたカメラということがいうことができます。

 ここまでは、あくまでもスペックの比較でということですが、実際使ってみた感じでは、高画素一眼レフカメラに、使えるミラーレスカメラの機能が加わったという印象なのです。もちろん一眼レフにおけるライブビュー機能は、かなり以前から実用されていましたが、この時期D850でライブビュー機能を使って再認識したのも事実です。そして思ったことは、“一眼レフはミラーレスになれても、ミラーレスは一眼レフにはなれない”ということです。もちろんボディの大きさもあるでしょうし、交換レンズの大きさ、光学特性などもありますが、前述の普及機D5600は横幅で一部のマイクロフォーサーズ一眼よりも小さいのも事実で、これからの一眼レフカメラの在り方を示すものだとも思うわけです。          

2017-09-11

ユーザーが開いた「ニコンファンミーティング」

21:48

 去る9月9日北海道札幌のIMAI collection主催で、日本カメラ博物館、ニコンミュージアム、日本カメラ社協賛のもとに「ニコンの100歳を祝う集い」が開かれました。IMAI collectionは、札幌在住の今井貞男氏が45年以上かけて収集した世界のカメラ3,000台以上とレンズ、アクセサリーが、札幌時計台近くのビル2階から4階までの階にショーケース総延長170メートルに展示されているのです。(参考Webサイト

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≪展示フロアにて。左:ニコンの展示ケースを指さして見るニコン後藤哲朗氏と御給伸好氏、右:ディアドルフ00001の前でご満悦な東京8×10連合会頭・谷雄治氏≫

 今井貞男氏のコレクションは、ないものはないといわれるほどですが、とりわけニコンライカ製品が充実しており、ニコンのI型から最新モデルまで、さらには顕微鏡、万能投影機などに加え、歴代のニコンせんべい、ニコン羊羹ほか、さまざまな販促品グッズまで収集されていいます。今回はオーナーである今井氏の呼びかけにより、「ニコンの100歳を祝う集い」が開かれましたが、通常は非公開のカメラコレクションを、9月9日と10日の限定で一般に公開しました。コレクションの中にはディアドルフの0001号機、ハッセルブラッド、ローライの各種ボディと交換レンズとアクセサリー群、さらにイギリスコンパスカメラのフルシステムや、有名、無名なカメラが多数収蔵展示されています。

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≪左:レセプション会場入り口、右:会場内特設ショーケースには7月25日付の新聞とニコンミュージアムから贈られた黄色のバラの花束、熱烈なニコンファンから贈られた大井製作所101号館の写真といわれを書いた説明と101号館コンクリートブロック3種の石が展示されました≫

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≪100歳おめでとうの挨拶をするIMAI collectionオーナーの今井貞男氏≫

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≪左:IMAIcollectionについて語り、御礼の挨拶するニコンフェロー後藤哲朗氏、右:御礼とニコンの現況について語るニコン常務執行役員映像事業部長の御給伸好氏≫

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≪レセプションでは写真家赤城耕一氏の音頭で、“ニコン100歳おめでとう!!”と参加者皆で高らかに唱和しました≫

 9日午後には、記念のレセプションパーティも同ビル1階で開かれ、道内外から約70人の関係者が集いました。東京からも多くのカメラファンが駆けつけましたが、業界関係では、ニコン常務執行役員映像事業部長の御給伸好氏、ニコンフェロー後藤哲朗氏、日本カメラ佐々木秀人編集長、写真家赤城耕一氏、フォトグラファー中村文夫氏、写真家・伊藤之一氏、元カメラレビュー編集長・萩谷剛氏、日本大学芸術学部写真学科・豊田堅二(とよけん)先生、デジカメWatch編集部の鈴木誠氏、銀一会長・丹羽武彦氏、銀一カメラサロンCOCO・杉谷徹氏、数寄屋橋れんずコーナー・山端義之氏、東京8×10連合会頭・谷雄治氏、ガンダーラ井上氏ら、多くの関係者が駆けつけて、ニコンの100歳を祝いました。

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≪左:会場内中央には今後イマイ・コレクションに加えられる100周年記念カメラ、交換レンズ、グッズが飾られた。右:歓談するカメラファンの方々≫

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≪御開きの後の有志による記念撮影。どれだけ知っている人がいますか?、当日の盛況ぶりをお分かりいただければ、幸いです≫

(レセプション会場での撮影は、IMAI collection事務局の小田俊春氏によります)

2017-08-25

写真展「心の焦点距離」に参加してます

23:56

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 すっかり恒例となりました「ノンライツRF友の会写真展」も、今回で11回となりました。縁あって、ある時期から参加させてもらっていますが、今年は横幅1,000mmの大伸ばし写真を4点展示しました。作品は少しでも、テーマである「心の焦点距離」をイメージできるようにとセレクトしましたが、それぞれのカメラとレンズがすべて異なりますので、別のものが見えてくるかもわかりません。

 展示会場は、日本カメラ博物館JCIIクラブ25、会期は8月29日から9月3日まで、30・31日を除き会場か近くにおりますので、気軽にお声かけください。

 会場内の作品は、変態クラシックレンズから最新レンズまで、ポートレイトから風景・水中までと、大変充実した変化のある作品で埋まっています。参加者、それぞれの思いが弾けています。

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2017-08-16

「ニコンレンズ→ソニーボディ」 ユニバーサルマウント時代の到来か

10:47

 ユニバーサルマウントとは少しオーバーですが、フランジバックの短いミラーレス機の登場により、各種マウントアダプターが用意され、古典レンズが注目されだしたのは、「パナソニックG1」の発売された2008年からのことでした。以来、APS-C判、フルサイズと大型撮像素子に向けて数々のマウントアダプターが登場しましたが、最近では中判ミラーレスの「フジフイルムGFX 50S」用のマウントアダプターがカメラ発売後約1週間でサードパーティーにより試作発表され、さらには過去の中判AFカメラのコンタックス645交換レンズ用のGFX 50SマウントアダプターがAF対応で発売されるなど、ますますオーバーヒート気味な気配を見せています。

 もともとマウントアダプターは、基本的にはマニュアルで対応していたのですが、最近ではAFにも対応して登場してきたことです。古くはソニーが2012年のNEX時代に“マウントアダプターLA-EA2”を発売したのが最初です。αマウントレンズは、絞り作動は機械的なレバー式、AFは機械的なカプラー回転方式なのです。これに対して、NEXは完全な電子マウント方式なわけですからその機械的な動作をすべて電子マウントへ変換するという優れものです。さらに最近では「マウントアダプターLA-EA4」のようにミノルタα時代の交換レンズを含むソニーAマウントレンズを、ソニーのフルサイズミラーレス機用のFEマウントに対応するものも発売されています。これらはすべてソニー間機種の互換を測ろうというものですが、中国製には『コンタックス645AFレンズ⇒キヤノンEFボディへのAF対応マウントアダプター』もありました。

 また最近では、シグマのキヤノンEFマウントとシグマSAマウントの交換レンズをソニーα7・α9シリーズにAF対応するマウントアダプター「シグマMC-11」が発売されました。これらシグマMC-11とコンタックス645レンズ用AF対応マウントコンバーターは基本的に完全電子マウント同士だから可能となるのです。もちろんソニーのように絞りレバー、AFカプラー動作を完全電子マウント情報化することも可能なのですが、ソニーとまでいかなくても、最近はニコン、ペンタックスも完全電子マウント化したシリーズをだすようになり、やがてはこれらの社の交換レンズとミラーレス機がAE・AF対応で相乗りができるのではと考えていましたが、焦点工房から「Commlite CM-ENF-E1-PRO」というニコンソニー用のAE・AF対応のマウントコンバーターが発売されたので、さっそく使ってみることにしました。

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≪左:Commlite CM-ENF-E1-PRO、右:CM-ENF-E1-PROをα7RIIに装着。電子接点が8カ所と絞り羽根動作用レバーはついているが、AFカプラーはついていない≫

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≪今回、動作確認したニコンマウントAFレンズ。左から、AF-Sニッコール24〜120mmF3.5-4.5G(絞りのみレーバー作動)、AF-Sニッコール24〜70mmF2.8E ED VR(完全電子マウント)、シグマArtライン50mmF1.4(絞りのみレーバー作動)≫

 最初は初期のAFカプラー付きの交換レンズを用意して、Commlite CM-ENF-E1マントアダプターを介してソニーα7IIに装着しましたが、ピントだけうんともすんともいわないのです。すぐに、AFは電子接点だけになったAF-S以降のレンズだけだけが対応することがわかりました。つまりレンズ駆動元をボディ内でなく、レンズ内駆動とし、絞り羽根の駆動は、機械的なボディ側のレバー式とレンズ内の電子駆動式なら対応するのです。このあたりは、すでにタムロン、シグマも絞り羽根を電子制御式としたニコンFマウントの完全電子マウント方式の交換レンズを発売していますが、これからは純正、交換レンズメーカー製とも完全電子マウントの交換レンズが徐々に増えてくると思うのです。

 さて実際に使ったレンズでは、AF動作、AF確度はどうだろうかということになりますが、そのあたりは特に目立つことではありません。AF精度は合焦してピントが合うという点では、特に問題はありませんでした。この点に関しては、AF追随のスピード感も含めて、ピント精度に関しては原理的にはピントが合ったらシャッターが切れるわけですから、特に違和感なく使えました。唯一、ポートレイトなどで有効な瞳AFの機能は3本とも使えませんでしたが、このあたりはレンズ側の問題というよりは、事実上Commlite CM-ENF-E1マントアダプターの側に原因がありそうですので、いずれファームウエアのアップで可能となればいいわけで、大いに期待したい部分です。とはいっても、同じサードパーティソニーFEマウントの「サムヤン35mmF2.8」では瞳AFが使えるのですから、やはりマウントアダプター側の問題なのでしょう。

 この種のマウントアダプターでは、ミノルタα時代のレンズをソニーαFEと同様に使えるようにした「マウントアダプターLA-EA4」と、戦前からのライカレンズをソニーαシリーズAF撮影を可能とした「Techart」のマウントアダプターが僕の考える最高傑作だと思うのです。まさに完全電子マウントの恩恵といえるわけです。余談ですが、今回の確認撮影は写真仲間のHさんと行いましたが、一番古いAF-Sニッコール24〜120mmF3.5-4.5Gでα7RIIのシャッターを切った後、「オッ輝いて見える!。そうなんだよね、いつもそう思うの」となりましたが、クラシックレンズ装着の割合が高いからそのように感じたのでしょうか。 (^_-)-☆

2017-08-13

本の紹介『写真技法と保存の知識』

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f:id:ilovephoto:20170813062903j:image:right 『写真技法と保存の知識』というタイトルからすると、さまざま思い浮かべてしまうのでしょうか。本書には“デジタル以前の写真−その誕生からカラーフィルムまで”という副題がつけられています。原著は、フランスの歴史科学研究委員会編で、フランスの写真保存研究の第一人者である国立保存センター所長のベルトラン・ラヴェドリン氏らの著作で、『Comite des travaux historiques et scientifiques,CTHS』という名で2008年に刊行されました。英語版もすでに出版されていて『Photographs of the Past:Process and Preservation』という題がつけられているので、英語のタイトルを見るとだいたい内容がわかりますが、すでに原本は版を重ねているという注目の書籍です。日本では、写真修復家の白岩洋子氏により翻訳され、日本大学芸術学部写真学科の高橋則英教授監修により青幻社より6月に出版されたのです。

 本書では、ヘリオグラフィー、ダゲレオタイプ、ティンタイプ、アンブロタイプ、リップマンプロセス、塩化銀紙、鶏卵紙、焼きだし印画紙、サイアノタイプ、プラチナパラジウムプリント、カーボン印画、ゴム印画、ダイトランスファープリント、コロタイプ、コロジオンネガ、カラーピグメントプリント、チバクロームプリント、ガラス乾板、ゼラチンシルバーネガフィルム、発色現像現像方式ネガフィルム、等々過去に発表されたさまざまな写真技法をほとんど網羅しています。

 内容は、第1部:ポジ画像に始まり、支持体によって金属、ガラス、プラスチックフィルム、布、紙、さらに第2部ではネガティブ:紙、ガラス、プラスチックフィルム、第3部:保存、劣化の種類と影響要因、保存処置、デジタルイメージングと文化財保護、災害、等々です。このうちさまざまな古典写真技法は、歴史、製作法、劣化とケアというように細かく紹介されています。写真技法のルーツは、いうまでもなくフランスイギリスにあるわけですが、本書は源流ともなる国からの研究書であるために、歴史的に豊富な作品群を例題に、カラー写真誕生以前の黒白写真を含めてすべてカラーで見せているために、作品そのものの風合い、さらには劣化の具合などもオリジナルの感じで見ることができます。なお、表紙カバーは日本人の家族写真で埋められていてるほか、内容も現在の日本の状況に合わせて加筆されているそうです。

 ≪体裁≫B5判変形(220×170mm)、368ページ ≪定価≫5,500円+税 ≪書籍コード≫ISBN 978-4-86152-617-6 C1072 ≪版元≫青幻社、http://www.seigensha.com

 昨今、古典プリントに対する写真趣味人の注目度は大でワークショップなども多方面で開かれていますが、本書は、これらの人々への実技知識書として、さらには幅広く写真にかかわる多くのクリエイターを始め、写真教育関係者、古典写真を手にする博物館学芸員などの人々にとっては必携の書といえるでしょう。なお出版にあたっては、一般財団法人 戸部記念財団の助成を受けています。

2017-07-25

ニコン100周年を記念して札幌「IMAI collection」が限定一般公開

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f:id:ilovephoto:20170827104115j:image:right ニコンの創立100周年を記念して、札幌「IMAI collection」がニコンを始めとした、全カメラコレクションを9月10日に限定して一般公開します。「IMAI collection」は、札幌在住の今井貞男さんが、長年にわたって収集した、ニコンならびにライカをはじめ、多岐にわたるカメラとアクセサリーが収蔵されていますが、ことニコンに関しては、カメラ・交換レンズはいうまでもなく、ニコングッズ、販促品、さらには顕微鏡、万能投影機なども収集されています。

 今回ニコンは、同社の100周年記念サイト『We Love NIKON interview03 今井 貞男』と題して、世界のニコンマニアの1人として今井貞男さんと「IMAI collection」を紹介しています。また日本カメラ8月号では、『ニコン創立100周年記念、赤城耕一特別編集“極ニコン”』の特別付録をつけていますが、こちらも「IMAI collection」が全面協力しています。

札幌・IMAI Collection:北海道札幌市中央区北2条西3バックストーンビル2〜4F(ふだんは非公開)≫

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札幌駅から徒歩5分、札幌時計台近く、法華ホテル隣、クロスホテル正面≫

 公開時間は、am10:00〜pm4:00が予定されています。(全コレクションをじっくりと鑑賞するには、少なくとも2時間ぐらいを必要とします)