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2016-12-01

11月のパリを報告

23:27

 11月のパリは、サロン・ド・ラ・フォト、パリフォト、フォトフィーバーなどが行われるなど、さながら写真月間です。そんなパリを訪れた報告をしました。興味ある方はぜひ日本カメラ財団ホームページ情報提供の欄をご覧ください。

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 サロン・ド・ラ・フォトは、日本のCP+のようなもので、カメラや交換レンズなど機材ショーではありますが、フランスのサロン・ド・ラ・フォトにあって日本のCP+にないもの、日本のCP+にあってサロン・ド・ラ・フォトにないものというような視点で現地をリポートしてみました。まずサロン・ド・ラ・フォトにあって日本のCP+にないものは、逆に日本にあってフランスにないものをあげてみると、1)フランスのサロン・ド・ラ・フォトでは展示される写真の写真集図録はあってもカメラカタログはない、2)会場内に写真展会場が10カ所もある、3)会場内に写真書籍の販売コーナーがありにぎわっている、4)カメラとレンズメーカーはなくても写真は盛ん、5)会場内の食堂で生ガキやフォアグラが販売されワインを飲みながらゆっくり談笑できる、などです。

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≪左:サロン・ド・ラ・フォトのパンフレット、中・右:会場内で生ガキやフォアグラが販売されていてゆっくりとワインを飲みながら食事ができるのです。生ガキの入った皿はネプチューン(海の神)と呼ばれていました≫

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 パリフォトとフォトフィーバーは、世界の写真ギャラリーが集って、作品展示とともにコレクター向けに作品を売るのですが、ここでは日本人写真家の作品が人気です。ここで今年は、今までにない新しい動きが出てきました。森山大道荒木経惟に続く、日本人写真家を求める動きが出てきたのです。日本人写真家の人気をパリフォト会場、パリの街に探してみました。

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≪パリフォト会場のタカ・イシイギャラリーで、ご自身の作品の前に立つ写真家築地仁さん≫

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≪パリフォト会場で、写真家山崎博の作品を扱ったMEMギャラリー

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≪パリ東駅の周辺とコンコースは森山大道の作品で埋まっていた≫

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サンジェルマンの書店ショーウインドー。荒木経惟センチメンタルジャーニーのコンタクトプリント展と写真集の販売をやっていた≫

詳しくは、日本カメラ財団ホームページ情報提供の欄をご覧ください。

 

2016-11-23

It's a Sony展に寄せて(その2)  ソニー最古のレンズ発見

01:09

 去る11月14日付でアップした「It's a Sony展に寄せて」の記事中で紹介したオートスライドに付いた〈TOTSUKO SONYLIT f=5in.〉レンズに関して、その後新しいことがわかりましたので追加報告します。

f:id:ilovephoto:20161124005323j:image:right 銀座ソニービルで行われているSony展を初日に取材したデジカメWatch鈴木誠さんによれば、展示されているオートスライドは1952年製で、レンズはTOTSUKOと記せられていなく〈SONI-LIT f=125mm〉と表記されているというのです。つまり〈TOTSUKO SONYLIT f=5in.〉より3年前に発売されたオートスライドのレンズなのです。

 たしかにそのようで、まずレンズ名が‘SONI-LIT’であって、‘SONYLIT’ではないのです。これはソニーの社史にも記されていますが、SONYとなったのは1955年です。その、SONYでなくSONIと刻印されているのが注目されるところで、‘ソニー’と音引きで伸ばさずに、‘ソニ’と発音していたことがSony展の展示からわかりました。さらにLITは、リットと発音するのでしょうが、推測するにドイツのレンズにエナリット(ENNALYT)、ズマリット(SUMMARIT)というような名称のが当時あったので、レンズ名称の接尾語として使われたのではないかと考えるわけです。そしてセンチ表記とインチ表記、一般的にセンチは日本国内とヨーロッパ向け、インチはアメリカ向け表記というのがカメラレンズでは多いのです。

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ソニー最初の磁気録音テープ。SONYでなくSONIだった。It's a Sony展より≫

 とか話していたら元カメラレビュー編集長の萩谷剛さんがさらに〈SONI-LIT f=150mm〉を持ち込んできたのです。こちらはたぶんケースに入っていることから、交換用レンズだろうと考えました。このケース、64年も前に製造されているのにまったく風化していないのです。1970年代に製造された各社ケースがボロボロなのに立派なものです。さらにこのレンズはどこで製造されたのだろうかと萩谷さんと話していたら、1906年創業で、戦前から映写レンズを製造していて、映写レンズシェアでは現在も70%を誇る杉藤光学の杉田社長によると、うちじゃないの?というのです。64年も前のことですから今はわからないでしょうが、古いことを調べるのは楽しいですね。いずれにしても、現在では多数の撮影レンズを製造しているソニーレンズの源流ともなる‘SONI-LIT’‘SONYLIT’レンズの発掘は意義あるものだと思うのです。

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≪SONI-LIT f=150mmレンズ≫

※「その1」もご覧ください。

2016-11-14

It's a Sony展に寄せて(その1)

17:54

f:id:ilovephoto:20161108215021j:image:right ソニーは、ソニービル建替前のカウントダウンイベントとして 「It's a Sony展」〜「銀座ソニーパーク」オープンに向け、歴代商品とともにソニービルの50年を振り返る〜を開催されてます。会期は、2016年11月12日(土)から2017年3月31日(金)までですが、全138日間にわたって展開されます。会期は前半と後半の2部に分かれ、前半は2016年11月12日(土)から2017年2月12日(日)まで、「歴史」をテーマに、日本初のトランジスタラジオ『TR-55』や初代ウォークマン『TPS-L2』、エンターテインメントロボット「AIBO」など、ソニーが世界に驚きをもたらしてきた商品の数々を、当時の広告などとともに展示。またアンディ・ウォーホルによる版画「SONY-WALKMAN」や、各界の著名人など10名の思い出のソニー商品をエピソードとともに紹介する「My Favorite Sony」コーナーも設けられ、展示商品は約730点にのぼるというのです。

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 ところで右上に示す「SONYLIT」というレンズを知っていましたか? 少し前に、元カメラレビュー編集長の萩谷剛さんが、持ち込んで来たのですが、お互いに、たぶんこれは映写用のレンズで、銘盤からしてソニーとしてきわめて初期のレンズだろうと話していたのですが、ソニー展が開かれるということで、このレンズの由来をソニー歴史資料館を通して調べてもらいました。

 まず「TOTSUKO」、これはソニーの前身である東京通信工業は1946年の創業で、1955年にSONYマークを使用開始し、1958年にSONY株式会社となったのです。そしてこのレンズは、1955年に東京通信工業から発売されたテープレコーダーと組み合わせて、音とスライドの映像を同期させる発声自動幻燈装置「オートスライドAS-2」の5インチレンズだと判明したのです。1955年というとSONYマークを使いだした最初の年のレンズであることがわかりました。オートスライドの仕組みは、磁気テープの裏に貼り付けた金属箔が電極を通過し、スライドがきり替わるようになっているのです。当時オートスライドの価格は49,000円で、視聴覚教育用、宣伝活動用として、全国の教育機関や企業に広く普及したというのです。なるほどです。そこで今では数多くの撮影用レンズとカメラを製造販売するソニーに敬意を表して、このソニーリットレンズを「α7R」に取り付けて撮影まで楽しもうというわけです。

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 このレンズは、もともと幻燈器用のレンズですから撮影に使っても、性能は多くを望めません。それでも、α7Rへの装着は簡単なので遊び半分でやってみました。用意したのは、L39中間リング、L39⇒M42マウント変換アダプター、M42ヘリコイド中間リング×2、M42ソニーEマウント変換アダプター、電工用ビニールテープ。これだけあれば十分で、特別な加工も必要ありません。ヘリコイド中間リングは2個としましたが、たまたま僕の手元には2つあったから使っただけで、中間リングで見合う長さが得られればそれでいいのです。見合う長さとは、5インチの焦点距離ですから、ミリ換算だと127mmとなり、撮像面からレンズ先端まで130mmぐらいになるようにすればいいのです。組み込みはL39の先端部にソニーリットレンズを当てて、ビニールテープでグルグル巻きにするだけです。接着剤を使ってもいいですが、簡単に復元可能な方が気軽でいいです。そして絞り、ソニーリットレンズは、プロジェクションレンズですので、絞りはありません。つまり撮影は絞り開放だけで行うのです。撮影には開放絞り値はわからなくても問題ありませんが、それでも開放絞り値は、「焦点距離÷レンズの口径」(127÷38=約F3.3)で求められます。

 早速、撮影してみた結果をお見せしましょう。ただし、このレンズ内側の1面が薄っすらと白く濁っています。撮影してそのままだと、霞がかかったような画像となります。クラシックレンズではこのような描写を味だと思う方もいますが、実はデジタルだと一発で消えるのです。フィルムカメラの時のカブリのようなものですが、レタッチソフトのレベル補正をかけるとみごとにきれいになります。とはいっても解像力はレンズ固有の性能ですから、レタッチソフトでは上げることはできません。まずは結果をご覧ください。

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ツァイスイコン。今年はソニーカールツァイスのレンズを使って25年だというので、それを記念して、Zeiss Optonの文字にピントを合わせました。これだといまひとつ面白くないですが、絞れないのでこのレベルですが、こういうのにしっかりと拡大してピント合わせできるのは、ミラーレスならではです。絞り優先AE、1/200秒、ISO100、AWB》

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《1枚だけの紅葉。オリジナルは眠い画像でしたが、レベル補正で見るも鮮やかな画像となりました。絞り優先AE、1/800秒、ISO100、AWB》

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ピューターの一輪挿しにガラスの花を入れ、背景に丸いボケをたくさん入れてみました。丸ボケは背景のアウトフォーカス部に丸い物を置けばよく、この場合は梱包用の大型エアーキャップを置きました。絞り優先AE、1/250秒、ISO100、AWB》

2016-11-04

「フォトキナ2016」をレポート

21:59

 前回「フォトキナ2016」の直前のブログアップからだいぶ時間が経ってしまいました。その間のケルンで9月20日から25日に開かれたフォトキナの報告をこの時期どうにか書き終えて、やっとアップできましたので、興味ある方はぜひ日本カメラ財団ホームページ情報提供の欄をご覧ください。

 内容的には、今頃アップするわけですから、それなりに突っ込んだつもりです。とくに注目していただきたいのは、日本メーカーでは、何かが変わってきているということ、海外レンズメーカーの動き、国内外の交換レンズメーカーがソニーFEマウント採用が続出したこと、フォトキナ展示の銀塩写真の世界などです。情報提供欄には、2012年、2014年の報告もあります。合わせてご覧になると、大きな動きが見えてきます。

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ライカがインスタントカメラをだしたのです。ライカコレクターには最適≫

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≪ロモもインスタントです。ポラロイドのバッグは大きく他社の袋をすべて飲み込みます≫

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≪そう、富士フイルムが戻ってきたのです≫

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≪スーパーエイトのシネフィルムを1コマずつ読み取っているのです≫

 これアップすると、当分お休みです。また、新しい何かをアップできるように頑張ります。 (^_-)-☆

2016-11-03

築地・豊洲 1957-2009

00:45

連日マスコミをにぎわしている築地市場豊洲移転問題ですが、「築地豊洲 1957-2009」とタイムリーな写真展がJCIIフォトサロンで11月1日(火)〜11月27日(日)まで開かれています。下町写真家である秋山武雄さんが、52年にもわたり撮りためた黒白作品です。

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2016-09-15

キヤノンEOS M 5の登場

22:21

f:id:ilovephoto:20160915214619j:image:right キヤノンから「いままでのミラーレスに満足しているか?」ということで、EVF 内蔵のミラーレスカメラ『EOS M5』が9月15日に発表されました。このカメラはEOS M シリーズで初となる「デュアルピクセル CMOS AF」の採用により素早く 追従性の高い AF を実現したといわれるもので、同時に小型・軽量設計を実現したミラーレスカメラ専用の高倍率ズームレンズ“EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM”が 2016年11月下旬より同時に発売されます。この「いままでのミラーレスに満足しているか?」とは、どういうことなのでしょうか。キヤノンによるとAPS-CサイズCMOSセンサーで、有効画素数約2,420万画素の全画素が撮像と位相差AFの両方を兼ねて機能するため、幅広いエリアで素早い合焦と滑らかな追従ができ、AF・AE(自動露出制御)追従で最高約7コマ/秒、AF固定では最高約9コマ/秒の連写性能を実現するというのです。つまりシャッターボタンを押したときのレスポンスが速いというのです。そこで、旧モデルのEOS M3のその部分を見ると、画素数2,420のハイブリッドCMOSセンサー、サーボAFで2.4コマ/秒、AF固定で4.2コマ/秒というわけです。そこで、EOSシリーズのミラーレス、APS-C、フルサイズに、最高標準感度を加えて比較してみたのが以下の表です。

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 こちらをご覧いただけるとおわかりのように、EOS M5は、EOS M3より連続撮影コマ速度が2倍以上向上しているのです。このあたりにM5は力を入れたことがよくわかります。キャッチフレーズの「いままでのミラーレスに満足しているか?」というのは、他社のミラーレス機を指しているのでしょうが、フルサイズミラーレス機を別にすれば、残念なが他社ミラーレスのAPS-C、M4/3の最高コマ速度ほうがわずかに早いというわけです。ただ、キヤノンはこの時期発売したEOS 5D Mark IVは、フルサイズですが連写は7コマ/秒の速度となっています。最高コマ速度は、人によってはとにかく早いほうがいいという人がいるのでしょうが、逆に4〜5コマ程度でもいいという人もいるのです。その点においては、少なくともキヤノンのラインナップには一眼レフもあり、14コマ/秒のEOS1DX Mark IIもあるわけで、EOS M5にそこを期待すること自体意味のないことです。むしろEOS 5D Mark IVも7コマ/秒としたあたりに、キヤノンとしてのコマ速度のバランスを見たのかもしれません。その点をさらに進めるとフルサイズよりも機械的な運動量、撮像素子のデータ量も場合によっては少ないわけですから、「フルサイズ⇒APS-C⇒M4/3」と連写速度は上げられるのではないかと思うのです。

 ところで現在、趣味として写真を楽しむ人は若い学生から高齢者まで男女を問わず多いのですが、先日とある写真教室の先生と話していたら、最近は生徒さんに一眼レフでなくミラーレス機を勧めているというのです。小型・軽量の普及タイプ一眼レフが存在することは十分承知しているようですが、高齢者に対して現在の高級一眼レフは肥大化しており、大きさ・重さの面から、勧めるのはつらいというのです。要は、趣味の人に所持することを満足させる小型・軽量の高級一眼レフやミラーレス機も十分に成立するはずなのです。今回発表された『EOS M5』がそれに応えられるかはわかりませんが、これからの技術進歩とシステム展開によると思うのです。また、さらにフルサイズに発展するのか、APS-Cのままでいくのかはわかりません。画素数、感度、コマ速度と進歩させてきたデジタルカメラに、小型・軽量のためには多少の小型センサーでも十分だという発展的な展開もあってもいいと思うのです。なぜならば、現代はフィルムカメラでなく、デジタルカメラだからです。 (^_-)-☆

2016-09-12

「ペンタックスK-1」を使って

19:17

f:id:ilovephoto:20160908095832j:image:right リコーイメージングから35mm判フルサイズの一眼レフカメラ「ペンタックスK-1」が発売されたのは2016年4月のことでした。これでフルサイズの一眼レフカメラを製造するメーカーはキヤノンニコンソニーに次いで4社目となりました。

 そしてペンタックスK-1は、フルサイズ機であると同時に3,640万の高画素機でもあるのです。この3,640万画素近似の高画素撮像素子を搭載した一眼レフとしては2012年に発売されたニコンD800、D800Eが最初です。この2機種は2014年には改良統合されD810へと引き継がれました。この間一眼レフではありませんが2013年に発売されたミラーレスのソニーα7Rも同等の高画素撮像素子を使っていました。つまり、3,600万クラスフルサイズ機が登場して4年経過したのです。そしてペンタックスK-1が登場。この間、先行高画素機にはさまざまな技術進歩がありました。フルサイズであると同時に高画素機、そんな視点をもって、「ペンタックスK-1」は、先行3社にどこまで迫れたか、その実力を探ってみました。

 今回は、作例写真約30点にもなる大作となりました。詳細は、いつもと同じように京都MJの「ライカに始まりライカに終わる」のコーナーにアップしてあります。そちらをぜひご覧ください。