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2018-01-29

ライカ新旧タンバール90mmF2.2を使ってみました

02:20

 新たな画像データとコメントを加え「ライカ新旧タンバール90mmF2.2を使ってみました」として、京都MJのサーバーにアップしました。画素等倍まで拡大してより細かく見ることができます。

 写りすぎるデジタルの時代にあって、一風変わった特殊なレンズが好まれるようになりました。ひとつにクラシックレンズへの人気、さらにクセのある往年の名レンズの復刻などがあります。クラシックではロシアレンズなどは廉価に入手できますが、復刻版ではペッツバールタイプ、メイヤーのトリオプランが人気でしたが、この時期ライカカメラ社が、1935年に発売した「THAMBAR 90mmF2.2」を復刻させたのです。このタンバールは、一般的にはソフトフォーカスレンズとして認識されてきましたが、最近は限られた条件で点光源が変わった球形のボケ模様を発生させることなどから一部マニアには注目を集めています。もともとオリジナルタンバールは生産本数が少なかったことから、コレクターズアイテムのつねとして、このような注目を浴びることがない時代から、入手には60〜120万円ぐらい必要とする高価なものでした。そして今回発売された復刻版タンバールの価格は約80万円もするのです。そして機会があって、新旧のタンバールを使うチャンスに恵まれましたので、以下に実写結果を紹介しましょう。

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≪左:復刻版タンバールM90mmF2.2、右:オリジナルタンバール90mmF2.2。復刻版の前にある丸い銀色に見える遮光部の付いたフィルターはソフトフォーカス効果を増大させるためのセンターフィルターで、オリジナルタンバールにも同じフィルターがありますが、大変貴重なために撮影当日には使うことができませんでした。なお、それぞれの極端に大きさが違うように見えますが、復刻版はフードなしの状態、オリジナルはフード付きの状態を撮影しました≫

f:id:ilovephoto:20180128103243j:image:right タンバールのレンズ構成は、右の図に示すように3群4枚構成です。同時代のライツのエルマー90mmF4と比べると、同じ焦点距離で3群4枚構成であっても最大口径がF2.2と大きく、レンズデザインと配置がまったく異なっていることです。エルマーはしっかりと描写させること、タンバールはソフトフォーカスレンズとして軟調描写をねらったわけですから、タンバールが大口径であることも納得いくわけです。一般的にはソフトフォーカスタイプのレンズとしては、単玉レンズを使い、絞り開放で撮ることにより収差を残してソフトフォーカス描写を得ることができますが、逆に絞り込むことによりシャープな画像となるのもよく知られていることです。そしてタンバールには、左上写真に示すような絞りフィルターが用意されています。このフィルターは、中心部に円形の遮光部を配置することにより、わずかに暗くはなりますが、周辺の光線だけを使って撮影するために軟調描写度が増すことになるのです。このためにレンズ鏡筒部には、フィルターなしのF値(開放でF2.2)とフィルターを取り付けたときのF値(開放でF2.3)の2系列が刻まれているのです。

 ざっとタンバールを紹介すると以上のようになりますが、ソフトフォーカスレンズですからその描写を見ることが一番わかりやすいので、さっそく、新タンバールフィルターあり、新タンバールフィルターなし、オリジナルタンバールフィルターなしの画像をお見せしましょう。もちろん撮影にあたっての、被写体、距離、光線状況、どこにピントを合わせたか、さらにどのような拡大率で鑑賞するかによっても軟調描写の印象は、大きく変わりますので、その描写はあくまでも一例であって、絶対的な評価でないことは、いうまでもありません。なお、撮影に用いたボディはライカM9です。

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≪新タンバール・センタフィルターあり:絞り優先AE、絞り開放F2.3・1/200秒、ISO160。確かにフィルターなしよりは軟調度はわずかながら高いことがわかります。露出はF2.2とF2.3では表示の許容差ぐらいであって、Exifの表示としては変わりないことがわかります≫

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≪新タンバール・センターフィルターなし:絞り優先AE、絞り開放F2.2・1/200秒、ISO160。フィルターありに比べるとシャープさがわずかに増してはいますが、その差は微妙です。どちらが良いというようなことでなく、どちらが好みかということになりますが、僕はこちらのフィルターなしの方が肌の描写の感じと、髪の毛のソフト度のバランスからいうと好みです。ただし、あくまでもVGAの左右640ピクセルでの拡大した条件でのことであり、もしA2などと大きく伸ばしたときには、鑑賞距離を含めて、好みの描写はまた変わるでしょう≫

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≪オリジナルタンバール・センターフィルターなし:絞り優先AE、絞り開放F2.2・1/125秒、ISO160。新タンバールに比べると、軟調度が高いように感じる描写となっています。また露出は、1段弱多くかかっていますが、これは70年ほどの経時変化や時代による硝材の違いや、コーティングのあるなしなどによるであろうことは想像に難くありません。そして新旧での軟調度の違いは、ヌケの違いなどによるコントラストの違いからくる視覚的なものとも考えられます。この違いは、ヌケをよくするためにレベル補正を行うなどにより近似な描写が得られるのではと考えます≫

●ソフトフォーカスレンズのピント

 ソフトフォーカスは軟調描写であるわけですが、ソフトフォーカスレンズの描写にはピントがないと思われるかもしれませんが、実はしっかりとピントはあるのです。下の写真は、オールドタンバールで絞り開放で撮影したモデルさんの目の部分を画素等倍まで拡大したものですが、まつ毛、まゆ毛に、しっかりとピントがあることがわかります。したがって、光学的もしくは電気的にソフトフォーカス効果をかけた画像とは違う描写だと考えられます。このようなことから、ソフトフォーカスレンズが長い時代にわたって独自に存在できた理由があるのです。

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●奥深いタンバールの描写

 タンバールでの作品というと木村伊兵衛氏によるポートレイトがよく知られていますが、近年では写真工業の『ライカのレンズ』や『カメラレビュー』の児島昭雄氏によるタンバールレンズの解説が最もわかりやすいです。児島氏によると、このセンターフィルターは中央の光束を使っているので、装着した状態でF6.3より絞って撮影すると写らなくなる、センターフィルターを付けるとアウトフォーカス部のボケはドーナツ状になる、センターフィルターなしでF9より絞り込むと一般のレンズと同じようにシャープに写る、というのです。今回の試用はライカカメラ社の新タンバールに加え、旧タンバールは知人のライカファン田中啓一さんのものを拝借してというわけで、時間的な制約からそれ以上の検討は行えませんでした。また、最近は柳沢保正さんによるタンバールによる夜景の点光源の球状ボケ模様が新鮮で注目を集めていますが、田中さんはすでにそのような描写が夜景だけでなく、明るい昼間でも発生することを確認しています。いずれにしてもこれから先の描写研究は、じっくりと使える所有者に許されるものだと考えますので、最後に最近気になる柳沢保正さんのタンバールでの作例を引き続き掲載して、借用物で瞬間旋風的にタンバールを使った僕のレポートはこれにて終了とします。 (^_-)-☆

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≪タンバールによる夜景、撮影:柳沢保正さん、最近ご専門の方から、球形はボケでなく、合焦位置にも発生しているので、光源のにじみであるというようなご指摘をいただきましたので、球状のボケ模様としました≫

 そういえば、2010年に「ライカM9で軟調描写を楽しむ」という、記事をアップしていました。だいぶ前から僕はタンバールが欲しかったようです。

 

2018-01-10

第2回 「もうひとつの日本カメラ史」講演会

16:33

本講演会は、終了いたしました。多くの方々に来ていただき、ありがとうございました。

 日本カメラ博物館特別企画展「世界を制した日本のカメラ」の開催に合わせた講演会、第1回講演会「もうひとつの日本カメラ史、戦中・戦後編」は昨年11月18日に、私市川泰憲が担当して開催いたしましたが、おかげさまで大変好評裏に終えることができました。いよいよ第2回「もうひとつの日本カメラ史」講演会開催の時期が近付いてきましたので、改めてお知らせします。

 第2回目 は「もうひとつの日本カメラ史、露出とピントの自動化がもたらしたもの、デジタルまで」と題して、1月21日(日曜日)の午後1時から3時まで開催します。

 講演内容は、1970年代からの35mm一眼レフカメラ全盛期においてどのような技術的な流れをもって各社が対応してきたか、各社の技術進歩をそれぞれ追いかけます。そして、第1段目の一眼レフ各社への試練は、露出の自動化でした。絞り込み測光から開放測光、シャッター速度優先AEから絞り優先AE、さらには両優先・プログラムAE、合わせてカメラ制御の電子化CPU制御、オートフォーカス技術の搭載など、その時代時代の新しい技術に対応できた企業が生き残ることができたのです。それぞれの時代に、それぞれのカメラメーカーが対応した技術の紹介、さらにバックグラウンドや、その時々のエピソードを、いまだから話せるということで、整理してみました。

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 そのほかダイジェスト的に、超音波モーターと手ブレ補正機構、ブリッジカメラ登場の背景、ニコンがカメラマウントを変えようとしたとき、カメラグランプリの黒い霧、異形カメラの登場、ソニーが考えた新規格フィルム、10年周期登場の新規格フィルム、APSコダックの時代は終わった、往年のペトリ・ヤシカなど名ブランドの行方、最初の市販デジタルカメラは、などなどたくさんの興味ある話題を用意しました。

 当日は、第1回目と同じように、3時まではJCII会議室にて、それ以降は5時まで博物館で皆様のご質問に答えたり、同好の方々との意見交換などを行う場として設定いたしました。当日は講演会と博物館見学を含んで300円。お申し込みは日本カメラ博物館までどうぞ。

2018-01-01

北海道 IMAI collection「横道の館」通信_01

00:26

 個人カメラコレクションとしては国内最大規模を誇る札幌時計台前の「IMAI collection」は、2017年の9月9日・10日にニコン100周年を記念して一般公開した後、約12年の時計台前から、さらなる拡充を目指してオーナー今井貞男さんの故郷である道内の上川町へ移転のためその準備を進めてきましたが、昨年11月末に建物の外装工事ができ上がったのを機に、その概要をお知らせすることができるようになりました。

 新しくコレクションを収蔵する建物は今井さんにより「横道の館」と命名され、カメラの他、今まで趣味として使用しコレクションしてきた、オーディオ機器、無線機、精密機械なども加わり収蔵展示されます。

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≪建物は2階建てで、各階約150坪の広さとなっていて、2階部分にカメラや交換レンズ、アクセサリーなどが展示されます。その展示の広さは、札幌ではビルの2階から4階までのガラスショーケースが総延長で約170メートルであったのに対し、「横道の館」では2階の1フロアで200メートルに拡大されます≫

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敷地面積は約1200坪とされ、同じ敷地内には今井さんの別のコレクションであるクラシックカーのガレージなども設けられています。「横道の館」は町内で役場に続く2番目のビッグな建物とされ、行政からも注目されています。近くには層雲峡温泉があり、秋の紅葉日本一だそうです≫

 「横道の館」はこの時期外装ができ上がった段階であり、今後は外構工事や室内でのカメラ収蔵展示用ガラスショーケースの設置、さらにはカメラの整理配置などもあり、形が整うのは2018年の7月下旬頃とされています。「IMAI collection」には、ライカニコン、ハッセルブラッド、ローライ、ディアドルフ等々を始めとしてさまざまなクラシックから最新カメラまでが収蔵されていますが、これを機にさらにコレクションを充実させようという計画もあります。

 なお「IMAI collection」については、こちらニコンの100周年サイトが詳しいです。また、移転が一段落した暁には、改めてこの場でその概要をお知らせできると思います。 (^_-)-☆

2017-12-31

1・2・3枚構成レンズの玉ボケ研究 『タンバールが欲しい!』 Ver.03

14:09

 写真仲間から1・2・3枚構成のレンズを使って写真展をやろうと声がかかり、その準備を始めていましたが、僕の手元にある1枚構成のレンズはすべてソフトフォーカスレンズなのです。ソフトフォーカスならポートレイトだなとか考えていた時に、写真大先輩の柳沢保正さんが、1935年に発売されたライツのソフトフォーカスレンズ“タンバール90mmF2.2(3群4枚構成)”で球形のボケをだす面白い写真を撮りだしたのです。これを見て、即『タンバールが欲しい!』と思ったのですが、なにせかつては中古市場で60〜100万円ぐらいしたこともあり、最近ではライカカメラ社がMマウント仕様で復刻してやはり80万円ぐらいで売り出したというのですが、これは僕にとっては、まったく別世界のことであり、深く考えずに、あきらめるより仕方なかったのです。

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≪ライツ・タンバール90mmF2.2、円形でなく球形に見える点光源のボケはすごく魅力的です。撮影:柳沢保正さん。柳沢さんは動画でフォーカスを変化させながら球形のでき具合を見てます≫

 古典レンズに詳しい写真仲間の岡田祐二さんによると、“タンバール”のこれは光源の丸にじみで、「ピントの合った部分」でも強い光では出ているので、ボケというよりは超過剰補正による球面収差のねじれによってピント部分含め画面全体でも光線の輪郭が広がっているものだと考えられるそうです。日中だとすべての点がこのようになるので1つ1つは目立たなくなって、それが重なることでソフトフォーカス効果として認識され、明暗差のある光点だと、個々の光点の円形の広がりが目立つので、こうなるのだと考えられるそうです。

 ところが、ひとつひらめきました。この時期用意していたソフトフォーカスレンズを使ったら、タンバールと同じような描写が得られるのではないかということです。さらに、2017年2月にパシフィコ横浜で行われたCP+2017では、ケンコープロフェッショナルイメージングからドイツで復刻されたメイヤー・トリオプラン100mmF2.8を借りて使ってみましたが、会場では夜景のような点光源もなく、もう1つはっきりとした印象はもてませんでした。その後、7月には希少な戦前物のトリオプラン100mmF2.8を入手して、さまざまな場面でテストを重ねてきましたが、これを機会に1枚玉ソフトフォーカスレンズと戦前物トリオプランレンズで夜の玉ボケだけを撮り比べたテストを一気に行おうと考えたのです。

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≪左:トリオプラン75mmF3.5、右:トリオプラン100mmF2.8。撮影は左のように、ソニーα7RIIに、M42中間リング+M42ヘリコイド中間リング+マウントアダプターを組み合わせて使用しました。右の写真は、トリオプラン100mmF2.8はキヤノンFD用のマウントに改造してありましたのでキヤノンF-1に装着してみました≫

 以下に、撮り比べたレンズの一覧を示します。それぞれのレンズはどのカメラボディに付いていたか、わかるようにしました。1枚構成レンズは、いずれも交換レンズで比較的新しく、シーマを除きメディアジョイのはどちらもコーティングが施され、カメラから取り外した2枚、3枚構成のレンズはすべて戦前物であり、ノンコートです。

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シーマSFレンズ100mmF2 ソフトフォーカス+マクロ

f:id:ilovephoto:20171230203336j:image:right 1970年代の後半でしたでしょうか、“sima SF lens 100mmF2 Soft Focus+Macro”は、カナダ・シマード社の交換レンズとして日本の商社が輸入して8,000円ぐらいで販売した35mm一眼レフ用のソフトフォーカス兼マクロレンズです。作りは、きわめてオモチャ的で、1枚構成の両凸レンズに、プラスチックの鏡胴にヘリコイドはなく、単純に筒を前後に動かしてピントを合わせるのです。絞りは完全円形絞りで前枠を取り外して、F4、F5.6と差し替えられますが、NDフィルターも付属しています。カメラへの取り付けはマウント基部が交換式のTマウント仕様であるために、さまざまなボデへのに取り付けが可能です。今回はニコンFマウントからソニーEマウントに変換して使いました。

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≪撮影にあたってまずあちこち見ましたが、鏡胴内の反射もあり、覗いただけでゴーストイメージ丸出しという感じにもなりますが、撮影角度を変えたり、絞りを入れたりすれば、かなりの割合で防止できます。念のためと、F4、F5.6と絞っても撮影しましたが、玉ボケの大きさが変わるぐらいで、このようなシーンでは絞っても画質の向上は認められません。玉ボケは、なるべく大きいほうがよいので、F2開放のカットを掲載しました≫

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≪このレンズの絞りは、ご覧になればおわかりなように単純に丸い穴が開いただけです。そこで黒い紙を中心から10mm角ぐらいに切り抜いた自作絞を入れて撮影したのがこのカットです。自分で、星形、ハート形の絞りを作れば面白いのです。なおダイヤ形は鏡胴を回転させれば、四角がダイヤ型になります。やはり水平・垂直の出た四角だと面白くなく、角度を変えたダイヤ型の方がきれいでした。こういうことからレンズを作る側は円形絞りにこだわるわけですね≫

メディアジョイ・ソフトフォーカス90mmF2.8 A031

f:id:ilovephoto:20171230203506j:image:right 京都四条烏丸のクラシックカメラを扱うメディアジョイが製造販売したソフトフォーカスレンズです。このレンズ少し変わっていて、購入してもそのまま使うことはできなく、別途レンジファインダーライカのエルマー90mmF4の光学系部分を取り外して、そのヘリコイド付きの鏡胴部を利用してライカに取り付けるのです。したがって焦点距離はエルマーと同じ90mmであり、撮影距離は0.9m〜∞とエルマーに準ずるのです。絞りは前面からねじ込んで使うのです。絞り板は、ノーマルのF5.6と絞り込んだF11の2種があります。エルマーは光学系としては歴史あるレンズですから、ライカスクリューとMマウントの2種類あります。数がたくさん出回っていることから、かなり安価に入手することができるので、ヘリコイド付き鏡胴部分はエルマー90mmF4のものを流用しようとなったのでしょう。レンズは単玉であるわけですが、その形状は被写体側が凹面になったメニスカス(弓型)凸レンズが採用されています。コーティングは単層コート。写真右は絞りF11の絞り、ライカMマウントにフォクトレンダーソニーEマウントアダプターを付けてあります。

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≪ボケは丸型できれいですが、輪郭は明確ではなく、周辺にいくにしたがって、口径食の影響がわずかにでていますが、撮影シーンによっては気にもなるし、ならないとも言え、撮影者と鑑賞者の考え方ひとつでしょう≫

メディアジョイ・ソフトフォーカス90mmF2.8 B

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 メディアジョイのソフトフォーカス90mmF2.8(mediajoy-Softfocus 90mmF2.8)には、AタイプとBタイプと2種類あります。その違いは、ソフトフォーカスレンズの軟調度が違うようなのですが、実際使ってみた感じではAタイプの方がしっかりとピントの芯があるように写り、Bタイプではソフト度が少し大きいようです。これは、それぞれの光学系が1枚でも、凸メニスカスと、両凸レンズとのタイプの違いに起因するのではと考えますが、そのソフトの具合はどちらがよいかというわけでなく、あくまでも鑑賞者の好みであり、さらにはどのくらいに拡大して、どのような距離から見るかにも影響されます。もちろん絞り込んで使うことにより、収差も小さくなり軟焦点の具合は少なくなり、一般のレンズに限りなく近くなるのです。コーティングはマルチコート。写真右は絞りF5.6の絞り、ライカMマウントにフォクトレンダーソニーEマウントアダプターを付けてあります。

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≪基本的にはA型と大きく変わることはないような感じもありますが、じっくりと見ると、こちらの方が玉ボケが気持ち立体的な球形を示しています≫

ベスト・ポケット・コダックのレンズ

f:id:ilovephoto:20171230203915j:image:right ベスト・ポケット・コダック(Vest Pocket Kodak)は、ベスト(チョッキ)のポケットに入るコダックカメラの名称で、略してVPKとか、日本ではベス単とも呼ばれます。これはベスト判(127)のフィルムを使う単玉レンズのカメラという意味です。そのベスト・ポケット・コダックですが、単玉とはいっても1群2枚構成のレンズなのです。これは、屈折率の異なる2枚のガラスを貼り合わせて色収差の発生を抑えた色消しレンズなのです。さらにVPKのレンズは形状がメニスカス(弓状)であり、凹面を被写体側に向けて配置し、さらに絞りをレンズの前面に設けることにより、像面湾曲の影響を少なくして広い面積に平坦な画像ができるというレンズなのです。同じ1枚構成のレンズでも、フィルム時代の初級カメラやレンズ付フィルムではフィルムの結像面に曲面をもたせて像面湾曲の影響を受けないようになっていますが、VPKでは約41×64mmと大きな画面サイズですが、フィルム面(焦点面)を平面で作ることができたのです。もちろんこれは画面サイズとも関係がありますが、今回の実写は35mm判フルサイズ(ライカ判)の24×36mmであるために、さらに影響は少なくなるのです。ところでVPKは固定焦点式で、さらにボディ前面のレンズボードには、焦点距離と開放F値は記されていません。絞りはあるのですが、絞り数値は表示されていなく、近距離ポートレイト(Near View Portrait)、標準的な距離(Average View)、遠距離(Distant View)、曇りの海(Cloud Marine)と絞りが距離目盛になっていることです。これは明るさの違いにより被写界深度が深くなり、遠方までピントが合うと解釈していますが、絞り込むと焦点距離が変化し、焦点位置が異なるからだと唱える人もいます。文献によると72mmF7.7ということですが、焦点距離F値は実測すれば簡単にわかりますが、今回の目的とは異なるので無視することにしました。

 なお、べス単といえば、フード外しのソフトフォーカス描写が昔から人気ですが、ここではフード付きでどこまで写るかを試してみまして、フード外しの描写は、別の機会に譲ることにしました。

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≪べス単に夜景のボケ描写を期待するのもおかしいですが、実際このようなシーンが手持ちで撮れてしまうのが、やはり技術の進歩を感じさせます。VGAの640ピクセルでは見えにくいですが、白い丸には左上から右に斜めに複数の線が走ってます。絞りは開放の丸ですので、光学ガラスの接合面とか、脈理でもあるのかなとも考えましたが、特定できません。いずれにしてもなぜ走っているかはわかりませんが、中心部と周辺部では濃度差もある円形が多く、描写としては均一性がなく美しさに欠けます≫

パーレットのレンズ、オプター75mmF6.3

f:id:ilovephoto:20171230204051j:image:right オプター(Optar)75mmF6.3は、小西六の「パーレット」に付いていたレンズです。パーレットといえば、コンテッサ・ネッテルのピコレットとともにベスト・ポケット・コダックの類似品として知られています。パーレットは、1925(大正14)年にピコレットのデザインに近似させて発売されたのが最初です。その時のレンズはアメリカ・ウォーレンサックの75mmF11の色消し単玉レンズが装着されていたので、本機もすっかりその流れをくむ1群2枚構成のレンズが付いているとばかり思っていましたが、1934年製パーレットのオプター75mmF6.3レンズは、3枚構成のトリプレットタイプだったのです。パーレットには、単玉、色消し単玉、トリプレット、テッサーとさまざまなレンズタイプがありました。オプターレンズの製造は旭光学だったとされています。このレンズ、レンズ単体にしてヘリコイドを付けてみましたが、ほかの75mmレンズと同じにしましたが、他の75mmレンズと同じヘリコイド鏡胴ではピントがこないのです。あれこれと試すうちに、鏡胴をもっと長くすればピントがくることがわかりましたが、測ってみると約120mmぐらいの焦点距離レンズと同じぐらいの鏡胴を必要とするのです。当初は、1枚ぐらいガラスが抜けているかとも思いましたが、最初にボディからレンズを取り外す時にはそのような形跡はまったくなかったのです。不思議ですが、結像はしましたのでこのままで撮影し、結果を見ることにしました。

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焦点距離が表示となぜ異なるかは別にして、ご覧になってお分かりいただけるように、今回撮影比較したなかでは、ドーナツ状の円形が、最も面白いボケ描写として示されました。一般的に、このような現象が現れるのは、反射望遠レンズのボケであったり、球面収差の補正が過剰であるとか言われるのですが、このオプターの場合には発生原因はわかりませんが、個性的なボケ描写を示すレンズとして僕的には使えるなという印象をもちました。撮影はVPKの場合とは少し変えて、小さく1歩前進して撮影しました。≫

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多摩湖から見た富士山。絞り:F11。このオプター75mmF6.3の画角は、約120mm相当なのです。なぜ、120mm相当の画角焦点距離)のでしょう。実は!レンズ取り外し時に気になったのは、最後玉のネジが妙に浅かったのです。無理やりねじ込むにも最後まで入らないし、どうしたのだろうと、清掃後カメラに付けて覗いたら焦点が長いのです。ズームレンズで外挿してみますと焦点距離約120mmなのでした。その時点で考えたのは、1)前群と後玉の間隔が開くと焦点距離が長くなる? 2)六桜社でカメラ組み立て時に違う後玉を入れてしまった、3)購入者がうまく違う後玉を入れた、などが考えましたが、1)は画質が劣化するし、3)もわが家にあったカメラですから可能性は少しありますが、わざわざはやらないだろうと思うので、2)が一番有力です。いずれにしてもカメラ製造が1933年、今から85年も前のことですからわかりませんね。≫

バルダックスのレンズ、メイヤー・ゲルリッツ・トリオプラン7.5cmF3.5

f:id:ilovephoto:20171230204856j:image:right 最近、人気のドイツ・メイヤーの3枚構成レンズ、トリオプランです。なぜトリオプランが人気かということですが、2014年のドイツのフォトキナで、ドイツMeyer Optik Gorlitz社からから往年のメイヤーのレンズ(Mayer Gorlitz)としてトリオプラン (Torioplan )が復刻されたのです。このレンズは当時5,000万画素という高画素に対応できる解像力を持ちながら、アウトフォーカス部はボケが収差の影響で派手に暴れるという、個性を失った最新の高性能交換レンズに対して一石を投じたのです。そのうちどこからかボケの美しさを競う写真が話題になってきました。それにマッチしたのがトリオプランで、ご本家ドイツはいうに及ばず、中国でも話題になり、中古レンズ市場でトリオプランが暴騰したのです。これはレンズのボケが丸くシャボン玉のように周辺が輪郭をもってぼけるのがよいとされ、日本やドイツではボケフォトファンクラブSNSで結成されるなど人気なのです。

 トリオプランレンズは、1913年にHugo Meyer社から発売された3枚構成のレンズで、当初は大きなフォーマットのカメラ用レンズでしたが、35mm判のライカ、エキザクタ用などが加わり、戦後は東独のプラクチカ用にM42マウントレンズとしても作られたことがありましたが、決して高級なものではありませんでした。いまドイツのボケフォトファンの人々が使っているトリオプランは、戦後に製造されたプラクチカ用のものが多いようです。この理由として、戦前物は数が少ないこと、戦前と戦後のものでは設計が異なり、今人気のシャボン玉ボケは戦前物ではでにくいという説を唱える人もいますが、私のレベルでは未確認です。ここに取り上げたトリオプラン7.5cmF3.5は、戦前の1933年に発売されたバルダ社の6×4.5cm判の「バルダックス」に取り付けられていたものです。バルダックスにはさまざまな仕様のレンズが取付つけられていましたが、トリオプラン付きはテッサー付きの半額ぐらいで、決して高価な機種ではありませんでした。

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≪トリオプランだからといってきれいな玉ボケを示すわけではないとも思った1枚ですが、撮影シーンが異なればボケ描写が大きく変わることはありません。カメラに取り付けた様相はいちばんサマになっているだけに少し残念ですが、トリオプランは発売当時は普通の昼光下撮影向けでしたでしょうから、これから写真展に向けた昼間撮影に期待しましょう≫

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多摩湖から見た富士山。この画角が75mmです。絞り:F8≫

プリマーフレックスのレンズ、メイヤー・ゲルリッツ・トリオプラン100mmF2.8

f:id:ilovephoto:20171230205028j:image:right こちらのトリオプラン100mmF2.8は、製造番号と外観デザインから判断して1935年のドイツ、クルト・ベンツィン社の6×6cm判一眼レフプリマーフレックス用の交換レンズであったようです。ここで“だようだ”としたわけは、このレンズだけ僕の手元にきた時にはすでに、レンズだけが取り外され、かなり高度な金属加工でキヤノンFDマウント用に加工されていたのです。どれほど高度な加工かということは別に項目を立ててもよいほどです。

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≪他のレンズと場所で同じように撮影していたのですが、前後に撮ったこのシーンの方が玉ボケがきれいでしたので、こちらを載せました。さすがトリオプランという描写で、輪郭もはっきり出ていてシャープですし。トリオプラン100mmF2.8が復刻される理由もよくわかりました。KPIさん、さすがだねということになりました≫

セミミノルタ用、コロナー・アナスチグマート・ニッポン75mmF4.5

f:id:ilovephoto:20171230205251j:image:right 6×4.5cm判用のセミミノルタ用のトリプレットタイプで、コロナー・アナスチグマート・ニッポンと名が付いていますが、このカメラには1つのストーリーがあります。現在のコニカミノルタのうちミノルタは、1928年に田嶋一雄氏がドイツ人のビリー・ノイマンとウィリー・ハイレマンとカメラを製造する日独写真機商店を創立しました。経営に対する意見の相違から2人のドイツ人を排斥した後に、1931年にモルタ合資会社を設立し、ミノルタブランドとして最初のカメラが1934年に発売された“セミミノルタ”でした。欧文表記は、Coronar Anastigmat Nippon 75mmF4.5で、コロナーという名で、諸収差の補正された、日本製の75mmF4.5ということなのでしょう。

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≪こちらも丸ボケ描写としてはまずまずといったところですが、あまり個性は感じさせません。最もこんなことを考慮して、当時は設計していなかったでしょうから、やはり昼間の通常撮影ではどういう描写を示すのか、さまざまな一般シーンでの撮影結果が重要だと思うのです≫

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コロナー75mmF3.5レンズでの一般撮影です。絞りはF5.6に絞っていますが、シャープで渋さのなかに鮮やかさがあり、さすがトリプレットのセミ判から35ミリフルサイズへの利用ですからいいとこどりです≫

タンバールが欲しい!けれど

 結局、手持ちの単玉ソフトフォーカスレンズを使っても、タンバールのような球形のボケがでるレンズはありませんでした。それでも、いわゆる玉ボケに輪郭の強調されたボケのでるレンズとして、トリオプラン100mmF2.8とオプター75mmF6.3の存在が確認できたのは幸いというかもうけものでした。本来は、玉ボケレンズの描写を求めていたわけではありませんが、1・2・3枚構成のレンズを使った写真展は、2018年の夏過ぎが予定されていますので、それまではまだまだ通常撮影の写真を撮ろうと思っていますが、すでに数本の戦前物ノンコートレンズを使った結果では、逆光、反逆光ではずばりフレアがでるなど、今さらながら技術の進歩を思い知らされる反面、トリプレットタイプをある程度絞り込んだ順光の撮影ではクリアでシャープな描写を示しています。写真展に向けて、オプター75mmF6.3で背景にドーナツ状ボケを夜のポートレイト撮影でもしてみようかなと思うのを、2018年の小さな抱負としたいと思います。 (^_-)-☆ 201712.31  Ver.3 20180106

2017-12-22

2017パリフォトレポート

22:29

 去る11月9日〜12日までフランスパリで「パリフォト」が開かれました。今年も、パリフォトと「サロン・ド・ラ・フォト」、さらにその周辺を見てきました。帰国後すぐに記事をアップしたかったのですが、この時期はさまざまな行事が重なり遅れましたが、日本カメラ財団情報提供の欄にアップしましたので、ご覧ください。

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 また同じ時期にパリフォトに訪れていた吉岡信敏さんの「AVレポート」Web版にもパリフォトの報告が掲載されています。それぞれのパリフォト報告じっくりとご覧ください。 (^_-)-☆

2017-12-17

ソニーα7R IIIを使ってみました

16:57

f:id:ilovephoto:20171216003131j:image:right ソニーα7RIIIが、交換レンズFE24〜105mmF4G OSSとともに11月25日に発売されました(写真右参照)。その特長は「システムを一新し、有効約4,240万画素の高解像、 最高約10コマ/秒高速連写、高速・高精度AFを小型ボディに凝縮したフルサイズミラーレス一眼カメラ」ということのようですが、どこがどのように進化したのでしょうか。今年の5月にはフルサイズで20コマ/秒の“ソニーα9”を発売したばかりですが、高価であることから一部ユーザーはこのままではソニーのシステムアップにはついていけないなどの声を聞くこともありましたが、機を逃さず6か月後には高性能機を割安感を感じさせるような価格設定で“ソニーα7RIII”として発売したあたりは、ソニーのマーケティング戦略のうまさを感じさせます。

 そこで、進化してきたα7Rシリーズとα9の機種間の性能をまずは比較してみました。これは僕個人が重視するところを抽出しましたが、ユーザーによってはそれぞの注目点によって、さらに作る側によっても違う表ができるでしょう。ここで見ていただきたいのは、それぞれをA2に拡大(4辺に10mmずつの余白を設定して計算)してもプリント解像度は大きく変わらないということと、プリンターによってはその解像度の差が大きく伸ばしても反映されないことがあるのです。ということは、通常の写真製作を行うには、とりあえず画素数差は無視してよいということになります。

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 それではα7Rシリーズとα9の違いは何なのでしょうかとなります。この表からは、画素数と連続撮影コマ速度の違いは簡単にわかりますが、意外なのはα9だけイメージャーがわずかに他機種より小さいのです。使う人によっては、どうでもよいということになるのですが、改めてα9という新ラインを示したわけですから、撮影コマ速度の違いと関係あるのでしょうか。まずは、外観的な相違点を見てみることにしました。

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 α7Rシリーズとα9はカメラを正面から見た状態では、よほどソニー製品に精通している人でないとなかなかわかりません。上のボディは左がα7RIII、右がα9です。各ボディには、FE24〜105mmF4G OSSソニーツァイスバリオ・テッサーT*FE16-35mm F4とそれぞれのボディと同時期に発売されたレンズを装着してあります。この角度から見るのがわかりやすいのですが、最も大きな相違はトップカバー上の操作ダイアルなどの配置です。ここで明らかな違いは、α9は従来メニュー表示から設定していた撮影コマ速度などの切り替え操作をトップカバー上左のダイアルへ引き出したことです。これはさまざまな撮影場面で、とっさに切り替えができること、電源OFFでも撮影モードが外観からわかることなど、明らかに操作性が向上したことです。

ソニーFE24〜105mmF4G OSSレンズの描写

 α7RIIIボディと同時に発売された「FE24〜105mmF4G OSS」の写り具合を見てみましょう。まず、ソニーのフルサイズ用FEマウントレンズには、“FEFE・G⇒ FEツァイスFE・Gマスター”と4種がシリーズ化されています。このうちGマスターレンズが大口径をそろえる高級シリーズで、今回使用したFE24〜105mmF4はGシリーズです。したがってズームレンズでは、開放F値4となりF2.8の大口径と比較すると1絞り暗くなるわけですが、大きくならない、デジタルカメラの高感度適性が格段に進歩したこと、手ブレ補正機構が入ったこと、ボケに関してはズーム域の望遠側設定によりある程度カバーできる、などなど考えあわせると、ズームではF4クラスも十分成立することになります。それでは、α7RIIIボディとの組み合わせでランダムな撮影結果を披露しましょう。掲載は、残念ながらVGAの左右640ピクセルにリサイズしていることはご容赦ください。

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≪24mmの画角絞り優先AE、F8・1/200秒、ISO100、AWB、すっかりこの場所で定点観測的に撮影するようになりました。拡大するとかなりシャープな描写をすることがわかります。東村山・北山公園≫

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≪105mmの画角絞り優先AE、F8・160秒、ISO100、AWB、24〜105mmというと約4.4倍ズームということになり、画角的には風景、建築からポートレイトまで万能に使えるレンズです≫

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紅葉したサクラ葉。焦点距離:78mm、絞り優先AE、F8・1/320秒、ISO100、AWB、紅葉したサクラ葉にピントを合わせて、背景の宝塔の金色輝く先端のボケ具合を見ましたた。東村山・徳蔵寺≫

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≪ピントを合わせた紅葉したサクラ葉部分を画素等倍まで拡大して切り出しました。画面としては中央部ではなく周辺に近いですが、必要以上にシャープです≫

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山茶花絞り優先AE焦点距離105mm、F8・1/500秒、ISO100、AWB、105mmにズームして一番寄れる距離で撮影。この画面ではわかりませんが、拡大すると白い花びらの表面がみずみずしく再現され、花びらのエッジには色収差の影響によるフリンジは発生していません。東村山・北山公園付近≫

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紅葉プログラムAE焦点距離:24mm、F6.3・1/80秒、ISO100、AWB、紅葉したモミジの葉をより鮮やかに撮れるようにと、ステンドグラス効果を狙い逆光でしたが撮影しました。逆光でも、ゴーストフレアは特に感じさせません。東村山・ほっこり広場≫

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中国寺院建築焦点距離:24mm、プログラムAE、F8・1/200秒、ISO100、AWB、画素等倍まで拡大して見ると、寺院の瓦、庇の刻みなどみごとなまでの高解像です。少なくともこの画面からは広角側でもディストーションは少ない描写です。秩父両神

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≪空箱。焦点距離:24mm、プログラムAE、F8・1/640秒、ISO100、AWB、ビールのカバケースをねらいました。露出レベルにもよるのでしょうが、周辺の光量がわずかに低下しているのがわかります。α7RIIIボディは初期設定状態で、露出補正は加えていません。個人的にはこのような描写の方が写真らしくて好きだという人もいます。秩父・源作ワインにて≫

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紅葉のクローズアップ。焦点距離105mm、プログラムAEF4.5・1/160秒、ISO100、AWB、約1.5mぐらいからの距離で撮影ですが、紅葉の葉色の渋さがよくでています。秩父・源作ワインにて≫

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紅葉のクローズアップした画面中央部分を画素等倍まで拡大して切り出して掲載。イメージャーの高解像を十分に生かすことができるだけの解像力をもったレンズであることがわかります≫

α7Rシリーズとα9の画質を比較

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≪左から、ソニーツァイスゾナー35mmF2.8付きα7RIII、同α7RII、同α7R、同α9は撮影を忘れました。ゴメンナサイです。≫

 いつものように英国大使館正面玄関を、α7Rシリーズ3機種とα9の画質を比較のために、同じレンズのソニーツァイスゾナー35mmF2.8を付けた状態で、絞り優先AEでF5.6、ISO感度自動設定にセットして、三脚に据えて撮影しました。撮影はα7RIII発売日の翌日となりましたが、前後の雨模様の天候から一転して、この日は晴天となりました。撮影時刻は10:20頃です。いつものことですが、ピントはスポットAFで建物中央のエンブレムに合わせました。ソニーツァイスゾナー35mmF2.8という名称で呼んだのは、α用のツァイスレンズに、ソニーが扱うのと、カールツァイスが販売するのがあるために区別のためにあえてソニー名を冠しました。各カットは、本来ならば全画面をトリミングなく子細に観察できるとさまざまなことが見えてくるのですが、サーバーの都合から合焦部の所だけの左右640ピクセルであることは、ご勘弁ください。

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≪α7R:F5.6・1/800秒、ISO100、3640万画素、最初のこの機種だけ通常のCMOSです。この結果でしょうが、わずかに同じレンズであっても、きわめてわずかですが周辺光量が低下しているのす。これは、超広角になると著しく現出しますが、なによりも、かなりマゼンタ気味の発色を呈しているのです。ただ、他のシリーズ機に比べるとかなり濃度が高くなるように設定されているようですので、他機種に露出レベルを合わせると、周辺部の低下は目立たなくなると考えられます≫

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≪α7R:フォーカスポイント部画素等倍拡大、同じレンズを使い、同じ絞り値で、スポットAFということなのですが、その画質はというと、画素数なりの描写を示すというのが正直な印象です。ただ、エンブレム周辺の壁面を見ると細かく文様が入ったような描写です。これは本機種7Rだけの傾向なので、撮像素子か、画像処理や圧縮回路に何かがあるのかもしてませんが、通常のプリントワークの範囲では、そのような文様がそのまま現れることはまずないでしょう≫

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≪α7RII:F5.6・1/400秒、ISO100、4240万画素、この機種はフルサイズとしては初の裏面照射タイプCMOS使っています。この結果、広角レンズにおいて周辺光量の低下は少なく、高感度適性も良好です。ただはっきりしているのは、α7Rのようにマゼンタ味を帯びていなく、露出レベルもシャッター速度を見てもわかるように、少しデフォルトがプラス側に設定されているようです。この機種以降は初代7Rとは画作りが、はっきりと異なるようです。この時点から、α7シリーズは、発色状態から、ボディの機械的な部分まで、何かが大きく変わったのです≫

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≪α7RII:フォーカスポイント部画素等倍拡大、壁面を見ると7Rのときのような文様は消えています≫

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≪α7RIII:F5.6・1/500秒、ISO100、裏面照射タイプ4240万画素、基本的にはα7RIIと同じイメージャーだと考えますが、この画面からはわずかながら色分離がいいように見えますが、これは個体差もしくは露出レベルの微妙な違いかもしれません

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≪α7RIII:フォーカスポイント部画素等倍拡大、ソニーのいう特長は、圧倒的な高解像と低ノイズ性能ということだが、同じ画素数の裏面照射タイプのイメージャーでも、画素等倍で拡大したエンブレムを見ると明らかに解像感が高いことがわかります≫

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≪α9:F5.6・1/400秒、ISO100、2,420万、イメージャーがメモリー内蔵積層型であるとされますが、画面全体の発色具合等を見ると、裏面照射タイプと大きく変わるはずはなく、変わったら大きな問題なのでしょう。α7Rからα7RIIでは、色傾向が大きく変わりましたが、これは意図されたものだろうと考えますが、それ以降は変化がないように思います。したがって、イメージャーの違いは画像処理能力の向上によるコマ速度に影響するのでしょう。これはα7RIIからα7RIIIへの改良も同様と考えます。ちなみに画面左上空の黒い点は飛翔するハトです≫

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≪α9:フォーカスポイント部画素等倍拡大、2,420万という画素数なりの解像特性を持っていますが、撮影レンズがさらに高解像なα7RIIIでもカバーしているので、それ以上変わる要素はないようです≫

ミラーレスフルサイズ機αシリーズの今後

 ソニーに限らずデジタルカメラは、ある時期まで画素数を増やすことによって進化というか、新規需要を掘り起こしてきました。その点において、ミラーレスフルサイズ機αシリーズの登場は2013年が最初であったわけですから、高画素志向も一段落ついたころのシリーズ展開ということになります。そこで、さまざまな技術改良がなされ、最も大きいのが連続撮影コマ速度の向上があるわけですが、それを達成するためにはイメージャーそのものを目的に合わせて変えたりしているのです。外観から見えにくいスペックの向上としては、EVFの高精細化、コントラスト検出AFに加え、位相差検出方式AFの付加、AF速度の高レスポンス化、電子シャッターによるサイレントシャッターの採用、高速撮影時ブラックアウトレス等などあげていけば切きりがありません。

 確実にいえるのは、初代α7Rよりすべての動作がクイックになったということです。さらに使って感じたことは、同じレンズのソニーツァイスゾナー35mmF2.8をα7R⇒α7RII⇒α7RIII・α9に装着するとレンズ交換の摺動が徐々に渋くなってきたのです。もちろんボディの剛性も高くなっているわけですから、プロの酷使にも耐えられるような改良が施されているのかもしれません。そして表をご覧になっておわかりのように、α7Rシリーズは2年ピッチで新製品が登場してるので、α7RIIIとα9の次の改良というか新モデル登場の時は、2019年、ちょうど東京オリンピックの時になるのです。最近はプロ対応サービスを始めたソニーですが、その頃はどのような地位を確保しているのでしょうか、目を離せません。

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せっかくだから1ショットの4台並べました(左から、α7R、α7RII、α7RIII、α9)

(^_-)-☆

2017-11-27

ライツパークにカジノ併設か?

00:57

f:id:ilovephoto:20171127222147j:image:right 1988年にドイツ・ウエッツラー近隣の町ゾルムスに移転していたライカカメラ社の本社が、2014年5月にライカカメラ100周年を記念して、エルンスト・ライツ社発祥の町であるウエッツラーに26年ぶりに戻ってきて、今年で3年が過ぎました。約27,000平米の敷地は「ライツパーク」と名付けられ、ライカカメラ社の製造、経営管理、カスタマーケア、ライカアカデミーなどの各部門のほか、工場見学コース、ライカストア、ライカギャラリー、フォトスタジオ、レストラン、カフェなどがありました。僕も2014年9月のフォトキナを機に足を延ばしてライツパークを訪れたましたが、その後は大きく変化していないと思っていましたが、ライカカメラ社オーナーのDr. カウフマン氏のSNSを見ていると、ライカが新社屋としてホテルを建設中で、もうすぐ完成だというのです。しかし公園とはいいながらも、工場見学してホテルに泊まるというのも何かピンと来なく、世界中のリペアマン研修の宿泊所でも兼ねているのだろうかと思っていたのです。

 ところが先日、写真仲間であり、「ノンライツRF友の会」の会長である原 昌宏さんが、かつて僕がレポートした旧ウエッツラー市内のライカ聖地巡りを参考にして、ライツパークにも行ってきたという報告を受けました。この新しいライツパークの中には事務棟を兼ねたホテル建設がなされ、さらにカジノができ、カメラ博物館もできるという貴重な情報を写真とともにおみやげとして持ち込まれたのです。当初は、ライカカメラ社の社屋の展示場に、コピーライカとフェイクライカのコーナーがあるという話だったのですが、いろいろ聞くとCASINO構想があり、すでに地図の示されているというのです。これはすごい、さすがドイツであり、文化も企業理念も日本とはまったく異なるわけで、カジノ設置が、よいとか悪いとかいうことでなく、事実だとしたらどうなるのだろうかと、以下にお伝えする次第です。

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ライカカメラ社の本館ともいうべき建物で、この背後にカメラ工場の建物が長方形に続いている。受付は中央のくぼんだ所から入り、左側がカジノで、現在は食堂、新旧ライカ製品の展示会場やショップ、カメラ組み立て見学コースがある。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

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≪建設中のライカホテルおよび事務棟。日本の写真業界でも、かつて樫村が札幌にオークホテル、日東光学神田にビジネスホテルをやっていたことがあり、現在も鹿児島にホテル京セラがあり、珍しいことではない。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

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≪Park内のマップには、MUSEUMとGALERIEと書かれ、CASINOの場所が大きく示されている。それぞれは赤丸で❶(オスカー・バルナックの紹介)〜⓲(ライカ製造所)までそれぞれのブロックの内容が細かく示されている。現在カジノは設置されていなく、上記建物写真の左の部分にあたり、現在は社員食堂と写真展示場として利用されている。もし社員食堂をCASINOと呼んでいるとしたら、まったく理解できないネーミングだ。このほかに従業員用のギャラリーもある。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

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≪社員食堂(ライカカジノ)のメニュー。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

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≪この時期はちょうど世界のコピーライカとフェイクライカの展示を行っていた。この種の展示は6か月ごとに内容を更新する特別展示だという。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

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光学精機社のKOL Xebec付きのNippon。1941年、シリアルナンバーは14。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

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≪左から:メルコン、レオタックス、上海、Kardon Ried。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

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≪左から:キヤノンJII、その背面はハンザキヤノン、さらに右はフェイクライカライカルクサス(ソ連FED)、撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

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≪左:パーク内にあるライツカフェでは、結婚式が行われていた。右:僕のブログをプリントし、持参して大変便利だったという。後ろは旧エルンスト・ライツ社社屋。現在、左はライカマイクロシステムズ社屋、空中渡り廊下を通じた右部分は市役所譲り受けてが使用しているという。撮影:原 昌宏、2017.09.23≫

 さて、タイトルはライカカジノをというわけですが、詳細は残念ながら不明です。ホテルは部屋数200近いとされ、事務棟を含めは2018年6月ごろに竣工するとも聞きますが、CASINOが設置されるかどうかは、今現在確証は得られていません。ドイツにはホテルにカジノが設けられている所は10カ所以上あるようですから、もう1カ所増えてもまったく不思議ではないのです。2018年はフォトキナの年、ケルンから少し足を伸ばしてウエッツラーに聖地巡礼するのもよしということですね。 (^_-)-☆

※関連として、「ライカの故郷「ウェッツラーへの旅」、日本カメラ財団「2014フォトキナレポート」をご覧ください。