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2017-08-16

「ニコンレンズ→ソニーボディ」 ユニバーサルマウント時代の到来か

10:47

 ユニバーサルマウントとは少しオーバーですが、フランジバックの短いミラーレス機の登場により、各種マウントアダプターが用意され、古典レンズが注目されだしたのは、「パナソニックG1」の発売された2008年からのことでした。以来、APS-C判、フルサイズと大型撮像素子に向けて数々のマウントアダプターが登場しましたが、最近では中判ミラーレスの「フジフイルムGFX 50S」用のマウントアダプターがカメラ発売後約1週間でサードパーティーにより試作発表され、さらには過去の中判AFカメラのコンタックス645交換レンズ用のGFX 50SマウントアダプターがAF対応で発売されるなど、ますますオーバーヒート気味な気配を見せています。

 もともとマウントアダプターは、基本的にはマニュアルで対応していたのですが、最近ではAFにも対応して登場してきたことです。古くはソニーが2012年のNEX時代に“マウントアダプターLA-EA2”を発売したのが最初です。αマウントレンズは、絞り作動は機械的なレバー式、AFは機械的なカプラー回転方式なのです。これに対して、NEXは完全な電子マウント方式なわけですからその機械的な動作をすべて電子マウントへ変換するという優れものです。さらに最近では「マウントアダプターLA-EA4」のようにミノルタα時代の交換レンズを含むソニーAマウントレンズを、ソニーのフルサイズミラーレス機用のFEマウントに対応するものも発売されています。これらはすべてソニー間機種の互換を測ろうというものですが、中国製には『コンタックス645AFレンズ⇒キヤノンEFボディへのAF対応マウントアダプター』もありました。

 また最近では、シグマのキヤノンEFマウントとシグマSAマウントの交換レンズをソニーα7・α9シリーズにAF対応するマウントアダプター「シグマMC-11」が発売されました。これらシグマMC-11とコンタックス645レンズ用AF対応マウントコンバーターは基本的に完全電子マウント同士だから可能となるのです。もちろんソニーのように絞りレバー、AFカプラー動作を完全電子マウント情報化することも可能なのですが、ソニーとまでいかなくても、最近はニコン、ペンタックスも完全電子マウント化したシリーズをだすようになり、やがてはこれらの社の交換レンズとミラーレス機がAE・AF対応で相乗りができるのではと考えていましたが、焦点工房から「Commlite CM-ENF-E1-PRO」というニコンソニー用のAE・AF対応のマウントコンバーターが発売されたので、さっそく使ってみることにしました。

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≪左:Commlite CM-ENF-E1-PRO、右:CM-ENF-E1-PROをα7RIIに装着。電子接点が8カ所と絞り羽根動作用レバーはついているが、AFカプラーはついていない≫

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≪今回、動作確認したニコンマウントAFレンズ。左から、AF-Sニッコール24〜120mmF3.5-4.5G(絞りのみレーバー作動)、AF-Sニッコール24〜70mmF2.8E ED VR(完全電子マウント)、シグマArtライン50mmF1.4(絞りのみレーバー作動)≫

 最初は初期のAFカプラー付きの交換レンズを用意して、Commlite CM-ENF-E1マントアダプターを介してソニーα7IIに装着しましたが、ピントだけうんともすんともいわないのです。すぐに、AFは電子接点だけになったAF-S以降のレンズだけだけが対応することがわかりました。つまりレンズ駆動元をボディ内でなく、レンズ内駆動とし、絞り羽根の駆動は、機械的なボディ側のレバー式とレンズ内の電子駆動式なら対応するのです。このあたりは、すでにタムロン、シグマも絞り羽根を電子制御式としたニコンFマウントの完全電子マウント方式の交換レンズを発売していますが、これからは純正、交換レンズメーカー製とも完全電子マウントの交換レンズが徐々に増えてくると思うのです。

 さて実際に使ったレンズでは、AF動作、AF確度はどうだろうかということになりますが、そのあたりは特に目立つことではありません。AF精度は合焦してピントが合うという点では、特に問題はありませんでした。この点に関しては、AF追随のスピード感も含めて、ピント精度に関しては原理的にはピントが合ったらシャッターが切れるわけですから、特に違和感なく使えました。唯一、ポートレイトなどで有効な瞳AFの機能は3本とも使えませんでしたが、このあたりはレンズ側の問題というよりは、事実上Commlite CM-ENF-E1マントアダプターの側に原因がありそうですので、いずれファームウエアのアップで可能となればいいわけで、大いに期待したい部分です。とはいっても、同じサードパーティソニーFEマウントの「サムヤン35mmF2.8」では瞳AFが使えるのですから、やはりマウントアダプター側の問題なのでしょう。

 この種のマウントアダプターでは、ミノルタα時代のレンズをソニーαFEと同様に使えるようにした「マウントアダプターLA-EA4」と、戦前からのライカレンズをソニーαシリーズAF撮影を可能とした「Techart」のマウントアダプターが僕の考える最高傑作だと思うのです。まさに完全電子マウントの恩恵といえるわけです。余談ですが、今回の確認撮影は写真仲間のHさんと行いましたが、一番古いAF-Sニッコール24〜120mmF3.5-4.5Gでα7RIIのシャッターを切った後、「オッ輝いて見える!。そうなんだよね、いつもそう思うの」となりましたが、クラシックレンズ装着の割合が高いからそのように感じたのでしょうか。 (^_-)-☆

2017-08-13

本の紹介『写真技法と保存の知識』

11:05

f:id:ilovephoto:20170813062903j:image:right 『写真技法と保存の知識』というタイトルからすると、さまざま思い浮かべてしまうのでしょうか。本書には“デジタル以前の写真−その誕生からカラーフィルムまで”という副題がつけられています。原著は、フランスの歴史科学研究委員会編で、フランスの写真保存研究の第一人者である国立保存センター所長のベルトラン・ラヴェドリン氏らの著作で、『Comite des travaux historiques et scientifiques,CTHS』という名で2008年に刊行されました。英語版もすでに出版されていて『Photographs of the Past:Process and Preservation』という題がつけられているので、英語のタイトルを見るとだいたい内容がわかりますが、すでに原本は版を重ねているという注目の書籍です。日本では、写真修復家の白岩洋子氏により翻訳され、日本大学芸術学部写真学科の高橋則英教授監修により青幻社より6月に出版されたのです。

 本書では、ヘリオグラフィー、ダゲレオタイプ、ティンタイプ、アンブロタイプ、リップマンプロセス、塩化銀紙、鶏卵紙、焼きだし印画紙、サイアノタイプ、プラチナパラジウムプリント、カーボン印画、ゴム印画、ダイトランスファープリント、コロタイプ、コロジオンネガ、カラーピグメントプリント、チバクロームプリント、ガラス乾板、ゼラチンシルバーネガフィルム、発色現像現像方式ネガフィルム、等々過去に発表されたさまざまな写真技法をほとんど網羅しています。

 内容は、第1部:ポジ画像に始まり、支持体によって金属、ガラス、プラスチックフィルム、布、紙、さらに第2部ではネガティブ:紙、ガラス、プラスチックフィルム、第3部:保存、劣化の種類と影響要因、保存処置、デジタルイメージングと文化財保護、災害、等々です。このうちさまざまな古典写真技法は、歴史、製作法、劣化とケアというように細かく紹介されています。写真技法のルーツは、いうまでもなくフランスイギリスにあるわけですが、本書は源流ともなる国からの研究書であるために、歴史的に豊富な作品群を例題に、カラー写真誕生以前の黒白写真を含めてすべてカラーで見せているために、作品そのものの風合い、さらには劣化の具合などもオリジナルの感じで見ることができます。なお、表紙カバーは日本人の家族写真で埋められていてるほか、内容も現在の日本の状況に合わせて加筆されているそうです。

 ≪体裁≫B5判変形(220×170mm)、368ページ ≪定価≫5,500円+税 ≪書籍コード≫ISBN 978-4-86152-617-6 C1072 ≪版元≫青幻社、http://www.seigensha.com

 昨今、古典プリントに対する写真趣味人の注目度は大でワークショップなども多方面で開かれていますが、本書は、これらの人々への実技知識書として、さらには幅広く写真にかかわる多くのクリエイターを始め、写真教育関係者、古典写真を手にする博物館学芸員などの人々にとっては必携の書といえるでしょう。なお出版にあたっては、一般財団法人 戸部記念財団の助成を受けています。

2017-07-25

ニコン100周年を記念して札幌「IMAI collection」が限定一般公開

00:48

 ニコンの創立100周年を記念して、札幌「IMAI collection」がニコンを始めとした、全カメラコレクションを9月10日に限定して一般公開します。「IMAI collection」は、札幌在住の今井貞男さんが、長年にわたって収集した、ニコンならびにライカをはじめ、多岐にわたるカメラとアクセサリーが収蔵されていますが、ことニコンに関しては、カメラ・交換レンズはいうまでもなく、ニコングッズ、販促品、さらには顕微鏡、万能投影機なども収集されています。

 今回ニコンは、同社の100周年記念サイト『We Love NIKON interview03 今井 貞男』と題して、世界のニコンマニアの1人として今井貞男さんと「IMAI collection」を紹介しています。また日本カメラ8月号では、『ニコン創立100周年記念、赤城耕一特別編集“極ニコン”』の特別付録をつけていますが、こちらも「IMAI collection」が全面協力しています。

札幌・IMAI Collection:北海道札幌市中央区北2条西3バックストーンビル2F(ふだんは非公開)≫

 札幌駅から徒歩5分、札幌時計台近く、法華ホテル隣、クロスホテル正面

 公開時間は、am10:00〜pm4:00が予定されています。(全コレクションをじっくりと鑑賞するには、少なくとも2時間ぐらいを必要とします)

2017-07-10

シグマsdクワトロHを使ってみました

17:23

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≪左:Art35mmF1.4DGを装着したシグマsdクワトロH、右:Art24mmF1.4DG≫

 シグマのAPS-Cミラーレス一眼「シグマsdクワトロ」が発売されたのは2016年7月、そしてAPS-H判「シグマsdクワトロH」が2016年12月に発売されました。シグマでは、sdクワトロは3,900万画素相当、sdクワトロHでは5,100万画素相当の高画質が得られるというのです。なぜ出力ピクセル以上の相当という高画質が得られるのかというのは単純な疑問ですが、簡単にいうと4ピクセルのセンサーからRGB信号を導き出すバイヤー方式のカラーセンサーと、1ピクセルの単一センサーからRGB信号を導き出すフォビオンセンサーでは解像感が違うというわけです。発売から時間が経ちましたが、この間純正、非純正クラシックなどさまざまな交換レンズを、じっくりと長期にわたり使用しましたので、真冬から初夏までと作例もさまざまです。使用したレンズも、シグマ純正で、フルサイズ用のArt35mmF1.4DG、Art24mmF1.4DG、Art85mmF1.4DGの3本に加え、APS-C用のArt18-35mmF1.8DCの4本を使いました。また、マウントアダプターを使って、コシナカールツァイス、タムロンのレンズも使いましたので、結果を報告しましょう。

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≪いつもの英国大使館正面玄関、Art35mmF1.4DG使用、35mm判に換算すると、焦点距離45mm相当の画角になります。≫

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ミラーレス一眼だからマウントアダプターを使いM42マウント仕様のGranada35mmF2.8、Tamron200mmF5.9、CarlZeiss Planar50mmF1.4ZSを使ってみました≫

 詳しくは、いつものように京都MJのサーバーにアップしてありますので、ご覧ください。

2017-07-08

ソニーFE 12-24mm F4 Gを使ってみました

00:39

 ソニーからFE 12〜24mmF4Gが7月7日に発売されました。実はこのレンズ発売前から、小型・軽量で描写が素晴らしいと裏でささやかれていまして、早速それを信じて入手した次第です。ところで、前回α9の時には、カールツァイスのBatis2/25(ZEISS Distagon25mmF2 T*)を使いましたが、F2という大口径ながら描写はシャープで、画像平坦性はすこぶる良好で、ディストーションを感じさせないことから近接のポートレイトにも使えると、後に続いたYさんは大満足です。

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≪α7Rに装着されたFE 12〜24mmF4G。レンズキャップは昔のような厚みのある樹脂製のカブセ式。つまりフードは組込み式で固着されているのです≫

f:id:ilovephoto:20170709075453j:image:right ソニーFE 12〜24mmF4Gは2倍ズームですが、Batis2/25と焦点距離的にはオーバーラップしないということで、ここにあるわけですが、同好サイトで簡単に描写を報告したところ、α9でなく、α7RIIでもなく、α7Rでの描写を、それも画面周辺での描写を重点的に見て欲しいと、写友のWさんはいうのです。なるほど、すでにα7シリーズユーザーは多いのですが、初期7RのCMOS撮像素子は通常タイプでしたが、α9とα7RIIは裏面照射タイプなのです。この裏面照射タイプは、周辺光量の低下が少ない、高感度が得られやすいなどのメリットがあるのですが、最初期型のα7Rを所有しているユーザーにとっては、周辺光量の低下が7Rではどの程度か知りたいというのです。そして、もしそのあたりがクリアされていれば、自分も後に続きたいというのです。確かにその通りなのです。フルサイズミラーレスアルファーシリーズの新型が現れるたびに新型を求められるのは一部の人でしょうし、場合によってはα7Rの発色が好きだという人もいるのです。ということで、今回はソニーFE 12〜24mmF4Gレンズを、α7RIIとα7Rで撮り比べて、画面周辺の画像を見ることに主眼をおくことにしました。

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≪α7RII・FE 12〜24mmF4G、焦点距離12mm≫ 絞りF4・1/640秒、ISO100、三脚使用、AWB。裏面照射タイプの7RIIは、絞り開放でも左上青空にビネッティングの影響はでていません。撮影は、東京小金井市にある江戸東京たてもの園の「常盤台写真場」。昭和12年に建造され、自然光を採り入れた写真館ならではの大きな採光窓が北側にあります。このほか、絞り、焦点距離を変えて7Rと同じようにα7RIIでも撮影しましたが、VGAサイズでは大きく変化はありませんので掲載は省略しました。

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≪α7R・FE 12〜24mmF4G、焦点距離12mm≫絞りF4・1/1000秒、ISO100、三脚使用、AWB。普通照射タイプのCMOSを使った7Rでは、絞り開放では、周辺にビネッティングの影響で光量の低下が起きています。同じレンズでも、撮像素子の違いによりこれだけ変化がでるわけで、フィルム時代にはすべてレンズの性能として背負わされていました。この低下が許容できるかどうかは、ユーザー自身の考え方であるわけです。光学性能として、この焦点距離ということでは、立派なものだと考えます。

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≪α7R・FE 12〜24mmF4G、焦点距離12mm≫ 絞りF5.6・1/500秒、ISO100、AWB、三脚使用。周辺光量の低下はが目立つかどうかは、露出レベルの違いによっても、大きく異なりますが、7Rボディでも、わずか1段F5.6に絞り込んだだけでビネッティングの影響での光量低下は目立たなくなってきました。FE 12〜24mmF4Gは、絞り効果がかなり立ち上がりの早いレンズです。この後、絞りF8、絞りF11と変化させて撮影しましたが、F8になればさらに目立たないというか、なくなったといってもいいくらいです。

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≪α7R・FE 12〜24mmF4G、焦点距離24mm≫ 絞りF4・1/1000秒、ISO100、AWB。テレ側24mmの描写です。実はこのポジションでの撮影は、アイレベルで建物の天地がすべて収まるような場所を設定し、最広角の12mmも、α7RIIも同じ位置から三脚を立てて撮影しました。画質的にはまったく問題なく、長焦点側24mmですから周辺光量の低下もまったく感じられません。

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≪α7R・FE 12〜24mmF4G、焦点距離12mm≫ 絞りF5.6・1/60秒、ISO125、AWB、手持ち撮影。常盤台写真場のスタジオです。左側には北側から自然光を採り入れる、スラント含めた大きな窓があります。

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≪α7R・FE 12〜24mmF4G、焦点距離24mm≫絞りF5.6・1/60秒、ISO4000、AWB。写真場の入り口に置いてあった黒電話をクローズアップ。F5.6と絞られていますが、適度に背後はボケています。たぶん問題なくポートレイトにも使えるでしょう。

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≪Fカメラで入手後はトキノン50mmF1.4でディナー兼試写です。α7RII・FE 12〜24mmF4G、焦点距離12mm/24mm≫ 絞りF4・1/60秒、ISO10000、AWB、手持ち撮影。最初の1枚目と2枚目。左側は焦点距離12mm、右側は24mmです。α7RIIで自動的にISO感度10000まで上がっていますが、特に違和感ない描写です。

ソニーEマウントの超広角領域は激戦区

 今回の報告では、各カットを画素等倍まで拡大するようなことはやめました。特に意味はありませんが、見る主眼を周辺光量の低下の部分に置きましたが、レンズとしての光学性能は十分に高いのです。

 ソニーのミラーレスフルサイズ用の広角レンズは、このレンズに引き続き8月にはソニーはFE16〜35mmF2.8Gを市場投入します。またツァイスも、すでに紹介したBatis2/25に加えBatis2.8/18を発売していますし、コシナフォクトレンダー・ヘリアー10mmF4.5、12mmF4.5、15mmF4.5を、ケンコー・トキナーがトキナーFirin20mmF2をだしていて、さらに中国メーカーもという具合に激戦区となりつつあります。

2017-05-31

ソニーα9を使ってみました

00:16

 ソニーは4月21日に、2,420万画素のフルサイズミラーレス機で、AF・AE追随、20コマ/秒という高速の「ソニーα9」を発表し、5月26日から発売したので、さっそく使ってみました。

 ところでソニーは、すでに昨年の11月に4,240万と高画素でフルサイズの一眼レフで、12コマ/秒という連写機能を誇る「ソニーα99II」を発売していますが、これによりフルサイズで高画素、中画素で最高連写コマ速度トップを誇る機種をラインナップしたことになります。今回の使用にあたっては特別に意図するところではありませんが、カールツァイスのBatis2/25(ZEISS Distagon25mmF2 T*)を装着しての撮影となりました。

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≪Batis2/25を装着したα9。わりとボディの各部の稜線がシャープなα9に対し、柔らかな曲線美あるBatis2/25のレンズはどうだろうかとも考えましたが、意外とフィットしています≫

f:id:ilovephoto:20170531235837j:image:right α9の最大の特徴である、AF・AE追随で20コマ/秒という高速の撮影を可能としたのは、ソニーによれば、α7IIに比べて20倍高速化されたメモリー内蔵の35mmフルサイズ積層型CMOSイメージセンサーと進化した画像処理エンジン、最高20コマ/秒ブラックアウトのない連続撮影、最大60回/秒の演算によるAF/AE追従や、最高1/32000 秒の歪みを極限まで抑えたアンチディスト−ションシャッターなどの高速性能を備え、大容量のバッファメモリーにより、20コマ/秒連写で圧縮RAW241 枚、JPEG362枚の連続撮影が可能だというのです。当然これらの特徴は、スポーツ撮影などにおいて効果を発揮するものであることは間違いありません。実際、発表日の4月21日、北京で開催された“CHINA P&E”のソニーブースに特設されたバスケットコートで、運よくやはり新発表のGマスター超望遠ズームレンズの「FE 100-400mm F4.5−5.6 GM OSS」を装着して、バスケットの模擬試合のシュートの瞬間を20コマ/秒で撮影できましたが、無音で、その瞬間が簡単に撮影できたので、なるほどなと思ったわけです。といっても僕の関心事は、撮像素子の周辺減光特性や発色具合にあるわけで、今回はBatis2/25に加え、同じ焦点距離クラシック・キヤノンレンズの25mmF3.5で比較で試してみました。

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≪左:キヤノン25mmF3.5(1956)、右:カールツァイスのBatis2/25ツァイスのBatisの25mmに合わせて、キヤノンのクラシックレンズでライカスクリューマウントの25mmF3.5を用意しました。α9へは、ライカSC/Mマウントアダプター、ライカM/ソニーEマウントアダプターを使用。ソニーの交換レンズには、ソニーの販売するツァイスレンズがありますが、Batis2/25はカールツァイスジャパンが発売するソニーEマウント専用のAF対応交換レンズです。まずは、いつもの英国大使館正面玄関を撮影してみました。

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≪キヤノン25mmF3.5。F5.6・1/500秒、ISO 100≫トポゴンタイプの3群5枚構成、距離計連動カメラ時代のレンズですが、実はこのレンズはα7R(2013年11月発売)ボディでは、周辺光量の極端な落ち込みと色付きからモノクロ以外には使えなかったのが、α7R MarkII(2015年8月発売)では使えるようになり、4,240万という高画素特性より、その配光特性と高感度特性に驚きました。これは、フルサイズで裏面照射タイプを採用したからですが、今回のα9のセンサーも同じ裏面照射タイプだということで、好みもありますが十分にカラーで使える範囲にあります。いずれにしても、レンズがすごいというよりカメラというか撮像素子がすごいのです。この写真を見たある写真家氏は、こちらの方が写真レンズらしくて好きだというのです。結局、その範囲です。ちなみにこのレンズは、60年代に多くの写真家が名作をたくさん残していますがまだ黒白フィルムの時代でした。

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≪Batis2/25。F5.6・1/500秒、ISO 100≫この日は快晴かと思いましたが、やはりカスミがかかったようですっきりしません。それでも、画面全体の均質性は抜群で、解像はかなりシャープです。サーバーの関係で画素等倍で見ることはできませんが、2,420万画素のセンサー解像力を十分にカバーした現代の高解像超優等生レンズです。

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≪Batis2/25。F4・1/1250秒、ISO 100≫やはり快晴でなくては思い、シャッターを切った1枚です。伊豆急蓮台寺駅構内です。拡大すればシャープさは抜群で、直線性もよく、背景の山の木々の微妙な緑の変化もよくでています。

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f:id:ilovephoto:20170601000039j:image:right≪Batis2/25を外したα9≫そこで気になるのがBatis2/25。α9のボディから取り外して、マウント基部を見てみました。マウント部は軽量のジュラルミンでしょうか、その周辺には青色の防水リングがついています。レンズの距離指標は有機液晶の表示で、カメラに装着すると“ZEISS”というメッセージが表示されます。AF時には何も表示されませんが、MF時には距離指標と被写界深度が後方と前方と別々に示されるのです。なぜ液晶表示かということですが、鏡胴周辺の機械的な動作部分を少なくしようということなのでしょう。MF時の距離リングの過回転により、m/Ftなど情報表示法を変えられます。

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≪高解像機「α7R Mark II」でBatis2/25。F2.2・1/640秒、瞳AFISO 100。モデル:ひぐれともみさん≫気になるBatis2/25の解像性能ですが、4,240万と高画素のα7R Mark IIで、ポートレイトで使ってみました。太陽が沈む直前の直射がなくなる時間帯に撮影してみました。背景のバラの花、樹木の葉のボケ具合もクセがなく、とろけるような感じです。合焦位置で、2,420万画素画素のα9では十分に解像度を満足させていましたが、高解像4,240万画素のα7R Mark IIでも十分にレンズの解像度がカバーしていることがわかります。VGAの画面サイズで画素等倍まで拡大してお見せしてもいいのですが、あまりにも大きすぎますので今回は控えましたが、まつ毛1本ずつがしっかりと解像し、肌も微細にというところまでわかりました。本体は専用フードをつけても362gと軽く、小型・軽量のα7ボディにマッチすることはいうまでもなく、これからの交換レンズのあり方を示すものだと考えます。そして25mmという焦点距離でF2という大口径がポートレイトに使えるというのも、新しい発見でした。

 ところで、α9のファインダー液晶は3,686,400ドットの有機LEDだそうですが、自然な感じで見やすくできています。そしてソニーの仕様を見ていたら、ファインダー光学系はカールツァイスのT*コーティングが採用されているとのことですので、交換レンズ選択を含めて、ソニーツァイスの関係はどこまでと、興味ある点です。自分の気になる部分だけをレポートしましたが、高度に進化した多機能カメラでは、当然のことでして、最もα9の特徴である20コマ/秒の性能は専門商業メディアをご覧ください。(^^)/

あなたは世界のカメラ派か、ニコン派か

11:34

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 6月10日(土曜日)のほぼ同時刻に、日本カメラ博物館とニコンミュージアムでカメラに関する講演会が開かれます。どちらもカメラファンにとっては見逃せないトークイベントです。ぜひ、どちらかへご参加を。

世界のカメラが好きな方は日本カメラ博物館へ

 現在、日本カメラ博物館では「カメラ故郷へ帰る」展を7月2日まで開催していますが、これに関連して、6月10日、午後1時から3時まで講演会を開催いたします。本展示会は、医師でありカメラ愛好家の竹内久彌氏が19年の歳月をかけ、世界のカメラ製造国44カ国へ実際に足を運んで、その国で製造されたカメラを携行し、その国の由緒ある場所で撮影した写真作品と、携行したカメラとともに展示紹介しています。講演会では、竹内久彌氏自らが「カメラ里帰り計画」と名付け、19年もかけた遠大なプロジェクトへの思い、カメラを収集した苦労、なぜこれらのカメラを選んだか、撮影先でのエピソードなどをお話しいただけます。当日は、講演会に引き続き、カメラ博物館の展示すべてもご覧いただけます。詳しくは、こちらをご覧ください。

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≪1947年製、イタリアライカコピー機‘ガンマII’。ライカコピーといっても、円弧状のメタルフォーカールプレンシャッターをもつユニークなもの。右は、ローマスペイン広場の焼き栗売り≫ このように世界44カ国で製造されたカメラと作品をエピソードとともに紹介します。

ニコンのカメラが好きな方はニコンミュージアム

 6月10日、品川インターシティC棟地下1階会議室にて、ニコン創立100周年記念企画展「カメラ試作機〜開発者たちの思い」に連動してニコンミュージアムトークライブとして13:30分開演で「後藤哲朗、試作機を語る」と題した講演会が開かれます。ミスターニコンこと後藤哲朗氏は、ニコンフェロー、映像事業部 後藤研究室室長で、ニコンF3、F4、F5などのフィルムカメラから、D3までのデジタル一眼レフや交換レンズなどの開発を指揮、直近ではニコンDfを企画開発を担当しました。詳しくはこちらへどうぞ。

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≪左:1947年、ニコンI型試作機、ニコンが所有するもっとも古い試作機、右:ニコンF試作機。いずれもニコン創立100周年記念企画展「カメラ試作機〜開発者たちの思い」より≫

 さて、2つのトークイベント、30分のずれはありますが、ほぼ同時刻にスタートし、終了します。パーティーのように2つの講演を掛け持ちというわけにはいきません。あなたならどちらへ参加しますか?

2017-05-24

2017 中国の最新写真事情

17:22

 中国の写真事情はどうなっているのだろうか? ということで、中国で4月21日から開催されたカメラショー「CHINA P&E」へに行ってきました。

 その詳細報告を日本カメラ財団情報提供コーナーへアップしました。ご覧ください。

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≪「CHINA P&E」の開かれたナショナルコンベンションセンター。北京には珍しい青空です≫

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≪人気のニコンブース。カメラを持って、すごい観客です。≫

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ソニーブースでは19日発表されたばかりのα9と100〜400mmズームが初日21日午後1時過ぎに到着。バスケットボールコートで実写体験。後で知ったのですが、この時点で実写体験できたのは外部の人間としてはきわめて早かったようです≫

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≪カメラ関係の店が400軒近く集まる3階建て「北京撮影機材城」。メーカーごとの店、アクセサリー屋さんプリント屋さん、衣装屋さん、カツラ屋さん、写真学校、修理屋さん、中古屋さんもあります≫

詳しくは日本カメラ財団情報提供コーナーへ。


中国の通信社新華社が、5月18日の国際博物館デーに合わせて、日本カメラ博物館を取材し、全世界へ配信してくれました。ご興味のある方はこちらをご覧ください。