ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

過去9ヶ月を振り返ってみると

このところ、訳文はせっせと送り続けているのですが、どういうわけか、ユダヤ暦のお正月が終わり、シムハット・トーラーが済んで数日経つのに(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121005)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121011)、ウェブ上のアップデイトがありません。
また、パイプス先生も、さすがに、この度のユダヤ正月と重なったムスリム騒動に、原稿書きおよびテレビ出演およびディベート大会および知識人会合なるものの出席など、毎日のように、ニューヨークとオフィスとの間で行事が目白押しで(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120929)、秋風の吹く今頃には、ほっと一休みされているようです。というよりも、あと3週間と迫った大統領選のために、アドヴァイザーとしてせっせこと助言をされているのでしょう。
以前は、私を励まし、その気にさせるためか、訳文を送れば、メール一通ごとに「ありがとうね」「すごいね」「すばらしいよ」「何でも歓迎だよ」「ちっとも遅れていないよ」などとお返事がありましたが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120608)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120628)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120809)、8月のオーストラリア集中旅行の頃から、(まぁ、この調子で続けてくれればいいよ)みたいな暗黙事項が相互了解できたと思われたのか、毎度のお返事ではなくなりました(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120815)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120830)。
そもそも、レヴィ君に尋ねてみたところ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120916)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120922)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121005)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121011)、「自分としては、でき上がり次第、1本ずつ送ってくれた方が助かる」というお返事でしたが、私としてもメールでいちいち煩わしたくなく、3本から5本ぐらい、まとめて送ることもあります。ただ、場合によっては、1本か2本ずつ、見直しが済み次第、連続して同日に3通から4通のメールで送り続けることもあります。
大抵、私のペースとしては、一ヶ月のうち半分を訳業に当て、残りは読書や他事に当てるというやり方です。本を読むと、一見遠回りのようですが、実は訳業が非常に楽になることも、この度発見しています。また、短くて、内容を知っているために簡単なものは、訳した直後に送ったりもしますが、急ぐと、どこかミスが出るもの。送信クリックした途端に、なぜかミスに気づくこともあり、「ごめんなさい。こちらをお使いください」と送り直すはめにもなります。これが嫌で、最初は慎重にしていたのですが、翌日送ろうと思うと、案外に予定が大幅に遅れるはめになるもので、思い立ったが吉日、と最近は割り切ることにしています。
とはいえ、これまで、3回ほど、私が連絡を一時休止したことにより、10日から二週間ほどのブランクがあったこともありましたが、大抵、一週間に最低3〜4回はメール交換があります。時差がちょうど半日ずれているので、私の睡眠時間をはさんで、日付け上は同日ですが、実は二日感覚ということもあります。
昨晩も、「これはすごい!」というメールを頂戴しました。おもしろい先生です。
この訳業も、ある程度はまとめて集中してできるだけやっておき、今後は、本来の自分の仕事や日常生活に戻って、そちらとのバランスを考えながら進めて行ければと願っています。
それにしても、この9ヶ月は本当に、私にとっては降って沸いたような思いがけない話で、最初は何が何だかよくわかりませんでした(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20121003)。
英文を読むことそのものは慣れていたはずでしたが、訳すとなると、普段テレビをめったに見ないために、アメリカ事情もよくわからず、一つ一つを調べ直したりして、非常に時間がかかりました。
また、メールだけのやり取りならば、お互いに余計な問題が発生する余地もないだろうとは思いましたが、(一体、どんな方なんだろう?)と、まだ寒かった頃から夏にかけては、膨大な映像をじっくりと眺めて(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120713)、非常にいろいろと勉強になりました。
先程、2004年のバークレー校での『歴史との会話』の映像を久しぶりに見てみたのですが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120113)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120115)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120126)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120505)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120809)、さまざまなテーマで訳文を90本以上作った今となっては、非常に明確によく理解できます。最初から、英語の聞き取りそのものには何ら問題はなかったのですが、問いに対する答え方の筋に慣れるまでは、いささか手間取ったとは言えます。ところが、今では、事情がすっかり飲み込めてしまったので、応答が楽に理解できます。この9ヶ月の没頭というのは(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120731)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120821)、何ら無駄でもなかったようです。
そこで、それ以前にしばしば見ていた、英国のエディンバラ大学のHugh Goddard教授(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120129)などのプログラムの映像に戻ってみました。当時は、マレーシア事情を長年引きずっていたことから、(わからなくはないけど、本当にそういう方向性でいいのかなぁ)みたいな疑念もいささかよぎっていたのですが、今では明快に言えます。なんて、トロトロとした時間のかけ方をしているんだろう!単純なわかりきったことを、長々と時間をかけてしゃべっているという感じなんです。
昔は、ちょっとハンサムっぽい感じに見えたGoddard教授でしたが、今見ると、背は高くても年齢の割に非常にやせた方で、話し方は典型的な教養層の英国紳士ですが、神経質そうで、いつも気を遣いながら問題を起こさないように話している、という風采です。
そして、決定的だったのが、あれから数ヶ月のブランクがあるのに、映像のアクセス数がほとんど伸びていないということです。
こうしてみると、パイプス先生の人並み外れた勤勉さ、真面目な人の三倍も四倍も働きまくって(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120522)、できる方法は何でも果敢にチャレンジしてみる強気の精神は、私にとっては非常にありがたかったと思います。キャンパス・ウォッチ(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120113)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120505)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120710)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120812)や大学講演の連続ボイコット(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120115)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120126)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120129)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120313)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120505)やニューヨークでのアラビア語学校の閉鎖運動など、これまで日本でも相当話題になった件について、いろいろと論議を呼び起こしていたこともあり、慣れるまでは確かに大変で、疲れもしました。背景事情とペースがつかめてくると、理屈の上で理解できるようになり、仕事のペースとしては、本来の私の気質に合っているということもわかりました。
社会的には、Goddard教授の方が安定して尊敬も得られているように見えますが、ほぼ同じ世代で、若い頃にエジプト滞在経験という共有項を有し、同じくイスラーム専門家として身を立てていらっしゃるパイプス先生の方が、人生行路としては世間の荒波にもまれているだけあってか、刺激的であることもまた確かです。