奢侈と虚栄、情欲とエゴイズムが錯綜するパリ社交界に暮す愛娘二人に全財産を注ぎ込んで、貧乏下宿の屋根裏部屋で窮死するゴリオ爺さん。その孤独な死を看取ったラスティニャックは、出世欲に駆られて、社交界に足を踏み入れたばかりの青年だった。破滅に向う激情を克明に追った本書は、作家の野心とエネルギーが頂点に達した時期に成り、小説群“人間喜劇”の要となる作品である。
ゴリオ爺さん (新潮文庫)
知っているけど、読んだ事がない名作。 結構あるんですよね。 私も何となく内容は知っているけれど、読んだことがなかった。という名作がたくさんあります。 また学生の頃読んだ感想と大人になった今読む名作は感じ方がかなり変わると思います。 そんな名作のあらすじをご紹介します。 あらすじを読んでみて興味があれば実際に本をとり、大人になった今どう感じるか読んでみてくださいね。 フランス文学 レ・ミゼラブル:ヴィクトル・ユゴー 女の一生:モッパーサン ボヴァリー婦人:フローベール フィガロの結婚:ボーマルシェ 狭き門:アンドレ・ジッド カルメン:メリメ ペスト:カミュ ゴリオ爺さん:バルザック 赤と黒:スタ…
★この記事を読むと、オノレ・ド・バルザックの代表的な作品であり、人間喜劇シリーズの中心に位置する作品『ゴリオ爺さん』が読みたくなります。 ★詳細はこちら→『ゴリオ爺さん - Wikipedia』 ★詳細はこちら→『オノレ・ド・バルザック - Wikipedia』 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).pus…
今日はバルザックの書いた「ゴリオ爺さん」を読んだ ゴリオ爺さん (光文社古典新訳文庫) 作者:バルザック 光文社 Amazon 舞台は1819年ごろのパリ。革命とナポレオンの時代は過ぎ去り、再び王が支配者になった時代だ。 主な登場人物は、南仏の田舎貴族家からパリの大学へやってきたラスティニャック、教養が深く理知的で謎めいた大男のヴォートラン、そしてゴリオ爺さんという3人の男だ。彼ら3人などが暮らすのが、パリの場末の下宿「ヴォケール館」。 特に話を動かすのはラスティニャックである。 この小説は……面白かった! Kindle Unlimited で読んだんだけど、思わず紙でも買ってしまったくらいに…
『ペール・ゴリオ パリ物語 バルザック「人間喜劇」セレクション (第1巻)』バルザック著 鹿島茂訳を読む。 なぜ、日本ではバルザックがポピュラリティーを得なかったのか。極論すれば、日本が物質的に貧しかったからだ。食べることに汲々としていては、やはり贅沢は敵であり、富は悪、金は下賎なものだった。ゆえに、戦前は、銀行員は上等な職業ではなかったことを山本夏彦のエッセイで読んでいたことを、ふと、思い出した。ちなみに、ぼくの母方の祖父は銀行員だったが。 ところが、悪名高きバブル時代を体験して日本人は、ようやくバルザックの描いた世界-たとえば蒐集家のごとき道楽者、あるいは遺産相続をめぐる親近者による骨肉の…
1.経緯 トマピケを読んでいた際、「ラスティニャックのジレンマ」や「ヴォ―トランのお説教」が出てきた。この元ネタは、バルザックのゴリオ爺さんであるということなので、その流れで拝読。最初に読んだのは、社会人1年目の冬ころ。 21世紀の資本 作者:トマ・ピケティ みすず書房 Amazon ゴリオ爺さん(新潮文庫) 作者:バルザック 新潮社 Amazon 2.内容 南仏出身の青年がパリでの立身出世を目指すものの、その手段をめぐり、右往左往しながら、葛藤の末、ピカレスク的な生き方を選ぶという話。 3.名フレーズ ただ彼女は、身近の人間はやたらと疑う癖に、どこの誰ともわからない相手には気を許す多くの人た…
以前記事にした「筑摩世界文学大系19 ゲーテI」と同じ全集に属する第23巻、やはり昭和35(1960)年の発行である。 バルザックの作品で読んだとはっきり記憶しているのは「ゴリオ爺さん」くらいで、個人的にはあまり馴染みの深い作家ではないが、この一作を読んだだけでも、その怒涛の如き文体は強烈に印象付けられた。 ドストエフスキーに通じる、「言葉の洪水」とも言える文章は、その流れに上手く乗ることができれば一気に読み進められる反面、それに逆らおうとすると忽ち激流に翻弄され、溺れる危険を孕んでおり、ちょうど、「音の洪水」と形容されるジョン・コルトレーンの演奏が連想される。 本巻に収録されているのは、長編…
ゴリオ爺さん (新潮文庫)作者:バルザック新潮社Amazon「このわしの命は、ふたりの娘のうちにありますんじゃ。あの子たちが楽しい思いをし、幸せで、きれいな格好をしていれば、絨毯の上を歩くことができれば、わしがどんな服を着ていようと、どんなところで寝ようと、どうだっていいじゃありませんか? あの子たちが暖かくしていればわしも寒くない、あの子たちが笑えば、わしも退屈しませんのじゃ」 二人の娘をパリの社交界に入れるため、貴族と富豪に嫁がせ、財産のすべてを分け与えて自分は安下宿の屋根裏部屋で窮乏のうちに病死するゴリオ爺さんは、親ばかというより異常な情熱に取りつかれた男である。この話から思い出すのは、…
初めまして、Morです。 Twitterとかpixivもこの名前でやっているので、もしかしたら初めましてじゃない方も一万人に一人くらいはいるかもしれないし、いないかもしれない。 プロフィールにもある通り、突き詰めれば私はただのオタクです。BL苦手で百合は好きとか言ってるので性別若干不明ですが、普通に(?)女性です。 私はSNSで初めましての人には性別誇示しがちなんですが、これは男性集客目的ではなくむしろ女性のためですね。私個人として、特に小説とか映画の感想って、同じこと言ってても性別が違うだけでガラリと印象が変わると思うのです。 ポリティカルコレクトネスはともかくとして、まあやはりこの世には男…
いま未来ワークはマンスリーマンションに住んでいて、どうにもサブスクホテルより割安だろうということは、かつて会っていて今は行方不明のナオンから教わった(連絡またくれ)。 それで、本を買って読むのだが、どんどん棚のスペースが無くなってしまい、実家の子供部屋にしまうか、ブコフで売るか、図書館に寄贈、もしくは紙ゴミとして捨てなければならないが、パピヨンが欲しがっていたのでレターパックで贈ることにした。贈ったのは以下の4冊。 正欲/朝井リョウ 正欲(新潮文庫) 作者:朝井リョウ 新潮社 Amazon 傲慢と善良/辻村深月 傲慢と善良 (朝日文庫) 作者:辻村 深月 朝日新聞出版 Amazon ゴリオ爺さ…
手前も散文を書いておいてなんだけれども、小説を書いている人っていうのは、怖くないから、困る。 読書いっぱいしている人も原則的に怖くない、のは物書きなのだからあたりまえなのかもしんない。 基本的に、駄目な人たちだと感じていてしまうのね。 自分で自分の領域を狭めてるだけなんじゃねーの、と。夢とかなんとかいうけどさ、本当にそれがどういうことか、おまえ、わかってんの、というか。 生っちょろい世界なんだよな、文学のシーンって。町田康とか見てご覧。人間ってああいう風に堕落をしていくんだ、ってしかとわかるから。パンクでそれなりの業績を残しておいて、芥川賞なんて獲ってしまったばっかりに、各地の文学館をめぐって…
バルザック『ゴリオ爺さん』に関して簡単にまとめました. *** バルザックは個人と環境,社会を結びつけて時代の全貌を表現するリアリズム小説の旗手で,「風景」や「描写」に関して文学的な意味のある技術を取り入れ,「小説」というジャンルの地位向上の立役者の一人である.その作品の中でも『ゴリオ爺さん』に登場する「父」は重層的で,その描写は革命以降のフランス社会や「19世紀の首都」としてのパリを具現化している.現実社会の注意深い観察と階層社会のリアリズムを,誇張を通した方向性のある緻密な描写で描くことを皮切りに,見知らぬ他人どうしが共存する猥雑な都市空間の縮図を下宿屋の上に描き,そこで勃発する意外な事件…
吉◯家で遅い朝ごはんを食べた。遅すぎて朝定食は食べれなかった。松屋と比べて客さんの年齢層が高い印象を受けた。高齢者1名と超高齢者2名の3人組が来店し、小盛りの牛丼ですら完食できないだろうと気になってしまった。超高齢者の爺さんは、椅子に座るだけで脚をガクガクさせて時間が掛かっており、超高齢者の婆さんは、大声で「今日は寒いネェ〜!!!」と叫んでいた。松屋ではお目にかかれない光景だったので、たまには吉◯家も悪くはないかなとおもった。 オキニサウナに1年以上ぶりにきた。予想通りではあるが、「私はサウナマニアです」みたいな顔をした、一昔前であればインド旅行してそうな好漢が、サウナハットを被って椅子に座っ…
11時前になか卵で朝定食(生卵と納豆が入ったの)を食べた。スタバでゴリオ爺さんを30ページ程よみ、ガラス張りのドア越しに通行人を眺めていた。 各種ナオンコンテンツへの課金、ラーメン(油そば含む)他カロリー塩分の高そうな食べ物、飲酒を封印すると本当にやることがなくて、もはや、コーヒーショップの人通りが見える場所に座ってhuman watchingを行うことだけが、未来ワーク唯一の娯楽と化していた。ゴリオ爺さんはどちらかと言えば、社会で成功を勝ち取っていくため、ルールやマナーを守らないようなタイプの、つまり、まるでASDとは正反対なタイプの、金融業界あたりで成功しそうな男を中心とした人間喜劇であり…
用事を済ませた未来ワークは自宅で2時間ほどお昼寝をし、オ◯ニーをして、お外にでかけた。オ◯ニー中に、知り合いからDMがきてどこにいるかと問われたが自宅であることを告げると、死の街にいたら会うのを検討していたようで、結局会うのは断念した。街をフラフラしていると、よく地雷系のナオンが冬場に着てるモコモコした動物みたいなコート羽織った太った男が、ミニスカをはいたナオンをナンパしており無視されていた。コーヒーショップに入店し、つなぎで買った簡単に読めるエッセイ本を読んだ後(こういうのは小学生時代に実家の本棚に会ったのをよく読んでいた記憶がよみがえった)、バルザックのゴリオ爺さんを開始した。途中、ジルバ…
2023年総集編。 ノルウェー・ブック・クラブが選出した「世界最高の文学100冊」(原題:Bokkulubben World Library)というものがあることを知り、全作読んでみることにした。 https://www.bokklubben.no/SamboWeb/side.do?dokId=65500 目標は2030年までに全作読破。英語原著はできるだけ原文で読みたいけれど英語以外でも可。ルールはこれだけ。さらにせっかく読むのだから、読む前と読んだあとで自分の思考がどう変わったかをメモしておくと最高。 以下、選出された100タイトル。「ドン・キホーテ」が最高傑作であることを除けばとくに順番…
今日はこの本を読んだ。 (ネタバレあり) グレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫) 作者:フィッツジェラルド 光文社 Amazo 評判がいいだけあって、めちゃくちゃ面白かった。 1920年代、大学を出た後に田舎から飛び出し、ニューヨークの証券会社に就職した男、ニック。 彼の隣にはギャッツビーなる夜な夜なパーティを開いている若者が住んでいる。ある日ニックとギャッツビーは知り合いになるが、実はギャッツビーにはニックの大学時代の友人・トムやその妻・デイジーとの間で成し遂げたいことがあり……って感じの話。 何よりギャッツビーのような人が好きだ。努力をし何かを掴んだけどそれは通過点に過ぎず、さらに…
とりあえずメモがてら。 今回の投稿の発端は以下のポスト。 ジャコバイトとジャコバンとジャコビアンがお互い全く無関係なのやめてほしい — 零 (@zero_hisui) 2021年11月29日 ジャコバイトの語源になったジェームズ2世はジャコビアンの語源になったジェームズ1世の孫なので関係ありますね(セルフクソリプ) — 零 (@zero_hisui) 2021年11月29日 ナポレオン関係にコメントするのは正直怖いですが、統領政府あたりのイメージで…。まず、第一統領になってる時点でかなりとんでもないです。当時の彼はあくまで「超〜〜〜優秀な軍人」であり、普...続き→https://t.co/3…
言葉と視覚世界 〜目に見えるものを言葉にすると世界は分断され置き換えられる? 恣意的な結合としての記号 小説と視覚世界 視覚=空間世界とその記号化 記号の並べ順=直線化 参考となる本 【バルザック『ゴリオ爺さん』】 【山口昌男『山口昌男コレクション』『山口昌男ラビリンス』】 言葉と視覚世界 〜目に見えるものを言葉にすると世界は分断され置き換えられる? 恣意的な結合としての記号 言葉が対象と恣意的に結びついている、という関係を記号と呼びます。これ僕の、と名前を書いておくような姿を思い浮かべてもらえばいいかもしれません。名前というものがサインや印と一緒の働きをして、そうしたサインや印のことを記号と…
言葉と現実 〜言葉って、本当に言いたいことを表しているのかしら 時間と持続 小説と持続的時間 時間の重みと言葉 言葉と現実の緊張関係 参考となる本 【ベルクソン『時間と自由』】 言葉と現実 〜言葉って、本当に言いたいことを表しているのかしら 時間と持続 またベルクソンという哲学者は時間というものは持続であると考えました。一般に理解されている時間は空間的に区切られたもの、つまり本来なら時間とは区切ることも出来ないずっと続いているものなのに、1秒とか1分とかわけていて理解している、それは空間を1cmとか10mのようにしてわけているのを時間に当てはめ理解した気になっている、というわけですね。 小説と…
言葉と時間 〜レッシングを参考にしてみよう! 言葉の直線性=時間的 レッシング『ラオコーン』のお話 絵画=空間的芸術、小説=時間的芸術 描写による小説的時間の停止 小説的時間と直線性 参考となる本 【レッシング『ラオコオン』】 【バルザック『ゴリオ爺さん』『従妹ベット』】 言葉と時間 〜レッシングを参考にしてみよう! 言葉の直線性=時間的 言葉が直線的ということは、言い換えると時間的に言葉は現われてくる、ということですね。 レッシング『ラオコーン』のお話 これは何も私の考えではありません。昔のドイツでレッシングという人が絵画と小説を比べて、互いにどう違う芸術であるかを述べた『ラオコーン』という…
論理と直線性 〜って、ホンマかいな 言葉 〜音と単語と文と文章 文章と直線性 直線的順序と論理 参考となる本 【時枝誠記『国語学原論』】 論理と直線性 〜って、ホンマかいな 言葉 〜音と単語と文と文章 言葉は音だけではありません。単語だけでもありません。 では文はどうでしょう。今ここで書いているものであれば、〝。〟がつくまでの間が一つの文ということになるでしょうか。この文にある規則が文法になるのかもしれませんね。ここまでくると言葉として複雑な意味を表せそうです。 で、次に文が集まって文章になります。文が沢山ありますから、より複雑な意味を表すことが出来そうですね。このあたりで言葉の役割は完全に果…