[英] Silver Democracy
シルバー民主主義とは、少子高齢化の進行で有権者に占める高齢者の割合が増し、高齢者層の政治への影響力が増大する現象。
主に民主主義体制の先進国で見られるが、日本においては、若年・中年層よりも高齢者層のほうが、実際に選挙で投票する人の割合が高い傾向にあるため、その影響はより顕著となる。
選挙に当選したい政治家は、多数派の高齢者層に配慮した政策を優先的に打ち出すことで、少数派である若年・中年層の意見が政治に反映されにくくなり、世代間の不公平につながるとされている。
中でも急速に高齢化の進む日本では、社会保障制度の抜本的な改革が先送りされ、年金、医療、介護など高齢者向けの支出が増える一方、教育や子育てなどの分野に充てられる費用が縮小し、勤労世代への負担が増加するという世代間格差が拡大している。このまま社会保障費の増大に歯止めがかからなければ、国の財政が行き詰まって社会保障制度が機能しなくなる可能性があり、20歳以下の将来世代への影響も懸念されている。