0.はじめに 1.ヴェネツィア派絵画 2.フェルメール 3.荒木飛呂彦 4.おわりに 0.はじめに 最近、世の中では緑と黒の市松模様が、今までにないほどに意味を持ってしまって、特別な文脈を持たせずに、緑黒の市松模様を使うことは、不可能となってしまった。仮に表現者が完全にフラットに緑黒の市松模様を用いたくとも、受容者はそう観てはくれまい。 また、トンボ鉛筆の消しゴムの配色や、セブンイレブンのロゴなどは「色彩のみからなる商標」として法で守られている。色の組み合わせというものは、強く、或いは、仄かに人の意識を捉え、時として非常に大きな人々の関心事となる。 私にも数年来ずっと気になっている配色がある。…