江戸時代の蘭医。1733年〜1817年。 1771年に前野良沢、中川淳庵、桂川甫周らと腑分け(人体の解剖)を見学、オランダの医学書『ターヘル・アナトミア』の翻訳に取りかかる。1774年、『解体新書』として発刊した。 『蘭学事始』という回想録を83歳で執筆した。 建部清庵との手紙のやり取りをまとめた「和蘭医事問答」などもある。
新装版 解体新書 (講談社学術文庫)
蘭学事始 (岩波文庫 青 20-1)
蘭学事始 (講談社学術文庫)
下記で「芝西久保巴町」のナンバーくん住所プレートを紹介したことがある。 citywalk2020.hatenablog.com 表札ではないが、「西久保巴町」の痕跡を発見したので、今回はそれを紹介することにしよう。発見日 2023年12月25日 発見場所 東京都港区虎ノ門三丁目①巴町45 店舗の中に置かれていた。 「西久保」が抜けているが、かつてここは「西久保巴町45番地」だったのだろう。 「西久保巴町」時代からあったのかわからないが、新しそうなので、違うかもしれない。 何か思い入れがあり、店舗オープンの時作ったのかもしれないと、想像してみる。次はお寺の紹介。 何故? それは、後程わかる。栄閑…
解剖学教室へようこそ養老孟司ちくま文庫2005年12月10日 第1刷発行2020年9月5日 第16刷発行*本書は、1993年6月25日、筑摩書房よりちくまプリマ―ブックスの1冊として刊行されました。 養老先生の『老い方 死に方』で、対談相手だった南直哉さんが解説を書いているという話題ででてきた。 megureca.hatenablog.com 1993年の本だけれど、文庫本となり、今なお増刷されている養老さんの本。図書館で借りてみた。 表紙は、解剖学らしく骸骨さん。そうなのだよ、養老先生は解剖を専門とされたお医者さんなのだよ。。。本の裏には、”どうして解剖なんかするのか。 気味が悪くはないのか…
わずかな手掛かりをもとに、ほとんど独力で訳出した「解体新書」だが、訳者前野良沢の名は記されなかった。 出版に尽力した実務肌の相棒杉田玄白が世間の名声を博するのとは対照的に、彼は終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いて巷に窮死する。 我が国近代医学の礎を築いた画期的偉業、「解体新書」成立の過程を克明に再現し、両者の劇的相剋を浮彫りにする感動の歴史長編。 江戸の町々に、春の強い風が吹き付けていた。 日本橋に通じる広い道を、中津藩医前野良沢は総髪を風になびかせながら歩いていた。 吉村昭の歴史小説「冬の鷹」 の書き出しです。 前野良沢は、藩医として豊前中津藩中屋敷に住んでいました。現在の東京都中央区明…
解体新書訳出の過程を描いた吉村昭さんの「冬の鷹」を読みまして、前野良沢さんと杉田玄白さんの対比がまるで研究者とビジネスパーソンとの対比のようで非常にリアリティ深く、しみじみかんたんしました。 主人公は前野良沢さんなので構成は前野良沢さん寄りではあるのですが、杉田玄白さんが嫌な風に書かれているかというと個人的にはそこまでの印象は抱かず、どちらも立派で必要な人物だったように映ります。それでいて、得られた名声や富は両者間に圧倒的な格差がありますので、そういうところがまさに世の中だよなあと。 あと、吉村昭さんの地元である日暮里界隈の描写が良すぎて、そのパートだけ優れた紀行文みたいになっているのにもかん…
2024年3月3日快晴 此処のところ引きこもりがちであったが、余りに空が晴れ渡っていたので日本橋まで桜を見に行った。 昨年同時期に来たときと同様ほぼ満開の状態であった。 室町1丁目から見える首都高 あじさい通り おかめ桜は中央通りから2つ北側にある通り、あじさい通りや本銀(ほんしろがね)通りに花を咲かせる。それ程知られてはいないようで日曜日にもかかわらず通りは閑散としていた。 何やら騒がしいと思ったら 本日は東京マラソンの日だった 日本橋三越前中央通りを走り行くランナー達 むろまち小路 再びあじさい通り 福徳神社 此方は福徳神社境内の梅花マラソンのため地上での往来は出来ないのでJR日本橋駅入口…
▶中間選考結果を発表! ▶特別審査員賞受賞作を発表! ▶「円城塔賞」最終選考対象作品を発表! ▶【作者の皆さまへお願い】他社からの商業打診があった場合は、カクヨム運営へご一報ください 中間選考結果を発表! 第9回カクヨムWeb小説コンテストの中間選考結果を発表しました。 応募総数12,309作品から、異世界ファンタジー部門・現代ファンタジー部門・恋愛(ラブロマンス)部門・ラブコメ(ライトノベル)部門・ライト文芸部門・ホラー部門・エンタメ総合部門より1546作品が、カクヨムプロ作家部門より451作品が選考を通過いたしました。 ※応募要項を満たしているカクヨムプロ作家部門の作品は、読者選考の評価に…
以上、『ゆとりですがなにか インターナショナル』(2023:水田伸生)より 以上、テレビ朝日「刑事7人 season9 第5話」(2023.07.05:星野和成)より 以上、テレビ朝日「科捜研の女 season23 第5話」(2023.09.13:宗野賢一)より きょう2月24日は、小松和重(こまつ かずしげ)さんの誕生日です。1968年生まれの56歳になりました。おめでとうございます。東京都出身。1992年6月に劇団「サモ・アリナンズ」を結成し座長となる。2004年からはサモ・アリナンズの劇団内劇団「劇団ワンダフルズ」を結成。大人計画所属(マネージメント契約のみ)。 小松和重さんの映画出演作…
この本を読みました。 江戸の読書会 (平凡社ライブラリー0871) 作者:前田 勉 平凡社 Amazon こんど新しく仲間を集めて読書会をすることになり、その課題本となったので読みました。忘れるといけないので、記録を残します。 江戸時代の学校や塾で、学問(中国の思想書を読むこと)が行われていたとき、「会読」という形式の学び方がポピュラーだったという事実があります。この事実を出発点に、会読とは実際どのようなことをしていたのか、どうしてポピュラーだったのか、どのくらいポピュラーだったのか、この学び方の社会的意味や影響はどんなものだったのか、といったことを検討する本です。 好きか嫌いかでいうと学問の…
「幸福塾」の新シリーズ「代表的日本人」が始まりました。 「仰ぎ見る師匠の存在」というテーマで、14人の偉人の師匠との関係をテーマに語りました。 以下、塾生の学びから。 久恒先生、本日も幸福塾をありがとうございました。いよいよ、代表的日本人シリーズが始まりました。本日は7つの資質のうち、「仰ぎ見る師匠の存在」がテーマでした。昭和天皇の師匠が明治天皇であることを初めて知って驚きました。師匠と呼べる人がいるかどうかは、ご縁なのではないかと思いました。ご縁を口を開けて待つのではなく、自ら冒険に出て探すことが肝要であるという、久恒先生のコメントがとても印象深く残りました。どのように探すのかを模索するとこ…
「基礎科学」の有無が植民地化の別れ道 1856年、江戸幕府は、後1863年に「開成所」と改称されて東京大学の前身ともなる「蕃書調所(ばんしよしらべしょ)」を設立しました。幕府直轄で、洋学教育ならびに洋書や外交文書の翻訳を行う洋学研究機関です。 先に触れたように、幕末から明治期は、大量のヨーロッパの書物が日本語に翻訳された時代でした。 欧米列強の植民地政策がアジア地域で展開される中、アジア諸国と日本の決定的な差は科学に対する取り組みにありました。開成所での研究を中心に、日本人が認識したのは基礎科学の重要性でした。 たとえば、当初は精錬学と呼ばれた化学の教官を担当していた竹原平次郎はフランスの化学…
『解体新書』と日本人の科学技術に対する意識 日本人には、科学技術にしつかりと向き合う姿勢が古来から連綿と受け継がれてきました。 日本人の科学技術に対する意識がたいへんよくわかるのが、1774年、江戸時代後期の安永3年に発刊された『解体新書』の翻訳のエピソードです。 原本の『ターヘル・アナトミア』はドイツのクルムスという解剖学者が1722年に著した『解剖図譜』を、オランダの大学都市・ライデンで活動していたディクテンという医師がオランダ語訳した書物でした。 このドイツに生まれてオランダ語に訳された医学書を、豊前国中津藩藩医にして蘭学者の前野良沢が翻訳し、若狭国小浜藩藩医にして蘭学者の杉田玄白がまと…
2024/1/28日曜日 6時半に覚醒。 布団に入ったまま読書。 今日からは橋本左内本を読むことに。 泣きそうになりながら読んだ。 これまで数々の幕末の本を読んできた。 誰もが橋本左内の事を若いのに弁舌が理路整然として爽やかである。 その博識さに於いては右に出る者が居ない。 師匠の緒方洪庵を始め、藤田東湖、水野忠徳等、幕末に活躍した偉人達にこのように絶賛されている。 誰もが次代の日本を背負って立つ逸材だったと、その早世を゙悼んでいる。 そう。 橋本左内は若干25歳でこの世を去っている。 安政の大獄で。 彼に関する本を読みまくる事で弔いたい。 まずは岳真也著「麒麟 橋本左内伝」 この本によると、…
宇多源氏 源雅信 平惟仲 ランキング参加中歴史 宇多源氏 源雅信 宇多源氏 子孫が多く、のちの時代にも名を残す 庭田家(羽林家*1) 代々の庭田家の子女は皇室および伏見宮家に仕え、嗣子をもうける。*2 綾小路家(羽林家) 庭田家の分家。雅楽の知識が庭田家ではなく綾小路家に伝わったため、師範家として朝廷に仕える。 五辻家(半家*3)*4 佐々木氏(武家) 近江国蒲生郡佐々木荘を発祥に、後に源平合戦(治承・寿永の乱)で活躍し全国に勢力を広げた。*5 花山・一条・三条の3天皇の皇太子時代に東宮傅*6を務める。 藤原道長と、娘の倫子が結婚。 どうも娘を入内させようとしてる風な『栄花物語』の記載だが、そ…
読んでいて新たな知見が得られた本。 斬新と言うか、通説に「がんじがらめ」になった頭をほぐしてくれる。 ただし正直なところ、記述が雑と言うか、話の流れが分断されたり、不親切な記述があったり、もう少し丁寧に書いてくれればもっと良い本になったのではないかと思われる。(批判ではなく、自分が編集者だったらという視点) 概要は、「田沼意次」時代に活躍した、斬新で先見性をもった人物の紹介。 幕末かと思われるような、西洋諸国との交流もある。 小さな「出島」(あるいはオランダと言っても良いか)からの窓を通してみた西洋。 「蝦夷地」を通して、見た露西亜。 心を動かされ、もっと深く知りたいと願ったのは、杉田玄白、最…
律令国家の成立をどうやって教えるか 法隆寺夢殿 律令国家の成立をどうやって教えるか 1.板書 2.古墳について 3.聖徳太子の扱い 4.遣隋使・遣唐使について 5.律令制 6.歴史で取り上げるべき42名 7.取り上げない勇気とドラマチックに語る技術 律令国家の成立については、教えがいがありますね。 信頼できる記録がほとんど無い時代の歴史ですので、歪曲された歴史が巷に流布しています。そこをなるべくニュートラルかつわかりやすく講義をすすめるのは、教師の力量が問われるところです。 1.板書 板書02 日本史の2回目。律令国家の成立の板書はこれくらい。27行にまとめたので、16行2段で板書します。 2…
シュリーマンや解体新書の杉田玄白もそうだったと思うけど、40歳を超えても、チャレンジし続けられる人を支えるものとか原動力って何なんだろう。歴史上の人物でなくても、現代にもそういった方々がいて、すごいと思います。40年間生きると、自分との長い付き合いだから、自分のこともある程度はわかってくる、全てではないけど。そこの罠が、自分はこんなもんだと決めつけてしまうことだと思う。自分の可能性まだ信じるというか、そういうのがまずチャレンジの土台に必要。杉田玄白にしても、自分の関心や欲望の延長で、チャレンジをしている。はじめに自分ありきではある。シュリーマンも同じ。その先に人のためにもという想いはあるだろう…
新年あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。一年の計は、元旦にありです。 とりあえず、昨日の内に、お節の用意をしましした。お雑煮は、用意だけで、今日の朝の祝いの膳に付けます。 嫁の家の重箱にて。(丈母の愛用の品) 一の重 有頭海老の塩焼き、紅白蒲鉾、伊達巻、ロースハム、黒豆金箔添え ニの重 鰤の照り焼き、紅白膾、酢蓮根、酢牛蒡、数の子、昆布巻きと田作り 三の重 栗金時と慈姑(くわい)とお煮しめの重 嫁が用意してくれました。食べるのは、今日の朝の祝いの膳です。お屠蘇も付けます。 お節もお雑煮も、毎年のその言われを書いています。いつも同じ解説に、少し飽きたので、今年は元旦には…
2023年を振り返る。正月の御神籤は「古きをすてて新しきにつくがよい。元気を出して捨てるべきはすて進む所へ進め」で、学問は「自己への甘えを断ち目標を定めよ」だった。 神のお告げの通りに歩んでいるような気がする。この1年はお告げの通り「中吉」だったと総括しておこう。 個人:継続は勢力なり 人物記念館の旅:2005年から1063館。今年39 館。 ブログ「今日も生涯の一日なり」:2014年9月28日から7033日連続執筆。 「名言との対話」:8年目の「近代命日編」が終了。2016年から8年で2921日。 メルマガ「久恒啓一の学びの軌跡」:1406号。毎週月曜日に配信。 個人:知的生産は出版ラッシュ…