砂川の街を象徴する川が二本ある。街中を流れるパンケ歌志内川と街の西側を流れる石狩川である。 砂川の街にまだ石炭産業の名残のあった頃、パンケ歌志内川を流れる水は時折真っ黒になった。上流にある炭鉱の近くで、掘り出した石炭を洗っていたらしい。その廃水をそのまま川に流していたのだ。 ある年の冬のことだった。僕はその黒い川面をただ見つめていた。川岸には雪が積もっていた。雪の白さと、川の水の黒さとの対比を眺めていた。 そのとき、なにを思っていたのかは覚えていない。 * 砂川の街は、炭鉱に囲まれています。 北海道鉱山地図 炭鉱は山の方にあり、その方角から流れてくる川は、炭鉱で使われた水が混じって、時々真っ黒…