中国の小説家。
1955年、中国山東省高密県生まれ。文化大革命のため5年で小学校を中退、1985年に『透明な人参』で作家デビュー。フォークナー、ガルシア・マルケスらの影響を受け、中国の大地に根ざした魔術的リアリズムの世界を描き、現代中国文学に新境地を開いている。
アジアでノーベル賞に最も近い作家の1人とされていたが、2012年10月にノーベル文学賞の受賞が決まった。
紅いコーリャン [DVD]
至福のとき [DVD]
故郷の香り [DVD]
莫言(1955 - )。2012年、ノーベル文学賞を受賞。授賞理由は「幻覚的なリアリズムで民話・歴史・現在を融合させた」功績による。 最初に莫言を知ったのは、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の映画『紅いコーリャン』の原作者としてだった。衝撃的な赤色を効果的に使いこなす、色彩主義の映画と理解した。 地平線までコーリャン畑が続く山東省の穀倉地帯(すなわち酒処)を舞台とする、主人公夫婦のロマンチックな物語は面白かったが、酒蔵杜氏のリーダーたる共産党員や後半にいたって侵入してくる「残虐」日本軍の描きかたが紋切型で、なんだか共産党のプロパガンダ映画の匂いもした。 短篇をひとつふたつ読んでから、『酒国』に出…
普段あまりYouTubeを見ない私にも、犬のおかげでついに推しチャンネルができた。遠藤エマさんの『エマ犬(けん)アカデミー』だ。ドッグトレーナーである遠藤エマ先生は、横浜で犬のトレーニング教室を主宰しているらしい。明るく楽しくハキハキした声。たまに、遠藤エマ先生は犬の物真似をする。ロープやおもちゃを使って犬と「引っ張りっこ」をしたときにだんだん興奮してきた犬が本能を思い出して唸りはじめる様子を真似る。また、仔犬やまだ若い犬がブラッシングのとき、そのブラシや人間の手にじゃれてだんだん興奮して甘噛みしようとする様子も真似たりする。例を挙げたこの2つ、どちらも私は犬との1週間の生活の中で経験しており…
豚まんに、飽きつつあり、最近どうも食指がのびない。パソコンに保存しているエクセルファイルには、行くべき豚まん屋をリストアップしていて、実はほとんどチェック済みなのだけれど、まだいくつか賞味できていない豚まんがある。まだ完走できていないのに、どうやら私は飽きてしまっているのである。とは言いつつも、頭の中ではケツを叩いているから、時が来たら再開するだろう。と、私は自分を信じている。 豚まんに飽きる理由は、思い当たることがある。豚まんとは、発酵させた生地で肉や野菜の餡を包み、蒸す料理。こうして簡単に説明するとシンプルだけれど、生地も千差万別、餡も店や作り手によってまったく味が違う。さらには、サイズも…
蛙鳴(あめい) 作者:莫 言 発売日: 2011/05/01 メディア: ハードカバー ★★★★★ 2002年。高密県東北郷。劇作家のオタマジャクシこと万足が、日本の作家に手紙を書く。彼は伯母を題材に演劇を書こうとしていた。万足の伯母は若い頃から産婦人科医として村の赤ん坊を取り上げてきており、1960年には戦闘機のパイロットと結婚するという噂が立った。ところが、そのパイロットは飛行機で台湾に亡命してしまう。やがて文化大革命が勃発、伯母は同僚の誣告によって吊るし上げられる。その後、伯母は農村の計画出産を指導するが……。 軍の党指導者から至急電報を示されました。妻の王仁美が第二児を孕んだというので…
何だかあの小説家とのトークで、自分が地域の文化人の端くれにデビューした気がするのである。また何と大袈裟なことをいうものかと君は呆れるだろうが、ぼくの最近の外に向かうウキウキした気分のその原因を辿っていくと、そうとしか思えない。ぼくは初めてお客さんのこちらの話を傾聴しようとしている顔を見た。あの会場で初めて接する同年輩の未知の友人たち。お客さんの目というものに生まれて初めて接したのだから、多少大袈裟になってもいいんじゃないか、、、そこで得たぼくの構えのこころ触りを覚えておこう。その構えのままこれから他者と接していこう。まずは読書会の仲間から。そして将来の地域の読書会仲間に、デビューした「読書オタ…
【あ】アーモンドの樹(ウォルター・デ・ラ・メア)アイオワ野球連盟(W・P・キンセラ)愛しているといってくれ(マージョリー・ケロッグ)愛の果ての物語(ルイザ・メイ・オルコット)青い花(レーモン・クノー)赤い高粱(莫言)赤毛のサウスポー(ポール・R・ロスワイラー)悪魔なんかこわくない(マンリー・ウェイド・ウェルマン)悪魔に食われろ青尾蠅(ジョン・フランクリン・バーディン)悪魔の収穫祭(トマス・トライオン)悪魔のベッド(ジャン・レイ)悪魔はぼくのペット(ゼナ・ヘンダースン)悪夢の化身アシスタント(バーナード・マラマッド)明日に別れの接吻を(ホレス・マッコイ)熱い太陽、深海魚(ミシェル・ジュリ)あっぱ…
地域の公的な読書会をつくるという私の後期人生目標を具体化するのが、このブログの中心的なテーマになりつつある。とにかく毎日その目標のことを考えて、具体化のために思いつくことを書いていきたい。今日は公的に読むべき小説のリストを作成してみたい。このリストは当然ながら随時更新していくつもりであるが、今日のところで相応しいと思える小説を挙げてみる。この読書会は定年退職者が第二の人生を悠々自適に過ごせるためのこころの拠り所となる、というのがクライテリアとなる。また、読書会という現実的な制約の中で、短編または短編連作集中心となるのもやむを得ないとする。 「新しい人よ眼ざめよ」の中の1編 大江健三郎 「千年の…
中国の「リトルピンク」が「日本」のスタイルをめぐって飲料メーカーを追及 ボイコットや消費者が飲料を投げ捨てる動画により、農福春の株価は急落した。 Yitong Wu と Chingman (RFA 広東語)、Chen Zifei (RFA 中国語)2024.03.12 中国の 「小さなピンク」民族主義者らは、農福泉水のキャップ(左)が日本の国旗の赤い太陽の紋章を思い起こさせ、緑葉茶のラベル(右)が日本の寺院を描いていると不満を述べた。 (農福春) 中国の清涼飲料メーカー、農福春の株価は、一部の消費者が愛国心の欠如を理由に製品をボイコットしていると主張し、内容物を吐き出す自分たちの動画をソーシャ…
NHK大河光る君へ9回遠くの国で藤原為時が花山天皇に中国語を読み上げているシーンがあった。 これまで光る君へで貴族たちが勉強するシーンで書き下し文で読み上げていたのでちょっとびっくり。 日本は我々が思うよりずっと昔から中国語を書き下し文で読み上げていたと言うのが現在の学術的な説だと理解しています。 平安時代はもちろんそうだったので、光る君へのいままでのシーンでそうなっていました。 とは言え、当時の日本人も漢文は日本語ではないことは十分理解していて、仏教のお教だけでなく、漢詩で韻を踏む必要がある事などから、中国語読みも行っていた事も事実です。 その辺のバランスを取るためもあって今回中国語読みなの…
Blueskyで自作(流用)した海外文学B’フィードのリストです。自分の好みに全振りしており、いわゆるSF作家、ロシア文学、シェイクスピア、クリスティ、ドイル、ゲーテ、カフカなど文学以外の複数ジャンルでの言及が多いものを含んでいません。ALTテキストも検索対象。随時更新 カタカナフルネームでそのままソートしたので見づらいかも。 E・M・フォースターJ・G・バラードJ・M・クッツェーW・G・ゼーバルトアーシュラ・K・ル=グウィンアドルフォ・ビオイ=カサーレスアリ・スミスアルベルト・マングェルアレグザンダー・チーアレクサンダル・ヘモンアレホ・カルペンティエルアン・クリーヴスアントニオ・タブッキアン…
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています(詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください)。 2024年大河ドラマ『光る君へ』第6話が放送されました。和歌や漢詩、平安文学に関する視聴者に高い教養が要求される回でした。清少納言も登場し、紫式部ら主人公たちとは別の物語の軸が動き始めたように感じました。 放送日・あらすじ 放送枠 放送日 公式サイト 基本情報 原作 脚本 キャスト 感想 源雅信 一族の闇 おかしきことこそめでたけれ 蜻蛉日記 漢詩の会 行成 斉信 道長 公任 清少納言 お…
幻視の起爆力をそなえた唯一無二の作家、残雪。この短文では主にその評価の変容について、限られた知識しか持たない筆者なりに追ってみたい。 ・ふたつの世紀をまたいで 日本で『蒼老たる浮雲』の単行本が河出書房新社から刊行されたのは1989年。1980~90年代において、一般の読書子の間で残雪の知名度は高かったとは決して言えないだろう。海外小説事情に精通している筆者の知人によると、残雪は中国での評価よりも欧米での評価が早かったという。多数の残雪作品の翻訳を手がけた故・近藤直子氏が作成した著作リスト*1をみると、確かにこのようにある。 1 1987年 黃泥街 圓神出版社 台湾2 1988年 天堂里的对话 …
文字霊日記・3413日目 セイジンのヒ・・・1952年の頃・・・幼児・・・拗=手+幼 「旭日」は「朝日」ではない・・・字比・・・痣比? 「旭日」は「朝日」ではない・・・字比・・・痣比・・・? あさひ=アサヒ・アザヒ・アザビ・・・ ↓↑ あ +「ザ・ジ・ズ・ゼ・ゾ」 あさ+「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」 あさ+「バ・ビ・ブ・ベ・ボ」 あざ+「バ・ビ・ブ・ベ・ボ」 ↓↑ あさひ=朝陽・浅比 あざび=悝碑・鮮皮・・・麻生・麻布・朝府・・・ ↓↑ コジ=孤児・誇示・虎児・故事・固辞拗・居士・固持 拗=コジれる・・・? 古寺・古事・古字 ↓↑ 拗=扌+幼=抝 扌+幺+力 抝=扌+幻 扌+幺 オウ ヨウ こじれる…
2023年総集編。 2019年、中国政府が建国70周年を記念して、中華人民共和国最高の現代小説70作品を選出した。中国語を学ぶのによいし、政府がどのような価値観を推奨しているかを学ぶのにとてもよい。 目標は2030年までに全作読破。以下、選出された70タイトルとその作者。基本的に原文そのまま。邦訳があるものはそのタイトルも併記した。 1《風雲初記》 2《鉄道遊撃隊》 3《保衛延安》 4《三里湾》 5《紅日》 6《紅旗譜》 7《我們播種愛情》 8《山郷巨変》 9《林海雪原》 10《青春之歌》 11《苦菜花》 12《野火春風闘古城》 13《上海的早晨》 14《三家巷》 15《創業史》 16《紅岩》…
ここにも阿箬🤣 ※これまでのあらすじネタバレ感想はこちらから↓ 江湖英雄伝~HEROES~ DVD-SET1 [ ツォン・シュンシー ]posted with カエレバ楽天市場Amazon 『江湖英雄伝 〜HEROES〜』を観るには?? U-NEXT独占配信中なので観るならU-NEXT🙌 華流ドラマがたくさんあるのでU-NEXTは飽きません! 【PR】 ギフトコードだともっと安く観られるよ! U-NEXTギフトコード 30日間 見放題+1,200ポイント※600ポイントまでご利用可posted with カエレバ楽天市場Amazon U-NEXTは話数が中国での放送と異なるので、目安にしてくだ…
"I, almost never leave from Chiba, the social withdrawal become the Romanian novelist without one experience of oversea travel." ビッグコミックオリジナルのまんが『前科者』のロイホ読書会に出て来た小説。もともとひきこもりがちだった著者が、①JOJO第五部の影響でイタリア語を学習②大学の二外でスペイン語を学習③趣味のマイナー映画鑑賞でルーマニア映画にヤラれ、同じラテン語のルーマニア語を学習④コロナカ、そして難病クローン病罹患でルーマニア渡航が難しくなるも、インターネット…
ノーベル文学賞を全受賞者の作品を1冊は読むことにしたい(手始めに、2011年以降の受賞者から読んでいきたい) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学) 気になるのは「受賞が戦前」だと「邦訳が入手できない作家(未邦訳、あるいは邦訳されたが品切れ絶版)がいないか」ということですね(また、「戦後受賞」でも第三世界の作家だと「未邦訳、あるいは邦訳されたが品切れ絶版」の危険があるでしょう)。 代表作に関しては、ウィンストン・チャーチル*1など「第二次世界大戦」を読むしかありません。やっぱりアンリ・ベルクソン*2は、「時間と自由」あるいは「物質と記憶」を読むのかなあ(なお、(ボーガス注:1953年受賞の…
本当なら今日はヴィム・ヴェンダースかクエンティン・タランティーノの作品か中国の作家・莫言のことを書こうと思っていたのですが、今日は一日中チャットモンチーを聴きながら掃除をしていてブログのことを忘れていました。 そしてこの一週間でストック記事を一切書いていなかったのでかなり困っています。 もう私には書くことは何もないと途方に暮れている中でひらめきました。 「そうだ。前に観た映画かなんかについて書こう」 と思って感想ノートを引っ張り出し面白そうな作品を探しました。 その中で見つけたのが女王陛下の007です。 私にとって007は結構思い出深い作品なので選ばせてもらいました。 なんといっても私はあのニ…
高橋和巳が男子学生から競うように読まれた時代があったなんぞということを、現代の若者はおそらく信じまい。全共闘世代の一部学生にとっては、教祖的魅力をもった作家だった。 最初に『憂鬱なる党派』を読んだ。話題の新刊だったという偶然に過ぎない。党派的政治運動と誠実にあい渉った青年が挫折する噺だ。命の次に大切だと思い詰めてきた原稿を、虚ろな気持で紙飛行機に折って飛ばす末尾の場面が、なんとも哀しかった。 内容のみならず文体までもが、重苦しい作品だった。出世作『悲の器』から入っていれば、いくらかは印象が異なったのかもしれない。雑誌には『日本の悪霊』が連載中だった。これまた部分を読んでも、なにがなんだか解らな…