文藝春秋の新刊 2001・6 「キャラメルティー」  ©大高郁子

「本当にキャラメルの味がする」と彼女のホームページで作品とともにひとこと紹介されてます。フランス製なのか、輸入食材店に行けば現物があるかもしれない。
最近、新潟のスーパーでの異変、オレンジ・ペコのティーバッグをみかけない。アールグレイダージリン、あとチャイなんてのまでは棚に並ぶんだが定番というのか普及品というのかですよねオレンジ・ペコ。近所のローカルスーパーマーケットにないだけでなく、わが職場である巨大メガストアー(略称ジャスコ新潟東店)にも置いてないんだよな。
現在わが家ではトワイニング・テイスティっていう、もっと廉価版というのか英国では労働者階級しか飲まないのではないかとちょっと不安なティーバッグをいただいてます。

 集英社文庫 2007年11月チラシの紹介

集英社新刊案内 vol.11

注目の一冊 「The Book 」
乙一 荒木飛呂彦
集英社文庫 11月の新刊 20日発売

集英社文庫は、創刊30周年を迎えました。
北方謙三
水滸伝 14 爪牙の章

桐野夏生
I'm sorry,mama.

真保裕一
エーゲ海の頂に立つ

大沢在昌
野獣駆けろ

古川日出男
gift ギフト

諸田玲子
おんな泉岳寺

高橋三千綱
空の剣 男谷精一郎の孤独

林望
リンボウ先生の日本の恋歌

中村勘九郎
勘九郎日記「か」の字

石川恭三
医者と患者の「対話録」

P・J・トレーシー 中谷ハルナ=訳
ミネアポリス警察署殺人課シリーズ 沈黙の虫たち

アリスン・ブレナン 安藤由紀子=訳
ザ・キル THE KILL

漫画版 日本の歴史 全10巻完結

9 世界大戦と太平洋戦争 松尾尊兌=監修
10 戦後世界と世界の日本 松尾尊兌 木村尚三郎=監修

単行本 新書 コバルト文庫 コミック 集英社be文庫他 新刊案内
北方謙三 水滸伝 240万部突破!!

 文藝春秋単行本 青来有一 てれんぱれん

てれんぱれん

てれんぱれん

軽く原爆幽霊譚と括ってしまっていいのか。いいのだろう、幸薄いなりに頑張って生きてきた働き者のおばちゃん「よっちゃん」が一人称で語る父と幽霊の物語。
“てれんぱれん”な人生を過ごし消えるように死んでいった父と、父を介在に主人公にも少女時代の一時期見ることができた“てれんぱれんさん”と名づけられた原爆で死んでいった子供たちの幽霊が後年小さな奇跡を見出し、市井の魂を救うというのが物語の骨子。

「てれんぱれん」という言葉はなんとなくぶらぶらと過ごして、なまけている人を非難するときによく使います。長崎近郊の方言だろうとわたしは思っていましたが、佐賀福岡といった九州の北のほうで広く使われているばかりでなく、どうやら山口當りでも使っているようです。
 てれんぱれん 冒頭の1センテンス

まあ、わりとすてきな単語ですよね。新潟弁にはないかもしれない。“じょんのび”って言葉があって、らくちん(な状況)という意味だがでもそれとはぜんぜん違うな。ちゃらんぽらんは共通語ですか。
長崎に投下された原爆で九死に一生を得た主人公よっちゃんの父は、そのせいで生も死も“夢の中”のようにしか暮らせずになり、それと同時に“西方浄土に行きそびれた魂”を見ることができるようになる。
その父も死に、彼女の人生もいろいろあって初老のおばさんとなってから、再び“てれんぱれんさん”と向き合わなくてはならなくなり、でもその経験を踏むことで主人公は雑木林に固まる“てれんぱれんさん”の集団を見ることができ、そして父の無償の愛を知り登校拒否の少年の魂も救済する。
救済っていってもそこは純文学、魂の奇跡なんてものじゃなくてでもそのあたりがやさしくいとおしいんだなあ…西澤保彦に読ませたいぞって、そんなのどうでもいいか。
加藤さんのお宅へ向かう途中、雑木林で大勢の“てれんぱれんさん”と遭遇する場面が圧巻。でも、そのあと加藤さんのお話やらが説明みたいでちょっと小説の短さを恨みました。いや、逆か─もすこし短い会話だけでこれほど背景を見せるみたいな…どちらにしても小説としてちょっと難かな。
もうひとつ、商業高校卒でじゃりん子チエみたいな子供時代で今は掃除のおばちゃん、偏見ではないけれど、そういう境遇の人の語る言葉にはなってないようだと、ちょっといってみただけです。青来氏の小説をはじめて読みました。今後が気になる作家だと言う印象をとても強く持ちました。