「格差突破力」をつける方法―勉強法から人生戦略まで (新書y)
5年前に書かれた本。
現在、2012年12月16日の総選挙前。
憲法改悪を公言する自民・維新両党が3分の2を占める圧勝が予想され、憲法改悪も現実のものとなりつつあります。
そのような時本書を読みました。
本書で指摘されていたシナリオが、まさに今、現実化しつつあることに驚いています。
第三章「不都合な真実」を見抜いて、勝ち抜く戦略を立てる
で描かれている世界観は、日本はアメリカの属国であり、アメリカの利益のために搾取されている、というもの。
こういった見方を陰謀論と切って捨てる向きもありますが、この本が書かれて5年間、日本を取り巻く状況はまさにこの通りに動いてきました。
まさに2012年12月16日の総選挙に向かう現状を予見しているようです。
(以下、第三章のあらまし)
日本にはタブーを破る(地雷を踏む)者を集団の同調圧力で抑圧する風潮がある。
多数派が少数派の思想信条を集団の同調圧力で地雷にするのである。
誰もが地雷を踏まぬよう場の空気を読み、情報をゆがめてしまう。
だから日本社会では多数派の意見ほど危ういものはない。
むろん、少数派の意見や情報が正しいとは限らないが、多数派に流されず、少数派の情報の中から「不都合な真実」を探し出すことがサバイバルにつながったりする。
著者は「不都合な真実」についての分析を続け、最後には戦争に言及します。
「この世に正義の戦争などない」
「戦争は庶民を生贄にして権力者が肥えるビジネスだ」
権力者が儲けるために、国民をあおったりだましたり、戦争を起こしたりすることもできる。
戦争に行くこともなく儲けることができる軍産複合体の偉い人とそのお坊ちゃまたちが
「武器がたくさん売れて儲かっちゃった。ウッシッシ」
と宴会しながら喜び組の女の子と乱痴気騒ぎ。
これが「正義の戦争」の裏にある「不都合な真実」なのです。
「独裁国家のように強権的に人々を操るのか、民主国家のようにメディアと学校教育と御用文化人を利用して、情報操作とマインドコントロールで巧妙に操るのか、という違いがあるだけです。」
「攻め込め詐欺」に引っかかれば泣くのは戦争に駆り出される一般庶民。
その陰で、戦争に行くことのないお坊ちゃま達が高笑いしているのです。
戦争と並ぶ「不都合な真実」が、「格差拡大」。
格差拡大と固定化を望む層というのが存在する。
「資本家貴族」は、戦争によって財をなした連中が多いので、兵士になる下層階級が必要不可欠なのである。
「日本に貴族階級を復活させるためには絶対に下層階級が必要なのです。
日本が一億総中流社会になってしまったので、兵隊さんの人材が枯渇したからです。
軍事訓練と戦争は過酷なので、従順で辛さに慣れている下流の人間が兵隊さんに最適だからです。アメリカはすでにそうなっています。」
(以上)
本書が出版されたのは2007年10月。今から5年前です。
しかし5年後の今、本書で書かれていたシナリオが現実化しています。
中国・韓国との領土問題の勃発。
石原慎太郎がそれを煽る。
安倍晋三や橋下徹が率いる政党が憲法改悪や徴兵制を狙っています。
北朝鮮も呼応して、戦争ビジネスPRの祝砲を上げる。
また、徴兵制の下準備をする格差社会化も、小泉時代に悪いことしまくった竹中平蔵がまたぞろしゃしゃり出てきてコソコソと工作しています。
この5年間、日本は格差拡大・憲法改悪・徴兵制に向かって突き進んでいたのですねえ。
12月16日の総選挙は、良く考えて投票しないと、国民主権が失われて徴兵制が開始になるかもしれません。
『「格差突破力」をつける方法』不定期連載読書感想文(全6回)
■[日々の哲学]16日の総選挙を予見!?5年前に書かれた本
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■[自己啓発]人的ネットワークと二拠点主義
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■[自己啓発]5年間の時代の流れを的確に的中させていた!驚きの自己啓発書
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■[自己啓発]お坊ちゃま系と苦労人系
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■[自己啓発]軍事訓練のリアルな現実
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■[自己啓発]ハケン国家の時代を生き抜く方法
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村田基の逆転日記
竹中平蔵教授のトンデモ発言
http://blogs.yahoo.co.jp/muratamotoi/10099435.html
フリーライター・石井政之の書評ブログ
『「格差突破力」をつける方法』中山治(洋泉社)
http://booklog.kinokuniya.co.jp/masaishii/archives/2008/08/post_40.html
ライター・カミガキ 臨機応変日記
『「格差突破力」をつける方法』
http://kamigaki.blog.ocn.ne.jp/index/2010/10/post_0226.html
yamazakuraの日記
■[book][study]引き続き「格差突破力」について 16:57
http://d.hatena.ne.jp/yamazakura/20080325/1206431844
Cultural Marketing Lab INOUE.
「格差突破力」をつける方法―勉強法から人生戦略まで
http://blog.goo.ne.jp/sinoue0212/e/890d34013ffe8d57505227807380d147
読書メーター http://book.akahoshitakuya.com/b/4862481949
平成26年4月1日 消費税8%まであと何日? http://counting.hatelabo.jp/count/40440
平成27年10月1日 消費税10%まであと何日? http://counting.hatelabo.jp/count/72110
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