児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

衆議院青少年問題に関する特別委員会の動き

○明16日次のとおり開会する。
 ▲青少年問題に関する特別委員会
     午前10時50分 第11委員室
    会議に付する案件   
   青少年問題に関する件
   閉会中審査に関する件
   請 願
    一 青少年健全育成基本法等の法律制定に関する請願(中根康
      浩君紹介)(第一八〇号)
    二 同(山際大志郎君紹介)(第九二一号)
    三 青少年健全育成基本法の制定に関する請願(宇野治君紹介
      )(第一三三六号)
    四 同(宇野治君紹介)(第一三五一号)
    五 同(大前繁雄君紹介)(第一三五二号)
    六 同(山本拓君紹介)(第一三五三号)
    七 児童買春、児童ポルノに関する法律改正案の成立に関する
      請願(八代英太君紹介)(第一三六〇号)
    八 青少年健全育成基本法等の法律制定に関する請願(山本明
      彦君紹介)(第一五二二号)
    九 青少年健全育成基本法の制定に関する請願(高木毅君紹介
      )(第一五二三号)
   一〇 同(渡辺具能君紹介)(第一五二四号)
   一一 青少年の健全育成に対する基本法の制定に関する請願(谷
      本龍哉君紹介)(第一六八八号)
   一二 青少年健全育成基本法の制定に関する請願(水野賢一君紹
      介)(第一六八九号)
   一三 児童買春、児童ポルノに関する法律改正案の成立に関する
      請願(野田聖子君紹介)(第一七九五号)
   一四 青少年健全育成基本法の制定に関する請願(江渡聡徳君紹
      介)(第二五八五号)

出会い系サイトのワナ解説 県教育事務所と県警、非行防止CD―R作製=山形

 一般に、「男に連れて行かれる」というのは子どもには有効だと思うのですが、見知らぬ児童買春犯人と1対1で待ち合わせた被害児童の尋問で、
  弁護人  そんな知らないおっちゃんと待ち合わせて、
       強盗とか、殺人とかの
       被害に遭うかも知れないと心配しないのですか?
  被害児童 信用していますから
  弁護人  見ず知らずのおっちゃんを信用できるのですか?
  被害児童 大人だし。電話で話しているから。
  弁護人  それで信用できるんだ? 2人で車に乗ってホテルに入ったけど怖くなかった?
  被害児童 はい
という体験をしています。

 裁判所も、こんな無防備な被害者に、「被害者の過失」を認めませんね。
 付いていっているのか、連れて行かれているのかわかりません。

CD―Rは、パソコンの機種を問わずに起動できる。今後、希望する学校などへ配布する。
問い合わせは村山教育事務所((電)0237・86・8131)へ。
写真=女子高生が出会い系サイトで知り合った男に連れて行かれるCD―Rの一場面
[読売新聞 2004年6月15日(火)]

個人情報保護、企業に指針――経産省、違反は処罰

http://it.nikkei.co.jp/it/news/privacy.cfm?i=2004061508912vl

 この見出しはレッドカードですよ。
 経産省が罰則決めたり、罰金徴収したりするみたいだ。しかも「指針」で。
 指針の内容はというと、個人情報保護法等の罰則の解釈にも触れているというだけの話。
 ガイドライン違反→勧告・命令→違反者は罰金というわけ。

http://www.meti.go.jp/feedback/downloadfiles/i40615hj.pdf
① 法第17条関連
法第17条
個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。
個人情報取扱事業者は、偽り等の不正の手段により個人情報を取得してはならない。

なお、不正の競争の目的で、秘密として管理されている事業上有用な個人情報で公然と知られていないものを、詐欺等により取得したり、使用・開示した者には不正競争防止法(平成15年法律第46号)第14条により刑事罰(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)が科され得る。

Ⅲ.「勧告」、「命令」、及び「緊急命令」についての考え方
法第34条第1項
主務大臣は、個人情報取扱事業者が第16条から第18条まで、第20条から第27条まで又は第30条第2項の規定に違反した場合において個人の権利利益を保護するため必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。
法第34条第2項
主務大臣は、前項の規定による勧告を受けた個人情報取扱事業者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において個人の重大な権利利益の侵害が切迫していると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
法第34条第3項
主務大臣は、前二項の規定にかかわらず、個人情報取扱事業者が第16条、第17条、第20条から第22条まで又は第23条第1項の規定に違反した場合において個人の重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めるときは、当該個人情報取扱事業者に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
法第56条
第34条第2項又は第3項の規定による命令に違反した者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
法第58条第1項
法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
法第58条第2項
法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人が、その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

法第34条に規定される経済産業大臣の「勧告(第1項)」「命令(第2項)」及び「緊急命令(第3項)」については、個人情報取扱事業者が本ガイドラインに沿って必要な措置等を講じたか否かにつき判断して行うものとする。
すなわち、本ガイドライン中、「しなければならない」と記載されている規定について、それに従わなかった場合は、法第16条から18条まで、第20条から27条まで又は第30条第2項の規定違反と判断され得る。違反と判断された際、実際、「勧告」を行うこととなるのは、個人の権利利益を保護するため必要があると認めるときである。一方、本ガイドライン中、「望ましい」と記載されている規定については、それに従わなかった場合でも、法第16条から18条まで、第20条から27条まで又は第30条第2項の規定違反と判断されることはないが、個人情報保護の推進の観点から個人情報取扱事業者においては、できるだけ取り組むことが望まれる。
「命令」は、単に「勧告」に従わないことをもって発することはなく、正当な理由なくその勧告に係る措置をとらなかった場合において個人の重大な権利利益の侵害が切迫していると認めるときに限られる。なお、「勧告」に従わなかったか否かを明確にするため、経済産業大臣は、「勧告」に係る措置を講ずべき期間を設定して「勧告」を行うこととする。
「緊急命令」は、個人情報取扱事業者が法第16条、第17条、第20条から22条まで又は第23条第1項の規定に違反した場合において、個人の重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めるときに、「勧告」を前置せずに行う。
なお、「命令」及び「緊急命令」に従わなかったか否かを明確にするため、経済産業大臣は、「命令」及び「緊急命令」に係る措置を講ずべき期間を設定して「命令」及び「緊急命令」を行い、当該期間中に措置が講じられない場合は、「罰則(第56条、第58条)」を適用される。

参議院法務委員会H16.6.10

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0103/159/15906100003023a.html
第159回国会 法務委員会 第23号
平成十六年六月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月九日
    辞任         補欠選任
     中川 義雄君     小林  温君
     江田 五月君     平野 貞夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本  保君
    理 事
                松村 龍二
                吉田 博美君
                角田 義一君
                木庭健太郎君
    委 員
                岩井 國臣君
                小林  温君
                鴻池 祥肇君
                陣内 孝雄君
                野間  赳君
                今泉  昭君
                千葉 景子君
                平野 貞夫君
                堀  利和君
                井上 哲士君
   委員以外の議員
       議員       吉川 春子君
   衆議院議員
       青少年問題に関
       する特別委員長  武山百合子
       青少年問題に関
       する特別委員長
       代理       葉梨 康弘君
   国務大臣
       法務大臣     野沢 太三君
   副大臣
       法務副大臣    実川 幸夫君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中野  清君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局人事局長   山崎 敏充君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇
   政府参考人
       司法制度改革推
       進本部事務局長  山崎  潮君
       警察庁長官官房
       審議官      吉田 英法君
       法務大臣官房長  大林  宏君
       法務大臣官房司
       法法制部長    寺田 逸郎君
       法務省民事局長  房村 精一君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       法務省人権擁護
       局長       吉戒 修一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
知的財産高等裁判所設置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○裁判所法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
不動産登記法案(内閣提出、衆議院送付)
不動産登記法の施行に伴う関係法律の整備等に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び
 児童の保護等に関する法律の一部を改正する法
 律案(衆議院提出)
○委員長(山本保君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁長官官房審議官吉田英法君、法務省刑事局長樋渡利秋君及び法務省人権擁護局長吉戒修一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
○委員長(山本保君) 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院青少年問題に関する特別委員長武山百合子君から趣旨説明を聴取いたします。武山衆議院青少年問題に関する特別委員長。どうぞ。
衆議院議員武山百合子君) ただいま議題となりました児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律は、国内における援助交際や東南アジアにおける買春ツアー等が社会問題となっていた中、児童買春、児童ポルノに係る行為を処罰し、児童を保護するため、平成十一年に議員立法により制定されたもので、同法附則においては、施行後三年を目途として検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものと規定されております。
 同法の施行状況を見ますと、児童買春に係る事件が大幅に増加しているほか、児童ポルノに係る事件も後を絶ちません。
 また、同法の施行後、国連において児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書が、欧州評議会においてサイバー犯罪に関する条約がそれぞれ採択されるなど、児童の権利の擁護に関する国際的取組がより一層進展しております。
 本案は、このような状況を勘案し、これらの行為について、厳格な処罰を行うことができるように法定刑を引き上げる等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、第一は、児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえた立法であることを明示するとともに、児童の権利の擁護を目的とすることをより直接的に表現することとしております。
 第二は、児童買春及び児童ポルノに係る犯罪の法定刑を見直し、懲役刑及び罰金刑の上限を引き上げるとともに、新たに一定の類型について懲役刑と罰金刑を併せて科すことを可能にすることとしております。
 第三は、条約上の義務に対応し、電気通信回線を通じて児童のポルノを記録した電磁的記録等を提供する行為及び特定かつ少数の者に対して児童ポルノを提供する行為並びにこれらを目的として児童ポルノを製造、所持等し又は児童のポルノを記録した電磁的記録を保管する行為、児童に姿態を取らせて児童ポルノを製造する行為等を新たに処罰することとしております。
 第四は、この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。
 第五は、この法律の施行後三年を目途として、改正後の法律の施行状況、児童の権利の擁護に関する国際的動向等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすることとしております。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(山本保君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 この際、お諮りいたします。
 委員外議員吉川春子君から児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本保君) 御異議ないと認めます。
 それでは、吉川春子君に発言を許します。吉川春子君。
○委員以外の議員(吉川春子君) 日本共産党の吉川春子です。
 法務委員会の委員長、理事、委員の皆様のお許しをいただきまして、質問の機会を与えていただき、本当にありがとうございます。
 児童買春・ポルノ処罰、児童保護法改正案について質問をいたします。
 この法改正に取り組みました衆議院の皆様方に敬意を表したいと思います。そして、過日、参議院の方からもドメスティック・バイオレンスの改正案が送られて成立いたしましたが、子供や女性の人権について国会が審議するという、こういう傾向は大変歓迎したいと思います。
 まず最初に、警察庁にお伺いいたしますけれども、平成十一年、議員立法により本法が成立いたしましたが、それ以降の児童買春事件及び児童ポルノ事件の検挙の状況を御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(吉田英法君) 児童買春、児童ポルノの事件の検挙状況についてのお尋ねにお答えいたします。
 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律に基づき検挙した者のうち、同法第四条、第五条及び第六条の児童買春事件につきましては、法施行から平成十五年末までに合計で六千四十八件、三千九百十四人を検挙しております。その年次別検挙件数は、平成十一年が十一月及び十二月の二か月間で二十件、平成十二年が九百八十五件、平成十三年が一千四百十件、平成十四年が一千九百二件、平成十五年が一千七百三十一件となっております。
 また、同法第七条の児童ポルノ事件については、法施行から平成十五年十二月末までに合計で七百四十三件、六百七十一人を検挙しております。その年次別検挙件数は、平成十一年が十一月及び十二月の二か月間で十八件、平成十二年が百七十件、平成十三年が百五十二件、平成十四年が百八十九件、平成十五年が二百十四件となっております。
○委員以外の議員(吉川春子君) 引き続きまして、法務省にお伺いいたしますけれども、この事件の起訴、有罪の統計を取っておられたら御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(樋渡利秋君) まず、起訴件数について申し上げますと、平成十一年は児童買春に係る事件が十八件、児童ポルノに係る事件が二十五件、平成十二年は児童買春に係る事件が五百十一件、児童ポルノに係る事件が百四十六件、平成十三年は児童買春に係る事件が八百八件、児童ポルノに係る事件が百三十一件、平成十四年は児童買春に係る事件が千二百十三件、児童ポルノに係る事件が百七十一件、平成十五年は児童買春に係る事件が千百五十六件、児童ポルノに係る事件が二百十四件であったと承知しております。
 また、全国の第一審裁判所において有罪とされた人員につきまして当省で把握しているところを申し上げますと、平成十一年は児童買春に係る事件が七件、児童ポルノに係る事件が二名、平成十二年は児童買春に係る事件が三百四十一件、児童ポルノに係る事件が七十三名、平成十三年は児童買春に係る事件が四百七十八名、児童ポルノに係る事件が六十二名、平成十四年は児童買春に係る事件が八百八十七名、児童ポルノに係る事件が九十三名、平成十五年は児童買春に係る事件が九百四名、児童ポルノに係る事件が八十九名でございました。
○委員以外の議員(吉川春子君) 法務大臣にお伺いいたします。
 私も、この立法がなされた当初、こんなにもたくさん犯罪が起きる、そして検挙されるということは予想できませんでしたけれども、毎日、新聞を見まして、社会面に連日のようにこの事件が報道されております。
 大臣は、この犯罪件数の多さというものの原因はどこにあるとお考えでしょうか。そして、子供の人権を尊重することとかあるいは条約に沿って政府として行うべきことがもっとあるのではないかと思いますが、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
国務大臣野沢太三君) 委員御指摘のとおり、児童買春や児童ポルノに係る事件の防止という観点からも子供の権利に対する認識を深める啓発を行うことは極めて重要であると考えております。事件の数が特に最近累増しているという状況にかんがみまして、やはりこれに対しての取組については、もちろん政府もしかるべく対応せねばなりませんが、大人がやはり子供たちに対してどう向き合うかという基本的なところからやはり考えていかなければならない大きな課題と考えております。
 私も、法務大臣就任のときに小泉総理から特命をちょうだいした一つが、犯罪をとにかく減らす世の中にしてほしい、安全、安心な国に戻してくれという特命をちょうだいしておりますが、その中でも少年犯罪とかあるいはこういった児童ポルノの問題、あるいは外国人犯罪、こういったものが大変重要な役割を占めているということから関心を持ってまいりましたが、今般このような形で、議員立法の姿で御提言がございましたことについては、私どもも大変これは有り難いことと受け止めまして、この法律の趣旨に沿いましてしっかり取り組んでまいるつもりでございます。
 法務省といたしましては、特に人権擁護という立場から子供の人権を守ろうということを掲げまして、全国におきましてポスターの掲出やパンフレットの配布、あるいは講演会、座談会、映画等を開催いたしまして啓発に努めておりますが、さらにテレビ、ラジオなどの各種のマスメディアを活用した啓発活動も大事なことと考えております。
 いずれにいたしましても、このような対策に対しましては、何としてもこれを減少させるべく努力をしていかなければならないという認識でございます。
○委員以外の議員(吉川春子君) それでは、提案者の方にお伺いしたいと思いますが、児童買春、同勧誘罪など法定刑が懲役三年から五年に引き上げられましたけれども、その意味についてお伺いいたします。
衆議院議員武山百合子君) それではお答えいたします。
 先ほど警察庁の方からも、年々大変数が増加しているということは、今お聞きしたとおりだと思います。
 それで、まず法定刑の引上げですけれども、児童買春に係る事件がどんどん増加していると、それで児童ポルノに係る事件も後を絶たない、こういう現実があるということをまずきちっと把握しなければいけないと思います。そして、この現実の悪質な事案に対してはより厳しい刑罰を科すことを可能にするということですね。それとともに、社会に対しても児童の権利を著しく損なうこれらの犯罪が強い非難に値することを明らかにするということも大変法定刑を上げたという理由でもあります。
 それから、その効果についても答えたいと思います。
 まず児童買春、児童買春の周旋ですね、それから勧誘、これらについて法定刑の上限が三年から五年に引き上げられました。これによって三年を超える宣告刑というものが可能となって、その場合は法的に執行猶予が付けられないということになります。そして、このことによって公訴の時効期間についても三年から五年に引き上げられるということになります。
 以上です。
○委員以外の議員(吉川春子君) ほかの刑とのバランスが崩れるほどの重い処罰はすべきでないという意見が日弁連等からも出されておりまして、ここはなかなか難しい問題であろうかと思いますが、私としては、非常にこういう犯罪が増える中、ある程度の法定刑の引上げはバランスを失しない範囲において必要だったのかなというふうに受け止めております。
 続きまして、単純所持の禁止処罰が見送られたわけですけれども、これについても立法当初から議論をしてまいりましたが、今回見送った意味はどういうところにあるんでしょうか、お伺いします。
衆議院議員葉梨康弘君) いわゆる単純所持の問題についてお答えいたします。
 国連の例えば児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利条約の選択議定書などの国際約束でも、各国に単純所持の犯罪化を義務付けるまでには踏み込んではいないんですけれども、諸外国によっては単純所持をしっかり処罰している国ということを承知しております。
 ただ、児童ポルノについては、実は国によって、例えばコミックですとか、あるいは大人が児童に成り済ましたポルノの問題、これに対しても厳しいといったように、運用の在り方、あるいは社会悪である児童ポルノに対する接し方が多少違いがあるのは事実です。やはり、私どもの国においても、しっかりと運用を積み重ねて、国民意識の高揚を図りながら処罰化の是非の議論を詰めるべきと判断して、今回は罰則なしの禁止規定については法文化はしなかったわけです。
 しかしながら、児童ポルノの所持が児童に悪影響を与えることは明白です。そして、今回の法律案でも、提供目的の所持を禁止するなど要件の拡大を図っています。児童ポルノが大きく児童の権利を侵害するものであること、これをしっかりと教育、啓発することに努めて、そしてその中で議論を詰めながら、例えば三年後には必要な見直しを図っていきたいというふうに考えております。
○委員以外の議員(吉川春子君) 児童買春・ポルノの処罰・保護法は国外犯も規定しているわけですけれども、日本人がアジア諸国に出掛けていって少女買春を行い、また児童ポルノの提供などの犯罪を犯すことも多いと報告をされています。こうしたことを減少させていかなくてはならないことはもちろんです。
 そこで、法務大臣にお伺いいたしますが、国際的な捜査共助について今回の法律の改正案には盛り込まれていないわけですけれども、国際会議などでは特に捜査共助の要求が外国のNGOから出ることも多いのですが、この点について大臣はどのように取り組んでいかれようとされておるんでしょうか。
国務大臣野沢太三君) 海外で本法に違反する行為を行った日本人の処罰を行うに当たりましては、外国の捜査機関との連携を深めながら、外交ルートを通じた捜査共助や国際刑事警察機構、いわゆるICPOでございますが、これを通じた情報提供を活用していくことが重要であると考えております。
 現在までにも、児童買春、児童ポルノに係る国外犯につきまして、犯罪他国との連携を図りながら捜査を進められた結果、我が国において起訴され、有罪判決まで至った例が五件ほど既に出ておりますが、今後も外国の捜査機関等との連携が密となるよう努めていくものと承知をいたしております。
○委員以外の議員(吉川春子君) 以上で質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
○委員長(山本保君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山本保君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会

携帯に感染する初のウイルス…ロシアの研究所が確認

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040616i403.htm

 携帯電話ウイルスも、刑法改正案では、不正指令電磁的記録供用罪になるんでしょうね。
 しかし、予防は大丈夫なんでしょうか? 

法制審議会刑事法(ハイテク犯罪関係)部会第3回会議 議事録
第1 日 時  平成15年5月15日(木)  自 午後1時30分
                       至 午後4時28分
第2 場 所  法務省第1会議室
第3 議 題
   ハイテク犯罪に対処するための刑事法の整備について
第4 議 事 (次のとおり)
● この「電子計算機」という概念の意味合いなのですが,通常の汎用コンピュータですとかミニコンピュータですとかオフィスコンピュータといったもの以外に,自動販売機ですとか,電話機,携帯電話機ですとか,自動改札機といったいろいろな機械に組み込まれているマイクロチップなんかの例もございますよね。主にプログラムが走るものを考えておいでなのだろうとは思うのですが,具体的にどこまでを考えておられるのかといったあたりを御教示いただければと思うのですが。
● 基本的にCPUがあるものは,自動販売機のようなものに組み込まれているものであっても,電子計算機には当たると考えておりますが,ただ,少なくとも現状では,自動販売機だとか家電製品とかに組み込まれているプログラムというのは書換えができないような状態でしか入っていませんので,そういう意味で,このウイルスの罪の対象になるようなことは起こり得ない,結果として起こり得ないということになると考えております。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g15905046.htm
第一五九回
閣第四六号
犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案
(不正指令電磁的記録作成等)
 第百六十八条の二 人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
  一 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録

  二 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
 2 前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。
 3 前項の罪の未遂は、罰する。

  (不正指令電磁的記録取得等)
 第百六十八条の三 前条第一項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

6/15の著作権法違反被告事件(WINNY正犯)公判の内容について

 複数お問い合わせをいただいていますが、傍聴して頂いた通りですので、弁護人から説明することはございません。
 「傍聴されたという方の報告」については一切承知しておりませんので、真偽についてもお答えしません。
 採用された証拠書類の内容についても、確定前に弁護人から公開する予定はありません。

姫路のわいせつ事件 生徒と病院長示談が成立

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou04/0616ke33310.html

刑事事件としては、不起訴で終結
親告罪の場合の常套手段。
この結果がおかしいというのなら、刑法改正しかない。

支配関係を立証して児童福祉法淫行罪とかも考えられるのだが、児童福祉法淫行罪は重い罪だが、処罰範囲を必要に応じて無理して拡張してきたので、一線の警察・検察が適用するのに少し躊躇する法条だ。判例がある教師-生徒関係の場合は積極的に適用する
んだが、それ以外は勇気が必要。

児童買春事件捜査の事例

 あるラブホテルでは、次のような記録を付けている。
http://www.okumura-tanaka-law.com/www/image1012.gif
 車両登録番号と日時・使用した部屋・料金が記録されているから、被害児童がホテルとだいたいの日付を記憶していれば、帳簿を繰って、車両登録を照会して、ほぼ犯人を特定できる。

従業員の着服防止の必要性もあって、結構、複数の帳簿や記録媒体にきっちり記録されている。

刑の変更

 改正法で、表面上は、児童ポルノ販売罪・頒布罪・貸与罪がなくなりますね。
 提供罪は創設。
 公然陳列罪は存続。

 「提供」に「販売」が含まれるかについては、不明。
 提供罪の定義を判断してもらいましょうか?
 ひょっとしたら、「刑の変更」「刑の廃止」かもしれないし

刑法
第6条(刑の変更)犯罪後の法律によって刑の変更があったときは,その軽いものによる。
刑事訴訟法
第337条〔免訴の判決〕
左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。
一 確定判決を経たとき。
二 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。
三 大赦があつたとき。
四 時効が完成したとき。

ネット仲介業も規制対象へ 動物愛護法改正で環境省

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040616-00000033-kyodo-soci

 罰則見てみましたが、「みだりに」というのは、構成要件か違法性阻却か争いがあるらしいですよ。

注釈特別刑法(第5巻Ⅱ)第巻9章 動物の保護及び管理に関する法律 原田國男
3 以下本罪の成否が問題となりうるものについて具体的に検討するが、虐待罪が成立しないとされる場合に虐待という構成要件に該当しないのか外形上構成要件に該当するが違法性が阻却されるとみるのか、微妙である。虐待という構成要件は、同じく姓会の良俗を保護法益とするわいせつ文書頒布罪等にいう「わいせつ」 の判断と同様に、諸々の要素を総合して判断すべき性質のものであるから、外形上虐待にあたるが、違法性が阻却されるという場合は考えにくいのであり、他の法令に根拠のある場合、例えば狂犬病予防法による犬の殺害の場合についても、他人所有の犬を殺害する関係では器物損壊罪の違法性阻却事由となるが、本罪の関係では、虐待の構成要件にあたらないと解するのが相当である。

動物の愛護及び管理に関する法律
第27条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに給餌又は吸水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者は、30万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、30万円以下の罰金に処する。
4 前3項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一 牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの


第28条 第12条第2項の規定による命令に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。


第29条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
一 第8条第1項又は第9条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者。
二 第13条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者。
三 第15条第2項の規定による命令に違反した者


第30条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、第3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本状の罰金刑を科する。


第31条 第9条第2項又は第10条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、20万円以下の過料に処する。

海外における著作権侵害の現状

 足並みそろわないとね。特にデジタルコンテンツは。

コピライト'02.11「海外における著作権侵害の現状と課題に関する調査研究概要」澤伸恭

8.調査結果まとめ
アジアの国・地域については、WIPO条約への加やWTOへの加盟、WTO/TRIPs協定に規過措置(TRIPs協定第65条)期間を経てエンフォメント(条約義務の国内的履行)の強化が要請されるところであり、我が国としても、これらの国における法制度等の整備、法制度に基づいて適正に執行するための体制整備、さらには著作権教育等について、何らかの働きかけや支援を積極的に行っていくことが重要になると考えられる。
そこで、今後、本調査研究の成果を踏まえ、著作権侵害事例が特に指摘されるいわゆる「漢字文化圏」の国・地域を中心として、現地において侵害実態の調査を行い、例えば著作権侵害規模の推計を行うなどして、我が国コンテンツの権利侵害の実態を詳細に把握することが重要になろう。また、これら実態調査結果を踏まえた課題の抽出、対応策の検討も重要になると考えられる。

社内でのピア・ツー・ピア(P2P)ファイル共有ソフト使用がなぜ問題か?

 サイトは開設していないけどな。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040616-00000008-vgb-sci
ピア・ツー・ピアファイル共有ソフトWinny(ウイニー)」を開発したとされる東京大学の助手が逮捕された。それ以前にもこの「Winny」を利用して不特定多数の者が音楽、映画などの著作物を自由に複製、ダウンロードできるようにサイトを開設した者が2名逮捕されている。

 幇助については、仮に有罪となった場合でも、ソフト開発目的の違法性を極めて強調した判決理由が予想される(そこが訴訟上重要な争点となるであろう)から、普通のソフト開発者が、それほど萎縮する必要はないと思う。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040616-00000008-vgb-sci
P2P技術の発展また、その他の新しいテクノロジの発展を阻害することにならないか注視すべき裁判となるであろう。

著作隣接権では「送信可能化権」を独立した権利としているのに対し著作権では「公衆送信権」の中に含める理由

 情報公開で拾いました。

著作権法の一部を改正する法律案 説明資料
著作隣接権では「送信可能化権」を独立した権利としているのに対し著作権では「公衆送信権」の中に含める理由について(第23条第1項)
1 インタラクティプ送信(自動公衆送信)の前段階である「送信可能化」の部分のみに着目すると、今回の改正案では、著作隣接権の場合はこれを単独の権利の対象としているのに対し、著作権についてはこの行為を第23条の「公衆送信」に含める(自動公衆送信の場合のみ)形を取り、単独の権利の対象とはしていない。その理由は、次のとおりである。
2 著作隣接権に関して、インタラクティプ送信(自動公衆送信)に係る権利を新設することについては、「WIPO実演・レコード条約」の考え方にならい、インタラクティプ送信(自動公衆送信)の前段階である「公衆に利用可能な状態にすること」(送信可能化)のみを対象として、単独の権利を新設することとしている。
3 他方、著作権については、「WIPO著作権条約」は、著作物を「公衆に利用可能な状態にすること」(送信可能化)についてインタラクティプ送信(自動公衆送信)を含む広い概念である「公衆への伝達」に含めることにより、著作者の権利の対象としている。
4 「WIPO著作権条約」が上記のような構成をとったのは、インタラクティブ送信(自動公衆送信)という行為そのものについては権利を与えない「WIPO実演・レコード条約」の場合とは異なり、インタラクティプ送借(自動公衆送信)そのものについて著作者の権利を認める以上、「公衆に利用可能な状態にすること」(送信可能化)はインタラクティプ送信(自動公衆送信)に至る一連の行為の一部(送信行為の前段階に付随的に存在するもの)としてとらえれば足りるからである。
5 現実的にも、「送信可能化」は許許するがその後の自動公衆送信は許諾しないということば実際上あり得ないため、上記のWIPO条約の考え方を踏まえ、著作物の「送信可能化」に係る著作者の権利については、当該行為そのものを「公衆送信」に含める(自動公衆送信の場合のみ)ことが適切であると考えられる。