ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

Digital Legacy Conferenceで発表

※このブログは後日書いています。

10月25日、スイス・ベルンで開催された国際緩和ケア学会の一部として開催されたDigital Legacy Conference2024にて発表してきた。

 

digitallegacyconference.com

 

 

日本における調査結果を踏まえて、グローバルサービスであっても東洋の死生観や価値観への対応は必要であろうという話をしてみた。「継続する絆」(Continuing Bond Theory)のことをよく知っている方々でも、発表の冒頭で私が「スイスに飛んでくる途中で、亡き祖母に『おばあちゃん、学会発表でスイスに行きますよ』と心の中で話しかけた」と話したら「おおーまじで!」という反応。初物を仏壇に供えること、お盆とお彼岸、そして日常的にも会話をするということで何度も驚かれた。

当然、そうした意識はデジタル遺品にも及ぶ訳で、残す・残さないということ以上に、どのように向き合うのか、どのように対処するのか、あるいはAIの学習データとして使うのかということへの考え方は必ずしも同じではないわけだ。

 

発表だけではなく、聴講もしていたわけだけれど、デジタル遺品についての会話はアドバンスド・ケア・プランニング(日本でいう人生会議)の一部であるべきだという話や、「忘れられる権利」を保障することとが Versona (Post-mortem virtual persona)の幽霊をむやみに出さないようにすることにつながるということは興味深かった。

 

RISTEXプロジェクトに採択されました

JST-RISTEXの「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム〜情報社会における社会的側面からのトラスト形成」において、私が代表者として申請したプロジェクト「亡き人のAI生成に関するトラスト形成と合意形成」が採択されました。

 

www.jst.go.jp

東亜漢学研究大会で発表

※この記事は後日書いています

 

長崎でお目にかかった楊 暁安先生のご縁で、中国語ベースの東亜漢学研究大会で発表する機会をいただいた。

「東アジア圏における死後のデジタルデータへの課題」ということで、継続する絆理論を前提としつつ、日本では死後にデータを残さない意向があることの紹介、そしてAIによる復活の例としてテレサ・テンを挙げるなどこの問題を概観する形の発表とした。

 

 

発表は中国語か英語とのこと。HSK2級の初心者としては、とにかく中国語を話したくてしかたないので、冒頭の挨拶は「大家好!」と中国語ではじめてみた。スライドは英語と中国語の併記。英語は自分で書いてDeepLで校正し、中国語はその英語を元に訳して貼り付けてみた。

 

死とデジタルデータの問題は、先行研究も西欧のものが多いが、東洋の死生観や価値観、慣習との関わりも発表し公刊していかねばならないと実感できる会だった。

 

プロジェクト・長崎研修引率

※このブログは後日書いています

 

所属学部で3年次に開講される「プロジェクト科目」。私の担当プロジェクトは「インターネットを活用した情報発信」で、近年は学内や関内周辺を対象にしてきたのだけど、今年は本学と包括協定を結んだ長崎市を訪問することにした。

 

まずは出島。もっと広いと思っていた!という学生たちはその狭さに驚きつつ、ここから出られない生活を想像していたようだった。

出島でミニチュア出島を見る

長崎市役所で講義を聴講した後は、原爆資料館平和公園へ。ある学生は、「当たり前の暑い夏の日に、突然こんなことが起きたなんて・・」と立ちすくんでいた。

長崎平和公園

そして今回は、大浦天主堂も訪問した。訪問前は潜伏キリシタンと言っても今ひとつ響かなかった学生達が、ここでは熱心に展示を見ていた。

思えば私が遠藤周作の小説にはまり、大浦天主堂や外海を巡ったのも大学院生の頃だった。

 

大浦天主堂

 

今回はちょっとしたお楽しみも。吉宗でいただいた茶碗蒸し、巨大で美味しかった!

 

 

春休みのゼミ・台湾研修

※この投稿は後日書いています

 

3年ゼミの有志学生とともに、本学の協定校でもある台湾・輔仁大学の日本語学科を訪ね、授業内で交流をしてきました。

www.fju.edu.tw

輔仁大学にて

ゼミ生達は、BeRealをはじめとする日本でのSNSの利用状況について紹介。輔仁大学の学生さん達は、台湾、中国、ロシア、アメリカという国々でストレスなくやりとりするにはDiscordがよかったという話や、UBER Eatsの利用についてなど、日本ではなかなか知ることができないことを教えてくれました。

 

翌日は、十份にてランタン飛ばし。燃えたまま落ちてくるランタンもあってびっくり・・。ランタンの残骸もそこここにあって、あんまり環境に良くないなと飛ばした後に反省しました。

 

十份にて飛ばしたランタン

九份に移動してアーメイチャロウ(阿妹茶楼)へ。幸いテラス席に入ることができて、ゆっくりお茶を楽しみました。

阿妹茶樓

実はこの後、落とし物をして面倒なことに・・・その顛末は、学部サイトの教員コラムに書きました。

kyousei.kanto-gakuin.ac.jp

クアラルンプールでおなかをこわして受診した記録

出張で訪れたクアラルンプールで、おなかをこわして受診した。

マレーシアは5回目の訪問。ペナン島ランカウイ島、コタキナバル、そしてクアラルンプールは2回目だった。一度もお腹を壊したことはなかったし、毎回Assam Laksaばかり食べていた。・・・が、ついに初めておなかをこわして病院を受診する羽目に。

現地では体験談をいくつも検索して助けられた。私の経験も書いておくことにする。

経緯

前日

夜のフライトでクアラルンプールへ。朝食は食べられず、昼食は会議しながらバナナと、FamilyMartのサンドイッチ。

夕飯は、ブキッ・ビンタンのLOT10地下の十號胡同へ。

Assam Laksaは酸味が強くて、やや生臭かった。失敗か?と思って残した。

同行者も同じものを食べた。

もう一皿。牛すじ煮込みを載せた汁なし麺。これは美味しかったのだが・・・。

 

翌朝

お腹の違和感頭痛で目が覚めた。トイレですっきり(このときはお腹こわしてない)。熱を測ると36.9〜37.0で、微熱とも言えない程度。

食欲なし。

バナナを一本食べたところで、下痢。しかし腹痛も吐き気もない

水を一口飲む→下痢 の繰り返し。腹痛も吐き気もない

午後〜夕方

水を口にしなければ、腹痛も下痢もない。歩き回ることもできる。動けるうちに、飲み物とバナナを買っておく。

しかし、一口でも水を飲むと即下痢。じきに血便になった。

少しずつ悪寒体温は37.6。風邪症状なし。吐き気も嘔吐もなし

ということから、ウイルス性ではなく細菌性の腸炎だろうと考え、受診することに。

受診

夜間救急にウォークインで受診。トリアージで問診。この時点で熱無し。

問診と触診から「細菌感染による下痢。旅行者に典型的なもの」と診断。

COVID-19の既往と接種歴も聞かれた*1

半日くらいは絶食、水分だけは補給して、スープ、おかゆ、バナナあたりから再開してねとのことだった。院内処方で薬をもらって終了。

受診後

食前の薬(胃薬と止瀉薬)を飲み、その後で処方された経口補水液(ORS)の粉末を水に溶かして飲む。旨い。つまり、それなりに脱水が進んでいたのだろう*2。ちびちびとORSを飲み、食後の薬を飲み、就寝。

翌日

よく眠れた。食前の薬の後、ORSとバナナを半分。少しお腹は動いたが大事にならず。

日中、普通の水を飲んでもお腹を下すことはなくなった。午後にクッキーとうすいお茶。夕食は海南鶏飯のスープとごはんを食べられるくらいになった。

翌々日〜

むしろ便秘になった。胃が痛くて、やや気持ち悪くて食欲無し。朝食はおかゆ、チキンスープなど。

 

受診の手続き

クレジットカードのアシスタンスサービスを使うため、専用Webに記載された 0800-で始まる番号にかけたがつながらない。この番号は無効というアナウンスが流れる。コレクトコールも、携帯(auローミング)からかからず。結局、ホテルの電話からコレクトコールで日本にかけた。

 

ここでも罠があった。

「クレジットカード番号を入力しないと、問い合わせメニューにたどり着けない」

というもの。番号を渡すことはできないため、結局、番号の入力が不要な「その他のお問い合わせ」に繋いでもらった。いったん繋がれば、あとは担当部署にまわしてもらえる。

症状と受診したい旨を伝え、この時間で受診できる病院を探してもらった。その中から病院を選び、受診を希望すると伝え、保険から直接支払いにしてもらった*3。保険の手続きが終わり次第、コールバックされるとのことで、病院への移動を始めた。

週末の20時頃、GRABがなかなかつかまらず、25分待ち。移動中に保険の手続きOKと電話があった。コールバックを待っていたら遅くなるところだった。病院では、「保険会社から連絡が来ているはずなので、確認してほしい」と伝えた。じきに、日本語でFAXされた書類が出され、そこに日本語で必要事項を書いた。

 

処方されたもの

食前:止瀉薬 SPASIL TABLET

(ジフェノキシレートとアトロピン)

食前:胃の薬 CONTROLOC TABLET

(パントプラゾール)

食後:抗生物質 METRONIDAZOLE TABLET

(メトロニダゾール)

経口補水液(ORS) オレンジ味

検索するのも億劫な体調のときは、Googleレンズが便利だった。

 

ふりかえって

  • 水を一口飲んだら下痢、の時点で脱水症状の危険を考えるべきだった。エアコンが効いたところにいると気づかなかったり、水を飲まないと腹痛もしないので(つまり、楽なので)飲まない状態でいてしまうのが危ない。ORSを美味しく飲めるまで、まったく脱水を自覚していなかった。あれだけ下痢してたのだから、水分も電解質もめちゃくちゃだったと思う。
  • 携帯からいろんな電話に繋がらず、パニック気味になったが、LINEでつながっていた知人から「ホテルの固定電話は?」と言われて我に返った。こちらは無事つながった。なぜあんなに、携帯に固執してたんだろう・・
  • ほぼ同じものを食べた同行者たちは、無事。皆と違うものと言えば、牛すじ煮込みが怪しいといえば怪しいし、単に私がとても疲れていてコンディションが悪かったからかもしれない。
  • 火を通したものしか食べていなくても、細菌感染で腸炎になる
  • ポカリスエットの粉を持っていけばよかった。
  • 100円ショップで「大人用おしりふき」を買って持っていったのは大正解だった。

 

 

 

 

 

*1:接種証明アプリ見せようとしたら「あー別にいいです」という感じだった。

*2:ある程度回復してきたら、ORS不味くて飲めなかった

*3:病院によっては立て替え払いが必要なところもある

群像・2月号「死について、」特集

本日発売の「群像」2月号の特集「死について、」にて、私が執筆した「死後にデータを残すこと」が掲載されました。
文芸誌に書く機会をいただいたのは初めて。原稿を仕上げるプロセスはとても勉強になりました。編集者の方からは、読み手を意識した構成のコメントが入り、校閲者の方は出典となった論文を一つ一つ確認の上、私がミスしていた数字も直してくださったり・・。丁寧に文章を書くことについて、改めて本当に勉強になりました。
この記事を書いた時点で、私もまだ本誌を読めていませんが、特集の一連の記事を読むのが楽しみです。