2012-01-08 年も明けたので心機一転
■[数学・基礎論]自然数から整数へ、そして有理数へ(その 5)
今回は後々使う事実からまず証明していきます。
定理
を
の元とするとき
(証明)
右から左に関しては から
なので成り立つ.
左から右を示すため命題 として
を用意し, まずこれを示す.
は真である.
が成り立つと仮定する. このとき
であり,
として
をとればよいから
も成り立つ.
さて とし,
とおく. であるから
なので
.
が整列集合であることはすでに示したので
が存在する. これを
とおく.
このとき であるが
ならば
となり,
と合わせて
であるから成り立つ.
ならば
だから, 先に示した命題により
を満たす
が存在する.
だから
なので
となり . (終)
この定理と、自然数の大小に関して
のうちのどれか一つだけが成り立つことを合わせると、任意の二つの自然数 について
のどれか一つだけが成り立つことがわかります。(続く)
2011-11-16 移行します
2011-11-03 長いけどお付き合いください
■[数学・解析]円周率を解析的に定義する(後編)
長くなりそうなのでセクションに分けていきます。
指数関数と指数法則
級数 の収束半径は無限大です。そこで任意の
に対して
と定義します。
とおくと、任意の実数
に対して
が成り立つため、複素数
に対しても
と書きます。ここで大事なことは、指数法則
が成り立つことです。証明は省略します。
三角関数の加法定理
の定義式で
を
に置き換えると
… (1)
が成り立ちます(前編で定義した三角関数は変数が複素数でも定義できます)。(1) で と置き換えると
… (2)
が成り立つので、(1) と (2) を辺辺掛けて
… (3)
が成り立ちます。また (1) と (2) で辺辺加えたものと引いたものを考えれば
が成り立つことも分かります。これと指数法則から
という、三角関数の加法定理が導けます。
三角関数の周期
前編で定義した について
が成り立つことは既に分かっています。これと (3) から
が成り立ちますが、 なので
、したがって
です。これと加法定理から
… (4)
が分かります。(4) で として
… (5)
(5) で として
… (6)
が分かります。これは が周期関数であり、かつその周期が
であることを意味しています。
2011-11-02 リクエストにお応えします
■[数学・解析]円周率を解析的に定義する(前編)
円周率の解析的な定義はいろいろあって、以前も一つ紹介しましたが、ここでは別な方法を紹介します。
証明はそれほど難しくないので割愛します。この事実を利用して、任意の に対して
と定義します。
2. のとき
実際 のとき
である。
2. により のとき
なので
は
で狭義単調減少です。また、定義により
なので、あとは
を示せば、中間値の定理により方程式
は
にただ一つの解を持つことが分かります。
3.
であり では
なので、上式の級数部分の各項は 0 より大きい。したがって で
が成り立つ。よって
である。
以上により は
にただ一つの解を持つことが分かったので、その解を
とおき、
と定義します。この
が円の直径と円周の長さの比であることは後編にて。
