ささやかな抵抗の準備

◆◆◆ 新ブログはこちら◆◆◆
こちらのブログは,主にtwitterログなどのメモとして利用する予定です.

2018-05-21

[]プロフェッショナルユース J-POPのすべて ベスト322 新曲増補版 (プロフェショナル・ユース)

[rakuten:kyoudo2014:11184910:detail]

Amazonで出てこない。なんでじゃ。

★★★★★(5)

  • ピアノでのコード弾き(リードシート弾き)に愛用してます

2017年2月20日

よくまとまったリードシート集です。

リードシートというのは、メロディーとコードだけが書かれた楽譜のことです。

一番よくある使い方はギターで弾き語ることだと思いますが、

私はピアノでソロアレンジをして(たまには歌って)楽しんでいます。

自分でコードから弾くことが出来ない人にはおススメできませんが、

出来る人や出来るようになりたい人には最適だと思います。

収録されているのは1970年代から現在までのJ-POPの曲達です。

322曲では「J-POPのすべて」と言うには収録曲数が足らないと思いますが、

名曲ぞろいであることは間違いないので、満足しています。

なお、この本は2008年から2年ごとに収録曲を少しずつ増やしていて、

現在最新なのは2016年版の

・プロフェショナルユース J-POPのすべて ベスト330 新曲増補版 (プロフェショナル・ユース)

です。

2014年版は定価では買えなくなっているようなので、是非新しいのを買うといいと思います。

収録曲は全音のオンラインショップで確認できます。

ベスト322では、ゆずの「雨のち晴レルヤ」までが収録されています。

比較対象として、似たようなリードシート集には安いものもあります。

・オールヒットソング 2017年版 (ブルーガイド・グラフィック)

・歌コレ 2017 (シンコー・ミュージックMOOK)

こういうものと比べると高いですが、この「J-POPのすべて」には以下の利点や特徴があります。

・本の背が開きやすい(楽譜としては結構重要)

・紙が薄いのでコンパクトにまとまっている

・ある歌手に着目した「特集」がないので時代で均等に選ばれている

・全てに楽譜がちゃんとある(コードだけとかのものはない)

・間奏部分の伴奏もある程度書かれている

たくさんの曲が収録されていて長く楽しめる本なので、製本の違いは結構重要だと考えました。

ただし、最新の曲をたくさん知りたいという人には、別の本の方が向いているとは思います。

また、個人的な要望としては、原曲キーでないものがあるので、

元のキーと移調後のキーを書いておいてくれると嬉しいなと思いました。

[]ピアノスタイル あきない! ハノン コード強化編 (CD付き)

ピアノスタイル あきない! ハノン コード強化編  (CD付き)

ピアノスタイル あきない! ハノン コード強化編 (CD付き)

★★★★☆(4)

  • ハノンではないが、コードから弾く際のアイディア集としては良い

2018年3月21日

この本は、ハノンという言葉はタイトルに入ってますが、ハノンに期待するものとは別物ですね。もともとある程度ピアノを弾いてきた人が、コード弾きの世界に入って行くための手助けをしてくれる感じの本です。

私が特に参考にしたのは、Part.2の「循環コードとそのバリエーション」とPart.3の「よくあるコード進行パターンによるシミュレーション」のところです。コード進行だけ分かってもボイシング(具体的にどう弾くか)は頭を悩ます問題なのですが、結構センスのいい例が載ってると思います。模範演奏も理解を助けてくれてありがたいです。店頭で確認できる人は、この部分を見て面白そうだと思うかどうかで決めるといいのではないかと思います。

Part.1の基礎的なところは、個人的にはあんまり要らない感じでした。これを熱心に弾くぐらいなら、ボイシングのパターンだけ確認して、実際の曲のリードシート集(コードとメロディーだけ書いてある楽譜)を買ってきて、それを弾きまくる方が、楽しいし身になるような気がします。

[]新装版 童謡・唱歌みんなのうた

新装版 童謡・唱歌・みんなのうた

新装版 童謡・唱歌・みんなのうた

★★★★☆(4)

  • 気に入っているが、コードの抜け・間違いが多い

2017年2月24日

昔の名曲をざざっと知っておきたいというような欲求で買いました。

ピアノ伴奏を付けながら弾いて楽しんでいます。

書かれているコードは単純なので、リハーモナイズの練習にも良いのではないかと思います。

私もそのようにして使っています。

類書が結構あるので見比べて買いました。この本が私の好みに合っていた部分は以下の通りです。

・コードが振ってある

・各曲に解説がある(曲を知る目的だったので大変ありがたい)

楽譜の大きさが大きすぎず小さすぎず見やすく無駄がない

・日本の歌に特化てしているわけではなく、昔の日本人が歌ったであろう色んな曲が入ってる

特にピアノ等で伴奏をする場合コードが書いてあるとすごく楽なので、

コードが書いてあるのを選んだんですが…

残念なことに、コードの抜け・間違いが結構あります。

日本の古い歌には西洋のコードの概念が当てはまらないことがあるので、

そういう曲にコードが書いてないのはいいんですが、

例えばしょっぱなの「アイアイ」にコードが書いてなかったりします。

書いてあるものにも間違いが結構あります。

最後に私が訂正出来るところは書いておきますね。

なお、楽譜としてはやや使いにくい点として、本の背の閉じる力が強くて開きにくいところが挙げられます。

・ナカノ ページオープナー PGH-47/BL ブラック

などのページオープナーを使うことをおすすめします。使えば問題ないと思います。

                    • (コード訂正)(随時更新)----------

・アイアイ

コード抜け(主要三和音 C F G7伴奏付けは簡単と思われるので略)

・青い眼の人形

3小節目:E、C#mとなっているが…Aだけかな(やや自信なし)

7小節目:コードが書いていないがEm

8小節目:Amだけだが、Am、Em

9小節目:GmでもいけなくもないがEmかな

10小節目:9小節目がGmだとすると何も書かれてないここはGm、B7になるがそれはおかしい。Em、B7で

あおげば尊し

11小節目:C#m、F#mだが、C#m、F#

14小節目:Aだが、A、A#dim (もしかしたら簡略化したのかもしれないけど)

・雨

8小節目:何も書いてないがG7だと思われる

・あめふり

3小節目:Cのままでも行けなくもないが、F、Cだろう

2018-04-04

[][]差別されたくないのか、差別をなくしたいのか

ツイートしたもののまとめ。


対処療法と根治療法があるとして、対処療法によってむしろ根治が難しくなる時に、自分のやろうとしていることが対処療法であるか根治療法であるかを見定めないと議論のすれ違いが起きる」みたいな話をしようと思っている。


twitterを見ていると、自分の好きなものが否定されて嫌だった、という話題がたくさんRTされてくる。別にtwitterに限らずとも、人と話していてもそういう話題はたくさん出て来る。でも私はそういう話を聞いても「人に否定されたからって、それが何よ?人の好みは違うじゃん?」ぐらいに思っている。


もっと言うと、みんなが私の事を間違ってるって言ったって、私が自分で正しいと思ってたらそっちの方が多分正しいだろうと考えると思う。これは、そう思えるぐらいに、自分の支持者もそれなりにいるからそうできる、という面があるのは否定しないですが。味方ゼロだったらさすがに無理かも。


で、すごい嫌なこと言うけど、自分の正しさを多くの他者が支持してくれないと安心できない人というのは、自分がマジョリティ側に入れないと不安な人で、それは意識としてはマイノリティは排斥されて当然だと思っているという、潜在的マイノリティを排斥する側の人間なのだと思う。


私は自分がマイノリティであることを怖がってなどいないし、人をマイノリティだからと馬鹿にする気持ちも無い。その二つは連動しているのだ。マイノリティであることはなんら悪いことではないと自分で思い込んでいれば、マイノリティに分類されることは怖くなくなる。


差別は良くない」という言葉は二つの意味で使われている。一つは、差別すること自体が良くないという意味。もう一つは、(自分なり他者なりが)差別される対象になるのが良くない、という意味。


「自分の好みがマイナーである」と言われたくない、そしてそれをマイナーではないと証明しなくてはならない、というのは、マイノリティへの差別があること自体は肯定したうえで、自分はその対象ではないはずだと主張している。私はマイノリティへの差別自体を否定している。


そして、この二つの方法は、基本的に逆方向を向いており、同時に両方を行うことが出来ない。私のやろうとしていることは根治療法であり(望ましいかはまた別)、多くの人のやろうとしていることは対処療法で、対処療法が根治を難しくしているのだと思う。


若くして癌で亡くなった友人が居る。彼は、若かったこともあり、根治を目指した治療をし、最後には「根治にこだわり過ぎた。癌との共存を目指すべきだった」と言っていた。人にとって差別心を根治するというのは、それに近い、危険なことのような気がする。ということは心に留めておきたい。(終)


ちなみに、対処療法はいつも根治を妨げる、というわけではもちろんない。私が知る限りでは、対処療法が根治に繋がるっぽいものとして、「痛み」ってのがあるっぽい。


この本…詳しくは読んでも分かんなかったが、痛みそれ自体が刺激になって痛みを生むバグみたいなのが人体にあるらしいので、対処療法的に痛みを和らげると慢性痛もやわらぐとかそんな話だった気がする(違ったらゴメン)。


痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム (ブルーバックス)

https://www.amazon.co.jp/dp/B06XPF12GN/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

2018-02-18

[]授業「情報科学」の参考文献-第5部

キーワード評価経済知識経済マズロー欲求5段階説,宗教改革資本主義,古代都市国家,反証主義ルネサンス


一覧

情報革命

☆ぼくたちの洗脳社会/ 岡田斗司夫

○富の未来 / アルビン・トフラー

○フラット化する世界 / トーマス・フリードマン

○カネを媒介としない新しい経済ー21世紀の評価経済論 - elm200 のノマドで行こう! http://d.hatena.ne.jp/elm200/20120222/1329878220

☆「情報を売る」時代の終焉 - elm200 のノマドで行こう! http://d.hatena.ne.jp/elm200/20120224/1330048857

○カネの時代の終わり | iwatamの個人サイト

http://iwatam-server.sakura.ne.jp/column/37/index.html

世界史

☆137億年の物語―宇宙が始まってから今日までの全歴史 / クリストファー・ロイド

☆サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福 / ユヴァル・ノア・ハラリ

☆知の歴史―ビジュアル版哲学入門 / ブライアン・マギー

☆人類の歴史を変えた8つのできごとI,II / 眞 淳平

☆銃・病原菌・鉄 / ジャレド・ダイヤモンド

世界史 / ウィリアム・H・マクニール

人類史のなかの定住革命 / 西田 正規

宗教

仏陀の観たもの / 鎌田 茂雄

イスラームの日常世界 / 片倉 もとこ

●その他

☆近代医学あけぼの / ユルゲン トールヴァルド

○本の歴史 「知の再発見」シリーズ / ブリュノ ブラセル

○もうすぐ絶滅するという紙の書物について / ウンベルト・エーコ ,ジャン=クロード・カリエール

○森林飽和―国土の変貌を考える / 太田 猛彦

われはロボット / アイザック・アシモフ

科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる / 戸田山 和久

☆羊皮紙工房http://www.youhishi.com/

ぼくたちの洗脳社会/ 岡田斗司夫

ぼくたちの洗脳社会 (朝日文庫)

ぼくたちの洗脳社会 (朝日文庫)

2018-02-17

[]授業「情報科学」の参考文献-第1部

第一部のメインテーマは「情報とは何か」でした。その中で、人間が世界を認識するとはどういうことかについて色々話をしました。この話について考えを深めるためには、センサーである身体の仕組み、現象を作り出す脳の仕組み、そして世界を切り取る言葉の仕組み、などの様々な面について見ていく必要があるでしょう。


キーワード記号論記号学認識論哲学科学哲学認知科学認知心理学

一覧

本タイトル著者
進化しすぎた脳 池谷裕二
単純な脳、複雑な「私」池谷裕二
図解・感覚器の進化―原始動物からヒトへ水中から陸上へ岩堀 修明
象形文字入門加藤一
レトリック感覚佐藤信夫
科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる戸田山和久
構造主義科学論の冒険池田清彦
超解読!はじめてのカント純粋理性批判竹田青嗣
はじめての構造主義橋爪大三郎
ソシュールの思想丸山圭三郎
姑獲鳥の夏京極夏彦


進化しすぎた脳 / 単純な脳、複雑な「私」/ 池谷裕二

進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

脳学者の池谷祐二さんによる二冊。脳についての授業を高校生にしたときの講義録となっている。元が高校生向けだから凄く分かりやすいんだけど、授業を受けている高校生達も異様に賢くてビビる。二冊は似た内容で続編みたいな感じ。ちなみに「進化しすぎた脳」が先で、そっちだけ図書館にあるみたい。「我々の見ている世界は脳内のイメージ」だとか「意識の前に無意識が動いている」とかそういう我々の認知の基本になるようなことを、ひとつひとつ実験を紹介して分かりやすく説明しています。個人的に好きなのは「人に好かれたかったら、自分がお願いを聞いてあげるより、相手にお願いを聞かせる方が良い」っていう話。自分が相手のために何かしてあげたっていう事実があると、気持ちのつじつまを合わせるためにそれは相手を大切に思っているからだって思っちゃうんだってさ。先生も学生にキツイ課題をやらせた方が好かれるのかな?

図解・感覚器の進化―原始動物からヒトへ水中から陸上へ / 岩堀 修明

我々は五感をセンサーにして世界の情報を得て脳内世界を作っている。じゃあセンサーである感覚器が違ったら世界はどのように見えるんだろう?そういうことを考えるには、感覚器が昔はどうだったとか、他の動物ではどうなのかとか、そういう事がヒントになると思うんですね。例えば「眼が無い動物は何も見えない」というのは本当だろうか。人間は眼の奥に光を感じる細胞があるから世界が見えるわけだけど、その細胞が眼の奥以外の場所、例えば体表にあると何が見えるのだろうか?ミミズとか、そんな感じじゃない?


象形文字入門 / 加藤一

象形文字入門 (講談社学術文庫)

象形文字入門 (講談社学術文庫)

授業で紹介した「ネイティブアメリカンの手紙」はこの本で知りました。象形文字の話は、絵文字が文字に代わった初期の例として参考にしました。「絵文字と文字の決定的な違いは、文字には発音(読み)が対応していることにある」とかいう主張がさらっと書いてあるけど、鋭い指摘かも。ちなみに象形文字の具体的な説明もあるけどそこはほとんど読んでないです。


レトリック感覚 / 佐藤信夫

レトリック感覚 (講談社学術文庫)

レトリック感覚 (講談社学術文庫)

我々は普段から言葉を使って話したり書いたりしているわけだけど、言いたいことをなんて言えばいいかすぐ分かるかというとそうでもない。それは言葉というものが有限なのに対して、表現すべきことは無限に複雑だから。この本ではレトリックを、直喩・隠喩・換喩・堤喩・誇張法・列叙法・緩徐法、と分類して紹介しているけど、こうした表現技法はただ文章を飾ったりするという「普通の文章にプラスアルファする」ためにあるのではなくて、そもそも「伝えたいことを文章にすること自体」に必要だと主張している。「有限な言葉で無限のものごとを表現するには、その都度表現自体を創造する必要がある」とでも言うのかな。言葉の不思議についての興味が湧く本です。


科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる / 戸田山和久

科学哲学の冒険 サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)

科学哲学の冒険 サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス)

科学って何なの?という疑問についての入門書の決定版(だと思う)。対話形式で書かれていて非常に読みやすい。科学って何なの?って問いは「知るって何なの?」とか「ただ一つの外部世界って存在するの?」みたいな問いと繋がっている。科学哲学についての基本的な論点を知るのに最適。ちなみに理系のリカちゃん文系のテツオくんっていう学生の登場人物が出てくるんだけど、物分かりが良すぎて笑う。

構造主義科学論の冒険 / 池田清彦

構造主義科学論の冒険 (講談社学術文庫)

構造主義科学論の冒険 (講談社学術文庫)

この本は「科学哲学の冒険」の後に読むといいと思う。科学哲学の本であり、認識と言葉の関係についての本です。なおタイトルが「○○の冒険」と似てるのは多分偶然。この本の内容が私の授業で話した認識問題の話に一番近いと思う。実は外部世界が実在していると仮定しなくても科学(共通理解)は成立するんだ!っていう話です。授業ではあまり深入り出来なかったところまで書いてあります。昔の哲学者がどんなことを言ってきたのか、というまとめとして読んでもかなり良く出来ている。


超解読!はじめてのカント純粋理性批判』 / 竹田青嗣

超解読! はじめてのカント『純粋理性批判』 (講談社現代新書)

超解読! はじめてのカント『純粋理性批判』 (講談社現代新書)

カントの「純粋理性批判」は名前ぐらいは聞いたことあるかな?認識の話をするとどんな本でも引用される本です。カントはそれまでの西洋哲学の総まとめかつ新スタートみたいな重要な位置にいるっぽくて、どうも避けて通りれないみたい。でも原著の日本語訳でもハードルが高すぎる(私にとっても)。なので、新書でざっくり解説してくれているこの本が助けになる…のだが、それにしてもまだ難しいと思う。他の本でカントが出てきてどうしてもそこをちゃんと分かりたい…という人にのみオススメ(私のことです)。


はじめての構造主義 / 橋爪大三郎

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

この本は、本当に「構造主義って何?」ということだけを説明した本なんだけど、本一冊使ってそれだけだってのが逆に凄いと思うのね。普通の本って色々なことを雑多に説明するものじゃないですか。もちろんこの本でも色々な話が出てきて、しかもそれらもかなり面白いんだけど、それらは最終的に一つの事を説明するために必須のパーツだけで構成されている。丹念に議論を積み重ねることで初めて見えるものがある、という学問の醍醐味が体験できる本です。


ソシュールの思想 / 丸山圭三郎

ソシュールの思想

ソシュールの思想

ソシュールという人は記号学開祖です。なお記号論開祖パースですが、記号学記号論が何が違うのか未だに良く分からねえ。それはそうと、これはそのソシュールについての日本人による解説本です。ソシュールは元々言語学者で、ある言語(日本語とか英語とか)についての研究ではなく、「一般言語学」として、それらに共通する言語の特徴を研究していて、それが後に記号学と呼ばれるようになったようです。この本は日本人による解説だけど、ソシュール自身がまとまった本を出したわけではないのでかなり自力で読みとってまとめた本らしく、色んなところで引用される重要な文献です。…ということで私も読んでるんだけど、まだ道半ばなんだよね。


姑獲鳥の夏 / 京極夏彦

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

タイトルは「うぶめのなつ」と読みます(読めないと検索できないし)。これは学術書じゃなくて小説。だけどそのテーマは「認識」。その人の世界はその人の認識するもので出来ている、ということがいろんな角度から語られる。なので、勉強目的で読んでも参考になると思います。分厚い本だけどメチャクチャ文章が読みやすいのでスラスラ読めると思う。しかしこのウンチクを語り出したら止まらない感じ、個人的には親近感湧くけど実際身近にいたらウザいタイプだろうなあ。

[]授業「情報科学」の参考文献-第2部

第二部のメインテーマは「情報とコンピュータ」のつもりでしたが「デジタルとアナログ」というタイトルの方が適切だったかもしれません。この部分は、私は大学で専門教育を受けたので、どこかの授業で学んだという感じで、どの本が良かったということをあまり思い出せないので、あまり挙げられる本は多くありません。


キーワード情報理論,2進数,bitとbyte,デジタルとアナログ,標本化と量子化,符号化と復号,ノイズ,情報量と冗長性,エントロピー暗号,情報圧縮


一覧

本タイトル著者
冗長性から見た情報技術―やさしく理解する原理と仕組青木 直史
暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス結城 浩
数学の考え方矢野健太郎
情報論I瀧 保夫

冗長性から見た情報技術―やさしく理解する原理と仕組み / 青木 直史

シラバスで授業の参考図書に挙げていた本。大学図書館にもあるが禁帯出のようだ。安い(886円)から買ってもいいのではと思う。その名の通り、色々な情報技術を冗長性の観点から紹介している。なかなか良くまとまっていて、情報が専門でない人達向けの説明として必要十分な感じでいいと思う。私もいくつか説明の例として参考にさせてもらった。

暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス / 結城 浩

暗号技術入門 第3版

暗号技術入門 第3版

数学ガール」の作者の本。分かりやすい説明で定評がある。平易な文体で書かれているが、なかなか鋭い指摘に溢れていて含蓄がある。授業ではほとんど触れられなかったのだが、情報技術はかなり暗号技術に支えられているので、暗号技術が分かると結構いろんなことが分かる。特に、RSA暗号に代表される非対称暗号は物凄い発明で、これが無かったら今のインターネット成り立たない。ただ、この本はとても詳しく書いてあって勉強するにはいい本だと思うのだが、非専門の人にはここまでの知識は必要ないかもしれない。第3版には最近話題のブロックチェーンについても書いてあるみたいなので、もし読むなら新しい奴を。


数学の考え方 / 矢野健太郎

数学の考え方 (講談社学術文庫)

数学の考え方 (講談社学術文庫)

授業でも古代エジプトの数字などを取り上げたが、この本の序盤の、数の起源とかのところを参考にさせてもらった。後半は私もあまりちゃんと読んでないのだが、数学の各トピックの歴史的な経緯について触れているのが特徴かな。作者は有名な数学者

情報論I / 瀧 保夫

情報論 1 情報伝送の理論 (岩波全書 306)

情報論 1 情報伝送の理論 (岩波全書 306)

これは私が大学生の時に「情報理論」という授業の教科書として買ったもの。教科書にしてはB6と小さいサイズだった。情報理論というのは普通は情報通信の理論のことを指すんだけど、それは情報通信の分野が最初にきちんと理論化されたことの名残なのかなと思う。そしてそれを成し遂げたのはシャノンという情報学者。私自身は授業のために参考にしたけど、皆さんにはここまでの内容は必要ないかもね。

[]授業「情報科学」の参考文献-第3部

一覧

本タイトル著者
誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論 D. A. ノーマン
「分ける」こと「わかる」こと 坂本健三
構造主義進化論入門 池田清彦
分類という思想 池田清彦
デザインの教室 手を動かして学ぶデザイントレーニング 佐藤好彦
レイアウト、基本の「き」 佐藤直樹
超芸術トマソン 赤瀬川原平
「物」と「場所」の意味論―「大きい」とはどういうこと? 久島 茂

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論 |新曜社 | D. A. ノーマン|

アフォーダンスという概念を広く知らしめたのはこの本…の改訂前のもの。前の本ではシグニファイアは出てこなかったんだけど、色々とツッコミを受けて、シグニファイアの概念を導入することにしたそうだ。というわけで、読むなら是非この増補・改訂版を読みましょう。…ただし、私が授業で説明した、「情報の発信者がデザインに与える意図がシグニファイア」で「情報の受信者がデザインに感じる意図がアフォーダンス」という説明は、私が勝手に整理したものです!なので、この本を読んでも多分そうは書いてない。多分と言うのは、私が現在まだほとんど読んでないから分からないということなんだけど。そういう意味では、岡田の言ってる事が無茶苦茶なのか、岡田の整理の方がずっといいのか、判断するために読んでみてもいいかもね?

「分ける」こと「わかる」こと | 講談社学術文庫 | 坂本健三|

「分ける」こと「わかる」こと (講談社学術文庫)

「分ける」こと「わかる」こと (講談社学術文庫)

この本は、結論として以下の三つを挙げている。

1.分類は認識や行動のために人間がつくった枠組みであって,存在そのものの区別ではない。

2.分類をつくる際には,かならず「その他」や「雑」の項目をおいておくことが有用である。

3.「わかる」とは,その分類体系がわかるということであり,「わかり合う」とは,相互に相手の分類の仕方がわかり合うことである

このまとめは素晴らしいと思った。では、この本全体が素晴らしいかと言うと…。この本は、古今東西の分類について紹介していて、それぞれのトピックが結局どう関連しているのかは良く分からないように思う。分かるのかもしれないが、私が一度読んだ限りではあまり印象に残らなかった。でも結論の章だけでも価値があるんじゃないかな。

構造主義進化論入門 | 講談社学術文庫 | 池田清彦|

構造主義進化論入門 (講談社学術文庫)

構造主義進化論入門 (講談社学術文庫)

第一部の読書案内で挙げた「構造主義科学論の冒険」の作者の本。現在の進化論の主流はネオダーウィニズムと言うらしいんだけど、それだけじゃ説明できないことがたくさんあるので、進化ってもっと違う形なんじゃない?というような主張の本。その中で情報に関する話題が出て来る。DNAは、実際に書かれた記号だが、記号の意味はそれがどう読み取られるかという解釈系があって初めて決まるのであって、記号列だけ見ていても生物のことは分からないのではないか?というような話。

分類という思想 | 新潮選書 | 池田清彦|

分類という思想 (新潮選書)

分類という思想 (新潮選書)

上と同じ作者の本。これは、分類とは何か、分類とはその人の思想の表明だ、ということを論じた本。全ての分類は人為分類(世の中にもともと分類があるのではなく、人が分類したから分類がある)ということを強調している。上の『「分ける」こと「わかる」こと』でも結論は同じだが、この本はそのプロセスがちゃんと書いてある。だからオススメなんだけど、結構難しいかも。

デザインの教室 手を動かして学ぶデザイントレーニング | MdNコーポレーション | 佐藤好彦|

良いデザインって何かと考えると、結局のところ、人間が上手く情報を読み取れるのが良いデザインなわけです。とすると、良いデザインの根拠は、人間の感じ方にあるということになる。そういうことをズバッと書いてある。デザインって、カッコいい絵を描いたりするだけではなくて、紙やパワポのスライド上で要素をどう配置したらいいのか?みたいなことでもあるので、皆さんにも関係あると思うのね。ちなみに、私は手を動かすところまではやってないです。そういう人には、同じ作者の「デザインの授業」ってのの方が良いのかもしれないけどまだ読んだことないです。

レイアウト、基本の「き」 |グラフィック社 | 佐藤直樹|

増補改訂版 レイアウト基本の「き」

増補改訂版 レイアウト基本の「き」

特に文章の配置について詳しく書いてある。例えば行間と行長はセットで考える、なんてのは、実物を見てみれば一目瞭然です。

デザインの本って凄くカラフルな絵が入ったものが多いんだけど、やっぱ私が使うものの基本は文章なので、文章のレイアウトについて詳しく書いてある本はありがたい。

超芸術トマソン | ちくま文庫 | 赤瀬川原平|

超芸術トマソン (ちくま文庫)

超芸術トマソン (ちくま文庫)

これは凄くバカバカしい本です。

「物」と「場所」の意味論―「大きい」とはどういうこと? | くろしおカイブックス | 久島 茂

「花壇の広さ」と「ハンカチの広さ」という言葉を比べると、ハンカチに対しては「広さ」という言葉は不適切で、「大きさ」などと言うべきな気がする。これは、花壇というのは「場所」で、ハンカチというのは「物」だから、ということらしい。そんな話から始まって、言葉が持つ属性の不思議な理屈について掘り下げていく本。例えば「長い顔」とは言うが、その反対の「短い顔」とは言わない。これは、顔の標準の状態が「丸い顔」あるいは「四角い顔」であって、そこから変化した状態が「長い」であるから、なんだって。

[]授業「情報科学」の参考文献-第4部


キーワードネットワーク検索エンジンソーシャルネットワーク,デジタル著作権罪刑法定主義


一覧

自由か、さもなくば幸福か?: 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う / 大屋雄裕

○人間にとって法とは何か / 橋爪大三郎

1984年 / ジョージ・オーウェル

☆ビットとアトムのはざまで - アンカテ

http://d.hatena.ne.jp/essa/20111105/p1

☆ネット世代の心の闇を探る | iwatamの個人サイト

http://iwatam-server.sakura.ne.jp/kokoro/index.html


自由か、さもなくば幸福か?: 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う / 大屋雄裕

○人間にとって法とは何か / 橋爪大三郎

人間にとって法とは何か (PHP新書)

人間にとって法とは何か (PHP新書)

1984年 / ジョージ・オーウェル

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

☆ビットとアトムのはざまで - アンカテ

http://d.hatena.ne.jp/essa/20111105/p1

☆ネット世代の心の闇を探る | iwatamの個人サイト

http://iwatam-server.sakura.ne.jp/kokoro/index.html

2018-02-14

[]皆既月食を見なきゃと思った話

この前、皆既月食赤い月を見ました。正直、見たいかと言うと別に見たくなくて、義務感みたいな気持ちで見ました。その義務感というのも、周りに話題を合わせなきゃというものではなくて…。じゃあなにかと言うと…。


そういうイベントがあると、良いカメラで撮った写真がインターネットにはたくさんアップロードされるじゃないですか。そういう写真では月はクッキリハッキリ写っていて、ぶっちゃけて言うと、そっちの方が見る分にはきれいなんですよ。でも、なんかそういうものばっかり見て、自分の目で見てないな、本当の月はそんなきれいじゃないんじゃないかな、って思ったんですね。


私は視力が低いけど、まあメガネかけてれは普段は問題ないのですが、月なんてかなりぼやけて見えるわけです。とても写真のようにくっきりは見えない。写真の方が綺麗だと思うわけです。ここで「自分の目で見たら月はもっときれいだった!」っていう話なら皆さんも満足するのかもしれないですけど、そうはならなくて。


でも、本物の月というのは、写真と、自分で見たのではどっちなんでしょう?それはもちろん、どっちも本物です。我々が見ているのは脳内に作られたイメージ(現象)なのだから、目で直接見ようが、写真を挟んで間接的に見ようが、別に優劣はない。だから、どちらに抱く感想も、別物ではあるが本物でもある。「自分の目で見ただけじゃ分からなかったけど写真で見たら魅力が分かった」と思ってもいいし、「写真で見たら綺麗だったけど自分で見たら大してきれいじゃなかった」と思ってもいい。


そういう考えが自分に浸透していくと、月を見ても、思うのは「きれいだな」とか「きれいじゃないな」ではなくて「ああ、私の目から始まる認識システムでは月はこのように見えるんだな」「写真とはこれぐらい違うのか」みたいな感じになるのですね。見た対象ではなく、自分の認識装置を観察しているわけです。


なんでわざわざ幻滅するために自分の目で見なきゃいけないんだろうな、って思わなくもないんですけど、でもまあ幻滅するために見るのも大事なんだろうな、というのが最近思う所でして。これはバランスの問題だと思うのですが、どうも私は理想化された伝聞の世界ばかり見てしまう傾向があると自分では思っているので、もう少し自分で直接体験することを増やした方が健全なんだろうなあと思ってるんですね。


というわけで、健全さを保つために、実物の月を見て幻滅して(いや、言うほど幻滅してないですが)、見て良かったなあと思ったのでした。そして、あなたに会って、人に会うって大して面白くないなって思って、会って良かったなあって思いたいです…あ、ダメな結論のやつだこれ。