アナログとデジタルの狭間で このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

タイトル変更しました。旧タイトル「日記もどき」

2016-05-11

マヤの遺跡の件、否定をするのはちょっと早い

マヤの遺跡の件、否定をするのはちょっと早いを含むブックマーク マヤの遺跡の件、否定をするのはちょっと早いのブックマークコメント

少年衛星画像を使ってマヤ遺跡を見つけたのではないかという記事ブクマを集めている。

カナダ人の少年、星座の並びをヒントに古代マヤ文明の都市を発見!!【追記あり】 : SOCIETAS [ソキエタス]

カナダ・ケベック在住の15歳の少年William Gadoury君は、「マヤ暦2012年世界の終りが予言されている」という逸話を知ったことをきっかけに中米の古代文明に興味を持ち、3年前からある仮説を立てて独自に「研究」を行っていた。その仮説とは、マヤ文明の古代都市が星座の並びを模して配置されているというものである

Gadoury君は「なぜマヤ文明の都市は川から離れた山奥の不便な場所に造られたのか?」と疑問を持ち、上述の仮説を思いついた。この仮説を検証するためにGadoury君が使ったツールはなんとGoogle Maps。Gadoury君はマヤGISダウンロードして地図上にプロットし、その地図に現地から見ることのできる範囲の星図を重ね合わせてみた。

結果、驚くべきことが明らかになった。マヤ文明の117の都市が実際の星の並びと一致していたのだ。さらにGadoury君は、当時のマヤ文明の星座では重要とされていた星に対応する都市がまだ見つかっていないことに気づいた。それは現在のオリオン座に相当する部分の星だった。Gadoury君はこの発見をカナダ宇宙庁に報告し、NASAとJAXAの撮影した画像提供してもらった。もし仮説の通りなら、メキシコのユカタン半島に未発見古代都市存在するはずだった。

衛星画像を拡大して調査した結果、86メートルのピラミッドと数十の家屋からなる新たな都市が発見された。

またこちらも詳しい。

カナダの15歳少年、失われた古代都市を発見と――寝室から - BBCニュース

しかしその後、遺跡発見否定する専門家コメントが出てきている。

How a 15-year-old discovered an ancient city - BBC Newsの追記

案の定「マヤ古代都市発見」のニュースはアレでした

ジャンクサイエンスの典型例、マヤ人は星図に合わせて都市なんぞ作っちゃいない、遺跡はあちこちにあるんだからどんなパターンだって当てはめることができる。

Google Earthの四角い構造は古いトウモロコシ畑か焼き畑の跡だって

複数専門家が即座に「ただの伐採か焼き畑の跡だろ」って突っ込んでるのを見ると、専門家には見慣れたものなんだろうね。

ただこの否定はさすがに早いのではないかと思う。NASAの衛星画像はどういったものかわからないが、仮にJAXAの「だいち」の衛星画像を使っているのであれば、高さ精度は5mの高さまで確認できるはずである。よって四角い構造が古いトウモロコシ畑という落ちにはならないはずで、ちゃんと86メートルのビラミッド状の起伏はあるだろう*1。それが本当にピラミッドなのかは現地調査を待たないといけないにせよ、否定をするのはちょっと早過ぎるのではないかと思う。

全球高精度デジタル3D地図 (ALOS World 3D)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によって撮影した約300万枚の衛星画像を用いて、全球陸域を対象とした高精度デジタル3D地図(※)を整備します。今回整備するデジタル3D地図は、5m水平解像度と5mの高さ精度で世界中の陸地の起伏を表現できるため、地図の整備や自然災害被害予測水資源調査など、様々な用途活用することが出来るのが特長です。

初報を聞いたとき非常にワクワクしたので、結果はどうなるかわからないが後で少年による現地調査の続報が来ることを期待している。

*1リンク先でブータン王国首都の衛星画像が紹介されているが、これを見る限り建物の確認は十分できそうではある。

2015-08-18

熱中症は節電・電力不足のせいではない

熱中症は節電・電力不足のせいではないを含むブックマーク 熱中症は節電・電力不足のせいではないのブックマークコメント

夏の電力に余裕がある理由の一つはやっぱり太陽光発電にありそうな件 - アナログとデジタルの狭間で

前回の記事に対して、ハテブ上で「熱中症ガー」*1という、「電力が足りている」という記事にわいてくる典型的な難癖が出てきている。

熱中症に関しては、以前にも『原発止めたら弱者が死ぬ』の嘘 - アナログとデジタルの狭間でで書いたが、

東京新聞2011年6月30日総合欄の記事より

「救急医学会の調査では、熱中症で重症化した高齢者のうち、5割はエアコンがなく、4割はエアコンを使っていなかった。エアコン使っていたのに重症になった人は1割にすぎない」

実際には電力不足以前の問題で、震災以前からエアコンが無い人やエアコンを使う習慣が無い人が室内で熱中症になっている場合が多い*2

最近ニュースでも「エアコン嫌いでエアコンを使わなかった結果、熱中症で死亡した」ということや、「エアコン自体を持っていない人が熱中症で死亡した」といったことが報道されている。

「エアコン嫌い…」高齢3姉妹そろって死亡、熱中症か - 産経ニュース

姉妹が倒れているのを訪ねてきた知人女性発見。すでに死亡していたといい、警視庁板橋署は熱中症の疑いがあるとみている。

親族に同署が事情を聴いたところ、姉妹は普段からエアコンが嫌い」と話していたといい、使用した形跡はなかった。

東京新聞:ページが見つかりませんでした(TOKYO Web)

 東京都内で独り暮らしの高齢の男女二人が熱中症の疑いで死亡し、誰にも気付かれないまま二〜三週間ほど過ぎてから発見されていたことが、警視庁と東京都監察医務院への取材で分かった。二人とも室内にエアコンがなかった。

以上から、熱中症対策必要なのは、熱中症予防方法の適切な啓蒙と、望むならだれでもエアコン扇風機*3が使えるような福祉・再分配である

力不足節電のせいで熱中症が発生しているというのは短絡的な妄想に過ぎない。そのような妄想を主張しても、熱中症は減らず誰も幸せにはしない。

そもそも、太陽光発電のおかげもあって電力不足が遠のいているという記事に対して、「熱中症ガー」という人達には数字を見せても、電力不足で熱中症という短絡的な感覚を変えないかも知れないが…

なお、熱中症に関する統計情報はこちらが詳しい。

熱中症対策に関する検討会で紹介された熱中症対策について|厚生労働省

*1id:sisya節電ムードが定着してしまったせいで熱中症が常態化していること」id:tennteke「仮に電気が足りてるんだとしても、熱中症で倒れる人が多いんじゃ本末転倒。なんのためのエネルギー開発だと思ってるんだか。」

*2id:You-me震災後の家庭での熱中症発症事例の多さを見て節電のせいだと思ったみたいだが、これで回答になるだろうか?

*3恐ろしいことに扇風機すら持っていない人が少なくない。家庭での熱中症発病者のうち3割が持ってなかったようだ。P38住宅内における熱中症患者の暑さ対策実施状況参照

2015-08-08

夏の電力に余裕がある理由の一つはやっぱり太陽光発電にありそうな件

夏の電力に余裕がある理由の一つはやっぱり太陽光発電にありそうな件を含むブックマーク 夏の電力に余裕がある理由の一つはやっぱり太陽光発電にありそうな件のブックマークコメント

下記の朝日記事を信じたくない人たちでブクマがいっぱいなので突っ込んでおく。

長々と記事を読みたくない人向けに先に結論だけ書くと、政府・電力会社の下記の電力需給予測の時点で太陽光発電は最大電供給力の3%ほどを担うという見込みだった*1。この予測はひどく慎重な予測なので、去年の実績から類推した場合、今年の夏の実績は最大電供給力の6%ほどを担っていると考えられる。太陽光発電が全く無ければ、節電が呼び掛けられる程度には電力が逼迫していた可能性が非常に高かった。

太陽光発電の普及・節電定着…猛暑でも電力にゆとり:朝日新聞デジタル

東京都心で7日、最高気温35度以上の「猛暑日」が過去最長の8日連続となるなど、各地で記録的な猛暑が続くなかで、大手電力各社は比較的余裕のある電力供給を続けている。すべての原発は止まったままだが、太陽光発電の普及や節電の定着で、真夏の電力不足心配は遠のいている

 電力供給にどれだけ余裕があるかは、その日の電気の供給力と、一日で最も電力の需要が多いピーク時を比べた「最大電力使用率」でわかる。東京電力関西電力場合、これが90%以上だと電力の余裕が「やや厳しい」、95%以上だと「厳しい」とされる。100%に近づくと、必要な電力に供給が追いつかず、停電の恐れがでてくる。

(略)

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)のもと、太陽光発電の導入量がこの5年間で10倍近くに急増。晴れた日に発電量が多くなる太陽光が夏のピークに対応し、電力供給の安定につながっている。

 一方で、夏のピーク時の電力需要も、震災前と比べて十数%ほど少ない。LED照明への切り替えなど、企業や家庭で節電の取り組みが広がっているためだ。

というわけで以下詳細。

2015夏季電力需給検証小委員会報告書

まず電力需給検証委員会から出されている報告を見ると、政府・電力会社の予測としては最大電力需要が16260万kW、それに対し最大供給力が17334万kW、電力予備率が6.6%という予測だった。

では実績はどうだったか。

電力広域的運営推進機関(OCCTO)が公表している*2データによると、最大電力需要が8月6日で16200万kW、最大供給力が18140万kW、電力予備率は10%以上を保つ状態となっている。

大電力需要はほぼ予測通りだが、それに対して最大供給力が806万kW増えている。火力発電が何基か故障しているものもある中で*3最大供給力が増えている一要因は太陽光発電にある。

太陽光発電の供給力は政府の予測では510万kWとなっており、最大電供給力の約3%とされていた*4。この予測は慎重に見積もった数字で、去年はなんと2倍以上過小に見積もっていた*5。その去年の実績から判断すると1100万kWを太陽光発電*6が発電した可能性が高い。この数字は最大電供給力の6%にも登り、太陽光発電が無ければ電力の余裕が95%以上となり、上記記事にある電力会社基準の「厳しい」になっていた可能性が高い。

*1id:ottyankoさんにスターがいっぱい集まっているようだけれど、予測の時点で全体量の1%を超えているんだけど、現実を見たくない人が多すぎだろう

*2no titleより、最大電力需要実績が「需要実績」より、最大供給力が「需要予想、供給力予報」より拾った

*3:例えば、東電の火力発電所がトラブルで停止 受給に支障はなし  :日本経済新聞

*4:510万kW/17334万kW=2.9%

*5:去年の太陽光発電の供給力見積もりが268万kWに対して、実績は633万kW。差は実に2.3倍という差がある。

*6:今年の太陽光発電の導入予測量と去年の実の各地域の出力比率を掛け計算

hazakurakeitahazakurakeita 2015/08/09 23:54 今年の春時点で政府は節電要請不要と判断しています。
昨年と比較しても太陽光の発電能力がかなり増強されているようですね。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS22H5Y_S5A520C1EE8000/

tei_wa1421tei_wa1421 2015/08/11 23:44 id:hazakurakeita さん
その記事の元ネタが紹介している2015夏季電力需給検証小委員会報告書になりますね。

hazakurakeitahazakurakeita 2015/08/12 11:08 なるほど。つまり太陽光の発電量が春の予想供給量を大幅に上回っているんですね。
その結果、この猛暑でも電力不足にならないと。そもそも暑い=晴れですから太陽光も供給増えますしね。

sanasana 2015/09/15 12:45 土地に余裕のない日本では、太陽光発電は有用でないことが、鬼怒川の水害で証明されましたね。

sanasana 2015/09/15 12:45 土地に余裕のない日本では、太陽光発電は有用でないことが、鬼怒川の水害で証明されましたね。

2015-06-24

とあるアメリカ軍予備役州兵の場合もしくはアメリカの恐るべき合理性

とあるアメリカ軍予備役州兵の場合もしくはアメリカの恐るべき合理性を含むブックマーク とあるアメリカ軍予備役州兵の場合もしくはアメリカの恐るべき合理性のブックマークコメント

安保法制および徴兵制についての議論の中での自民党の佐藤正久発言

民主党が吹聴する「徴兵制復活」 “ヒゲの隊長”が一刀両断 (1/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK

自民党の佐藤正久防衛政務官一刀両断した。

 「現代戦において、シロウトが突然加わって部隊機能を果たすというのは、ほぼ無理な話だ」

「穴を掘って近接戦闘で小銃を撃つ、という時代ならいざ知らず、現代戦では、高性能の兵器システムを使いこなすことが求められる。高校大学を出て入隊した若者がこうした域に達するには、大体10年かかる。日本人価値観に照らしても、徴兵制が受け入れられる土壌はない。徴兵制の導入は非現実的というほかない」

自衛隊では現代戦を戦うために10年はかかるらしい。ではアメリカ軍の場合はというと

戦争社会アメリカ:州兵の再雇用問題: 暗いニュースリンク

イラク戦争の退役軍人についての問題を扱った記事だが、その中で「高性能の兵器であるブラックホークパイロットを務めた予備役州兵についての話が書かれていた*1

その話で出てきた経歴をまとめると訓練状況が大体わかる。

2002年大学在学中に州兵に入隊*2
   卒業高校教師に着きながら、予備役州兵として月一回の訓練を受ける。
2005年招集を受け州兵の航空学校にて訓練開始。
2006年イラクにてブラックホークパイロットとして実戦任務に就く。

記事の中でこのルイスという人は入隊後は在学中の訓練とその後の予備役として月一回の訓練、そしてパイロットとしては1年少々の訓練。高校教師兼予備役としての期間を入れても4年足らずの訓練で「高性能の兵器であるブラックホークパイロットや、「システム」を使いこなすことが求められる中隊指揮官を務めるまでになっている*3

徴兵制自体の是非はともかく*4、高性能の兵器システムを使いこなすには訓練が10年必要という事実はアメリカ軍には無いようだ。元防衛政務官かつ元自衛隊である佐藤正久発言ですらここまで現実裏付けの無いもので、その佐藤正久が自民党では軍事専門家と見られているという事実には恐ろしさを感じる。

*1:色々と興味深い記事なのでぜひ読むことをお勧めする。

*2ROTC等を在学中に訓練を受けていると思われる

*3恐ろしいことにイラクに移動後の実戦の中での「OJT」も描かれているが

*4個人的には徴兵制という形にはならず、より醜悪な格差に基づく経済徴兵制といった形を取るだろうと思う。

2014-09-11

川内原発のパブリックコメントで安全神話が復活しているんだが

川内原発のパブリックコメントで安全神話が復活しているんだがを含むブックマーク 川内原発のパブリックコメントで安全神話が復活しているんだがのブックマークコメント

川内原発の審査書を原子力規制委員会で了承された。また同時に審査書案へのパブリックコメントへの回答が一部ながらだされた。いろいろと問題点の多い回答があるのだが、特に気になった点があったのでここに書いておく。

内容は下記に引用したが、パブリックコメントの事故確立に関しての質問に対して、原子力規制委員会は事故頻度が100万炉年に一回を目標にして審査しているので安全であると回答している。

九州電力株式会社川内原子力発電所1 号炉及び2 号炉の審査書案に対する意見募集の結果等及び発電用原子炉設置変更許可について(案)

意見

・原発のリスクがどの程度残ったかについて、規制委員会リスク評価文書をつくり至急公表していただきたい。我々が知りたいのは規制強化によってどの程度リスクが減り、原発の安全性が今後どの程度保証されるのかについての委員会判断である

Cs-137 の放出量が100TBqを下回っていることを確認とあるが、実際にはこれを超える残余のリスクがあることを明示すべき。

回答

・原子力規制委員会では、事故による大量の放射性物質の放出頻度を安全目標として、セシウム137の放出量が100TBqを超えるような事故発生頻度が「100万炉年に1回」程度を超えないように抑制されるべきと言う目標を設定しています。これは規制基準として直接的に用いられるものではありませんが、新規制基準を満たした原子炉については、この安全目標についても概ね達成できるものと考えています。川内原子力発電所については、様々な重大事故を想定した上で、最も厳しいケースにおいては、放出される放射性物質のうちセシウム137の放出量は約5.6TBq(※7日間の数値)になると評価されています。これを上回る事故が発生することや、想定通りの事故対応が出来ないこともあり得ますが、新規制基準を踏まえて準備した様々な対応により、その可能性は相当程度低く抑えられるものと考えています。

しかし震災前の評価でも同様に100万炉年に一度の事故頻度であるといっていた*1。これではなにがどう原子力着せ委員会になって変わったのだろうか。

原子力発電はどれくらい安全か

(原子力システムニュースVol.15,No.4(2005.3)に掲載

3.原子炉事故の頻度を考慮

自動車事故は毎年発生しているが、炉心損傷事故は生涯の80年間に一度も起こらないと考えてよい。

事実わが国では約1,000炉・年(各原子炉の運転年数を全原子力発電所について加算した総和)の運転実績があるが、大量の核分裂生成物を放出するような炉心損傷事故は一度も起こしていない。このことは一基(炉)の原子力発電所に換算すると、1,000年間も炉心損傷事故を起こしていないことを意味する。

一方、確率論的リスク評価手法を用いて、わが国の原子力発電所における配管破断、機器故障の実績および人間の作業ミスなどの実情を基にして炉心損傷頻度を評価している。そして炉心損傷事故の頻度は炉・年あたり1×10−7以下と評価されている。

(略)

4.終わりに

以上の話は、読者の皆さんが始めて聞くことかもしれないが、これは客観的事実である

実際の事故頻度の実績が約500炉年に一度*2である。工学においては現場現物現実が最も重要でいかにきれいな数式ができようがそれを反映しない限り何も意味がない。原子力規制委員会が行っていることは現実をみてないのではないだろうか。

私には再び安全神話回帰使用としてるようにしか見えない。

*1:1*10^-7=100万炉年に一度の頻度

*2:日本の実績事故頻度